JP2880140B2 - 耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤 - Google Patents

耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤

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JP2880140B2
JP2880140B2 JP35252896A JP35252896A JP2880140B2 JP 2880140 B2 JP2880140 B2 JP 2880140B2 JP 35252896 A JP35252896 A JP 35252896A JP 35252896 A JP35252896 A JP 35252896A JP 2880140 B2 JP2880140 B2 JP 2880140B2
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恵子 山岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン捕捉剤に関
し、更に詳細には、酸性物質あるいはハロゲン化合物系
酸化剤に添加しても安定である耐酸耐酸化性ハロゲン捕
捉剤に関する。
【0002】
【従来の技術】次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸
塩は、その優れた酸化漂白力を生かし、衣料用漂白剤、
台所用漂白剤、カビとり剤、トイレ洗浄剤、排水管洗浄
剤、洗濯槽洗浄剤、変質油汚れ洗浄剤等の漂白・洗浄剤
に用いられている。 また、強い殺菌効力を利用して、
殺菌剤、消毒剤、脱臭剤としたり、洗浄剤に配合して殺
菌・消毒洗浄剤として用いられている。
【0003】塩素化イソシアヌル酸塩などの固体塩素剤
も、酸化漂白力および殺菌効力を生かし、さらに固体で
ある特徴を利用して、カビとり剤、風呂水浄化剤、排水
口洗浄剤(ヌメリとり剤)、トイレ用固形洗浄剤(オン
タンク、インタンク剤)、洗濯槽洗浄剤、殺菌消毒剤、
脱臭消毒剤、プール用殺菌剤、工業用漂白剤等や、粉末
洗浄剤に配合して食器洗い機用洗剤などの漂白洗浄剤、
殺菌・消毒洗浄剤等に用いられている。
【0004】一方、塩酸、クエン酸などの酸性物質は、
無機物質溶解力やキレート能を生かして、トイレ・タイ
ル洗浄剤、浴室洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、ガラス洗浄剤な
どに用いられている。 また、硼酸、クエン酸などは、
殺菌・静菌作用を利用して、殺菌剤や防腐剤としても用
いられている。
【0005】更に、こはく酸、酒石酸などの固体酸は、
トイレの便器や排水管の尿石除去剤、スケール防止剤、
排水管洗浄剤などとして用いられたり、炭酸塩と配合し
て発泡剤として、またそれに洗浄成分を加えて発泡洗浄
剤として用いられる。 更にまた、硼酸、クエン酸など
は殺菌剤や防腐剤として、ホスホン酸などは腐食防止剤
としてそれぞれ使用される。
【0006】しかし、これらのハロゲン化合物系酸化剤
や酸性物質は、誤って混合させたときにハロゲンガスを
発生するという問題点をもっていた。 すなわち、次亜
塩素酸塩や塩素化イソシアヌル酸塩などの塩素化合物系
酸化剤と、塩酸などの酸性物質を混ぜると、塩素ガスを
発生する問題があった。 事実、カビとり剤と酸性洗浄
剤の混用による事故が過去に何件か発生し、現在は次亜
塩素酸ナトリウム等を含む酸化漂白剤や塩酸等を含む酸
性洗浄剤には「まぜるな危険」という表示をすることが
義務づけられている。
【0007】本発明者らは先に、共鳴効果による電子供
与基を置換基として有する芳香族化合物が、このような
ハロゲンガスの発生を効果的に抑制し、上記の問題を解
決するのに有効なハロゲン捕捉剤となることを見出し、
特許出願した(特開平5−111546号)。 そし
て、このハロゲン捕捉剤を用いた酸性洗浄剤およびカビ
とり剤は既に製品化され、事故の防止に役立っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】多くのハロゲン捕捉剤
として利用できる化合物は、酸性物質に対しては安定で
あり、塩酸等に添加し酸性洗浄剤などとして、これまで
の製品と同様に使用することができる。 しかし、次亜
塩素酸塩のようなハロゲン化合物系酸化剤(以下、「ハ
ロゲン系酸化剤」という)に対して必ずしも安定ではな
く、そのため上記のカビとり剤は、使用時に二つの剤を
