JP2881174B2 - フィルム処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフィルム処理装置、特に原画フィルム上の画
像コマとその画像を焼き付けられた印画紙との照合を容
易とするためのフィルム処理装置に関する。

〔従来の技術〕

従来よりカラープリントの焼き付け処理行程において
は、現像済みのネガフィルム等の原画フィルムに記録さ
れた画像コマは自動写真焼付け装置によって印画紙に焼
き付けられている。この場合には、現像が完了した原画
フィルムを自動写真焼付け装置に装填し、該原画フィル
ムを搬送しながら画像コマの部分で停止させ、焼付け位
置に位置決めして当該画像を測光して得る平均透過濃度
（LATD）による露光制御を行い、LATDに基づいて得られ
る露光量にて露光する。しかし、一般にLATDに基づいて
得られる露光量で露光するだけでは満足なプリントが得
られないシーンがあるということが知られており、その
ようなシーンの画像コマに対しては何等かの手段でLATD
に対する補正量を与えてやる必要がある。これに関して
は、予めネガフィルム検定装置を用いてオペレータが目
視判定し、記憶媒体、例えば磁気テープ等に記録してお
いた補正量を用いたり、オペレータが自動焼付け装置に
対して直接当該画像コマに対する露光補正量を入力した
ものを用いたり、あるいは自動ネガ判定装置（スキャナ
ー）によって決定された露光量、もしくは露光補正量を
用いたりする。しかしながら、これらの判定は必ずしも
完全には行い得ず、従って一部の画像コマの焼付け現像
を失敗（例えば露光不足、色バランス不良等）する場合
がある。そのような場合には焼き直しをする必要がある
が、原画フィルムに類似する画像コマが連続して撮影さ
れている場合には、焼き直しをするために失敗した画像
コマに対応するコマを原画フィルムの画像コマの中から
見つけだすのは大変困難な作業である。特に、複数のフ
ィルムをスプライステープで接続して多量の原画フィル
ムを処理する場合には、一注文ごとの再焼付け作業の効
率が非常に悪くなっている。

一方、顧客が撮影フィルムの現像を注文した場合、多
くはそのフィルムについてのプリントも同時に注文する
ようになり、顧客に原画フィルムとそのフィルムの各画
面に付き一枚のプリントも渡されるようになる。そして
顧客は、焼き増しや引き伸ばしがほしい場合、前述のプ
リントにより欲しい画面を選定し、そのプリント画面と
原画フィルムの画面とを照合して原画フィルムの画面傍
らに付されているコマ番号で所望画面を指定し、それと
共にプリントの枚数やサイズも指定して、原画フィルム
を提供し、再プリントの注文を行なう。この再プリント
注文を受けたカラーラボは、提供された原画フィルムの
コマ番号の中から指定コマ番号を探し、そのコマ番号位
置の画面のプリント枚数やサイズの指定に合致するよう
に行なって、得られたプリントと、原画フィルムとを顧
客に渡すが、渡すまでにはさらに、得られたプリントが
指定コマ番号のものであるかを確認するためにプリント
の画面と原画フィルムの画面の照合を求められたりす
る。このような顧客側やカラーラボ側におけるプリント
画面と原画フィルム画面との照合や原画フィルムのコマ
番号の確認等は結構手間のかかる煩わしい作業である。

そのため、原画フィルムのコマ番号を読み取り、対応
する画面が焼き付けられたプリントに表示記録する試み
がなされている。即ち原画フィルム上にハーフサイズ画
像１コマ分の間隔で交互に表示した主番号と副番号とこ
れらに対応したバーコード（フレームナンバーコード）
表示を読み取り当該画像コマを印画紙へ焼き付ける場合
該コマ番号と前記焼き付けられた印画紙とを関連付ける
事によって実現されている。しかし、現像後の原画フィ
ルムの未露光部分の濃度はカメラ、パトローネ等の工作
精度や原画フィルムの取扱上の不備によって原画フィル
ムの１部分に漏光が生じ、いわゆるカブリ状態となる場
合もあり得ることであり、バーコードを読み取ることが
できなくなることがある。このようにバーコード情報を
常に確実に読み取ることは技術的に困難である為、読み
取れなかったバーコードに対応するコマ番号の確定をす
る手段が求められていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は従来技術に鑑み原画フィルム１本の内、少な
くとも１つのバーコードを正しく読み取ることができれ
ば、該原画フィルムの全てのコマ番号情報を正しく測定
できる手段を有するフィルム処理装置を提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この目的は、現像済み原画フィルムの搬送手段と、該
原画フィルム上の、ある基準位置を検出する基準位置検
出手段と、該基準位置からの搬送距離を測定する測定手
段と、該原画フィルムのコマ番号に対応する情報を表し
ているバーコードを読み取るバーコード読み取り手段
と、該バーコード読み取り手段の出力を検査して読み取
りが正常に行えたか否かを検査する検査手段と、該バー
コード読み取り手段の出力を少なくとも１つ記憶する記
憶手段とを備えたフィルム処理装置に於て、該検査手段
によって正常に読み取られたと判断されたバーコードが
１つもしくはそれ以上出現した時点で、前記原画フィル
ムのフィルム通し方向情報と、当該バーコードの情報
と、前記基準位置からの搬送距離に基づく情報とを併用
して前記原画フィルム先端から該バーコードまでの間に
存在するコマ番号情報の確定を行なうコマ番号情報確定
手段を備えることを特徴とするフィルム処理装置によっ
て達成される。

