JP2882546B2 - γ−ラクトン類の製造方法 - Google Patents
γ−ラクトン類の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルーツ様、ピーチ
様、バター様、ミルク様などの香気を有し、従来から食
品用ならびに香粧品用の調合香料素材として利用されて
いるγ−ペンチル−γ−ラクトン、γ−ヘキシル−γ−
ラクトン、γ−ヘプチル−γ−ラクトン、γ−オクチル
−γ−ラクトンなどを包含する下記式(1)
様、バター様、ミルク様などの香気を有し、従来から食
品用ならびに香粧品用の調合香料素材として利用されて
いるγ−ペンチル−γ−ラクトン、γ−ヘキシル−γ−
ラクトン、γ−ヘプチル−γ−ラクトン、γ−オクチル
−γ−ラクトンなどを包含する下記式(1)
【0002】
【化4】
【0003】式中、R1 は水素原子またはC 1 〜C 15
のアルキル基を示し、R 2 は水素原子、メチル基または
エチル基を示すか、或いはR 1 とR 2 は一緒になってブ
チレン基またはペンチレン基を示し、R 3 は水素原子ま
たはC 1 〜C 15 のアルキル基を示し、R 4 およびR 5
は同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素原子
またはメチル基を示す、のγ−ラクトン類の新規な製法
に関する。
のアルキル基を示し、R 2 は水素原子、メチル基または
エチル基を示すか、或いはR 1 とR 2 は一緒になってブ
チレン基またはペンチレン基を示し、R 3 は水素原子ま
たはC 1 〜C 15 のアルキル基を示し、R 4 およびR 5
は同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素原子
またはメチル基を示す、のγ−ラクトン類の新規な製法
に関する。
【0004】
【従来の技術】従来、前記式(1)で表されるγ−ラク
トン類の製造法にはいくつかの方法が知られており、例
えばアクリル酸エステルと第1級アルコールとをジ第3
級ブチルパーオキシドとリン酸塩および/または硫酸塩
との存在下で加熱反応させてγ−アルキル−γ−ラクト
ンを製造する方法(特開昭51−95058号公報)、
またアクリル酸エステルと1級アルコールとを有機過酸
化物と鉱酸および/または有機酸の存在下に反応させて
γ−アルキル−γ−ラクトンを合成する方法(特開昭5
5−133371号公報)などが提案されている。
トン類の製造法にはいくつかの方法が知られており、例
えばアクリル酸エステルと第1級アルコールとをジ第3
級ブチルパーオキシドとリン酸塩および/または硫酸塩
との存在下で加熱反応させてγ−アルキル−γ−ラクト
ンを製造する方法(特開昭51−95058号公報)、
またアクリル酸エステルと1級アルコールとを有機過酸
化物と鉱酸および/または有機酸の存在下に反応させて
γ−アルキル−γ−ラクトンを合成する方法(特開昭5
5−133371号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案のリン酸塩、硫酸塩、鉱酸、有機酸の存在下で反
応を行う方法では、反応収率に影響を及ぼす程度の副反
応生成物を生じるため、収率の点で必ずしも満足できる
ものではなく、また反応終了後の処理操作も煩雑になる
などの欠点を有しており、更に改善された工業的に有利
な製造方法の確立が強く望まれている。
来提案のリン酸塩、硫酸塩、鉱酸、有機酸の存在下で反
応を行う方法では、反応収率に影響を及ぼす程度の副反
応生成物を生じるため、収率の点で必ずしも満足できる
ものではなく、また反応終了後の処理操作も煩雑になる
などの欠点を有しており、更に改善された工業的に有利
な製造方法の確立が強く望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決しうる工業的に有利な新規製造法を確立するた
め鋭意研究を行ってきた。その結果、或る種のアルコー
ル類と特定の2−アルケン酸エステル類との反応を有機
過酸化物および窒素含有塩基の存在下で行うことによ
り、前記式(1)で表されるγ−ラクトン類を予想外の
好収率、好純度且つ副反応生成物をほとんど伴うことな
しに合成できることが見出された。
題を解決しうる工業的に有利な新規製造法を確立するた
め鋭意研究を行ってきた。その結果、或る種のアルコー
ル類と特定の2−アルケン酸エステル類との反応を有機
過酸化物および窒素含有塩基の存在下で行うことによ
り、前記式(1)で表されるγ−ラクトン類を予想外の
好収率、好純度且つ副反応生成物をほとんど伴うことな
しに合成できることが見出された。
【0007】かくして、本発明によれば、或る種のアル
