JP2881274B2 - 微生物吸着樹脂の精製方法 - Google Patents
微生物吸着樹脂の精製方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沈降分離のための時間な
ど精製作業時間を大幅に短縮でき、しかも分離の際に高
純度の樹脂が流失することがない微生物吸着樹脂の精製
方法に関する。
ど精製作業時間を大幅に短縮でき、しかも分離の際に高
純度の樹脂が流失することがない微生物吸着樹脂の精製
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物吸着樹脂の精製は、図3に
示すように、微生物吸着樹脂の製造工程中で、重合4級
化処理直後の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を用いて
行っていた。すなわち、重合4級化直後の50〜70重
量%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水中に入れ、
アルコール中に溶解していた樹脂を析出させ、これを洗
浄した後、静止状態で沈降分離させ、上層液を除き、熱
風又は減圧乾燥するという方法で樹脂の精製を行ってい
た。
示すように、微生物吸着樹脂の製造工程中で、重合4級
化処理直後の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を用いて
行っていた。すなわち、重合4級化直後の50〜70重
量%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水中に入れ、
アルコール中に溶解していた樹脂を析出させ、これを洗
浄した後、静止状態で沈降分離させ、上層液を除き、熱
風又は減圧乾燥するという方法で樹脂の精製を行ってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
精製した場合、沈降分離に10時間という長い時間を必
要とし、十分な精製を行う場合には上層液を除いた後、
再度水を加えて洗浄し、沈降分離させる必要があり、当
該樹脂の精製作業には非常に多くの時間を要していた。
又、精製度の高い樹脂ほど微細な粒子となるため沈降が
遅くなり、上層液とともに廃棄されてしまうこともあっ
た。
精製した場合、沈降分離に10時間という長い時間を必
要とし、十分な精製を行う場合には上層液を除いた後、
再度水を加えて洗浄し、沈降分離させる必要があり、当
該樹脂の精製作業には非常に多くの時間を要していた。
又、精製度の高い樹脂ほど微細な粒子となるため沈降が
遅くなり、上層液とともに廃棄されてしまうこともあっ
た。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、沈降分離のための時間など精製作業時間を
大幅に短縮でき、しかも分離の際に高純度の樹脂が流失
することがない微生物吸着樹脂の精製方法を提供するこ
とを目的とするものである。
ものであり、沈降分離のための時間など精製作業時間を
大幅に短縮でき、しかも分離の際に高純度の樹脂が流失
することがない微生物吸着樹脂の精製方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項1記載の発明は、微生物吸着樹脂にア
ルコールを加えて0.5〜43重量%のアルコール溶液
とし、このアルコール溶液に水を添加して微生物吸着樹
脂の濃度が0.1〜20重量%の分散液とし、次いでこ
の分散液に塩酸を加えて微生物吸着樹脂を沈降させ、乾
燥することを特徴とする微生物吸着樹脂の精製方法をそ
の要旨とした。
するため、請求項1記載の発明は、微生物吸着樹脂にア
ルコールを加えて0.5〜43重量%のアルコール溶液
とし、このアルコール溶液に水を添加して微生物吸着樹
脂の濃度が0.1〜20重量%の分散液とし、次いでこ
の分散液に塩酸を加えて微生物吸着樹脂を沈降させ、乾
燥することを特徴とする微生物吸着樹脂の精製方法をそ
の要旨とした。