また、原画フィルムがコマ番号の昇順の方向で搬送さ
れた場合に最終コマ番号Ｅの推定を行なうために、本発
明のフィルム処理装置は前記原画フィルムの先端及び終
端を検査するフィルム端検出手段と、前記バーコード読
み取り手段の出力及び／又は前記検出手段の出力を複数
個に渡って記憶する記憶手段をも備えるから、フィルム
通し方向が逆順である場合に、前記フィルムの終端を検
出した時点で少なくとも１つのバーコードの読み取りに
成功している場合には、該バーコード情報と、前記基準
位置からの搬送距離に基づく情報を併用して前記原画フ
ィルム上におけるコマ番号情報の確定を行なうことを特
徴とするものである。

〔実施例〕

本発明では、フィルム端検出手段によって処理中の原
画フィルムの先端を検出すると、ステッピングモータ
（パルスモーター）の駆動パルスまたは原画フィルムと
共に回転するローラーに取り付けたエンコーダーの出力
パルスをカウントすることで、先頭もしくは先頭に対応
するある基準位置からの搬送距離を測定する如くした。

この測定手段により基準位置からの搬送距離を測定し
つつ原画フィルムを搬送する一方原画フィルム上に表示
されているコマ番号に対応する情報を記録したバーコー
ドをバーコード読み取り手段で読み取る。読み取られた
かどうかは検査手段によって検査され、正しく読み取ら
れたと判定された結果は、前記基準位置からの搬送距離
と対にして記憶手段に記憶される。

この際バーコードの存在するフィルム縁部の方向もし
くはバーコードを構成する要素の１部であるスタートビ
ット・ストップビットがどちらかの方向に存在するか等
の情報により、フィルムの通し方向を判断できる。ある
いは、予めフィルム通し方向を１方向のみに限定して処
理を行なうようにしてもよい。

フィルムの処理にともなって、少なくとも１つのコマ
番号情報を読み取りに成功した時点で該読み取りに成功
したコマ番号情報に対応するコマ番号位置の基準位置か
らの搬送距離とフィルム通し方向情報をもとに、それま
でに読み取りに失敗していた下流側に関するコマ番号情
報の確定が可能である。

即ち当該コマ番号位置からのバーコードのピッチだけ
下流のところには、該コマ番号に関連するコマ番号が存
在し、さらにもう１ピッチだけ下流の位置にはその次の
コマ番号が存在していたと推定できる。このようにして
バーコードのピッチを用いてより若いコマ番号に対する
コマ番号情報を確定することができる。

次にフィルム通し方向が正方向に処理されているなら
ば、フィルム先端に向かってはコマ番号は順次減少して
いく。このようにコマ番号の確定手段はフィルム通し方
向を参照しコマ番号の減、増を選択する如くした。

フィルム通し方向が逆方向の場合には、最終コマ番号
がＥであるから読み取りに成功したコマ番号の値と、フ
ィルム先端もしくはそれに対応する基準位置からの搬送
距離と、予め定められている画像コマの標準画面ピッチ
に基づいて、そのフィルムが何枚撮りのフィルムである
かを計算し、最終コマ番号Ｅの出現すべき位置を決定す
る。この作業によりＥの推定が可能となりフィルムの先
頭に向かったコマ番号情報の確定を行なうことができ
る。

なおコマ番号の確定は、必ずしも初めてコマ番号の読
み取りに成功した直後に行なう必要はなく、予め定めら
れた複数個のコマ番号の読み取りに成功した後であって
もよいし、あるいは原画フィルム全体に渡ってコマ番号
を読み取り終えた後であってもよい。望ましくは複数個
のコマ番号情報を用い、信頼できる位置とコマ番号を使
用するのがよい。

