JP2881093B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JP2881093B2 JP2881093B2 JP15751793A JP15751793A JP2881093B2 JP 2881093 B2 JP2881093 B2 JP 2881093B2 JP 15751793 A JP15751793 A JP 15751793A JP 15751793 A JP15751793 A JP 15751793A JP 2881093 B2 JP2881093 B2 JP 2881093B2
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
るものであり、詳しくは、繰り返し使用における電位安
定性及び環境条件に影響されることのない画質安定性に
優れ、正規、反転いずれの現像方法にも適合する電子写
真用感光体に関するものである。
るものであり、詳しくは、繰り返し使用における電位安
定性及び環境条件に影響されることのない画質安定性に
優れ、正規、反転いずれの現像方法にも適合する電子写
真用感光体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、導電性基体上に電荷発生物質を含
む電荷発生層と電荷移動物質を含む電荷移動層とを順次
積層してなる積層型有機感光体が開発され、実用化され
ている。しかしながら、このような積層型有機感光体
は、暗中の帯電能を高め、光感度を劣化させないために
は、電荷発生層の膜厚を１μ以下の薄膜とすることが望
ましく、その結果、導電性基体上の欠陥を被覆するには
不十分であり、反転現像を利用した電子写真プロセスに
て画像を採取すると、地カブリ、黒点、黒筋等の画像欠
陥を生じ易い。また正規現像の電子写真プロセスでも中
間調の複写画像にて、濃淡ムラや、ヌケ等の欠陥を生じ
る。そこで従来、導電性基体と電荷発生層との間に中間
層、下引き層と称される樹脂層を積層することが提案さ
れ、例えば特開昭６０−１６８１５７号、特開平４−２
７９５７、特開平４−３２９５４９にはアルコール可溶
性ポリアミド樹脂にて下引き層を形成することが提案さ
れている。下引き層を設ければ、導電性基体上の欠陥を
被覆し、薄膜で均一な電荷発生層を形成することができ
るが、残留電位の上昇や、感度の低下、或いは反転現像
における転写帯電（正極）の影響による負帯電能の低下
という問題が起こり、画像欠陥を初期的に解決しても繰
り返し使用による安定性が得られない。
む電荷発生層と電荷移動物質を含む電荷移動層とを順次
積層してなる積層型有機感光体が開発され、実用化され
ている。しかしながら、このような積層型有機感光体
は、暗中の帯電能を高め、光感度を劣化させないために
は、電荷発生層の膜厚を１μ以下の薄膜とすることが望
ましく、その結果、導電性基体上の欠陥を被覆するには
不十分であり、反転現像を利用した電子写真プロセスに
て画像を採取すると、地カブリ、黒点、黒筋等の画像欠
陥を生じ易い。また正規現像の電子写真プロセスでも中
間調の複写画像にて、濃淡ムラや、ヌケ等の欠陥を生じ
る。そこで従来、導電性基体と電荷発生層との間に中間
層、下引き層と称される樹脂層を積層することが提案さ
れ、例えば特開昭６０−１６８１５７号、特開平４−２
７９５７、特開平４−３２９５４９にはアルコール可溶
性ポリアミド樹脂にて下引き層を形成することが提案さ
れている。下引き層を設ければ、導電性基体上の欠陥を
被覆し、薄膜で均一な電荷発生層を形成することができ
るが、残留電位の上昇や、感度の低下、或いは反転現像
における転写帯電（正極）の影響による負帯電能の低下
という問題が起こり、画像欠陥を初期的に解決しても繰
り返し使用による安定性が得られない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のような技術背景
の下に、本発明は、残留電位の上昇がなく、転写帯電に
よる帯電能への影響を極力おさえた繰返し安定性のある
電子写真用感光体の提供をめざしてなされたものであ
る。
の下に、本発明は、残留電位の上昇がなく、転写帯電に
よる帯電能への影響を極力おさえた繰返し安定性のある
電子写真用感光体の提供をめざしてなされたものであ
る。
【０００４】本発明者らは、鋭意努力の結果上記課題を
解決することができたのであるが、その新しく開発され
た発明は、導電性基体上に、下引き層、感光層を順次積
層した電子写真用感光体において、前記下引き層が分子
量を異にする２種以上のアルコール可溶性ポリアミド樹
脂を主成分とし、更に正孔移動剤を前記樹脂の１０重量
％未満溶解、含有させたものであり、更に、正孔移動剤