混合し、その日のうちに使い切らなければならいという
欠点があった。 このため、酸性物質に対してと同様
に、ハロゲン系酸化剤に対しても安定な耐酸耐酸化性ハ
ロゲン捕捉剤が強く求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を行った結果、共鳴効果による
電子供与基として炭素数1ないし4のアルコキシル基を
有し、同時にスルホン酸塩を置換基として有する芳香族
スルホン酸化合物が、酸性物質に対しても、またハロゲ
ン系酸化剤に対して特に安定であることを見出し、本発
明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、次の式(I) (R1−O)n−R2(SO3M)m (I) (式中、R1は炭素数1ないし4のアルキル基を、R2
炭素数1ないし4のアルキル基で置換されていてもよい
ベンゼン環またはナフタリン環を、Mは水素原子、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属を、nおよびmは1ま
たは2の数を意味する)で表される芳香族スルホン酸化
合物を有効成分として含有する耐酸耐酸化性ハロゲン捕
捉剤である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる芳香族
スルホン酸化合物(I)の具体例としては、メトキシベ
ンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンジスルホン酸、ジ
メトキシベンゼンスルホン酸、ジメトキシベンゼンジス
ルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベン
ゼンジスルホン酸、ジエトキシベンゼンスルホン酸、ジ
エトキシベンゼンジスルホン酸、プロポキシベンゼンス
ルホン酸、プロポキシベンゼンジスルホン酸、ブトキシ
ベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンジスルホン酸、
メチルメトキシベンゼンスルホン酸、メチルメトキシベ
ンゼンジスルホン酸、メトキシナフタリンスルホン酸、
メトキシナフタリンジスルホン酸、ジメトキシナフタリ
ンスルホン酸、ジメトキシナフタリンジスルホン酸、メ
チルメトキシナフタリンスルホン酸、メチルメトキシナ
フタリンジスルホン酸、エトキシナフタリンスルホン
酸、エトキシナフタリンジスルホン酸およびこれらのナ
トリウム、カリウム、リチウム、カルシウム塩等が挙げ
られる。
【0012】本発明の耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤(以
下、「本発明捕捉剤」という)は、有効成分である芳香
族スルホン酸化合物(I)が発生するハロゲンガスとモ
ル対応で作用するので、経済的な意味から、より分子量
の小さいものが望ましい。また、耐酸化安定性の点か
ら、アルキル基を構成する炭素原子は、第一級がもっと
も好ましく、次いで第二級、第三級の順である。 さら
に、本発明捕捉剤は、漂白剤やカビとり剤など中性ない
しアルカリ性の水系で用いられることが多いので、水溶
性を有する中性塩であることが望ましい。 したがっ
て、上記の芳香族スルホン酸化合物の中で、特に好まし
いものは、メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウムおよ
びメトキシベンゼンスルホン酸カリウムである。 しか
しながら、トリクロルイソシアヌル酸塩のように溶解度
の比較的小さい固形塩素剤に添加する場合には、それに
対応する溶解度を持つ芳香族スルホン酸化合物が好まし
い場合もある。
【0013】本発明の芳香族スルホン酸化合物は、一般
に、対応する芳香族化合物を、硫酸などのスルホン化剤
でスルホン化し、必要に応じて水酸化ナトリウムなどで
中和することによって製造される。 このとき、モノス
ルホン酸としては、主としてパラ体、一部オルト体が生
じるが、単一化合物であっても、混合物であってもよ
い。 また、モノスルホン酸化合物とジスルホン酸化合
物の混合物であってもよい。
【0014】本発明捕捉剤には、上記の芳香族スルホン
酸化合物の他、任意成分として、界面活性剤や無機塩を
添加することもできる。 また、未反応の硫酸を含んだ
スルホン化生成物をそのまま中和したとき生成する硫酸
ナトリウムや、少量の未反応芳香族化合物を含んでいて
もよい。
【0015】かくして得られる本発明捕捉剤は、予めハ
ロゲン系酸化剤または酸性物質と組み合わせ、利用する
ことができる。