【0006】請求項2記載の発明は、前記微生物吸着樹
脂の製造工程中に得られる50〜70重量%の微生物吸
着樹脂/アルコール溶液にアルコールを加えて0.5〜
43重量%のアルコール溶液とすることを特徴とする請
求項1記載の微生物吸着樹脂の精製方法をその要旨とし
た。
脂の製造工程中に得られる50〜70重量%の微生物吸
着樹脂/アルコール溶液にアルコールを加えて0.5〜
43重量%のアルコール溶液とすることを特徴とする請
求項1記載の微生物吸着樹脂の精製方法をその要旨とし
た。
【0007】以下、本発明の微生物吸着樹脂の精製方法
を更に詳細に説明する。本発明に用いる微生物吸着樹脂
とは、特開平3−174419号公報において示され
た、水には不溶若しくは難溶でありながら、有機溶剤に
は可溶であって、微生物の活性を低下させることなく吸
着することができ、かつ微生物の吸着効率が高い微生物
吸着樹脂のことであり、この樹脂の精製についての新規
な方法を提供したのが本発明である。
を更に詳細に説明する。本発明に用いる微生物吸着樹脂
とは、特開平3−174419号公報において示され
た、水には不溶若しくは難溶でありながら、有機溶剤に
は可溶であって、微生物の活性を低下させることなく吸
着することができ、かつ微生物の吸着効率が高い微生物
吸着樹脂のことであり、この樹脂の精製についての新規
な方法を提供したのが本発明である。
【0008】その方法は、まず、微生物吸着樹脂にアル
コールを加えて0.5〜43重量%のアルコール溶液と
することから行う。上述した如く、本発明の微生物吸着
樹脂は水系には溶解しないがアルコールなどの有機溶剤
には可溶である。この性質を利用して微生物吸着樹脂を
アルコール中に溶解させるのである。アルコール溶液の
微生物吸着樹脂の濃度を0.5〜43重量%とする理由
は、濃度が0.5重量%未満の場合には微生物吸着樹脂
の精製度の向上を計ることはできるものの、溶剤のアル
コール消費量が多くなりすぎて不経済となり、44重量
%以上の濃度の場合には、後工程で分散液が作成できな
くなるからである。溶液濃度としては微生物吸着樹脂の
懸濁化、アルコール消費量の点から5〜40重量%が好
ましい。尚、上記範囲内で溶液濃度を高くすればするほ
ど、微生物吸着樹脂の精製度は幾分落ちる可能性はある
が、アルコール消費量を低減でき、しかも分散液からの
廃液量を減らすことができ、更に処理量を増加させるこ
とができるといった効果を得ることができる。
コールを加えて0.5〜43重量%のアルコール溶液と
することから行う。上述した如く、本発明の微生物吸着
樹脂は水系には溶解しないがアルコールなどの有機溶剤
には可溶である。この性質を利用して微生物吸着樹脂を
アルコール中に溶解させるのである。アルコール溶液の
微生物吸着樹脂の濃度を0.5〜43重量%とする理由
は、濃度が0.5重量%未満の場合には微生物吸着樹脂
の精製度の向上を計ることはできるものの、溶剤のアル
コール消費量が多くなりすぎて不経済となり、44重量
%以上の濃度の場合には、後工程で分散液が作成できな
くなるからである。溶液濃度としては微生物吸着樹脂の
懸濁化、アルコール消費量の点から5〜40重量%が好
ましい。尚、上記範囲内で溶液濃度を高くすればするほ
ど、微生物吸着樹脂の精製度は幾分落ちる可能性はある
が、アルコール消費量を低減でき、しかも分散液からの
廃液量を減らすことができ、更に処理量を増加させるこ
とができるといった効果を得ることができる。
【0009】次に、上記アルコール溶液に水を添加して
微生物吸着樹脂の濃度が0.1〜20重量%の分散液と
する。水の添加によりアルコール溶液中の微生物吸着樹
脂は懸濁し、微生物吸着樹脂の微細な粒子がアルコール
溶液中に分散した分散液となる。この際、水の添加量を
アルコール溶液量の4〜30倍とすることで、0.1〜
20重量%の分散液とすることができる。水の添加量が
4倍を下回る場合には微生物吸着樹脂が懸濁せず、30
倍を上回る場合には分散液を得ることはできるが、分散
液からの廃液量が増加し、処理量が少なくなるという不
具合を生じることになる。微生物吸着樹脂の懸濁化、廃
