JP2881117B2 - 中空状繊維強化熱可塑性樹脂製品の製造方法 - Google Patents

中空状繊維強化熱可塑性樹脂製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空状繊維強化熱可塑
性樹脂製品の製造方法に関し、詳しくは、ラケットフレ
ーム、ゴルフクラブシャフト等の筒体からなる中空状製
品を、連続繊維等により強化された熱可塑性樹脂を金型
内で加熱加圧して所要の中空状に製造するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の連続繊維で強化された熱
可塑性マトリクス樹脂からなる複合材料より所要形状の
製品を成形する方法として、大別して下記の4種類の方
法が提案されている。
【0003】第1の方法は、開繊した連続強化繊維と熱
可塑性マトリクス樹脂のフィルムとを圧着し、この圧着
した状態で加熱加圧して、マトリクス樹脂を溶融させ、
マトリクス樹脂が含浸したシート(プリプレグシート)
を予め成形する。該プリプレグシートを所要形状に裁断
し、裁断したシートを積層して再度加熱して、所要の積
層シートを設け、該積層シートを成形金型のキャビティ
内に配置し、加熱加圧して所要形状の成形品を製造して
いる。
【0004】第2の方法は、連続繊維あるいは該連続繊
維からなる織物に対して気体或いは液体を噴射して繊維
のフィラメントを分離・開繊させ、この気体あるいは液
体の噴射による圧力下で、同時に気体あるいは液体の流
動で懸濁した熱可塑性樹脂の粉末を連続繊維あるいは連
続繊維織物に付着させる。この樹脂粉末の付着後に、加
熱して樹脂粉末を溶融させて繊維に溶着させ、樹脂粉末
が離れないシート(プリプレグシート)を予め成形して
おく。該プリプレグシートを成形金型のキャビティ内に
配置して加熱加圧して所要形状の成形品を製造してい
る。
【0005】第3の方法は、マトリクス樹脂となる熱可
塑性樹脂を繊維状にし、強化繊維と絡み合わせて、マト
リクス樹脂繊維と強化繊維とを混ぜ合わせたロービング
を予め作成する。このロービングを使用して所要の形
状、形態に織った織物からなるシートを作成し、該シー
トを成形金型のキャビティ内に配置し、加熱加圧してマ
トリクス樹脂繊維を溶融し、所要形状の成形品を製造し
ている。
【0006】第4の方法は、強化繊維からなる1方向繊
維或いは織物に、マトリクス樹脂となる熱可塑性樹脂か
らなる繊維により作成した不織布を機械的に押し込んで
絡ませる。この材料を裁断して積層し、該積層材を成形
金型のキャビティ内に配置し、加熱加圧してマトリクス
樹脂を溶融し、所要形状の成形品を製造している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の方法では、
強化繊維にマトリクス樹脂を含浸して予め作成したプリ
プレグシートは樹脂を一旦溶融して強化繊維に密着さ
せ、該状態で硬化させているため、シート自体が硬くな
っており、所要角度に容易に湾曲させることができない
等、取り扱いが困難となっている。よって、中空状の筒
体を成形する場合、所要形状に湾曲させることができる
状態に加熱して軟化させる必要があり、軟化させながら
成形金型のキャビティ内に配置しなければならず、手数
がかかる欠点がある。
【0008】上記第2の方法も、第1の方法と同様に、
樹脂粉末を一旦溶融して強化繊維に溶着させ、その後、
硬化させているため、予め作成したプリプレグシートは
硬くて取り扱いが困難となっている。よって、第1の方
法と同様に、中空状筒体を成形する場合には、加熱して
軟化させて、成形金型のキャビティ内に配置しなければ
ならず、手数がかかる欠点がある。かつ、ラケットフレ
ーム等の中空成形品を成形する場合には、断面形状が複
雑であるため、製品形状となるようにキャビティ型面に
シートを添わせるのに高圧の内圧を金型に付加する必要
がある。
【0009】上記第3および第4の方法は、第1および