コール類と特定の2−アルケン酸エステル類を有機過酸
化物および含窒素化合物の存在下に加熱反応させること
を特徴とする式(1)で表されるγ−ラクトン類の製造
方法が提供される。本発明の式(1)化合物の製造方法
を反応式で示すと以下のように表すことができる。
コール類と特定の2−アルケン酸エステル類を有機過酸
化物および含窒素化合物の存在下に加熱反応させること
を特徴とする式(1)で表されるγ−ラクトン類の製造
方法が提供される。本発明の式(1)化合物の製造方法
を反応式で示すと以下のように表すことができる。
【0008】
【化5】
【0009】式中、R1、R2、R3、R4 、R 5 およ
びR 6 は前記の意味を有する、上記反応式Aに従って式
(1)の化合物の製造法を詳細に説明する。
びR 6 は前記の意味を有する、上記反応式Aに従って式
(1)の化合物の製造法を詳細に説明する。
【0010】上記式(2)および式(3)の化合物から
本発明の上記式(1)の化合物を合成するには、有機過
酸化物および含窒素化合物の存在下に加熱反応させるこ
とにより行うことができる。
本発明の上記式(1)の化合物を合成するには、有機過
酸化物および含窒素化合物の存在下に加熱反応させるこ
とにより行うことができる。
【0011】本発明で使用する式(2)の化合物は、第
1級および第2級のアルコールを包含するアルコール類
であり、これらは市販品として安価且つ容易に入手する
ことができる。第1級アルコールの具体的な化合物とし
ては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペン
タノール、2−メチルブタノール、ヘキサノール、2−
メチルペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2
−エチルヘキサノール、ノナノール、3,5,5−トリ
メチルヘキサノール、デカノール、ウンデカノール、ド
デカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペン
タデカノール、ヘキサデカノールなど;また第2級アル
コールの具体例としては、例えばイソプロパノール、ブ
タン−2−オール、ペンタン−2−オール、ペンタン−
3−オール、ヘキサン−2−オール、ヘプタン−2−オ
ール、オクタン−2−オール、ノナン−2−オール、デ
カン−2−オール、ドデカン−2−オール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノールなどを挙げることができ
る。
1級および第2級のアルコールを包含するアルコール類
であり、これらは市販品として安価且つ容易に入手する
ことができる。第1級アルコールの具体的な化合物とし
ては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペン
タノール、2−メチルブタノール、ヘキサノール、2−
メチルペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2
−エチルヘキサノール、ノナノール、3,5,5−トリ
メチルヘキサノール、デカノール、ウンデカノール、ド
デカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペン
タデカノール、ヘキサデカノールなど;また第2級アル
コールの具体例としては、例えばイソプロパノール、ブ
タン−2−オール、ペンタン−2−オール、ペンタン−
3−オール、ヘキサン−2−オール、ヘプタン−2−オ
ール、オクタン−2−オール、ノナン−2−オール、デ
カン−2−オール、ドデカン−2−オール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノールなどを挙げることができ
る。
【0012】これらアルコール類の使用量は、式(3)
の化合物に対して過剰に用いるのがよく、例えば式
(3)の化合物1モルに対して1モル以上、より好まし
くは5モル〜20モル程度を例示することができる。
の化合物に対して過剰に用いるのがよく、例えば式
(3)の化合物1モルに対して1モル以上、より好まし
くは5モル〜20モル程度を例示することができる。
【0013】本発明で用いる式(3)の2−アルケン酸
エステル類も市販品として容易に入手することができ、
C1〜C8鎖状アルコールと2−アルケン酸のエステルと
して表すことができる。該鎖状アルコールとしては、例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノー
ル、イソペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノールなどを挙げることができ、また2−アルケ
ン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタアクリ
ル酸、クロトン酸、セネシオン酸、チグリン酸、アンゲ
リカ酸、2−ペンテン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2
−ヘプテン酸、2−オクテン酸、2−ノネン酸、2−デ
セン酸、2−ドデセン酸、2−テトラデセン酸、2−ヘ
キサデセン酸、2−オクタデセン酸などを例示すること
ができる。
エステル類も市販品として容易に入手することができ、
C1〜C8鎖状アルコールと2−アルケン酸のエステルと
して表すことができる。該鎖状アルコールとしては、例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノー
ル、イソペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノールなどを挙げることができ、また2−アルケ
ン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタアクリ
ル酸、クロトン酸、セネシオン酸、チグリン酸、アンゲ
リカ酸、2−ペンテン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、2
−ヘプテン酸、2−オクテン酸、2−ノネン酸、2−デ
セン酸、2−ドデセン酸、2−テトラデセン酸、2−ヘ
キサデセン酸、2−オクタデセン酸などを例示すること
ができる。
【0014】本発明で使用する有機過酸化物としては、
例えば1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン(以下、「BBPC」と称する)、ベンゾイル
パーオキシド(以下、「BPO」と称する)、ジ−t−
ブチルパーオキシド(以下、「DBPO」と称する)、
メチルエチルケトンパーオキシド(以下、「MEKPと
称する」)、t−ブチルパーオキシアセテート(以下、
「BPOA」と称する)、t−ブチルヒドロパーオキシ
ド(以下、「BHPO」と称する)、シクロヘキサノン
パーオキシド(以下、「CHPO」と称する)、1,1
−ビス−(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(以下、「BBTC」と称する)、
2,2−ビス−(t−ブチルパーオキシ)ブタン(以
下、「BBPB」と称する)、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート(以下、「BPIC」と称す
る)などを挙げることができる。
例えば1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン(以下、「BBPC」と称する)、ベンゾイル
パーオキシド(以下、「BPO」と称する)、ジ−t−
ブチルパーオキシド(以下、「DBPO」と称する)、
メチルエチルケトンパーオキシド(以下、「MEKPと
称する」)、t−ブチルパーオキシアセテート(以下、
「BPOA」と称する)、t−ブチルヒドロパーオキシ
ド(以下、「BHPO」と称する)、シクロヘキサノン
パーオキシド(以下、「CHPO」と称する)、1,1
−ビス−(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(以下、「BBTC」と称する)、
2,2−ビス−(t−ブチルパーオキシ)ブタン(以
下、「BBPB」と称する)、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート(以下、「BPIC」と称す
る)などを挙げることができる。
【0015】これら有機過酸化物の使用量は厳密に制限
されるものではないが、一般には、式(3)の化合物1
モルに対して、例えば約1モル%〜約50モル%程度、
好ましくは約5モル%〜約30モル%程度を示すことが
できる。該有機過酸化物の使用量が1モル%より少ない
と、式(1)の化合物の反応収率が低下し、また50モ
ル%以上使用しても収率の向上は望めず、逆に副反応生
成物が増加するので好ましくない。
されるものではないが、一般には、式(3)の化合物1
モルに対して、例えば約1モル%〜約50モル%程度、
好ましくは約5モル%〜約30モル%程度を示すことが
できる。該有機過酸化物の使用量が1モル%より少ない
と、式(1)の化合物の反応収率が低下し、また50モ
ル%以上使用しても収率の向上は望めず、逆に副反応生
成物が増加するので好ましくない。
