JP2879161B2 - 塩化ビニールシート用の接着剤 - Google Patents

塩化ビニールシート用の接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、塩化ビニールシート用の接剤剤に関する。
すなわち、例えば塩化ビニール製ハニカム構造体の製造
に用いられ、その基材たる塩化ビニールシートを接着す
る接着剤に関するものである。
「従来の技術」 塩化ビニールシート用の接着剤は、従来一般に溶剤成
分のみからなっていた。第5図は、このような従来の塩
化ビニールシート用の接着剤を、塩化ビニール製ハニカ
ム構造体の製造に用いた例の工程概略説明図である。そ
こで同図により、従来の塩化ビニールシート1用の接着
剤について、その使用例の1例を説明する。
まず塩化ビニール製ハニカム構造体の製造工程中塗布
工程において、基材たる塩化ビニールシート1にこのよ
うな接着剤が塗布される。すなわちこの塗布工程では最
初に、供給ロール2から供給された基材たる塩化ビニー
ルシート1の片面のみに対して、塗布ロール3により、
長手方向に直線的に一定ピッチかつ一定幅にて接着剤が
塗布される。しかる後この塩化ビニールシート1は、圧
着ロール4間において、別の供給ロール5から供給され
かつ接着剤が全く塗布されていない他の基材たる塩化ビ
ニールシート1と、上述により接着剤が塗布された片面
にて圧着される。それから塩化ビニールシート1の残り
の他面に対し、塗布ロール6により、上述により片面に
塗布された接着剤と半ピッチずつずれた位置関係で、長
手方向に直線的に同ピッチかつ同幅にて接着剤が塗布さ
れる。
次に製造工程中重積接着工程において、塩化ビニール
シート1は直ちに巻取られて重積され接着される。すな
わちこの重積工程においては、極薄の塩化ビニールシー
ト1が、溶剤成分の接着剤にて表面が溶かされ乾燥硬化
しないうちに、直ちに巻取りドラム7に巻取られロール
状に重積され接着される。
それから所定長さ毎に切断後、製造工程中展張工程に
おいて展張されハニカム構造体が成形されていた(図示
せず)。すなわち、上述によりロール状に重積され接着
された塩化ビニールシート1は、まず所定長さ毎に切断
されて、複数枚ずつ重積接着された長方形等のブロック
状のものとされた後、引張り力を加え展張されもって塩
化ビニール製ハニカム構造体が成形されていた。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、例えばこのように使用される従来の塩化ビ
ニールシート1用の接着剤にあっては、次の問題が指摘
されていた。
第1に、微小寸法での接着が困難であった。すなわ
ち、従来の塩化ビニールシート1用の接着剤は、溶剤成
分のみからなっていたのでにじんで広がり易く、例えば
所定幅等に正確に塗布することが容易でなく、もって塩
化ビニールシート1を微小寸法で接着することが困難で
あるとともに、品質ムラも生じ問題となっていた。例え
ば、従来の接着剤を塩化ビニール製ハニカム製造体の製
造に用いた場合には、前述の製造工程中塗布工程におい
て、基材たる塩化ビニールシート1に微小幅で正確に塗
布することができず、もってセルサイズの小さなものの
成形が非常に困難であるとともに、塩化ビニール製ハニ
カム構造体の品質にも問題が生じていた。
第2に、作業性が悪かった。すなわち、従来の塩化ビ
ニールシート1用の接着剤は溶剤成分のみからなってい
たので、その塗布により表面が溶かされた塩化ビニール
シート1は、もしも一旦乾燥硬化するようなことがある
と事後は接着不能となる。そこで塩化ビニールシート1
は、接着剤の塗布後は乾燥硬化しないうちに直ちに、巻