液量の低減、処理量の増加という点から微生物吸着樹脂
の濃度が0.5〜8重量%となるように水を添加して分
散液の濃度調整を行うのがよい。尚、水の添加量を少な
くすることで、微生物吸着樹脂の精製度は幾分落ちる可
能性はあるが、分散液からの廃液量を低減でき、処理量
を増加させることできるといった効果を得ることができ
るため、分散液中の微生物吸着樹脂の濃度(水の添加
量)は廃液量、処理量などを考慮して適宜決定するとよ
い。
微生物吸着樹脂の濃度が0.1〜20重量%の分散液と
する。水の添加によりアルコール溶液中の微生物吸着樹
脂は懸濁し、微生物吸着樹脂の微細な粒子がアルコール
溶液中に分散した分散液となる。この際、水の添加量を
アルコール溶液量の4〜30倍とすることで、0.1〜
20重量%の分散液とすることができる。水の添加量が
4倍を下回る場合には微生物吸着樹脂が懸濁せず、30
倍を上回る場合には分散液を得ることはできるが、分散
液からの廃液量が増加し、処理量が少なくなるという不
具合を生じることになる。微生物吸着樹脂の懸濁化、廃
液量の低減、処理量の増加という点から微生物吸着樹脂
の濃度が0.5〜8重量%となるように水を添加して分
散液の濃度調整を行うのがよい。尚、水の添加量を少な
くすることで、微生物吸着樹脂の精製度は幾分落ちる可
能性はあるが、分散液からの廃液量を低減でき、処理量
を増加させることできるといった効果を得ることができ
るため、分散液中の微生物吸着樹脂の濃度(水の添加
量)は廃液量、処理量などを考慮して適宜決定するとよ
い。
【0010】次いで、この分散液に塩酸を加えて微生物
吸着樹脂を沈降させる。上記分散液に塩酸水溶液を加え
ることにより、分散液中の微生物吸着樹脂が凝集し沈降
することになる。塩酸の添加比率としては塩酸/微生物
吸着樹脂の重量比率が0.56g/g以上となるように
することが望ましい。というのは添加比率が0.56g
/gを下回る場合には、分散液中の微生物吸着樹脂が十
分に凝集せず、一部の微生物吸着樹脂が沈降しないで液
中に残存して、上澄み液が透明にならないことがあるか
らである。このように塩酸の添加により微生物吸着樹脂
が凝集し沈降する現象は、例えば硫酸や硝酸やギ酸など
を添加しても生じることはなく、これは微生物吸着樹脂
中のピリジン残基とHClとの反応に因るものと考えら
れる。又、分散液に加える塩酸水溶液はできだけ低濃度
のものがよい。というのは低濃度の塩酸水溶液を添加す
ることにより、沈降する微生物吸着樹脂の粒径は小さく
なり、大きな塊になり難くなり、精製度が向上し、しか
も乾燥時間も短くすることができるからである。
吸着樹脂を沈降させる。上記分散液に塩酸水溶液を加え
ることにより、分散液中の微生物吸着樹脂が凝集し沈降
することになる。塩酸の添加比率としては塩酸/微生物
吸着樹脂の重量比率が0.56g/g以上となるように
することが望ましい。というのは添加比率が0.56g
/gを下回る場合には、分散液中の微生物吸着樹脂が十
分に凝集せず、一部の微生物吸着樹脂が沈降しないで液
中に残存して、上澄み液が透明にならないことがあるか
らである。このように塩酸の添加により微生物吸着樹脂
が凝集し沈降する現象は、例えば硫酸や硝酸やギ酸など
を添加しても生じることはなく、これは微生物吸着樹脂
中のピリジン残基とHClとの反応に因るものと考えら
れる。又、分散液に加える塩酸水溶液はできだけ低濃度
のものがよい。というのは低濃度の塩酸水溶液を添加す
ることにより、沈降する微生物吸着樹脂の粒径は小さく
なり、大きな塊になり難くなり、精製度が向上し、しか
も乾燥時間も短くすることができるからである。
【0011】この後、上澄み液を廃棄し、濾過及び水洗
し、乾燥することで微生物吸着樹脂の精製処理が完了す
る。
し、乾燥することで微生物吸着樹脂の精製処理が完了す
る。
【0012】尚、微生物吸着樹脂の製造工程中で、重合
4級化直後には50〜70重量%の微生物吸着樹脂/ア
ルコール溶液が得られる。このアルコール溶液に、上述
した様にアルコールを加えて0.5〜43重量%のアル