が、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物及びトリフェ
ニルアミン化合物からなる群から選ばれる少くとも１種
の化合物よりなるもの、または前記下引き層が、低級ア
ルコールを主成分とし、塩素化炭化水素を５０重量％以
下含有する溶媒を用いて形成された電子写真用感光体に
関する発明も含まれる。
解決することができたのであるが、その新しく開発され
た発明は、導電性基体上に、下引き層、感光層を順次積
層した電子写真用感光体において、前記下引き層が分子
量を異にする２種以上のアルコール可溶性ポリアミド樹
脂を主成分とし、更に正孔移動剤を前記樹脂の１０重量
％未満溶解、含有させたものであり、更に、正孔移動剤
が、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物及びトリフェ
ニルアミン化合物からなる群から選ばれる少くとも１種
の化合物よりなるもの、または前記下引き層が、低級ア
ルコールを主成分とし、塩素化炭化水素を５０重量％以
下含有する溶媒を用いて形成された電子写真用感光体に
関する発明も含まれる。
【０００５】本発明において、下引き層として用いるア
ルコール可溶性ポリアミド樹脂は種々の共重合ナイロ
ン、又、アルコキシメチル化ナイロンであり市販品とし
て入手することが可能である。例えば東レ（株）製ＣＭ
−４０００、同ＣＭ−８０００、帝国化学産業（株）製
トレジンＦ３０、トレジンＭＦ−３０、トレジンＥＦ−
３０Ｔ等がある。上記のアルコール可溶性ポリアミド樹
脂を、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級
脂肪族アルコールに溶解させ、更に溶液の安定性を高め
るため、トリクロルエタン、トリクロルエチレン、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素を０〜５０重量％の割合で混合し、更に正孔移
動剤を１０重量％以下溶解させて塗料とし、これを導電
性基体上に塗布し、加熱乾燥して下引き層を形成させ
る。下引き層の膜厚は０．５〜３．０μが最も適した範
囲である。
ルコール可溶性ポリアミド樹脂は種々の共重合ナイロ
ン、又、アルコキシメチル化ナイロンであり市販品とし
て入手することが可能である。例えば東レ（株）製ＣＭ
−４０００、同ＣＭ−８０００、帝国化学産業（株）製
トレジンＦ３０、トレジンＭＦ−３０、トレジンＥＦ−
３０Ｔ等がある。上記のアルコール可溶性ポリアミド樹
脂を、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級
脂肪族アルコールに溶解させ、更に溶液の安定性を高め
るため、トリクロルエタン、トリクロルエチレン、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素を０〜５０重量％の割合で混合し、更に正孔移
動剤を１０重量％以下溶解させて塗料とし、これを導電
性基体上に塗布し、加熱乾燥して下引き層を形成させ
る。下引き層の膜厚は０．５〜３．０μが最も適した範
囲である。
【０００６】正孔移動剤としてはヒドラゾン化合物、ス
チルベン化合物またはトリフェニルアミン化合物が挙げ
られるが、これは、上記塗料中で安定的に溶解している
ことが必要であり、結晶析出が起こると、本発明の目的
は達せられない。具体的には、下記材料が好ましい。
チルベン化合物またはトリフェニルアミン化合物が挙げ
られるが、これは、上記塗料中で安定的に溶解している
ことが必要であり、結晶析出が起こると、本発明の目的
は達せられない。具体的には、下記材料が好ましい。
【化１】
【化２】
【０００７】次に、スチルベン化合物の好ましい具体例
として、例えば次の構造式を有するものが挙げられる
が、これに限定されるものでない。
として、例えば次の構造式を有するものが挙げられる
が、これに限定されるものでない。
【化３】
【化４】
【化５】
【０００８】また、トリフェニルアミン化合物の好まし
い具体例として、例えば次の化合物を有するものが挙げ
られるが、これに限定されるものでない。 (12) ４，４′−ビス〔Ｎ−（２，６−ジメチルフェニ
ル）−Ｎ−フェニルアミノ〕ジフェニル (13) ４，４′−ビス〔Ｎ−（２，４−ジメチルフェニ
ル）−Ｎ−フェニルアミノ〕ジフェニル (14) １−〔Ｎ−（３，５−ジメチルフェニル）−Ｎ−
フェニルアミノ〕−４−（Ｎ，Ｎ−ジフェニルアミノ）
ベンゼン (15) ４−〔Ｎ−（３，５−ジメチルフェニル）−Ｎ−
フェニルアミノ〕−４′−（Ｎ，Ｎ−ジフェニルアミ
ノ）−１，１′：４′，１′−テルフェニル
い具体例として、例えば次の化合物を有するものが挙げ