次に本発明の実施例を図を以て説明する。

第１図は本発明を適用するフィルム処理装置のノッチ
ャのシステムブロック図である。

第２図、第３図、第４図は確定動作のフローチャート
である。

原画フィルム２を搬送し、スプライス検出器21で原画
フィルムの先端、後端を検出して、制御部13は搬送距離
のカウントを開始し、制御部内部の記憶器に記憶してい
く。次に画面検出器１によって画像コマ６を検出し、上
記先端からの搬送距離を上記記憶器に記憶しておく。

次にバーコード読み取りセンサー４でバーコード情報
５を読み取り、バーコード演算処理部17に送って正しく
読み取れたか否かを検査し、判定を行なう。従ってバー
コード演算処理部17は検査手段を構成している。そし
て、バーコード読み取りが正しく行なわれたと判断した
時点で、当該バーコードが示すコマ番号を上記搬送距離
と対にして記憶すると共に、フィルム通し方向に応じて
次の２つの動作のいずれかを選択的に行なう。即ち
（１）正方向の場合は先頭コマ番号（00）から正しく読
み取れたコマ番号までに対するコマ番号情報を確定す
る。（２）逆方向の場合はフィルム先端からの搬送距離
から、フィルムが何枚撮であるかを計算で求め、正しく
読み取られたコマ番号から、最終コマ番号Ｅまでに対す
るコマ番号情報を確定する。次に、フィルムが終了し、
終端を検出したときに、フィルム通し方向に応じて次の
２つの動作のいずれかを選択的に行なう。即ち（１）正
方向の場合はフィルム先端からの搬送距離をフィルムの
略全長であると解釈し、フィルムが何枚撮であるかを計
算で求めて、最後に正しく読み取れたコマ番号以降の、
Ｅに至るまでのコマ番号情報を確定する。（２）逆方向
の場合は最後に正しく読み取れた番号から逆順に先頭コ
マ（00）までのコマ番号情報を確定する。

〔発明の効果〕

このように構成したから、本発明によれば少なくとも
１つのコマ番号が正しく読み取れれば、当該フィルム１
本分の全体に渡って正しくコマ番号情報を確定させる事
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、フィルム処理装置のノッチャのシステムブロ
ック図。 第２図、第３図、第４図は、確定動作のフローチャー
ト。 １……画面検出器、２……原画フィルム ４……バーコード読み取りセンサー ５……フィルムバーコード ６……画像コマ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−277226（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−267627（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−102539（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−232337（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−128933（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−162736（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B03B 27/32 B03B 27/46

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】現像済み原画フィルムの搬送手段と、該原
   画フィルム上の、ある基準位置を検出する基準位置検出
   手段と、該基準位置からの搬送距離を測定する測定手段
   と、該原画フィルムのコマ番号に対応する情報を表して
   いるバーコードを読み取るバーコード読み取り手段と、
   該バーコード読み取り手段の出力を検査して読み取りが
   正常に行えたか否かを検査する検査手段と、該バーコー
   ド読み取り手段の出力を少なくとも１つ記憶する記憶手
   段とを備えたフィルム処理装置に於て、該検査手段によ
   って正常に読み取られたと判断されたバーコードが１つ
   もしくはそれ以上出現した時点で、前記原画フィルムの
   フィルム通し方向情報と、当該バーコードの情報と、前
   記基準位置からの搬送距離に基づく情報とを併用して前
   記原画フィルム先端から該バーコードまでの間に存在す
   るコマ番号情報の確定を行なうコマ番号情報確定手段を
   備えることを特徴とするフィルム処理装置。
2. 【請求項２】現像済み原画フィルムの搬送手段と、該原
   画フィルムの先端及び終端を検出するフィルム端検出手
   段と、該原画フィルムの先端に対応する基準位置からの
   搬送距離を測定する測定手段と、該原画フィルム上のコ
   マ番号に対応する情報を表しているバーコードを読み取
   るバーコード読み取り手段と、該バーコード読み取り手
   段の出力を検査して読み取りが正常に行えたか否かを検
   査する検査手段と、該バーコード読み取り手段の出力及
   び／又は該検査手段の出力を、複数個に渡って記憶する
   記憶手段とを備えたフィルム処理装置に於て、前記フィ
   ルム端検出手段によりフィルムの終端を検出した時点で
   少なくとも１つのバーコード読み取りに成功している場
   合には、前記原画フィルムのフィルム通し方向情報と、
   該バーコード情報と、前記基準位置からの搬送距離に基
   づく情報を併用して前記原画フィルム上に於けるコマ番
   号情報の確定を行なうコマ番号情報確定手段を備えるこ
   とを特徴とするフィルム処理装置。