【0016】また、この反応に用いる含窒素化合物の具
体例としては、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジブチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ピロリジン、モ
ルホリン、ピペリジンなどの第2級アミン類;ピリジ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンな
どの第3級アミン類;上記第2級アミン類および第3級
アミン類の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、
酢酸塩類、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロオキ
シド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリ
メチルベンジルアンモニウムブロミドなどの第4級アン
モニウム塩類などを例示することができる。
体例としては、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジブチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ピロリジン、モ
ルホリン、ピペリジンなどの第2級アミン類;ピリジ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンな
どの第3級アミン類;上記第2級アミン類および第3級
アミン類の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、
酢酸塩類、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロオキ
シド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリ
メチルベンジルアンモニウムブロミドなどの第4級アン
モニウム塩類などを例示することができる。
【0017】これら窒素含有塩基の使用量もまた厳密に
制限されるものではなく、例えば式(3)の化合物に対
して約0.5〜約10重量%程度、好ましくは約1〜約
5重量%程度を示すことができる。
制限されるものではなく、例えば式(3)の化合物に対
して約0.5〜約10重量%程度、好ましくは約1〜約
5重量%程度を示すことができる。
【0018】上記反応の反応温度は、有機過酸化物が分
解する温度以上であるのが好ましく、このような温度と
しては、使用する有機過酸化物の種類によっても異なる
が、例えば約50℃以上、好ましくは約100℃〜約1
80℃を挙げることができる。有機過酸化物の分解温度
以下の反応温度では、反応の進行が遅く、収率が極めて
悪くなり、また分解温度を必要以上にこえた反応温度で
も収率が低下するので好ましくない。
解する温度以上であるのが好ましく、このような温度と
しては、使用する有機過酸化物の種類によっても異なる
が、例えば約50℃以上、好ましくは約100℃〜約1
80℃を挙げることができる。有機過酸化物の分解温度
以下の反応温度では、反応の進行が遅く、収率が極めて
悪くなり、また分解温度を必要以上にこえた反応温度で
も収率が低下するので好ましくない。
【0019】このような温度条件下で行う反応の形態
は、反応に使用する式(2)のアルコール類の種類によ
り異なり、例えば、有機過酸化物の分解温度以上の沸点
を有するアルコール類の場合は大気圧条件下で反応を行
うことができる。また、有機過酸化物の分解温度以下の
沸点を有するアルコール類を用いる場合には、オートク
レーブなどの密閉加圧条件下で反応を行うのが好まし
い。
は、反応に使用する式(2)のアルコール類の種類によ
り異なり、例えば、有機過酸化物の分解温度以上の沸点
を有するアルコール類の場合は大気圧条件下で反応を行
うことができる。また、有機過酸化物の分解温度以下の
沸点を有するアルコール類を用いる場合には、オートク
レーブなどの密閉加圧条件下で反応を行うのが好まし
い。
【0020】この反応の反応時間は反応温度によっても
異なり、適宜に選択することができ、例えば約2時間〜
約20時間程度の範囲を好ましく示すことができる。更
に、上記反応は有機溶媒中でも行うことができる。該溶
媒としては、例えばデカリン、デカン、ドデカンなどの
飽和炭化水素などを示すことができ、その使用量は、例
えば式(2)の化合物に対して約1〜約20重量倍程度
で行うことができる。反応終了後は、有機溶媒による抽
出処理、蒸留、カラムクロマトグラフなどの手段を用い
て分離、精製することにより式(1)の化合物を好純