られるが、これに限定されるものでない。 (12) ４，４′−ビス〔Ｎ−（２，６−ジメチルフェニ
ル）−Ｎ−フェニルアミノ〕ジフェニル (13) ４，４′−ビス〔Ｎ−（２，４−ジメチルフェニ
ル）−Ｎ−フェニルアミノ〕ジフェニル (14) １−〔Ｎ−（３，５−ジメチルフェニル）−Ｎ−
フェニルアミノ〕−４−（Ｎ，Ｎ−ジフェニルアミノ）
ベンゼン (15) ４−〔Ｎ−（３，５−ジメチルフェニル）−Ｎ−
フェニルアミノ〕−４′−（Ｎ，Ｎ−ジフェニルアミ
ノ）−１，１′：４′，１′−テルフェニル
【０００９】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳説す
る。
る。
【００１０】実施例１ アルコール可溶性ポリアミド樹脂（東レ（株）製ＣＭ−
４０００、ナイロン６／６６／６１０／１２共重合体）
５重量部、同じくアルコール可溶性のＮ−メトキシメチ
ル化ナイロン（帝国化学産業（株）製ＥＦ−３０Ｔ）５
重量部、正孔移動剤〔式（３）〕０．５重量部、メタノ
ール６２重量部、クロロホルム２７．５重量部からなる
溶液を外径３０ｍｍのアルミ製円筒管の表面に浸漬塗工
し、１００℃で２０分間乾燥して、膜厚２μの下引き層
を形成した。次いでポリビニルブチラール（積水化学
（製）エスレックＢＨ−３）１重量部、下記式（１６）
のアゾ顔料２重量部、１，４−ジオキサン９７重量部か
らなる混合物をサンドミルにて２４Ｈｒ粉砕、分散させ
た塗料を、上記下引き層上に浸漬塗工し、１１０℃で２
０分間乾燥して、膜厚０．５μの電荷発生層を形成し
た。
４０００、ナイロン６／６６／６１０／１２共重合体）
５重量部、同じくアルコール可溶性のＮ−メトキシメチ
ル化ナイロン（帝国化学産業（株）製ＥＦ−３０Ｔ）５
重量部、正孔移動剤〔式（３）〕０．５重量部、メタノ
ール６２重量部、クロロホルム２７．５重量部からなる
溶液を外径３０ｍｍのアルミ製円筒管の表面に浸漬塗工
し、１００℃で２０分間乾燥して、膜厚２μの下引き層
を形成した。次いでポリビニルブチラール（積水化学
（製）エスレックＢＨ−３）１重量部、下記式（１６）
のアゾ顔料２重量部、１，４−ジオキサン９７重量部か
らなる混合物をサンドミルにて２４Ｈｒ粉砕、分散させ
た塗料を、上記下引き層上に浸漬塗工し、１１０℃で２
０分間乾燥して、膜厚０．５μの電荷発生層を形成し
た。
【化６】 次いでポリカーボネート（三菱瓦斯化学工業（株）製ユ
ーピロンＥ−２０００）２５重量部、式（１７）で表わ
される正孔移動剤２２重量部、ジクロロメタン５０重量
部、ブチルヒドロトルエン３重量部からなる溶液を上記
電荷発生層上に浸漬塗布し、８０℃で６０分間乾燥して
膜厚２０μの電荷移動層を形成した。
ーピロンＥ−２０００）２５重量部、式（１７）で表わ
される正孔移動剤２２重量部、ジクロロメタン５０重量
部、ブチルヒドロトルエン３重量部からなる溶液を上記
電荷発生層上に浸漬塗布し、８０℃で６０分間乾燥して
膜厚２０μの電荷移動層を形成した。
【化７】
【００１１】比較例１ 下引き層の正孔移動剤を１．０重量部とした以外は実施
例１と同様に感光体を製作した。
例１と同様に感光体を製作した。
【００１２】比較例２ 下引き層の正孔移動剤を除いた以外は実施例１と同様に
感光体を製作した。
感光体を製作した。
【００１３】比較例３ 下引き層の樹脂をアルコール可溶性ナイロンＣＭ−４０
００のみとしてアルコール可溶性Ｎ−メトキシメチル化
ナイロンＥＦ−３０Ｔを除いた以外は、実施例１と同様
に感光体を製作した。
００のみとしてアルコール可溶性Ｎ−メトキシメチル化
ナイロンＥＦ−３０Ｔを除いた以外は、実施例１と同様
に感光体を製作した。
【００１４】比較例４ 下引き層を除いて実施例１と同様に感光体を製作した。
以上の様にして得られた有機感光体についてトレックジ
ャパン（株）製電子写真感光体評価装置（ＥＬＳＹ−
１）にて静電特性を評価した。ＥＬ光源プリンターにて
反転画像も評価した。結果を表１に示す。
以上の様にして得られた有機感光体についてトレックジ
ャパン（株）製電子写真感光体評価装置（ＥＬＳＹ−
１）にて静電特性を評価した。ＥＬ光源プリンターにて
反転画像も評価した。結果を表１に示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【発明の効果】表１からわかるように、下引き層を設け
ない仕様（比較例４）に比べ実施例１の下引き層を形成
すれば画像欠陥が改良され、繰り返し安定性（ΔＶ＝｜
Ｖ01−Ｖ02｜）が非常に改善され、特に、正帯電（転写
帯電に相当）を印加した反転現像プロセスでは、その効
果が大となる。又、下引き層中に正孔移動剤を含まない
仕様（比較例２）は、残留電位が高く、正規、反転のど