【0016】本発明捕捉剤を有利に配合することのでき
るハロゲン系酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、
次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウムなどの次亜
塩素酸およびその塩、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素
酸カリウム、次亜臭素酸カルシウムなどの次亜臭素酸お
よびその塩、トリクロルイソシアヌル酸、ジクロルイソ
シアヌル酸、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム、ジク
ロルイソシアヌル酸カリウムなどの塩素化イソシアヌル
酸及びその塩、トリブロムイソシアヌル酸、ジブロムイ
ソシアヌル酸、ジブロムイソシアヌル酸ナトリウム、ジ
ブロムイソシアヌル酸カリウムなどの臭素化イソシアヌ
ル酸およびその塩、クロルジメチルヒダントイン、ジク
ロルジメチルヒダントイン、ジクロルジエチルヒダント
インなどの塩素化ヒダントイン、ブロムジメチルヒダン
トイン、ジブロムジメチルヒダントインなどの臭素化ヒ
ダントイン、ブロムクロルジメチルヒダントインなどの
塩素化臭素化ヒダントインなどを挙げることができる。
【0017】一方、本発明捕捉剤を有利に配合すること
のできる酸性物質としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、ホスホン酸、硼酸などの鉱酸類、シュウ酸、乳酸、
酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、こはく酸、グルコン
酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、フマル
酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、イタコン酸、ニトリロ三酢酸、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸などの有機酸類、無水マレイン
酸などの酸無水物類、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カ
リウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、硫
酸アンモニウムなどの無機酸性塩類およびスルファミン
酸などを挙げることができる。
【0018】上で説明した本発明捕捉剤を配合したハロ
ゲン系酸化剤や酸性物質は、これらを用いた上述のいず
れの製品とすることもできる。
【0019】すなわち、その第一の製品例は、次亜塩素
酸塩等を用いたカビとり剤や殺菌・消毒洗浄剤など液体
のハロゲン系酸化剤組成物である。 また、第二の製品
例としては、塩素化イソシアヌル酸塩等を用いたトイレ
用固形洗浄剤や食器洗い機用洗剤など固体のハロゲン系
酸化剤組成物が挙げられる。第三の製品例としては、塩
酸等を用いたトイレ洗浄剤や殺菌剤など液体の酸性物質
組成物が挙げられる。更に第四の製品例は、こはく酸等
を用いた尿石除去剤や発泡剤など固体の酸性物質組成物
である。
【0020】これらの各製品は、それぞれ誤って酸性物
質とハロゲン系酸化物を混ぜたときの、ハロゲンガスの
発生を抑制することができるものである。
【0021】本発明捕捉剤を利用して、第一、第三の製
品例のような液体の組成物を得る場合、用いる捕捉剤
は、固体、水溶液、ペーストなどいずれの形状でもよ
い。 また、本発明捕捉剤の他、必要に応じて、界面活
性剤、香料などを加えてもよい。
【0022】第一の製品例の好ましい具体例としては、
本発明捕捉剤と、次亜塩素酸、次亜臭素酸およびそれら
の塩から選ばれるハロゲン化合物系酸化剤を含み、その
用途が衣料用漂白剤、台所用漂白剤、カビとり剤、トイ
レ洗浄剤、排水管洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、変質油汚れ洗
浄剤、殺菌剤、消毒剤、脱臭剤または殺菌・消毒洗浄剤
である液体のハロゲン系酸化剤組成物が挙げられる。
【0023】また、第二の製品例の好ましい具体例とし
ては、本発明捕捉剤と、塩素化イソシアヌル酸、臭素化
イソシアヌル酸およびそれらの塩、塩素化ヒダントイ
ン、臭素化ヒダントインおよび塩素化臭素化ヒダントイ
ンから選ばれるハロゲン化合物系酸化剤を含み、その用
途がカビとり剤、風呂水浄化剤、排水口洗浄剤、トイレ