第2の方法の上記欠点を解決する方法であり、成形金型
のキャビティ内に配置する時点では、強化繊維と絡みあ
わせたマトリクス樹脂繊維は溶融および硬化されていな
いため柔らかく、よって、中空筒形状製品となるよう
に、所要形状に湾曲させやすい利点はある。しかしなが
ら、材料形態が複雑で、第3の方法における強化繊維と
マトリクス樹脂繊維とを均一に混ぜあわせてロービング
を作成する工程、第4の方法における強化繊維にマトリ
クス樹脂繊維からなる不織布を絡ませる工程が必要とな
り、工程が多くなって材料コストが上がる大きな欠点が
ある。さらに、上記工程で強化繊維とマトリクス繊維と
を均一に分布させることが困難で、安定した品質が得に
くい欠点がある。
【0010】本発明は上記した従来の欠点に鑑みてなさ
れたもので、上記第3および第4の方法と比較して、必
要とする工程が少ない第2の方法を採用し、かつ、第2
の方法における問題点である強化繊維に付着するマトリ
クス樹脂粉末の溶融をなくしながら、樹脂粉末が強化繊
維から離れないようにし、よって、成形金型への配置時
に、樹脂を硬化せずに柔らかい状態を保持し、加熱によ
る軟化を不要とした製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、連続繊維または連続繊維織物に対して気
体又は液体を噴射させて開繊させ、かつ、この噴射する
気体または液体で懸濁した状態で熱可塑性樹脂粉体を上
記連続繊維または連続繊維織物に付着させ、ついで、熱
可塑性樹脂粉末が付着した連続繊維又は連続繊維織物
と、熱可塑性樹脂製のテープ、フィルム又は不織布とを
中子の外周面に積層させて予備成形体を作成し、上記予
備成形体を成形金型のキャビティ内に配置した後、熱可
塑性樹脂が溶融する温度以上の温度で加熱加圧成形する
ことを特徴とする中空状繊維強化熱可塑性樹脂製品の製
造方法を提供している。
【0012】具体的には、熱可塑性樹脂粉末を付着した
連続繊維をフィラメトワインディング法で中子の外周面
に巻き付け、この巻き付けた連続繊維の外周面に熱可塑
性樹脂からなるテープ、フィルムあるいは不織布を巻き
付けて、予備成形体を作成し、この予備成形体を成形金
型のキャビティ内に配置し、中子が耐熱性および耐圧性
を有するチューブからなる場合は、該チューブ内に気体
あるいは流体からなる圧力媒体を封入して、中子に巻き
付けた予備成形体を成形金型のキャビティ型面に押し付
け、該状態で加熱して熱可塑性樹脂を溶融して中空状成
形品を製造している。
【0013】あるいは、上記樹脂付着を付着した連続繊
維および熱可塑性樹脂からなるフィルム等を剛体からな
る中実の中子の外周面に巻き付けて予備成形体を作成し
た場合には、キャビティ型面をシリコンゴム等の弾性体
で形状した成形金型のキャビティ内に配置し、上記弾性
体を加圧してキャビティ型面を予備成形体の外面に押し
付け、該状態で加熱して、熱可塑性樹脂を溶融して中空
状成形品を製造している。
【0014】上記いずれの場合も、キャビティ内を減圧
して、積層間に隙間をなくして、空隙部(ボイド)が発
生しないようにすることが好ましい。
【0015】上記熱可塑性樹脂粉末を付着した連続繊維
または連続繊維織物と、これに対して積層する熱可塑性
樹脂からなるテープ、フィルムまたは不織布は同一幅と
することが好ましい。
【0016】また、上記熱可塑性樹脂粉末を付着した連
続繊維または連続繊維織物において、繊維の占める体積
割合は、30〜80vol%とすることが好ましい。さ
らに、上記熱可塑性樹脂からなるテープ、フィルムまた
は不織布の厚さは、5μm〜300μmとすることが好
ましい。さらにまた、上記熱可塑性樹脂粉末を付着した
連続繊維織物等と熱可塑性樹脂からなるテープ等を積層
して作成した予備成形体において、熱可塑性樹脂粉末の
熱可塑性樹脂全体に占める重量比は、60〜95wt%
とすることが好ましい。
【0017】上記連続繊維からなる強化繊維としては、
炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が好適に用いら
れる。また、上記連続繊維または連続繊維織物に付着す
る樹脂粉末および積層するテープ等を構成する熱可塑性
樹脂としては、下記の樹脂が好適に用いられる。 ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合
体や変性体 ポリオレフィン系樹脂、ナイロン66、ナイロン12
等のポリアミド樹脂 ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等のポリエステル系樹脂 ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹
【0018】
【作用】本発明の製造方法では、連続繊維または連続繊
維織物に噴射して付着した熱可塑性樹脂粉末が離れない
ようにするため、従来の方法の溶融して溶着する代わり
に、熱可塑性樹脂から成形した薄厚のテープ、フィル
ム、不織布を積層している。このように、熱可塑性樹脂
を一旦溶融して硬化させた状態としていないため、上記
積層体からなるシートは柔軟性を保持しており、成形金
型のキャビティ内にその型面あるいは、キャビティ内に
配置する中子の周面に対して、所要形状に湾曲させて配
置することが容易にできる。
【0019】また、本発明の製造方法では、マトリクス
樹脂の比率を大としたい場合、積層する樹脂のテープ、
フィルム等の積層枚数あるいは1枚の厚さを増加するこ
とで、容易に実施することができる。尚、本発明方法に
対して、従来の第2の方法では、樹脂粉末の付着量に限
界があり、また、樹脂量を大とすると繊維に破損を発生
しやすく、樹脂の比率を大とすることはできなかった。
【0020】
【実施例】以下、本発明方法の実施例を説明する。ま
ず、第一工程で、6000フィラメントのカーボン繊維
からなる連続繊維に対して、所要圧力でエアを噴射して
連続繊維を開繊すると共に、該エアと共に6ナイロンか
らなる熱可塑性樹脂粉末を吹き付け、エアの流体中に樹
脂粉末を懸濁させた状態で、上記連続繊維織物を付着し
た。
【0021】第二工程で、上記開繊した状態で樹脂粉末
を付着した連続繊維を、サイジング用の表面処理を施し
ていない状態で、フィラメントワンディング装置におい
て、マンドレルに被せたシリコンチューブからなる中子
に対して、フィラメントワンディング法で所要角度で、
所要回数、巻き付けて被覆した。
【0022】第三工程で、中子に連続繊維を巻き付けた
状態のまま、その外周面に、6ナイロンからなる厚さ8
0μmのテープをラッピングした。該ラッピング時のテ
ンションは800gfとした。
【0023】第四工程で、上記樹脂粉末を付着した連続
繊維とテープを積層して被覆したシリコンチューブから
なる中子をマンドレルから抜き取って、予備成形体を作
成した。
【0024】第五工程で、上記予備成形体を、成形金型
のキャビティ内に配置した。該成形金型のキャビティ
は、φ20の外形の円筒状パイプを成形する形状として
いる。上記成形金型を型閉めした後、250℃に加熱し
て、連続繊維に付着した6ナイロンからなる樹脂粉末
と、同じく6ナイロンからなるテープとを溶融し、該状
態で、中子のシリコンチューブ内に15kg/cm2
圧力を空気を供給して加圧し、この状態で20分間保持
した。ついで、上記シリコンチューブ内を加圧した状態
のまま、加熱を停止して、30℃まで冷却して、溶融し
た6ナイロンを硬化した。硬化後、金型を開いて、成形
品の中空パイプを取り出した。成形品の樹脂含有率は5
6vol%であった。
【0025】上記方法で製造された中空部を有する外形
がφ20の円筒状のパイプは、しわの発生がなく、か
つ、300mmのパイプに対して4点曲げの破壊試験を
行った結果、最大142kgfの荷重を負荷するまで破壊
せず、破壊強度は大であった。また、光学顕微鏡により
樹脂の含浸状態を検査したところ、樹脂は強化繊維の間
に略均一に含浸し、空隙(ボイド)の発生はなく、樹脂
の含浸レベルは良好であった。
【0026】また、上記製造工程において、成形金型の
キャビティに配置する時、樹脂(6ナイロン)を溶融し
て硬化させていないため、柔軟性を保持し、よって、キ
ャビティ型面に容易に沿わすことができ、予備成形体の
成形性は良好であった。しかも、このキャビティに沿っ
て配置する時、強化繊維に付着させた樹脂粉末を樹脂テ
ープを密着して被覆しているため、粉末が離散すること
はなく、キャビティ内に配置できた。また、予備成形体
の作成コストは、前記したマトリクス樹脂からなる繊維
を設け、該繊維を強化繊維と混ぜ合わせる第3および第
4の方法と比較して安価にすることができた。
【0027】上記本発明方法と比較するため、前記した
従来の第1、第2、第3、第4の製造方法と対応する比
較例1〜比較例4の方法で、上記本発明で製造した成形
品と同一のφ20のパイプを製造した。
【0028】まず、従来の第1の方法と対応する比較例
1では、まず、開繊したカーボン繊維のロービングを並
列に配列し、これに6ナイロンからなるフィルムを重
ね、加熱加圧して、6ナイロン・フィルムを溶融して、
カーボン繊維に6ナイロンを含浸させたシートを成形し
た。ついで、このシートを繊維配列方向と平行に裁断
し、8mm幅のテープ状に加工した。このテープを加熱
し軟化させながら、マンドレルに被覆したシリコンチュ
ーブに巻き付け、巻き付け後にマンドレルから抜きだし
て、予備成形体を作成した。該予備成形体を成形金型の
キャビティ内に配置し、その後は本発明の第五工程と同
様に成形金型内で加熱加圧してパイプを成形した。該パ
イプの樹脂含有率は54vol%であった。
【0029】上記比較例1の方法では、上記テープをシ
リコンチューブに巻き付ける時に安定して加熱し、柔ら
かくする必要があり、柔らかさが一定でないとシワが発
生しやすく、巻き付け力も柔らかさに応じて調整する必
要があった。なお、一般に巻き付け力を大きくする必要
があるが、大きすぎるとテープに破損が発生しやすい問
題があった。成形品の品質、コスト、成形の難易等につ
いては、下記の表に示す通りである。
【0030】従来の第2の方法に対応する第2比較例で
は、従来の第2の方法と異なり、強化繊維に樹脂粉末を
付着した後に加熱して樹脂粉末を強化繊維に含浸させ
ず、かつ、本発明のように熱可塑性樹脂からなるテープ
で被覆せず、樹脂粉末を付着しただけで予備成形体を作
成したものである。すなわち、本発明の第一工程と第二
工程は同様であり、第二工程でシリコンチューブからな
る中子に樹脂粉末を付着した連続繊維を巻き付けた後、
マンドレルから抜き出して予備成形体を作成した。この
予備成形体を本発明の第五工程と同様に、成形金型のキ
ャビティ内に配置し、加熱加圧してパイプを製造した。
該パイプの樹脂含有率は48vol%であった。
【0031】上記比較例2の方法では、成形金型へのセ
ット時に樹脂粉末の離散が発生した。よって、表面に樹
脂の浸透が悪い部分があり、樹脂の含浸が均一になって
いない欠点があった。成形品の品質、コスト、成形の難
易等については、下記の表に示す通りである。
【0032】従来の第3の方法に対応する比較例3で
は、連続繊維からなる6000フィラメントのカーボン
繊維のロービングと、6ナイロンで作成した連続繊維か
らなるロービングとを均一となるように絡ませて1本の
ロービングを作成した。その際、6ナイロン繊維は体積
比で45vol%となるように調整した。該ロービング
を本発明の第2工程と同様にフィラメントワインディン
グ装置で、マンドレルにかぶせたシリコンチューブから
なる中子に巻き付け、巻き付け後にマンドレルより抜き
出して予備成形体を作成した。該予備成形体を本発明の
第五工程と同様に成形金型のキャビティ内にセットし、
加熱加圧してパイプを成形した。
【0033】上記比較例3では、カーボン繊維と6ナイ
ロン繊維を絡ませたロービングをフィラメントワインデ