度、好収率に製造することができる。
異なり、適宜に選択することができ、例えば約2時間〜
約20時間程度の範囲を好ましく示すことができる。更
に、上記反応は有機溶媒中でも行うことができる。該溶
媒としては、例えばデカリン、デカン、ドデカンなどの
飽和炭化水素などを示すことができ、その使用量は、例
えば式(2)の化合物に対して約1〜約20重量倍程度
で行うことができる。反応終了後は、有機溶媒による抽
出処理、蒸留、カラムクロマトグラフなどの手段を用い
て分離、精製することにより式(1)の化合物を好純
度、好収率に製造することができる。
【0021】このようにして得ることのできる式(1)
の化合物の具体例として、例えば、γ−ブチロラクト
ン、γ−メチル−γ−ラクトン、γ−エチル−γ−ラク
トン、γ−プロピル−γ−ラクトン、γ−イソプロピル
−γ−ラクトン、γ−ブチル−γ−ラクトン、γ−イソ
ブチル−γ−ラクトン、γ−ペンチル−γ−ラクトン、
γ−イソペンチル−γ−ラクトン、γ−ヘキシル−γ−
ラクトン、γ−ヘプチル−γ−ラクトン、γ−オクチル
−γ−ラクトン、γ−ノニル−γ−ラクトン、γ−デシ
ル−γ−ラクトン、γ−ドデシル−γ−ラクトン、γ−
テトラデシル−γ−ラクトン、γ−(2−メチルプロピ
ル)−γ−ラクトン、γ−(1−メチルブチル)−γ−
ラクトン、γ−(1−エチルペンチル)−γ−ラクト
ン、γ−(2,4,4−トリメチルペンチル)−γ−ラ
クトンなどのモノ置換γ−ラクトン類;α−メチル−γ
−ペンチル−γ−ラクトン 、α−メチル−γ−ヘプチ
ル−γ−ラクトン、β−メチル−γ−プロピル−γ−ラ
クトン、β−メチル−γ−ブチル−γ−ラクトン、β−
メチル−γ−ペンチル−γ−ラクトン、β−メチル−γ
−ヘプチル−γ−ラクトン、β−エチル−γ−ペンチル
−γ−ラクトン、β−プロピル−γ−ペンチル−γ−ラ
クトンなどのジ置換γ−ラクトン類;α,β−ジメチル
−γ−ペンチル−γ−ラクトン、α,β−ジメチル−γ
−ヘキシル−γ−ラクトン、α,β−ジメチル−γ−ヘ
プチル−γ−ラクトン、β,β−ジメチル−γ−ペンチ
ル−γ−ラクトン、β,β−ジメチル−γ−ヘプチル−
γ−ラクトン、α−メチル−β−エチル−γ−ペンチル
−γ−ラクトン、α−メチル−β−エチル−γ−ヘプチ
ル−γ−ラクトンなどのトリ置換γ−ラクトン類;α,
β,γ−トリメチル−γ−ブチル−γ−ラクトン、α,
β,γ−トリメチル−γ−ヘキシル−γ−ラクトン、
β,β,γ−トリメチル−γ−プロピル−γ−ラクトン
などのテトラ置換γ−ラクトン類;1−オキサスピロ
(4.4)ノナン−2−オン、1−オキサスピロ(5.
4)デカン−2−オンなどのスピロ−γ−ラクトン類な
どを好ましく例示することができる。
の化合物の具体例として、例えば、γ−ブチロラクト
ン、γ−メチル−γ−ラクトン、γ−エチル−γ−ラク
トン、γ−プロピル−γ−ラクトン、γ−イソプロピル
−γ−ラクトン、γ−ブチル−γ−ラクトン、γ−イソ
ブチル−γ−ラクトン、γ−ペンチル−γ−ラクトン、
γ−イソペンチル−γ−ラクトン、γ−ヘキシル−γ−
ラクトン、γ−ヘプチル−γ−ラクトン、γ−オクチル
−γ−ラクトン、γ−ノニル−γ−ラクトン、γ−デシ
ル−γ−ラクトン、γ−ドデシル−γ−ラクトン、γ−
テトラデシル−γ−ラクトン、γ−(2−メチルプロピ
ル)−γ−ラクトン、γ−(1−メチルブチル)−γ−
ラクトン、γ−(1−エチルペンチル)−γ−ラクト
ン、γ−(2,4,4−トリメチルペンチル)−γ−ラ
クトンなどのモノ置換γ−ラクトン類;α−メチル−γ
−ペンチル−γ−ラクトン 、α−メチル−γ−ヘプチ
ル−γ−ラクトン、β−メチル−γ−プロピル−γ−ラ
クトン、β−メチル−γ−ブチル−γ−ラクトン、β−
メチル−γ−ペンチル−γ−ラクトン、β−メチル−γ
−ヘプチル−γ−ラクトン、β−エチル−γ−ペンチル
−γ−ラクトン、β−プロピル−γ−ペンチル−γ−ラ
クトンなどのジ置換γ−ラクトン類;α,β−ジメチル
−γ−ペンチル−γ−ラクトン、α,β−ジメチル−γ
−ヘキシル−γ−ラクトン、α,β−ジメチル−γ−ヘ
プチル−γ−ラクトン、β,β−ジメチル−γ−ペンチ
ル−γ−ラクトン、β,β−ジメチル−γ−ヘプチル−
γ−ラクトン、α−メチル−β−エチル−γ−ペンチル
−γ−ラクトン、α−メチル−β−エチル−γ−ヘプチ
ル−γ−ラクトンなどのトリ置換γ−ラクトン類;α,
β,γ−トリメチル−γ−ブチル−γ−ラクトン、α,
β,γ−トリメチル−γ−ヘキシル−γ−ラクトン、
β,β,γ−トリメチル−γ−プロピル−γ−ラクトン
などのテトラ置換γ−ラクトン類;1−オキサスピロ
(4.4)ノナン−2−オン、1−オキサスピロ(5.