取り・重積等の処理が要求され接着されていたので、取
扱いが容易でなく作業ロスが多い等作業性が悪く問題と
なっていた。例えば、従来の接着剤を塩化ビニール製ハ
ニカム構造体の製造に用いた場合には、前述の製造工程
中塗布工程で接着剤が塗布されると、基材たる塩化ビニ
ールシート1は次の重積接着工程においては、接着剤が
乾燥硬化しないうちに直ちに巻取られて一旦ロール状に
重積接着されており、作業性が悪かった。
第3に、作りだめによるロット生産ができなかった。
すなわち、上述の第2で述べたところと同様に塩化ビニ
ールシート1は、接着剤の塗布後は乾燥硬化しないうち
に直ちに次の処理を行うことが要求されていた。そこで
まず多くの塩化ビニールシート1について一度にまとめ
て接着剤の塗布を行った後、各々について次の処理を行
う、いわゆる作りだめができず問題となっていた。例え
ば、従来の接着剤を塩化ビニール製ハニカム構造体の製
造に用いた場合には、基材たる各塩化ビニールシート1
毎に、前述の製造工程中塗布工程ののち直ちに次の重積
接着工程に移ることを要していた。つまり多くの塩化ビ
ニールシート1について一度にまとめて塗布工程を行っ
てから、次に始めてそれらの重積接着工程に移るように
する、いわゆる作りだめによるロット生産は不可能とさ
れていた。
第4に、従来の塩化ビニールシート1用の接着剤は溶
剤成分のみからなっていたので、作業現場付近に悪臭が
漂う等、環境が汚染されるという問題もあった。
第5に、従来の塩化ビニールシート1用の接着剤を塩
化ビニール製ハニカム構造体の製造に用いた場合には、
更に、切断時の基材の歩留まりが悪く、又大きなサイズ
の塩化ビニール製ハニカム構造体の成形が困難視されて
いた。すなわち、前述の製造工程中重積接着工程におい
て、一旦ロール状に重積接着された基材たる塩化ビニー
ルシート1は、事後所定長さ毎に切断されブロック状と
されるが、ロール状からブロック状に切断されるので、
円周率の関係から切断箇所たる端部に不使用廃棄部分が
多量に発生し、カーッティングによる歩留まりが悪く問
題となっていた。更に、重積接着工程において塩化ビニ
ールシート1はロール状に巻取られることになるので、
事前の塗布工程における接着剤の塗布はその長手方向に
のみ行われる幅方向には行われなかった。そこで塩化ビ
ニールシート1の幅が自ずと規制され、大きなサイズの
塩化ビニール製ハニカム構造体の成形は困難とされてい
た。
従来例ではこのような点が指摘されていた。
本発明は、このような実情に鑑み上記従来例の問題点
を解決すべくなされたものであって、ポリカプロラクト
ン樹脂を主成分とし比較的軟化温度の低い熱可塑性樹脂
を、溶剤に対し所定のごとく混合してなることにより、
第1に微小寸法での接着が可能で、第2に作業性が良
く、第3に作りだめによるロット生産も可能で、第4に
環境汚染のおそれもなく、第5に塩化ビニール製ハニカ
ム構造体の製造に用いた場合、更に、切断による歩留ま
りが良くかつ大きなサイズのものの成形も可能となる、
塩化ビニールシート用の接着剤を提案することを目的と
する。
「課題を解決するための手段」 この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとお
りである。
この塩化ビニールシート用の接着剤は、ポリカプロラ
クトン樹脂を主成分とし塩化ビニールシートの軟化温度
よりその軟化温度が低い熱可塑性樹脂を、溶剤に対し30
%から97%の重量比%で混合してなる。
「作用」 本発明は、このような手段よりなるので次のごとく作
用する。
この塩化ビニールシート用の接着剤は、ポリカプロラ
クトン樹脂を主成分とし塩化ビニールシートより軟化温