用固形洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、殺菌消毒剤、脱臭消毒
剤、プール用殺菌剤、工業用漂白剤、食器洗い機用洗
剤、漂白洗浄剤または殺菌・消毒洗浄剤である固体のハ
ロゲン系酸化剤組成物が挙げられる。
【0024】更に、第三の製品例の好ましい具体例とし
ては、本発明捕捉剤と、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホ
スホン酸、硼酸、シュウ酸、乳酸、酢酸、グリコール
酸、リンゴ酸、こはく酸、グルコン酸、クエン酸および
酒石酸から選ばれた酸性物質を含み、その用途がトイレ
・タイル洗浄剤、浴室洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、ガラス洗
浄剤、殺菌剤、防腐剤または腐食防止剤である液体の酸
性物質組成物が挙げられる。
【0025】更にまた、第四の製品例の好ましい具体例
としては、本発明捕捉剤と、グリコール酸、リンゴ酸、
こはく酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、
サリチル酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフ
タル酸、マレイン酸、イタコン酸、ニトリロ三酢酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、無水マレイン
酸、ホスホン酸、硼酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素
カリウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウムまたはスルファミン酸から選ばれた酸
性物質を含み、その用途が尿石除去剤、スケール防止
剤、排水管洗浄剤、発泡剤、発泡洗浄剤、殺菌剤、防腐
剤または腐食防止剤である固体の酸性物質組成物が挙げ
られる。
【0026】本発明捕捉剤では、有効成分である芳香族
スルホン酸化合物が本質的に固体であることが一つの特
徴である。 このため、第二、第四の製品例のような固
体の組成物を容易に得ることができる。 このとき、本
発明捕捉剤添加の前または後に粉砕、混合、成型などの
工程を加えることによって、粉体の剤形のものや、顆
粒、錠剤などの固形の剤形のものにすることができる。
また、本発明捕捉剤とともに界面活性剤、成型助剤な
どをさらに添加することもできる。
【0027】上述のハロゲン系酸化物組成物または酸性
物質組成物に本発明捕捉剤を加えた製品を得る際、添加
すべき本発明捕捉剤の量は、それぞれ過剰の塩酸および
次亜塩素酸ナトリウムと混合したときに、発生が予測さ
れるハロゲン分子のモル数の1/2倍以上であることが
好ましい。 さらに厳密に発生を抑制するためには等モ
ル以上であることが好ましい。 ただし、完全にハロゲ
ンガスの発生を抑制する必要のない場合は、より少ない
量でよいことは勿論である。
【0028】本発明捕捉剤のもう一つの利用方法は、ハ
ロゲン系酸化剤と酸性物質を混ぜたときのハロゲンガス
の発生を抑制するのではなく、単独で使用し、固体のハ
ロゲン系酸化剤から保存中に発生するハロゲンガスの除
去や、ハロゲンを取り扱う研究設備・生産設備の空気の
清浄化など、すでに発生したハロゲンガスを捕捉するこ
とである。 この場合に必要な本発明捕捉剤の量は、ハ
ロゲンガスの発生量に応じて決められる。
【0029】
【作用】本発明の耐酸化性捕捉剤は、分子内に反応性の
大きい水酸基、アミノ基などの官能基を持たないため、
一般の酸や酸化剤の反応を受けにくい。 一方、共鳴効
果による電子供与基を置換基として持ち、芳香環の電子
密度が高いため、求電子的な性質を持つ、ハロゲンガス
発生反応の中間体および/またはハロゲン分子とは速や
かに反応する。 その結果、酸性物質およびハロゲン系
酸化剤に対して安定であり、かつハロゲン捕捉能をもつ
ものと考えられる。
【0030】
【発明の効果】本発明捕捉剤は、酸性物質およびハロゲ
ン系酸化剤のいずれに対しても安定であり、かつハロゲ
ン捕捉能を持つため、酸性物質およびハロゲン系酸化剤
に直接添加して、長期間安定でかつ混合時のハロゲンガ
スの発生を抑制した組成物を得ることができる。
【0031】また、本発明捕捉剤は本質的に固体である
ため、液体の組成物とともに固体の組成物にも利用でき
る。 したがって、酸性の洗浄剤やスケール防止剤、ハ
ロゲン系のカビとり剤、漂白剤などに利用すれば、長期
間製品の活性を保ちながら、万一の場合のハロゲンガス