4)デカン−2−オンなどのスピロ−γ−ラクトン類な
どを好ましく例示することができる。
【0022】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【0023】
【実施例1】β−メチル−γ−プロピル−γ−ラクトン
の合成 1リットルのオートクレーブにブタノール444g
(6.0モル)、クロトン酸メチル60g(0.6モ
ル)、ブチルアミン1.2gおよび1,1−ビス−t−
ブチルパーオキシシクロヘキサン11.1g(0.03
モル)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、
撹拌しながらゆるやかに加熱する。オートクレーブ内の
温度が140℃〜150℃(内圧力3Kg/cm2)に
上昇した後、更に同温度で1時間反応させる。反応終了
後、冷却、釜出しした反応生成物から未反応のブタノー
ルを減圧下に回収し、残渣51.9gを得た。得られた
残渣を蒸留し、純度100%のβ−メチル−γ−プロピ
ル−γ−ラクトン26.5g(収率31.2%)を得
た。
の合成 1リットルのオートクレーブにブタノール444g
(6.0モル)、クロトン酸メチル60g(0.6モ
ル)、ブチルアミン1.2gおよび1,1−ビス−t−
ブチルパーオキシシクロヘキサン11.1g(0.03
モル)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、
撹拌しながらゆるやかに加熱する。オートクレーブ内の
温度が140℃〜150℃(内圧力3Kg/cm2)に
上昇した後、更に同温度で1時間反応させる。反応終了
後、冷却、釜出しした反応生成物から未反応のブタノー
ルを減圧下に回収し、残渣51.9gを得た。得られた
残渣を蒸留し、純度100%のβ−メチル−γ−プロピ
ル−γ−ラクトン26.5g(収率31.2%)を得
た。
【0024】
【実施例2】γ−ヘキシル−γ−ラクトンの合成 1リットルの4径フラスコにヘプタノール626g
(5.4モル)を仕込み、フラスコ内温度が145℃に
なるまで加熱する。次にアクリル酸メチル51.6g
(0.6モル)、ヘプタノール69.6g(0.6モ
ル)、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド0.5
gおよびジ−t−ブチルパーオキシド4.4g(0.0
3モル)の溶液をリフラックス状態(145℃〜150
℃)のフラスコに6時間で滴下する。滴下終了後、還流
(150℃)させながら、更に1時間反応させる。反応
終了後、冷却した反応生成物から未反応のヘプタノール
を減圧下に回収し、残渣130gを得た。得られた残渣
を蒸留し、純度99.5%のγ−ヘキシル−γ−ラクト
ン87.7g(収率86.0%)を得た。
(5.4モル)を仕込み、フラスコ内温度が145℃に
なるまで加熱する。次にアクリル酸メチル51.6g
(0.6モル)、ヘプタノール69.6g(0.6モ
ル)、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド0.5
gおよびジ−t−ブチルパーオキシド4.4g(0.0
3モル)の溶液をリフラックス状態(145℃〜150
℃)のフラスコに6時間で滴下する。滴下終了後、還流
(150℃)させながら、更に1時間反応させる。反応
終了後、冷却した反応生成物から未反応のヘプタノール
を減圧下に回収し、残渣130gを得た。得られた残渣
を蒸留し、純度99.5%のγ−ヘキシル−γ−ラクト
ン87.7g(収率86.0%)を得た。
【0025】
【実施例3〜16】実施例1および実施例2の合成方法
に準じて、式(2)のアルコール類、式(3)の2−ア
ルケン酸エステル類、有機過酸化物および含窒素化合物
を適宜に組み合わせて、各種の式(1)のγ−ラクトン
類を製造した。その結果(収率)を表1に示す。
に準じて、式(2)のアルコール類、式(3)の2−ア
ルケン酸エステル類、有機過酸化物および含窒素化合物
を適宜に組み合わせて、各種の式(1)のγ−ラクトン
類を製造した。その結果(収率)を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【比較例1〜5】実施例1および実施例2において、本
発明の含窒素化合物の代わりにリン酸塩、硫酸塩、鉱
酸、有機酸などの従来公知の触媒を用いた以外は、実施
例1および実施例2の合成方法に準じて、各種の式
(1)のγ−ラクトン類を製造し、その収率を比較し
た。その結果を表2に示す。
発明の含窒素化合物の代わりにリン酸塩、硫酸塩、鉱
酸、有機酸などの従来公知の触媒を用いた以外は、実施
例1および実施例2の合成方法に準じて、各種の式
(1)のγ−ラクトン類を製造し、その収率を比較し
た。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】上記実施例および比較例の表からわかるよ
うに、含窒素化合物の存在下で反応させる本発明は、従
来公知の触媒の存在下で反応させる従来法と比較して収
率の点で優位差が認められる。
うに、含窒素化合物の存在下で反応させる本発明は、従
来公知の触媒の存在下で反応させる従来法と比較して収
率の点で優位差が認められる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、副反応に伴う生成物を
抑制することができ、且つ好収率、好純度でもって式
(1)のγ−ラクトン類を合成できる新規製法の提供が
可能になる。即ち、式(2)のアルコール類と式(3)
の2−アルケン酸エステル類を有機過酸化物および含窒
素化合物の存在下にわずか一工程で反応させる工業的に
有利な製法を提供するものである。
抑制することができ、且つ好収率、好純度でもって式
(1)のγ−ラクトン類を合成できる新規製法の提供が