度が低い熱可塑性樹脂を、溶剤と混合してなる。そこで
この接着剤は、塩化ビニールシートに塗布して一旦乾燥
硬化したのちにおいても、塩化ビニールシートより低い
軟化温度で加熱されると軟化し塩化ビニールシートを接
着可能となる。
そこで第1に、この接着剤は樹脂と溶剤とが混合され
てなるので、にじんで広がらず、所定幅等に正確に塗布
することができる。従って塩化ビニールシートを微小寸
法で接着可能となる。
第2に、この接着剤は塩化ビニールシートに塗布後一
旦乾燥硬化したのちでも、加熱により軟化し接着可能と
なる。更にこの接着剤は乾燥性を備えてなるので、これ
らにより作業性が良くなる。
第3に、上述の第2と同様の理由により、接着剤の塗
布を多くの塩化ビニールシートについて一度にまとめて
行え、作りだめによるロット生産が可能となる。
第4に、この接着剤は樹脂と溶剤とが混合されてなる
ので、悪臭等を発生しない。
第5に、この接着剤は塩化ビニール製ハニカム構造体
の製造に用いた場合、更にこの次のごとくなる。すなわ
ちまず、基材たる塩化ビニールシートは切断後に重積さ
れるので、切断箇所に不使用廃棄部分が発生せず、塩化
ビニール製ハニカム構造体は歩留まり良く製造される。
又一旦ロール状に巻取られるようなことがないので、接
着剤が塩化ビニールシートの幅方向にも塗布でき、幅が
規制されず大きなサイズの塩化ビニール製ハニカム構造
体も容易に製造できる。
「実 施 例」 以下本発明を、図面に示すその実施例に基づいて詳細
に説明する。
第1図,第2図,第3図,第4図は、本発明に係る接
着剤を、塩化ビニール製ハニカム構造体の製造に用いた
実施例の説明に供する、斜視図である。そこでまずこの
接着剤、次にハニカム構造体の各製造工程たる塗布工
程,重積工程,接着工程,展張工程等の順に説明する。
接着剤8については次のとおり。
この塩化ビニールシート1用の接着剤8は、ポリカプ
ロラクトン樹脂を主成分とし塩化ビニールシート1の軟
化温度よりその軟化温度が低い熱可塑性樹脂を、溶剤に
対し30%から97%の重量比%で混合してなる。
すなわちこの接着剤8は、ポリカプロラクトン樹脂と
ともに、例えば、5%から50%の重量比%で塩素化パラ
フィンを含んだ熱可塑性樹脂を、溶剤に対し所定濃度で
混合してなる。この熱可塑性樹脂の軟化温度つまり融点
温度は、例えば40度から60度程度であり、塩化ビニール
シート1の軟化温度たる65度から70度程度よりは低い。
そしてこの接着剤8は、このような熱可塑性樹脂は液状
に溶かされ又は固体状を保って、全体的には流動性を帯
びた半粘性状態をなし、短時間のうちに乾燥する速乾性
を備えてなる。又従来一般に用いられていた溶剤成分の
みからなる接着剤とは異なり、一旦硬化しても事後及び
加熱されると溶融軟化し塩化ビニールシート1を接着可
能となる。接着剤8は、このようになっている。
次に塗布工程について述べる。
第1図および第2図は塩化ビニール製ハニカム構造体
の構造工程中塗布工程の説明に供し、第1図は準備され
る塩化ビニールシート1を、第2図は接着剤8が塗布さ
れた塩化ビニールシート1をそれぞれ示す。
塗布工程では、基材たる塩化ビニールシート1に対
し、所定方向に直線的に一定ピッチかつ一定幅にて接着
剤8が塗布される。
すなわち、この塩化ビニールシート1は、肉厚が60ミ
クロンから80ミクロン程度と極薄でフィルム状をなす硬
質又は軟質の柔性材よりなり、軟化温度が65度から70度
程度であり、図示例ではロール状のものをシート錠に巻
き戻しつつ使用される。そしてこのような塩化ビニール
シート1の表面に対し、接着剤8が所定方向つまり図示
例ではその幅方向に多数、直線的に所定間隔を置いた一
定ピッチかつ一定幅で条線状に塗布される。勿論図示例