の発生が防止されるので、製品の使用方法に制約を受け
ることなく、安全性を確保し、事故を防止することがで
きる。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は何らこれら実施例に制約されるもの
ではない。 なお、実施例における塩素ガス発生量、活
性塩素量および酸量の測定は、以下の方法により行っ
た。
【0033】( 塩素ガス発生量の測定 )容量20リッ
トルの図1に示すような装置を用い、塩素ガスの発生量
を測定した。 図1のEで示されるビーカーに酸性物質
試料あるいはハロゲン系酸化剤試料を3ml取り、この
中にそれぞれ5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは
10%塩酸水溶液3mlを加え、直ちに蓋をし、マグネ
ティックスターラーFで撹拌した。 また、容器中のフ
ァンDにより下方に送風した。 5分経過後、検知管B
を備えたガス採取器Cによりガスを吸引し、容器中の塩
素ガス濃度を測定した。 なお、液体の試料はそのま
ま、固体の試料は5%水溶液として測定した。
【0034】( 活性塩素量の測定 )所定量のハロゲン
系酸化剤試料を分取し、酢酸酸性下でよう化カリウムを
添加後、生成したよう素をチオ硫酸ナトリウム標準溶液
で滴定して活性塩素量を測定した。 なお、液体の試料
はそのまま、固体の試料は水溶液として測定し、もとの
試料あたりの値で表した。
【0035】( 酸量の測定 )所定量の酸性物質試料を
分取し、水酸化ナトリウム標準溶液で中和滴定すること
によって測定した。 なお、液体の試料はそのまま、固
体の試料は水溶液として測定し、もとの試料あたりの値
で表した。
【0036】実 施 例 1 4%あるいは1%の次亜塩素酸ナトリウムと1%の水酸
化ナトリウムを含む水溶液に、その中に含まれている次
亜塩素酸ナトリウムのモル数に対して1/2、1、1.
5倍の割合となる量の本発明捕捉剤を添加し、この溶液
の塩素ガス発生量を測定した。 その結果を表1に示
す。
【0037】
【表1】 注)表中の数字の単位はppmである。 * ;4%次亜塩素酸ナトリウムを用いた。 **;1%次亜塩素酸ナトリウムを用いた。
【0038】実 施 例 2 実施例1の実験における捕捉剤添加倍率1倍の組成と同
様の次亜塩素酸ナトリウム/捕捉剤水溶液を調製し、4
0℃の恒温槽内において、時間の経過に伴う活性塩素量
および塩素発生量を測定した。 活性塩素量の測定結果
を表2に示す。また、塩素発生量は、いずれも1ppm
以下であった。
【0039】
【表2】 注) カッコ内の数字は、調製直後の活性塩素量に対する 残存率を示す。
【0040】実 施 例 3 液体漂白剤への適用:下記組成により、液体漂白剤を調
製した。 ( 組 成 ) 次亜塩素酸ナトリウム 3.0% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 8.5% 水酸化ナトリウム 1.0% 水 87.5%
【0041】この液体漂白剤を40℃の恒温槽に入れ、
時間の経過に伴う活性塩素量および塩素発生量を測定し
た。 活性塩素量の測定結果を表3に示す。 また、塩素
発生量は、いずれも1ppm以下であった。
【0042】
【表3】
【0043】実 施 例 4 粉末漂白剤への適用:下記組成の粉末を混合し、粉末漂
白剤を調製した。 ( 組 成 ) ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム 33% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 67%
【0044】この粉末漂白剤を40℃の恒温槽に入れ、
時間の経過に伴う活性塩素量および塩素発生量を測定し
た。 活性塩素量の測定結果を表4に示す。 また、塩素
発生量は、いずれも1ppm以下であった。
【0045】
【表4】
【0046】実 施 例 5 固形塩素剤への適用:下記組成の粉末を混合した後、こ
れを打錠成型し、固形塩素剤を調製した。 ( 組 成 ) ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム 30% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 60% ポリエチレングリコール 10%
【0047】この固形塩素剤を40℃の恒温槽に入れ、
時間の経過に伴う活性塩素量および塩素発生量を測定し
た。 活性塩素量の測定結果を表5に示す。 また、塩素
発生量は、いずれも1ppm以下であった。
【0048】
【表5】
【0049】実 施 例 6 液体酸性洗浄剤への適用:下記組成により液体酸性洗浄
剤を調製した。 ( 組 成 ) 塩 酸 2.5% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 15% 水 82.5%
【0050】この液体酸性洗浄剤を40℃の恒温槽に入
れ、時間の経過に伴う酸量および塩素発生量を測定し
た。 酸量の測定結果を表6に示す。 また、塩素発生量
は、いずれも1ppm以下であった。
【0051】
【表6】
【0052】実 施 例 7 粉末酸性剤への適用:下記組成の粉末を混合し、粉末酸
性剤を調製した。 ( 組 成 ) こはく酸 33% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 67%
【0053】この粉末酸性剤を40℃の恒温槽に入れ、
時間の経過に伴う酸量および塩素発生量を測定した。
酸量の測定結果を表7に示す。 また、塩素発生量は、
いずれも3ppm以下であった。
【0054】
【表7】
【0055】実 施 例 8 固形酸性剤への適用:下記組成の粉末を混合した後、打
錠成型し、固形酸性剤を調製した。 ( 組 成 ) こはく酸 30% メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム 60% ポリエチレングリコール 10%
【0056】この固形酸性剤を40℃の恒温槽に入れ、
時間の経過に伴う酸量および塩素発生量を測定した。
酸量の測定結果を表8に示す。 また、塩素発生量は、
いずれも3ppm以下であった。
【0057】
【表8】
【0058】実 施 例 9 塩素ガス捕捉剤としての利用:3.5リットルデシケー
ター内に100mlのビーカーを置き、その中にジクロ
ルイソシアヌル酸ナトリウム1gと水10mlを入れ、
直ちに蓋をした。 60分経過後、メトキシベンゼンス
ルホン酸ナトリウム5gを充填したガス吸収管を通して
デシケーター内の空気を吸引し、その中の塩素ガス濃度
を測定した。その結果、塩素ガスは検出されなかった。
これに対して、ガス吸収管を通さず、同様の測定をし
た結果、8ppmを超える塩素ガスが検出された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩素ガスの発生量を測定するために用いる装
置を示す図面
【符号の説明】
A 測定容器 E ビーカー B 塩素ガス検知管 F スターラービーズ C ガス採取器 G マグネティクスターラー D 攪拌用ファン 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 7/28 C11D 7/28 7/34 7/34 7/54 7/54 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/00 A01N 25/00 C02F 5/10 C11D 7/08 C11D 7/28 C11D 7/34 C11D 7/54

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I) (R−O)n−R(SOM)m (I) (式中、Rは炭素数1ないし4のアルキル基を、
    ベンゼン環を、Mは水素原子、アルカリ金属またはアル
    カリ土類金属を、nおよびmは1の数を意味する)で表
    される芳香族スルホン酸化合物を有効成分として含有す
    る耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤。
  2. 【請求項2】 がメチル基である請求項第1項記載
    の耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化合物系酸化剤に添加されるも
    のである請求項第1項ないし第2項記載の耐酸耐酸化性
    ハロゲン捕捉剤。
  4. 【請求項4】 酸性物質中に添加されるものである請求
    項第1項ないし第2項記載の耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉
    剤。
  5. 【請求項5】 添加するハロゲン化合物系酸化剤が、次
    亜塩素酸、次亜臭素酸、塩素化イソシアヌル酸、臭素化
    イソシアヌル酸およびそれらの塩、塩素化ヒダントイ
    ン、臭素化ヒダントインまたは塩素化臭素化ヒダントイ
    ンの1種又は2種以上を有効成分とするものである請求