可能になる。即ち、式(2)のアルコール類と式(3)
の2−アルケン酸エステル類を有機過酸化物および含窒
素化合物の存在下にわずか一工程で反応させる工業的に
有利な製法を提供するものである。
【0031】更に、本発明により提供できる式(1)の
γ−ラクトン類は、フルーツ様、ピーチ様、バター様、
ミルク様などの香気を有し、食品用および香粧品用調合
香料の素材として有用である。
γ−ラクトン類は、フルーツ様、ピーチ様、バター様、
ミルク様などの香気を有し、食品用および香粧品用調合
香料の素材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 割田 泰裕 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川 香料株式会社川崎研究所内 (72)発明者 田村 浩 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川 香料株式会社川崎研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−95058(JP,A) 特開 平4−54177(JP,A) 特開 昭51−23256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/32 C07D 307/33
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式(2) 【化1】 式中、R1は水素原子またはC1〜C15のアルキル基
を示し、R2は水素原子、メチル基またはエチル基を示
すか、或いはR1とR2は一緒になってブチレン基また
はペンチレン基を示す、で表されるアルコール類と下記
式(3) 【化2】 式中、R3は水素原子またはC1〜C15のアルキル基
を示し、R4およびR5は同一もしくは異なっていても
よく、それぞれ水素原子またはメチル基を示し、 R6はC1〜C8のアルキル基を示す、 で表される2−アルケン酸エステル類を、有機過酸化物
ならびに第2級アミンまたはその塩、第3級アミンまた
はその塩および第4級アンモニウム塩から選ばれる含窒
素有機化合物の存在下に加熱反応させることを特徴とす
る下記式(1) 【化3】 式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記の意味
を有する、 で表されるγ−ラクトン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5767991A JP2882546B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | γ−ラクトン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5767991A JP2882546B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | γ−ラクトン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04275282A JPH04275282A (ja) | 1992-09-30 |
JP2882546B2 true JP2882546B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=13062617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5767991A Expired - Fee Related JP2882546B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | γ−ラクトン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2882546B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101735180B (zh) * | 2009-12-24 | 2012-01-11 | 北京北大正元科技有限公司 | γ-内酯的合成方法及其香气处理方法 |
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---|---|---|---|---|
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CN104803955B (zh) * | 2015-04-24 | 2016-09-14 | 安徽华业香料股份有限公司 | 甲基癸内酯合成香料的常压生产装置及生产方法 |
CN108997270A (zh) * | 2018-08-06 | 2018-12-14 | 安徽华业香料股份有限公司 | 一种反应精馏合成丙位癸内酯合成香料的生产方法 |
CN109180616A (zh) * | 2018-08-06 | 2019-01-11 | 安徽华业香料股份有限公司 | 一种反应精馏合成丙位癸内酯合成香料的方法 |
CN112341408B (zh) * | 2020-11-24 | 2023-03-31 | 江苏宏邦化工科技有限公司 | 一种椰子醛的制备方法 |
-
1991
- 1991-03-01 JP JP5767991A patent/JP2882546B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04275282A (ja) | 1992-09-30 |
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