コール溶液とし、以後の工程を施すことにより、微生物
吸着樹脂の製造工程の過程に精製工程を組み込むことが
でき、これにより微生物吸着樹脂の製造及び精製をより
効率的に行うことができる。
4級化直後には50〜70重量%の微生物吸着樹脂/ア
ルコール溶液が得られる。このアルコール溶液に、上述
した様にアルコールを加えて0.5〜43重量%のアル
コール溶液とし、以後の工程を施すことにより、微生物
吸着樹脂の製造工程の過程に精製工程を組み込むことが
でき、これにより微生物吸着樹脂の製造及び精製をより
効率的に行うことができる。
【0013】
実施例 図1に示すように、
【化3】 で表される4−ビニルピリジンと、
【0014】
【化4】 で表されるスチレンの繰り返し単位からなる微生物吸着
樹脂の製造工程中で、重合4級化直後の50〜70重量
%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液にアルコールを加
えて0.5時間撹拌し、30重量%のアルコール溶液と
する。次に、このアルコール溶液に水を添加して1時間
撹拌し、3重量%の分散液を得る。次いで、分散液に3
6%の塩酸水溶液を添加比率が3/50g/gとなるよ
うに加えて0.2時間撹伴し、液中の微生物吸着樹脂を
凝集させて沈降させる。この後、上澄み液を廃棄し、孔
径が3μmの濾紙で吸引濾過及び水洗し、80℃で8時
間乾燥し、微生物吸着樹脂を精製した。
樹脂の製造工程中で、重合4級化直後の50〜70重量
%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液にアルコールを加
えて0.5時間撹拌し、30重量%のアルコール溶液と
する。次に、このアルコール溶液に水を添加して1時間
撹拌し、3重量%の分散液を得る。次いで、分散液に3
6%の塩酸水溶液を添加比率が3/50g/gとなるよ
うに加えて0.2時間撹伴し、液中の微生物吸着樹脂を
凝集させて沈降させる。この後、上澄み液を廃棄し、孔
径が3μmの濾紙で吸引濾過及び水洗し、80℃で8時
間乾燥し、微生物吸着樹脂を精製した。
【0015】 比較例 図3に示すように、
【化5】 で表される4−ビニルピリジンと、
【0016】
【化6】 で表されるスチレンの繰り返し単位からなる微生物吸着
樹脂の製造工程中で、重合4級化直後の50〜70重量
%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水(アルコール
溶液量に対して8倍量の水)中に入れ、3時間撹拌して
アルコール中に溶解していた微生物吸着樹脂を析出及び
洗浄した。次いで、10時間静止状態に保ち微生物吸着
樹脂を沈降分離させ、上層液を廃棄した。この後、前記
析出及び洗浄、沈降分離の操作を2回繰り返し、得られ
た沈降物を80℃で24時間、熱風及び減圧乾燥し微生
物吸着樹脂の精製を行った。
樹脂の製造工程中で、重合4級化直後の50〜70重量
%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水(アルコール
溶液量に対して8倍量の水)中に入れ、3時間撹拌して
アルコール中に溶解していた微生物吸着樹脂を析出及び
洗浄した。次いで、10時間静止状態に保ち微生物吸着
樹脂を沈降分離させ、上層液を廃棄した。この後、前記
析出及び洗浄、沈降分離の操作を2回繰り返し、得られ
た沈降物を80℃で24時間、熱風及び減圧乾燥し微生
物吸着樹脂の精製を行った。
【0017】実施例及び比較例により得られた微生物吸
着樹脂について、アルコールへの溶解性、IRチャー
ト、除菌率を調べた。この結果を表1に示す。
着樹脂について、アルコールへの溶解性、IRチャー
ト、除菌率を調べた。この結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、従来法で精製された微生物吸着
樹脂はアルコール中にその大部分が溶解したものの、一
部が不溶であった。IRにより可溶部は化2及び化3に
示した微生物吸着樹脂であり、不溶部はほとんどがポリ