によらず、塩化ビニールシート1の長手方向に塗布する
ようにしてもよい。塗布工程は、このようになってい
る。
次に重積工程について述べる。
第3図は重積工程の説明に供し重積された塩化ビニー
ルシート1を示す。
重積工程では、このように接着剤8が塗布されて乾燥
硬化しかつ所定長さ毎に切断された塩化ビニールシート
1を、接着剤8が半ピッチずつずれた位置関係で複数枚
ブロック状に重積する。
すなわち、前述の塗布工程で塗布された接着剤8は速
乾性を備え極めて短時間のうちに乾燥するので、その乾
燥硬化後塩化ビニールシート1は、長手方向に所定長さ
枚に幅方向に沿って切断される。そしてこのように切断
され長さがそろえられ同一寸法となった複数枚の塩化ビ
ニールシート1は、上下に重積され長方形等のブロック
状となる。なお重積に際し各塩化ビニールシート1は、
直線的に一定ピッチで塗布された接着剤8が、隣接する
上下間で半ピッチずつずれるように位置決めされる。重
積工程は、このようになっている。
次に接着工程について述べる。
接着工程では、重積された塩化ビニールシート1は、
重積方向に加圧するとともに接着剤8の軟化温度で加熱
することにより接着せしめる。
すなわち、前述の重積工程で重積された塩化ビニール
シート1は、この接着工程で、重積方向つまり図示例で
は上下方向から加圧されるとともに、接着剤8の軟化温
度たる40度から60度程度で加熱され、ブロック状をなす
上下の複数枚間が接着される。なお塩化ビニールシート
1は、その軟化温度が65度から70度程度と接着剤8の軟
化温度より高いので、このような60度以下程度の加熱に
よっては何らの影響も受けない。接着工程は、このよう
になっている。
次に展張工程について述べる。
展張工程では、このように重積接着された塩化ビニー
ルシート1を、重積方向に引張り力を加えて展張する。
第4図は展張工程の説明に供し展張された塩化ビニー
ル製ハニカム構造体Aを示す。すなわち、前述の重積工
程、接着工程により重積接着されブロック状をなす塩化
ビニールシート1は、この展張工程において、重積方向
つまり図示例で上下方向に引張り力を加えることにより
展張され、第4図に示した塩化ビニール製ハニカム構造
体Aが成形される。塩化ビニール製ハニカム構造体A
は、例えば正六角形等の中空柱状の多数のセルBの平面
的集合体よりなり、セルBを形成するセル壁Cは、塩化
ビニールシート1が前述により展張されたものよりな
り、係るセル壁C間つまり塩化ビニールシート1間が、
所定の接着剤8により接着されている。なお塩化ビニー
ル製ハニカム構造体Aは、重量比強度に優れ軽量性とと
もに高い剛性・強度を有し、流体の整流効果等に優れ成
形も容易でコスト面に優れる、等々の特性が知られてい
る。展張工程は、このようになっている。
本発明に係る塩化ビニールシート1用の接着剤8は、
例えばこのように、塩化ビニール製ハニカム構造体Aの
製造に用いられる。
そこで以下のごとくなる。
この塩化ビニールシート1用の接着剤8は、ポリカプ
ロラクトン樹脂を主成分として塩化ビニールシート1よ
り軟化温度が低い熱可塑性樹脂を、所定のごとく溶剤と
混合してなる。従ってこの接着剤8は、塩化ビニールシ
ート1に塗布して一旦乾燥軟化したのちにおいても、塩
化ビニールシート1より低い軟化温度で加熱されると軟
化し塩化ビニールシート1を接着可能となる。
そこで次の第1,第2,第3,第4,第5のごとくなる。
第1に、この接着剤8は所定の熱可塑性樹脂と溶剤と
が混合されてなるので、にじんで広がらず所定幅等に正
確に塗布することができる。従って塩化ビニールシート
1を微小寸法で接着可能となり、品質ムラも解消する。
例えば、この接着剤8を塩化ビニール製ハニカム構造