    項第3項記載の耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤。
  6. 【請求項6】 添加する酸性物質が、塩酸、硫酸、硝
    酸、リン酸、ホスホン酸、硼酸、シュウ酸、乳酸、酢
    酸、グリコール酸、リンゴ酸、こはく酸、グルコン酸、
    クエン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、
    アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イ
    タコン酸、ニトリロ三酢酸、ベンゼンスルホン酸、トル
    エンスルホン酸、無水マレイン酸、硫酸水素ナトリウ
    ム、硫酸水素カリウム、硫酸水素アンモニウム、塩化ア
    ンモニウム、硫酸アンモニウムまたはスルファミン酸の
    1種または2種以上を有効成分とするものである請求項
    第4項記載の耐酸耐酸化性ハロゲン捕捉剤。
  7. 【請求項7】 請求項第1項または第2項記載の耐酸耐
    酸化性ハロゲン捕捉剤をハロゲン化合物系酸化剤に添加
    してなるハロゲン化合物系酸化剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項第1項または第2項記載の耐酸耐
    酸化性ハロゲン捕捉剤と、次亜塩素酸、次亜臭素酸およ
    びそれらの塩から選ばれるハロゲン化合物系酸化剤を含
    み、衣料用漂白剤、台所用漂白剤、カビとり剤、トイレ
    洗浄剤、排水管洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、変質油汚れ洗浄
    剤、殺菌剤、消毒剤、脱臭剤および殺菌・消毒洗浄剤か
    ら選ばれる用途を有する液体組成物。
  9. 【請求項9】 請求項第1項または第2項記載の耐酸耐
    酸化性ハロゲン捕捉剤と、塩素化イソシアヌル酸、臭素
    化イソシアヌル酸およびそれらの塩、塩素化ヒダントイ
    ン、臭素化ヒダントインおよび塩素化臭素化ヒダントイ
    ンから選ばれるハロゲン化合物系酸化剤を含み、カビと
    り剤、風呂水浄化剤、排水口洗浄剤、トイレ用固形洗浄
    剤、洗濯槽洗浄剤、殺菌消毒剤、脱臭消毒剤、プール用
    殺菌剤、工業用漂白剤、食器洗い機用洗剤、漂白洗浄剤
    および殺菌・消毒洗浄剤から選ばれる用途を有する固体
    組成物。
  10. 【請求項10】 請求項第1項または第2項記載の耐酸
    耐酸化性ハロゲン捕捉剤を酸性物質に添加してなる酸性
    物質組成物。
  11. 【請求項11】 請求項第1項または第2項記載の耐酸
    耐酸化性ハロゲン捕捉剤と、塩酸、硫酸、硝酸、リン
    酸、ホスホン酸、硼酸、シュウ酸、乳酸、酢酸、グリコ
    ール酸、リンゴ酸、こはく酸、グルコン酸、クエン酸お
    よび酒石酸から選ばれた酸性物質を含み、トイレ・タイ
    ル洗浄剤、浴室洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、ガラス洗浄剤、
    殺菌剤、防腐剤および腐食防止剤から選ばれる用途を有
    する液体組成物。
  12. 【請求項12】 請求項第1項または第2項記載の耐酸
    耐酸化性ハロゲン捕捉剤と、グリコール酸、リンゴ酸、
    こはく酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、
    サリチル酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフ
    タル酸、マレイン酸、イタコン酸、ニトリロ三酢酸、ベ
    ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、無水マレイン
    酸、ホスホン酸、硼酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素
    カリウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、
    硫酸アンモニウムおよびスルファミン酸から選ばれた酸
    性物質を含み、尿石除去剤、スケール防止剤、排水管洗
    浄剤、発泡剤、発泡洗浄剤、殺菌剤、防腐剤および腐食
    防止剤から選ばれた用途を有する固体組成物。
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