スチレンポリマーであることが確認された。一方、本発
明の方法で精製された微生物吸着樹脂はアルコールに溶
け易くなっており完全に溶解している。この原因は微生
物吸着樹脂中のピリジン残基の4級化度合が高まったこ
とに起因すると考えられる。
樹脂はアルコール中にその大部分が溶解したものの、一
部が不溶であった。IRにより可溶部は化2及び化3に
示した微生物吸着樹脂であり、不溶部はほとんどがポリ
スチレンポリマーであることが確認された。一方、本発
明の方法で精製された微生物吸着樹脂はアルコールに溶
け易くなっており完全に溶解している。この原因は微生
物吸着樹脂中のピリジン残基の4級化度合が高まったこ
とに起因すると考えられる。
【0020】又、FT−IR(IRチャート)の測定結
果から両微生物吸着樹脂は同一物であることが確認され
た。又、これらの微生物吸着樹脂の微生物吸着能も殆ど
差異が無いことが解った。尚、GPCにより実施例の微
生物吸着樹脂について重量平均分子量並びに分子量分布
を測定したところ、重量平均分子量が54、000、分
子量分布が5.9であった。これは従来の微生物吸着樹
脂とほぼ同じ数値となっている。
果から両微生物吸着樹脂は同一物であることが確認され
た。又、これらの微生物吸着樹脂の微生物吸着能も殆ど
差異が無いことが解った。尚、GPCにより実施例の微
生物吸着樹脂について重量平均分子量並びに分子量分布
を測定したところ、重量平均分子量が54、000、分
子量分布が5.9であった。これは従来の微生物吸着樹
脂とほぼ同じ数値となっている。
【0021】実施例で得られた微生物吸着樹脂に微生物
吸着樹脂の濃度が1重量%となるようにアルコールを加
えて溶解させ、このアルコール溶液を不織布にケミカル
カレンダーにより4kg/cm2、80℃、1.5m/
minの条件で含浸し、熱風乾燥して含浸タイプの菌体
吸着不織布を得た。この不織布を大腸菌を0.85%生
理食塩水に2.4×108個/mlの濃度で懸濁させた
液中に漬けて一定時間毎の生菌数を求めた。この結果を
図2に示した。図2から、実施例の微生物吸着樹脂が菌
の吸着力に優れ、高い除菌率を有していることが確認さ
れた。
吸着樹脂の濃度が1重量%となるようにアルコールを加
えて溶解させ、このアルコール溶液を不織布にケミカル
カレンダーにより4kg/cm2、80℃、1.5m/
minの条件で含浸し、熱風乾燥して含浸タイプの菌体
吸着不織布を得た。この不織布を大腸菌を0.85%生
理食塩水に2.4×108個/mlの濃度で懸濁させた
液中に漬けて一定時間毎の生菌数を求めた。この結果を
図2に示した。図2から、実施例の微生物吸着樹脂が菌
の吸着力に優れ、高い除菌率を有していることが確認さ
れた。
【0022】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
記載の微生物吸着樹脂の精製方法にあっては、分散液中
に塩酸を添加して微生物吸着樹脂を凝集させて沈降分離
するようにしたので、従来の精製方法では、1回の沈降
分離に10時間を要し、少なくとも2回は沈降及び洗浄
を繰り返すことから20時間以上の処理時間が必要であ
ったのに対し、沈降分離を含めて全ての操作を2時間程
度で完了することができ、精製作業に要する時間を大幅
に短縮することができる。又、この精製方法では微生物
吸着樹脂の沈降が完全に終了した後に上澄み液を廃棄す
るので、分離の際に高純度の微生物吸着樹脂が流失する
ことがない。
記載の微生物吸着樹脂の精製方法にあっては、分散液中
に塩酸を添加して微生物吸着樹脂を凝集させて沈降分離
するようにしたので、従来の精製方法では、1回の沈降
分離に10時間を要し、少なくとも2回は沈降及び洗浄
を繰り返すことから20時間以上の処理時間が必要であ
ったのに対し、沈降分離を含めて全ての操作を2時間程
度で完了することができ、精製作業に要する時間を大幅
に短縮することができる。又、この精製方法では微生物
吸着樹脂の沈降が完全に終了した後に上澄み液を廃棄す
るので、分離の際に高純度の微生物吸着樹脂が流失する
ことがない。