体Aの製造に用いた場合には、前述したその製造工程中
塗布工程において、接着剤8が微小幅でも基材たる塩化
ビニールシート1に正確に塗布できるようになる。つま
り溶剤成分のみからなる接着剤を用いた従来例における
ごとく、にじんで広がり正確に塗布できないようなこと
はなく、もってセルBのサイズの小さな塩化ビニール製
ハニカム構造体Aが、容易に成形できるようになる。又
この塩化ビニール製ハニカム構造体Aは、接着強度が強
い等その品質も向上し、例えば同条件のもとで剥離テス
トを実施した場合、溶剤成分のみからなる接着剤を用い
た従来例が1.5kg程度の力で剥離し始めるのに対し、2.3
kg程度の力が加わって始めて剥離し始めるようになる。
第2に、この接着剤8は塩化ビニールシート1に塗布
して一旦乾燥硬化したのちでも、加熱により軟化し接着
可能となる。更にこの接着剤8は速乾性を備えてなるの
で、これらにより作業性が良くなる。例えば、この接着
剤8を塩化ビニール製ハニカム構造体Aの製造に用いた
場合には、前述したその製造工程中重積工程において、
接着剤8が塗布後乾燥硬化してから基材たる塩化ビニー
ルシート1は切断重積される。つまり溶剤成分のみから
なる接着剤を用いた従来例におけるごとく、塗布後一旦
ロール状に巻取ることを要しない等、塩化ビニール製ハ
ニカム構造体Aの製造が容易化し作業性が向上する。
第3に、上述の第2で述べたところと同様に、この接
着剤8は塩化ビニールシート1に塗布して一旦乾燥硬化
したのちでも、加熱により軟化し接着可能となる。そこ
で接着剤8の塗布を多くの塩化ビニールシート1につい
て一度にまとめて行え、いわゆる作りだめによるロット
生産が可能となる。例えば、この接着剤8を塩化ビニー
ル製ハニカム構造体Aの製造に用いた場合には、前述し
たその製造工程中塗布工程において、多くの塩化ビニー
ルシート1に一度にまとめて接着剤8を塗布し、しかる
後重積工程,接着工程等に移るようにすることができ
る。つまり溶剤成分のみからなる接着剤を用いた従来例
におけるごとく、各塩化ビニールシート1毎に塗布工程
と重積接着工程とを繰り返すことを要することなく、一
括して塗布工程を実施でき、もって作りだめによるロッ
ト生産が可能になる。
第4に、この接着剤8は所定のごとく樹脂と溶剤と混
合されてなるので、従来例の溶剤成分のみからなる接着
剤のような悪臭等を発生しない。
第5に、この接着剤8は塩化ビニール製ハニカム構造
体Aの製造に用いた場合、更に、歩留まりが良くかつ大
きなサイズの成形も可能となる。
すなわち、まず前述したその製造工程中重積工程にお
いて、予め所定長さ毎にに切断された基材たる塩化ビニ
ールシート1は、事後重積される。つまり溶剤成分のみ
からなる接着剤を用いた従来例におけるごとく、一旦ロ
ール状に巻取られ重積された後に切断されるわけではな
いので、切断箇所たる端部に不使用廃棄部分が発生せ
ず、塩化ビニール製ハニカム構造体Aは歩留まり良く製
造できる。又前述したその製造工程中塗布工程において
は、事後一旦ロール状に巻取られるようなことがないの
で、接着剤8が塩化ビニールシート1の幅方向にも塗布
できるようになる。つまり溶剤成分のみからなる接着剤
を用いた従来例におけるごとく、その基材たる塩化ビニ
ールシート1の幅は規制されず、大きなサイズの塩化ビ
ニール製ハニカム構造体Aも容易に製造できる。
この塩化ビニールシート1用の接着剤8は、以上のご
とくなる。
「発明の効果」 本発明に係る塩化ビニールシート用の接着剤は、以上
説明したごとくポリカプロラクトン樹脂を主成分とし比
較的軟化温度の低い熱可塑性樹脂を、溶剤に対し所定の
ごとく混合してなることにより、次の効果を発揮する。