ちらの現像方式においても、繰り返し使用により、残留
電位が上昇するため画像に地カブリが発生してしまう。
更に、下引き層の樹脂をアルコール可溶性ナイロンＣＭ
−４０００のみとした仕様（比較例３）では、正帯電印
加（反転現像）プロセスにおいて、帯電能が著しく低下
し、繰返し使用に適さない。以上の結果から、本発明の
下引き層を形成した有機感光体は、正規現像、反転現像
の両者の電子写真プロセスにおいて、繰り返し安定性に
優れ、画像品質に優れた特性が得られることが明らかな
のである。
ない仕様（比較例４）に比べ実施例１の下引き層を形成
すれば画像欠陥が改良され、繰り返し安定性（ΔＶ＝｜
Ｖ01−Ｖ02｜）が非常に改善され、特に、正帯電（転写
帯電に相当）を印加した反転現像プロセスでは、その効
果が大となる。又、下引き層中に正孔移動剤を含まない
仕様（比較例２）は、残留電位が高く、正規、反転のど
ちらの現像方式においても、繰り返し使用により、残留
電位が上昇するため画像に地カブリが発生してしまう。
更に、下引き層の樹脂をアルコール可溶性ナイロンＣＭ
−４０００のみとした仕様（比較例３）では、正帯電印
加（反転現像）プロセスにおいて、帯電能が著しく低下
し、繰返し使用に適さない。以上の結果から、本発明の
下引き層を形成した有機感光体は、正規現像、反転現像
の両者の電子写真プロセスにおいて、繰り返し安定性に
優れ、画像品質に優れた特性が得られることが明らかな
のである。
【図１】図１は、本発明の電子写真用感光体の１例を示
す断面図である。
す断面図である。
１ 導電性基体（アルミ基板） ２ 下引き層 ３ 電荷発生層 ４ 電荷移動層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−187931（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−204640（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−1765（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) G03G 5/00 - 5/16
Claims (3)
- 【請求項１】 導電性基体上に、下引き層、感光層を順
次積層した電子写真用感光体において、前記下引き層
が、分子量を異にする２種以上のアルコール可溶性ポリ
アミド樹脂を主成分とし、更に正孔移動剤を前記樹脂の
１０重量％未満溶解、含有してなる電子写真用感光体。 - 【請求項２】 正孔移動剤が、ヒドラゾン化合物、スチ
ルベン化合物及びトリフェニルアミン化合物からなる群
から選ばれる少くとも１種の化合物よりなる請求項１に
記載の電子写真用感光体。 - 【請求項３】 下引き層が、低級アルコールを主成分と
し、塩素化炭化水素を５０重量％以下含有する溶媒を用
いて形成されたものである請求項１に記載の電子写真用
感光体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15751793A JP2881093B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15751793A JP2881093B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 電子写真用感光体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0713378A JPH0713378A (ja) | 1995-01-17 |
| JP2881093B2 true JP2881093B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=15651409
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15751793A Expired - Fee Related JP2881093B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2881093B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP15751793A patent/JP2881093B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0713378A (ja) | 1995-01-17 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |