JPH0911372A - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

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JPH0911372A
JPH0911372A JP18482595A JP18482595A JPH0911372A JP H0911372 A JPH0911372 A JP H0911372A JP 18482595 A JP18482595 A JP 18482595A JP 18482595 A JP18482595 A JP 18482595A JP H0911372 A JPH0911372 A JP H0911372A
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JP
Japan
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reinforced plastic
fiber reinforced
honeycomb core
prepreg sheets
separators
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JP18482595A
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Inventor
Kunihiko Hirosaki
邦彦 廣崎
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Showa Aircraft Industry Co Ltd
Original Assignee
Showa Aircraft Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1に、セル壁間の接合強度に優れると共
に、第2に、セル壁そしてセルが所期の断面形状を確実
に備え、第3に、しかもこのように品質面に優れた繊維
強化プラスチック製のハニカムコアが、簡単容易に得ら
れる、展張法による繊維強化プラスチック製のハニカム
コアの製造方法を提案する。 【構成】 この製造方法では、繊維強化プラスチックの
プリプレグシート7が、完全硬化に至らない半硬化状態
で柔軟性・粘性を備えたまま、接着剤等の接合材4を条
線状に配設すると共に、セパレーター8をその間隔に配
設する。そして、完全硬化に至らない状態のまま複数枚
のプリプレグシート7を重積し、加熱により相互間を接
合材4にて接合してから、重積方向に引張力を加えて展
張すると共にセパレーター8を除去した後、更に加熱し
てプリプレグシート7を完全硬化させることにより、繊
維強化プラスチック製のハニカムコア20が製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
製のハニカムコアの製造方法に関する。すなわち、繊維
基材と樹脂を組み合わせた繊維強化プラスチック(FR
P)製のハニカムコアを、展張法にて製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ハニカムコアは、いわゆるコルゲート法
か展張法にて製造されており、コルゲート法では、シー
トを波板に折曲加工して積層,接合することにより、
又、展張法では、シートに条線状に接合材を塗布して重
積,接合,展張することにより、それぞれハニカムコア
が製造されていた。図5は、後者の展張法による繊維強
化プラスチック製のハニカムコアの製造方法の説明に供
する斜視説明図であり、(1)図はプリプレグシートの
準備工程を、(2)図は切断工程を、(3)図は接合材
の配設工程を、(4)図は重積工程を、(5)図は展張
工程を示す。
【0003】同図にも示したように、展張法にて繊維強
化プラスチック製のハニカムコア1を製造する場合は、
従来、まず図5の(1)図に示したように、準備された
繊維強化プラスチックのプリプレグシート2、つまり半
硬化状態でその樹脂が柔軟性・粘性を備えたプリプレグ
シート2を、加熱加圧して完全硬化させ、繊維強化プラ
スチックシート3としていた。そして、このようにプリ
プレグシート2を完全硬化させた繊維強化プラスチック
シート3を、図5の(2)図に示したように所定寸法毎
に切断した後、図5の(3)図に示したように、接着剤
等の接合材4が条線状に配設されていた。それから、図
5の(4)図に示したように、このように配設された接
合材4が順次半ピッチずつずれた位置関係で、複数枚の
繊維強化プラスチックシート3を重積して加熱すること
により、相互間を接合材4にて接合する。そして、図5
の(5)図に示したように、重積方向に引張力を加えて
展張することにより、折曲された繊維強化プラスチック
シート3にてセル壁5が形成され、もって、セル壁5に
て区画形成された中空柱状のセル6の平面的集合体より
なる、繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が製造
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず第
1に、上述したように展張法にて繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1を製造する際、従来例では、図5の
(1)図,(2)図に示したように、まず、繊維強化プ
ラスチックのプリプレグシート2が完全硬化されて、繊
維強化プラスチックシート3とされた後に、図5の
(3)図,(4)図,(5)図に示したように、接合材
4による接合,重積,展張が実施されていた。このよう
に、プリプレグシート2が完全硬化されて外表面が鏡面
化された繊維強化プラスチックシート3間が、接合材4
にて接合されていたので、従来の繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1については、接合強度が低いという
問題が指摘されていた。
【0005】すなわち、繊維強化プラスチックのプリプ
レグシート2が加熱加圧されることにより、その樹脂が
染み出して完全硬化し、もって、完全にフラットで滑ら
かに鏡面化した外表面よりなる繊維強化プラスチックシ
ート3間は、例え強力な接着剤等の接合材4を用いても
接合力が不足しがちとなり、接合強度に不安が指摘され
ていた。従って、このような繊維強化プラスチックシー
ト3をセル壁5とする従来の繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア1は、そのセル壁5間の接合強度に不安が
指摘され、展張時や事後の使用時においてセル壁の剥
れ,破断,折損等が生じやすい等、品質面に問題が生じ
ていた。
【0006】第2に、同様に従来例では、図5の(1)
図,(2)図に示したように、まず、繊維強化プラスチ
ックのプリプレグシート2が完全硬化され、繊維強化プ
ラスチックシート3とされた後に、図5の(3)図,
(4)図,(5)図に示したように、接合,重積,展張
が実施されていたので、展張が確実に行われにくいとい
う問題も指摘されていた。すなわち、繊維強化プラスチ
ックのプリプレグシート2そして繊維強化プラスチック
シート3は、その樹脂が柔軟性・粘性を失った完全硬化
の状態で接合,重積された後、重積方向に引張力を加え
て展張されていたので、確実に所期のごとく展張,折曲
されにくかった。もって、このように展張,折曲された
繊維強化プラスチックシート3をセル壁5とする従来の
繊維強化プラスチック製のハニカムコア1に関し、その
セル壁5そしてセル6の断面形状が、図5の(5)図に
示したように所期の例えば正六角形状とならず、全体的
に丸味を帯びた状態となりやすい、つまり各隅部が直線
的に交わらずアールが存した状態となりやすい等、この
面からも品質面に問題が指摘されていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、繊維
強化プラスチックのプリプレグシートが完全硬化に至ら
ない状態で、接合,重積,展張するようにしたことによ
り、第1に、セル壁間の接合強度に優れると共に、第2
に、セル壁そしてセルが所期の断面形状を確実に備え、
第3に、しかもこれらが簡単容易に実現される、繊維強
化プラスチック製のハニカムコアの製造方法を提案する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法で
は、まず、母材たる繊維強化プラスチックのプリプレグ
シートについて、完全硬化に至らない状態で、一定幅と
間隔で条線状に接合材を配設すると共に、該接合材が配
設されていない間隔にセパレーターを配設する。しかる
後、複数枚の該プリプレグシートを完全硬化に至らない
状態のまま、該接合材やセパレーターが順次半ピッチず
つずれた位置関係で重積して加熱し、もって相互間を該
接合材にて接合してから、重積方向に引張力を加えて展
張すると共に、該セパレーターを除去する。それから加
熱することにより、完全硬化した該プリプレグシートに
てセル壁が形成され、該セル壁にて区画形成された中空
柱状のセルの平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアが得られる。
【0009】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この製造方法では、繊維強化プラスチ
ックのプリプレグシートが完全硬化に至らない状態で、
接合材を条線状に配設すると共に、セパレーターをその
間隔に配設する。そして、このような複数枚のプリプレ
グシートを重積し、加熱により相互間を接合材にて接合
してから、重積方向に引張力を加えて展張すると共に、
セパレーターを除去する。なおセパレーターは、このよ
うな重積等に際し、完全硬化に至らないプリプレグシー
ト間が接触,接合しないように機能する。それから、更
に加熱してプリプレグシートを完全硬化させることによ
り、繊維強化プラスチック製のハニカムコアが製造され
る。
【0010】そこでこの製造方法によると、第1に、繊
維強化プラスチックのプリプレグシートは、完全硬化に
至らず半硬化状態で樹脂が柔軟性・粘性を備えたまま、
接合材が配設,加熱,溶融硬化されることにより、相互
間が接合される。従って、プリプレグシート間は高い接
合力で確実に接合され、このようなプリプレグシートに
て形成されるセル壁間も接合強度に優れ、もって、接合
強度に優れた繊維強化プラスチック製のハニカムコアが
得られる。第2に、同様に繊維強化プラスチックのプリ
プレグシートは、完全硬化に至らず半硬化状態で、樹脂
が柔軟性・粘性を備えたまま展張される。従って、プリ
プレグシートは確実に展張,折曲され、このようなプリ
プレグシートにて形成されるセル壁そしてセルも、所期
の例えば正六角形状の断面形状となり各隅部が直線的に
交わるようになり、もって、所期の断面形状を備えた繊
維強化プラスチック製のハニカムコアが得られる。第3
に、しかもこのようなハニカムコアは、簡単容易に製造
される。
【0011】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1,図2,図3は本発明の実
施例の説明に供し、図1は斜視説明図であり、(1)図
はプリプレグシートの準備工程を、(2)図は接合材や
セパレーターの配設工程を、(3)図は切断工程を、
(4)図は重積工程を、(5)図は展張工程を示す。図
2の(1)図は、接合材の配設工程等を示す正面説明
図、(2)図は、セパレーターの配設工程等を示す正面
説明図、(3)図は、プリントロールの側面図である。
図3の(1)図は、セパレーターの配設工程の平面説明
図、(2)図は、接合材やセパレーターが配設されたプ
リプレグシートの平面説明図、(3)図は、複数枚の同
プリプレグシートの側面説明図である。図4は、繊維強
化プラスチック製のハニカムコアの斜視図である。
【0012】この製造方法では、図1の(1)図,
(2)図,図2,図3等に示したように、まず、母材た
る繊維強化プラスチックのプリプレグシート7につい
て、完全硬化に至らない状態で、一定幅と間隔で条線状
に接合材4を配設すると共に、接合材4が配設されてい
ない間隔にセパレーター8が配設される。
【0013】これらについて更に詳述する。まず、母材
たる繊維強化プラスチックのプリプレグシート7につい
て述べると、繊維強化プラスチック(FRP)として
は、ガラス繊維,ケブラー繊維,カーボン繊維,セラミ
ック繊維,金属繊維,樹脂繊維,これらの複合繊維、そ
の他各種の織・不織や有機・無機の繊維よりなる繊維基
材と、エポキシ系の樹脂,ポリイミド系の樹脂,その他
の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂とを、付着,含浸,混入
等により組み合わせたものよりなる。プリプレグシート
7は、このような繊維強化プラスチックがまだ完全硬化
しない半硬化状態、つまり、その樹脂が柔軟性・粘性を
備えたプリプレグ状をなすと共に、極薄の平坦なシート
状をなす。そして、図1の(1)図,図2の(1)図中
等に示したように、このような帯状をなす繊維強化プラ
スチックのプリプレグシート7が、完全硬化に至らない
半硬化状態のまま、リール9に巻かれた状態から巻き出
され、ガイドロール10を介して供給される。
【0014】そして、図1の(2)図,図2の(1)
図,(2)図,図3の(1)図等に示したように、この
繊維強化プラスチックのプリプレグシート7について、
長手方向に沿い順次、一定の幅と間隔で平行の条線状に
接合材4が配設される。図示例では、トレー11中の接
合材4たるノードボンドつまり接着剤が、ピックアップ
ロール12を介しプリントロール13(図2の(3)図
も参照)にて塗布され、接着剤としては例えばフェノー
ル系の樹脂やレゾールシノール系の樹脂が用いられる。
なお図示例によらず、接着剤を塗布スタンプにて塗布す
る方式や、接合材4として接着剤に代えろう材を配設す
る方式も可能である。図2の(1)図中14は、プリン
トロール13に対向位置する非粘着ロールである。
【0015】しかる後、このようなプリプレグシート7
について、接合材4が配設されていない各間隔、つまり
各接合材4間の非接合部となる平行な各間隔に、長手方
向に沿って順次セパレーター8が配設される。セパレー
ター8としては、フッ素系の樹脂やシリコン系の樹脂よ
りなる細帯被膜状でフィルム状の非接着シートが用いら
れ、リール15に巻かれた状態から巻き出された後、貼
り付けによりプリプレグシート7に配設される。なお第
1に、当初は液状にてプリプレグシート7に塗布され、
事後乾燥されて細帯被膜状となるセパレーター8の配設
方式も考えられる。なお第2に、図2の(1)図,
(2)図に示した例では、例えば接着剤よりなる接合材
4の塗布,配設後、乾燥装置16にて接合材4が乾燥さ
れてから、セパレーター8が配設されるようになってい
るが、この順序は逆でもよく、セパレーター8の配設後
に接合材4を配設するようにしてもよい。
【0016】さて、この製造方法では、次に図1の
(3)図,図2の(2)図中,図3の(2)図に示した
ように、このように表面に接合材4やセパレーター8が
配設されると共に、完全硬化に至らない半硬化状態のま
まの繊維強化プラスチックのプリプレグシート7は、上
下のカッター17にて、長手方向に所定寸法毎に切断さ
れる。
【0017】しかる後、この製造方法では、図1の
(4)図,図3の(3)図等に示したように、このよう
に切断された複数枚のプリプレグシート7は、完全硬化
に至らない状態のまま、接合材4やセパレーター8が順
次半ピッチずつずれた位置関係で重積された後、加熱す
ることにより、相互間が接合材4にて接合される。すな
わち、繊維強化プラスチックの各プリプレグシート7
は、完全硬化に至らない半硬化状態のまま、配設された
条線状の接合材4やセパレーター8が、順次横に半ピッ
チずつずれた位置関係のもとに、上下に重積される。そ
して加熱加圧され、接合材4が溶融硬化することによ
り、重積されたプリプレグシート7間が接合される。な
お、この加熱温度は、プリプレグシート7自体の硬化温
度よりは低く設定されており、プリプレグシート7はこ
れにより若干硬化が進むが、まだ完全硬化には至らな
い。
【0018】そして、この製造方法では、このように重
積,接合されたプリプレグシート7のブロック体を所定
幅寸法毎に切断した後、図1の(5)図に示したよう
に、上下の重積方向に引張力を加えて展張,折曲すると
共に、セパレーター8が剥離され除去される。それか
ら、プリプレグシート7の硬化温度にて加熱することに
より、展張,折曲されると共に完全硬化したプリプレグ
シート7にて、セル壁18が形成され、もって、セル壁
18にて区画形成された中空柱状のセル19の平面的集
合体よりなるハニカムコア20が得られる。なお、プリ
プレグシート7として熱硬化性樹脂が用いられた場合
は、上述した加熱によりセル壁18として直ちに完全硬
化するのに対し、プリプレグシート7として熱可塑性樹
脂が用いられた場合は、上述した加熱をプレヒートとし
て利用しつつ、セル壁18として事後の冷却により完全
硬化する。
【0019】この製造方法では、このような各工程を辿
ることにより、いわゆる展張法にて、図4に示した繊維
強化プラスチック製のハニカムコア20が製造される。
この繊維強化プラスチック製のハニカムコア20は、展
張されると共に完全硬化したプリプレグシート7をセル
壁18とし、各々独立空間に区画された中空柱状のセル
19の平面的集合体よりなる。なお、セル壁18そして
セル19の断面形状は、図示の正六角形状のものが代表
的であるが、これによらず、略扁平六角形状,略三角形
状,略四角形状,その他各種形状のものも可能である。
そして、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア2
0も一般のものと同様に、重量比強度に優れ、軽量であ
ると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,平面精
度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当りの表面積が
大である等々の特性が知られているが、この繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア20は、特に重量比強度に
優れ高い剛性・強度を備えてなる。もって、この繊維強
化プラスチック製のハニカムコア20はこれらの特性を
生かし、建築用,構築用,建具用の構造材、各種容器,
箱,コンテナ等の構造材、航空機,宇宙機器,通信機器
等の構造材、その他各種の構造材等として、種々の用途
に広く使用される。なお、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコア20について、より高い剛性・強度が要
求される場合は、後処理として、そのセル壁18の外表
面に更に樹脂を付着,含浸させる補強が実施される。
【0020】本発明は、以上説明したようになってい
る。そこで以下のようになる。この繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコア20の製造方法では、図1の(1)
図,(2)図,(3)図,図2の(1)図,(2)図,
図3の(1)図,(2)図等に示したように、繊維強化
プラスチックのプリプレグシート7が完全硬化に至らな
い状態で(いわゆるBステージの状態で)、まず、接着
剤等の接合材4を条線状に配設すると共に、セパレータ
ー8をその間隔に配設する。そして図1の(4)図に示
したように、その状態のまま複数枚のプリプレグシート
7を重積し、加熱により相互間を接合材4にて接合して
から、図1の(5)図に示したように、重積方向に引張
力を加えて展張すると共に、セパレーター8を除去す
る。なおセパレーター8は、このような重積等に際し、
完全硬化に至らず半硬化状態で樹脂が柔軟性・粘性を備
えたプリプレグシート7間が、接触,接合しないように
隔離すべく機能する。それから、更に加熱してそれまで
半硬化状態であったプリプレグシート7を完全硬化させ
ることにより(それまでのいわゆるB′ステージの状態
から、Cステージの状態とすることにより)、図4に示
したように、プリプレグシート7にてセル壁18が形成
され、もって繊維強化プラスチック製のハニカムコア2
0が製造される。そこで、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコア20の製造方法によると、次の第1,第
2,第3のようになる。
【0021】第1に、この製造方法において、繊維強化
プラスチックのプリプレグシート7は、完全硬化に至ら
ずまだ半硬化状態でその樹脂が柔軟性・粘性を備えたま
ま、接着剤等の接合材4が配設されると共に、この接合
材4が加熱により溶融硬化され、もって重積されたプリ
プレグシート7相互間が接合される。すなわち、前述し
た図5のこの種従来例のように、まずプリプレグシート
2を完全硬化させ、その外表面が鏡面化された後に、接
合材4の配設そして接合材4による接合が行われるので
はなく、この製造方法では、接合対象であるプリプレグ
シート7が完全硬化せず半硬化状態で、その樹脂が柔軟
性・粘性を備えた状態で接合が実施されるので、プリプ
レグシート7間の接合材4による接合力が大きく向上す
る。このように、重積された複数枚のプリプレグシート
7間は、高い接合力で確実に接合され、もって事後、こ
のようなプリプレグシート7が展張され完全硬化されて
形成されたセル壁18間も、接合強度に優れたものとな
る。このように展張法にかかわらず、接合強度に優れた
繊維強化プラスチック製のハニカムコア20が得られ
る。
【0022】第2に、同様にこの製造方法において、繊
維強化プラスチックのプリプレグシート7は、完全硬化
に至らずまだ半硬化状態で、その樹脂が柔軟性・粘性を
備えたまま展張される。すなわち、前述した図5のこの
種従来例のように、プリプレグシート2を完全硬化され
た後に展張するのではなく、この製造方法では、展張対
象であるプリプレグシート7がまだ完全硬化せず半硬化
状態、つまりその樹脂が柔軟性・粘性を備えた状態で、
展張,折曲が実施される。従って、重積された複数枚の
プリプレグシート7は確実に展張,折曲され、もって、
このようなプリプレグシート7が事後完全硬化されて形
成されたセル壁18そしてセル19も、所期の例えば正
六角形状の断面形状となり、その各隅部が直線的に交わ
るようになる。このように展張法にかかわらず、セル壁
18そしてセル19が所期の断面形状を確実に備えた、
繊維強化プラスチック製のハニカムコア20が得られ
る。
【0023】第3に、しかもこの製造方法では、繊維強
化プラスチックのプリプレグシート7が完全硬化に至ら
ないうちに、セパレーター8を用いつつ接合,重積,展
張するようにしたことにより、そして、その他の工程は
例えば図5に示した従来よりの展張法をそのまま利用し
つつ、上述した第1,第2の繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア20を、簡単容易に製造することができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの製造方法は、以上説明したように、繊維
強化プラスチックのプリプレグシートが完全硬化に至ら
ない状態で、接合,重積,展張するようにしたことによ
り、次の効果を発揮する。
【0025】第1に、セル壁間の接合強度に優れた、繊
維強化プラスチック製のハニカムコアが得られる。すな
わちこの製造方法によると、展張法にもかかわらず、前
述したこの種従来例のようにセル壁間の接合強度に不安
を生じることがなく、十分な接合力が得られ、展張時や
事後の使用時におけるセル壁の剥れ,破断,折損等も防
止される等、品質面に優れた繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアを、製造可能となる。
【0026】第2に、セル壁そしてセルが所期の断面形
状を確実に備えた、繊維強化プラスチック製のハニカム
コアが得られる。すなわちこの製造方法によると、展張
法にもかかわらず、前述したこの種従来例のように展
張,折曲が確実に行われず、セル壁そしてセルの断面形
状が例えば正六角形状とならず、各隅部にアールが存し
全体的に丸味を帯びた状態となるようなことはなく、展
張,折曲が確実に行われ、セル壁そしてセルが所期の例
えば正六角形状の断面形状となり、各隅部が直線的に交
わる等、この面からも、品質面に優れた繊維強化プラス
チック製のハニカムコアが、製造されるようになる。
【0027】第3に、しかもこれらは、簡単容易に実現
される。すなわちこの製造方法では、繊維強化プラスチ
ックのプリプレグシートが完全硬化に至らないうちに、
セパレーターを用いつつ接合,重積,展張するようにし
たことにより、このように品質面に優れた繊維強化プラ
スチック製のハニカムコアを、簡単容易に製造可能であ
る。このように、この種従来例に存した問題点が一掃さ
れる等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアの製造方法について、その実施例の説明に供する
斜視説明図であり、(1)図はプリプレグシートの準備
工程を、(2)図は接合材やセパレーターの配設工程
を、(3)図は切断工程を、(4)図は重積工程を、
(5)図は展張工程を示す。
【図2】同実施例の説明に供し、(1)図は接合材の配
設工程等を示す正面説明図、(2)図は、セパレーター
の配設工程等を示す正面説明図、(3)図は、プリント
ロールの側面図である。
【図3】同実施例の説明に供し、(1)図は、セパレー
ターの配設工程の平面説明図、(2)図は、接合材やセ
パレーターが配設されたプリプレグシートの平面説明
図、(3)図は、複数枚の同プリプレグシートの側面説
明図である。
【図4】繊維強化プラスチック製のハニカムコアの斜視
図である。
【図5】この種従来例に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの製造方法の説明に供し、(1)図はプリ
プレグシートの準備工程を、(2)図は切断工程を、
(3)図は接合材の配設工程を、(4)図は重積工程
を、(5)図は展張工程を示す。
【符号の説明】
1 ハニカムコア(従来例のもの) 2 プリプレグシート(従来例のもの) 3 繊維強化プラスチックシート(従来例のもの) 4 接合材 5 セル壁(従来例のもの) 6 セル(従来例のもの) 7 プリプレグシート(本発明のもの) 8 セパレーター 9 リール 10 ガイドロール 11 トレー 12 ピックアップロール 13 プリントロール 14 非粘着ロール 15 リール 16 乾燥装置 17 カッター 18 セル壁(本発明のもの) 19 セル(本発明のもの) 20 ハニカムコア(本発明のもの)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材たる繊維強化プラスチックのプリプ
    レグシートについて、完全硬化に至らない状態で、一定
    幅と間隔で条線状に接合材を配設すると共に、該接合材
    が配設されていない間隔にセパレーターを配設した後、 複数枚の該プリプレグシートを完全硬化に至らない状態
    のまま、該接合材やセパレーターが順次半ピッチずつず
    れた位置関係で重積して加熱し、もって相互間を該接合
    材にて接合してから、重積方向に引張力を加えて展張す
    ると共に該セパレーターを除去した後、 加熱することにより、完全硬化した該プリプレグシート
    にてセル壁が形成され、該セル壁にて区画形成された中
    空柱状のセルの平面的集合体よりなるハニカムコアを得
    ること、を特徴とする繊維強化プラスチック製のハニカ
    ムコアの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7811407B2 (en) 2003-12-11 2010-10-12 Otkrytoe Aktsionernoe Obschestvo “Kazansky Nauchno-Isledovatelsky Institut Aviatsionnoi Tekhnologii” Method for production of sandwich panel core from composites
US9085116B2 (en) 2013-09-17 2015-07-21 Moriden Co., Ltd. Method for manufacturing honeycomb structure
JP2020513351A (ja) * 2016-11-21 2020-05-14 ユーロ‐コンポジテス エス.ア. プラスチック複合材製のコア部材およびその製造方法

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