JP2881860B2 - フライング・プローブ・ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフライング・プローブ・ヘッド、特に、半導
体を実装する多層配線基板の検査に適用しうるフライン
グ・プローブ・ヘッドに関する。

〔従来の技術〕

従来のフライング・プローブ・ヘッドは、中央に平行
バネを有し、この平行バネと連接する一端にプローブを
取り付け、他端には磁石とヨークからなる磁気回路の空
隙内を磁束と直角な面内で直線運動するムービングコイ
ルを有した本体と、この本体を保持するスライド・レー
ルを含んで構成される。

次に従来のフライング・プローブ・ヘッドについて図
面を参照して詳細に説明する。

第２図は従来のフライング・プローブ・ヘッドの一例
を示す斜視図である。第２図においてフライング・プロ
ーブ・ヘッドの本体101の中央には平行バネ111が有り、
一端にはプローブ103、他端には箱型のムービングコイ
ル104が取り付けられている。本体101はスライド・レー
ル102に従い矢印Ｃのように上下の直線運動をし、多層
配線基板などの被検査物９のパッド10にプローブ103の
先端が当たる。ヨーク152はＥの字の右側を上にした形
状で、磁石150と151はその両側の突起した上部154,155
の内側にそれぞれ位置して磁気回路105を構成してい
る。

箱型のムービングコイル104はヨーク152の中央の突起
部153を取り巻いて、その両側のコイルは磁気回路105の
空隙内にあるため、ムービングコイル104に電流を流す
ことにより本体101を駆動出来る。平行バネ111は、プロ
ーブ103がパッド10に接触して一定量撓みプローブ103の
先端に一定のプロービング圧力を付加する。また、プロ
ーブ103がパッド10に当たるときの衝撃力を緩衝させて
パッド10の損傷を防止している。しかし、上下速度を大
きくするとパッド10へ当たる衝撃が大きくなり、平行バ
ネ111が撓んで緩衝させても損傷は防止できない。

すなわち、平行バネ111の力の強さは一定のプロービ
ング圧力を発生させるため一定の固定された強度があり
パッド100の損傷を除去することは困難であって、従来
は上下速度を大きくするとプローブ103の先端がパッド1
0に大きな損傷を与えていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来のフライング・プローブ・ヘッドは、プ
ローブの上下速度を大きくすると被検査物のパッドに大
きな損傷を与えるという欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のフライング・プローブ・ヘッドは第１のムー
ビングコイルを有し前記第１のムービングコイルに連接
した一端に被検査物のパッドに接触するプローブを設け
他端に揺動軸を設けて前記揺動軸を支点にして上下に揺
動が可能な第１の揺動アームと、前記第１の揺動アーム
の位置を検出する検出器と、前記揺動軸を中央で保持し
一端に磁石とヨークからなり前記第１のムービングコイ
ルの揺動方向と直角に磁束を与える第１の磁気回路を有
し他端に第２のムービングコイルを設けて上下に移動が
可能なスライドレールと結合した第２の揺動アームと、
磁石とヨークからなり前記第２のムービングコイルの移
動方向と直角に磁束を与える第２の磁気回路を形成する
磁気回路部と、前記位置検出器からの信号にもとずき前
記第１の揺動アームを一定の位置に保持するように前記
第１のムービングコイルを制御し前記第２の揺動アーム
が下降して前記プローブが前記被検査物のパッドに接触
するときプローブの衝撃力を弱めるように前記第１のム
ービングコイルを制御する制御装置を含んで構成され
る。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について、図面を参照して詳細
に説明する。

第１図は本発明の一実施例の構成を示す斜視図であ
る。第１図に示すフライング・プローブ・ヘッドは、揺
動アームが揺動軸２の周りに図中矢印Ａのように揺動可
能であり、また、揺動アーム１の位置を位置検出器５が
検出する。揺動アーム１の先端にはプローブ３、他端の
揺動軸２との間にはムービングコイル41が取り付けられ
ている。磁石51,52はムービングコイル41の両側面に位
置してＥ型のヨーク61の各々の上部64,65の側面に保持
され、磁気回路55を構成する。ヨーク61の中央の突起部
63を取り巻いたムービングコイル41は、電流を流すこと
により揺動軸２を支点に上下に揺動が可能となってい
る。