第1に、微小寸法での接着が可能となる。すなわち、
この接着剤は塩化ビニールシートを微小寸法で接着する
ことができ、品質ムラも解消する。そこで例えば、塩化
ビニール製ハニカム構造体の製造に用いた場合、セルサ
イズの小さなものの成形が容易化するとともに、その品
質も向上する。
第2に、作業性も良い。すなわち、この接着剤は塗布
後硬化したあとでも加熱により接着可能となり、更にそ
の速乾性ともあいまって、取扱いが容易で作業ロスも少
ない等、作業性が良い。そこで例えば、塩化ビニール製
ハニカム構造体の製造に用いた場合、基材たる塩化ビニ
ールシートは、塗布された接着剤が乾燥硬化してから切
断重積されるので、一旦ロール状に巻取ることを要しな
い等、作業性が向上する。
第3に、作りだめによるロット生産も可能となる。す
なわち、この接着剤は塗布後硬化したあとでも加熱によ
り接着可能となるので、例えば、塩化ビニール製ハニカ
ム構造体の製造に用いた場合、まず多くの塩化ビニール
シートに一度にまとめて接着剤を塗布しその硬化後に切
断,重積,加熱,接着等を行う、いわゆる作りだめによ
るロット生産が可能となる。
第4に、環境汚染のおそれもない。すなわち、この接
着剤は悪臭等を発生せず環境汚染のおそれもない。
第5に、この接着剤を塩化ビニール製ハニカム構造体
の製造に用いた場合、更に、切断による歩留まりが良く
かつ大きなサイズの成形も可能となる。すなわち塩化ビ
ニール製ハニカム構造体の製造工程において、この接着
剤を用いると基材たる塩化ビニールシートは切断後に重
積できるので、切断箇所たる端部に付使用廃棄部分は発
生せずカッティングによる歩留まりが良い。又この接着
剤は塩化ビニールシートの幅方向にも塗布できるので、
大きなサイズの塩化ビニール製ハニカム構造体が容易に
製造できるようになる。
このようにこの種従来例に存した問題点が一掃される
等、本発明の発揮する効果は顕著にして大なるものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図,第3図,第4図は、本発明に係る塩化
ビニールシート用の接着剤を、塩化ビニール製ハニカム
構造体の製造に用いた実施例の説明に供する、斜視図で
ある。 そして第1図および第2図は係る製造工程中塗布工程の
説明に供し、第1図は準備される塩化ビニールシート
を、第2図はこの接着剤が塗布された塩化ビニールシー
トをそれぞれ示す。第3図は係る製造工程中重積工程の
説明に供し、重積された塩化ビニールシートを示す。第
4図は係る製造工程中展張工程の説明に供し、展張され
た塩化ビニール製ハニカム構造体を示す。 第5図は、従来の塩化ビニールシート用の接着剤を、塩
化ビニール製ハニカム構造体の製造に用いた例を示す、
工程概略説明図である。 1……塩化ビニールシート 2……供給ロール 3……塗布ロール 4……圧着ロール 5……供給ロール 6……塗布ロール 7……巻取りドラム 8……接着剤 A……ハニカム構造体 B……セル C……セル壁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカプロラクトン樹脂を主成分とし塩化
    ビニールシートの軟化温度よりその軟化温度が低い熱可
    塑性樹脂を、溶剤に対し30%から97%の重量比%で混合
    してなること、 を特徴とする塩化ビニールシート用の接着剤。
JP7966890A 1990-03-28 1990-03-28 塩化ビニールシート用の接着剤 Expired - Lifetime JP2879161B2 (ja)

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