【0023】請求項2記載の微生物吸着樹脂の精製方法
にあっては、微生物吸着樹脂の製造工程の過程に精製工
程を組み込むことができるので、微生物吸着樹脂の製造
及び精製をより効率的に行うことができる。
にあっては、微生物吸着樹脂の製造工程の過程に精製工
程を組み込むことができるので、微生物吸着樹脂の製造
及び精製をより効率的に行うことができる。
【図1】 本発明の微生物吸着樹脂の精製方法の工程を
示した工程図
示した工程図
【図2】 菌を懸濁させた液中に菌体吸着不織布を漬け
たときの一定時間毎の生菌数を示したグラフ
たときの一定時間毎の生菌数を示したグラフ
【図3】 従来の微生物吸着樹脂の精製方法の工程を示
した工程図
した工程図
Claims (2)
- 【請求項1】一般式 【化1】 (ただし、式中R 1 は、ベンジル基、C 1 〜C 16 のア
ルキル基又はペンタフルオロフェニルメチル基、Xはハ
ロゲン原子)で表される4−ビニルピリジンと、 一般式 【化2】 (ただし、R 2 は水素原子またはC 1 〜C 3 のアルキル
基、Yは水素原子、C 1 〜C 3 のアルキル基、ベンジル
基、エーテル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル
基またはアリール基)で表されるモノビニルモノマーの
繰り返し単位から なり、水には不溶または難溶でありな
がら、有機溶媒には可溶なビニル系共重合体(以下「微
生物吸着樹脂」という)に、アルコールを加えて0.5
〜43重量%のアルコール溶液とし、このアルコール溶
液に水を添加して前記微生物吸着樹脂の濃度が0.1〜
20重量%の分散液とし、次いでこの分散液に塩酸を加
えて微生物吸着樹脂を沈降させ、乾燥することを特徴と
する微生物吸着樹脂の精製方法。 - 【請求項2】 前記微生物吸着樹脂の製造工程中に得ら
れる50〜70重量%の微生物吸着樹脂/アルコール溶
液に、アルコールを加えて0.5〜43重量%のアルコ
ール溶液とすることを特徴とする請求項1記載の微生物
吸着樹脂の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840593A JP2881274B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 微生物吸着樹脂の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840593A JP2881274B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 微生物吸着樹脂の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06248011A JPH06248011A (ja) | 1994-09-06 |
JP2881274B2 true JP2881274B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=12524394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3840593A Expired - Fee Related JP2881274B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 微生物吸着樹脂の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2881274B2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP3840593A patent/JP2881274B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06248011A (ja) | 1994-09-06 |
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