揺動アーム６は、先端に磁気回路55を構成する磁石51
と52を保持したヨーク61と中央には揺動軸２がそれぞれ
設けられ、他端にはムービングコイル42が設けられてい
る。そして、ムービングコイル42の一方端はスライドレ
ール７に固定されて、揺動アーム６は矢印Ｂに示すよう
に上下に移動が可能となっている。Ｅ型形状のヨーク62
は両端の上部67,68の内側に磁石53,54がそれぞれ設けら
れ磁気回路56を構成し、また、この磁気回路56の空隙内
の磁束と直角に、前記ヨーク62の中央の突起部66に外挿
されて前記ムービングコイル42が設けられている。従っ
て、ムービンゴコイル42に電流を流すと矢印Ｂに示す方
向に揺動アーム６は駆動される。

制御装置40は、配線ａによりムービングコイル41に、
配線ｂにより位置検出器５にそれぞれ接続されている。
そして、制御装置40は、位置検出器５からの信号にもと
ずき、ムービングコイル41に流す電流を制御して揺動ア
ーム１を一定の位置に保持している。また、揺動アーム
６が下降してプローブ３の先端が被検査物９のパッド10
に接触するときに、衝撃力を弱めるようにムービングコ
イル41への電流を制御し、接触後は一定の電流でムービ
ングコイル41を駆動し、プローブ３に確実に接触するよ
うに一定のプロービング圧力を付加している。検査が終
了し揺動アーム６が上昇すると、制御装置40は位置検出
５からの信号にもとずき、再び揺動アーム１をもとの一
定の位置に復帰させる。

上述してわかるように、プローブ３の先端がパッド10
に接触するとき、衝撃力を弱めるようにムービングコイ
ル41を制御し、接触後は一定のプロービング圧力を付勢
するように制御しているので、高速で動作させてもパッ
ド10を損傷させることがなく、しかも、確実にプローブ
３をパッド10に接続できる。

〔発明の効果〕

本発明のフライング・プローブ・ヘッドは、平行バネ
を設ける代りに、磁石とヨークからなる磁気回路の空隙
内に磁束と直角に揺動可能な第１のムービングコイルを
設けることにより、プローブが被検査物のパッドに接触
するときの衝撃力を弱めることができるため、パッドに
損傷を与えないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は従来
の一例を示す斜視図である。 1,6……揺動アーム、２……揺動軸、3,103……プロー
ブ、41,42,104……ムービングコイル、５……位置検出
器、55,56,105……磁気回路、7,102……スライドレー
ル、９……被検査物、10……パッド、51,52,53,54,150,
151……磁石、61,62,152……ヨーク、101……本体、111
……平行バネ、 a,b……配線、A,B,C……矢印。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１のムービングコイルを有し前記第１の
   ムービングコイルに連接した一端に被検査物のパッドに
   接触するプローブを設け他端に揺動軸を設けて前記揺動
   軸を支点にして上下に揺動が可能な第１の揺動アーム
   と、前記第１の揺動アームの位置を検出する検出器と、
   前記揺動軸を中央で保持し一端に磁石とヨークからなり
   前記第１のムービングコイルの揺動方向と直角に磁束を
   与える第１の磁気回路を有し他端に第２のムービングコ
   イルを設けて上下に移動が可能なスライドレールと結合
   した第２の揺動アームと、磁石とヨークからなり前記第
   ２のムービングコイルの移動方向と直角に磁束を与える
   第２の磁気回路を形成する磁気回路部と、前記位置検出
   器からの信号にもとずき前記第１の揺動アームを一定の
   位置に保持するように前記第１のムービングコイルを制
   御し前記第２の揺動アームが下降して前記プローブが前
   記被検査物のパッドに接触するときプローブの衝撃力を
   弱めるように前記第１のムービングコイルを制御する制
   御装置とを含むことを特徴とするフライング・プローブ
   ・ヘッド。