ィングで中子に巻き付ける際、繊維の伸びの違いにより
カーボン繊維と6ナイロン繊維とが分離する傾向があ
り、巻き付けにくい問題があった。成形品の品質、コス
ト、成形の難易等は下記の表に示す通りである。
【0034】従来の第4の方法に対応する比較例4で
は、連続繊維からなるカーボン繊維を1方向にシート状
に配列し、その両面に6ナイロンからなる不織布を重ね
合わせた。この状態で、針状のものを押し込むことによ
り、カーボン繊維と6ナイロン不織布とを絡み合わせ
た。その後、カーボン繊維の配向に合わせて幅8mmに
裁断し、これをマンドレルに被せたシリコンチューブに
巻き付け、巻き付け後にマンドレルより抜き出して予備
成形体を作成した。該予備成形体を本発明の第五工程と
同様に、成形金型のキャビティ内にセットし、加熱、加
圧してパイプを成形した。成形品の樹脂含有率は56v
ol%であった。
【0035】上記比較例4では、カーボン繊維と6ナイ
ロン不織布とを絡み合わせる際に、カーボン繊維に破損
が発生しやすい問題があった。成形品の品質、コスト、
成形の難易等は下記の表に示す通りである。
【0036】
【表1】 樹脂含浸 製造工程での 材料コスト 成形品の シワ発生 レベル 成形性 破壊強度 の有無 本発明の実施例 ◎ ○ ◎ 142kgf 無し 比較例1 △ × ○ 98 有り 比較例2 △ △ ◎ 101 有り 比較例3 ○ ○ × 114 無し比較例4 ○ ○ × 116 無し
【0037】上記表において、優れている順番に◎→○
→△→×で示し、×が最も悪いことを示している。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
方法によれば、強化繊維に吹き付けて付着した熱可塑性
樹脂粉末を、従来のように溶融して強化繊維に溶着した
状態で硬化させずに、熱可塑性樹脂からなるテープ、フ
ィルムあるいは不織布を巻き付けて、強化繊維に付着し
た粉末を離散させないようにしているため、成形金型へ
のセット時には柔軟性を保持し、よって、キャビティの
形状に沿わせてセットすることが容易にできる。すなわ
ち、従来の第2の方法を改良して、成形性を良好とする
ことができた。
【0039】また、樹脂粉末を強化繊維に吹き付けて、
流体中に懸濁した状態で付着しているため、強化繊維に
対して粉末を均一に付着でき、よって、成形金型内で加
熱溶融した時、樹脂を均一に含浸させることができる。
さらに、熱可塑性樹脂製のフィルム、テープあるいは不
織布を重ねて積層しているため、樹脂含有率を増加させ
ることも容易にできる。
【0040】さらに、熱可塑性樹脂からなるマトリクス
樹脂で繊維を形成し、該樹脂繊維をカーボン繊維等の強
化繊維と絡み合わす方法と比較して、工程が簡単となる
ため、材料コストを低下でき、成形品を安価に提供でき
る利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 22/00 B29C 43/18,43/52 B29C 69/00 B29C 70/06 B29C 39/10,39/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維または連続繊維織物に対して気
    体又は液体を噴射させて開繊させ、かつ、この噴射する
    気体または液体中に懸濁した状態で熱可塑性樹脂粉体を
    上記連続繊維または連続繊維織物に付着させ、 ついで、上記熱可塑性樹脂粉末が付着した連続繊維又は
    連続繊維織物と、熱可塑性樹脂製のテープ、フィルム又
    は不織布とを、中子の外周面に積層させて予備成形体を
    作成し、 上記予備成形体を成形金型のキャビティ内に配置した
    後、熱可塑性樹脂が溶融する温度以上の温度で加熱加圧
    成形することを特徴とする中空状繊維強化熱可塑性樹脂
    製品の製造方法。
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