JP2878781B2 - 成長促進性養魚飼料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、成長促進性養魚飼料に関する。更に詳しく
は、本発明は養殖魚類に対して成長促進効果を有するプ
ロタミンを配合した成長促進性養魚飼料に関する。

〔従来の技術〕

近年、養殖技術の進歩に伴い、日本の漁業も獲る漁業
から育てる漁業へと変化してきている。

しかしながら、養殖業界に於ては、現在、養殖魚類の
各種病気による斃死、稚仔魚期の斃死、選別時、とり上
げ出荷時、輸送時の斃死による歩留り悪化という問題が
あり、さらには、従来の配合飼料では、養殖魚類の良好
な成長が果たせないという問題が残つている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、従来の配合飼料では果たせなかつた養殖魚
類の良好な成長を促進しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、先に、遊離プロタミン又はその鉱酸塩
を配合した飼料を魚類に投与すると、魚類の細菌による
感染症を予防あるいは治療することができることを見い
出した（特願平1-323933）。

この魚類の感染症の予防あるいは治療の研究におい
て、遊離プロタミン又はその鉱酸塩を投与した場合、魚
類の成長が著しく促進されることが認められた。

本発明はこの知見に基づくものであり、従つて本発明
によれば、養魚飼料に遊離プロタミン又はその鉱酸塩を
成長促進剤として配合したことを特徴とする成長促進性
養魚飼料が提供される。

本発明で用いられるプロタミンは、サケ、ニシン、カ
ツオ等の魚類精巣から抽出される遊離プロタミン又はプ
ロタミン鉱酸塩いずれの形でもよい。

このプロタミンを、養魚飼料に一般的に用いられる原
料、例えば、蛋白質、炭水化物、脂質、ビタミン類、ミ
ネラル類と共に配合して、成長促進性養魚飼料を得る。
プロタミンを飼料に配合する場合、飼料に対して５〜10
0,000ppmの範囲、好ましくは100〜5,000ppmの範囲で配
合する。

本発明によれば、天然の蛋白質であるプロタミンを配
合した成長促進性養魚飼料を調製し、この養魚飼料を養
殖魚類に投与することにより、稚仔魚期、育成時の成長
が促進され、更に選別、出荷時のとり上げ、輸送時の魚
類の衰弱や斃死を防ぎ活力を向上させることができる。

〔実施例〕

本発明で使用するプロタミンを配合する成長促進性養
魚飼料の実施例を以下に示す。

実施例 １ 下記の組成を有する原料粉末を造粒、乾燥し、顆粒状
試験飼料を得た。

40l水槽に平均体重16mgの25日齢のトラフグ仔魚を125
尾ずつ収容し、上記の配合の飼料を最初の５日間は1.0g
/日・区、６日めから10日めまでは1.5g/日・区、11日め
から15日めまでは2.0g/日・区、16日めから20日めまで
は2.5g/日・区、21日、22日めは3.0g/日・区を１日９回
に分けて投与した。この間、試験開始から12日めまでは
アルテミア約3000個体／日・区を１日１回投与した。そ
の結果を表２に示す。

実施例 ２ 下記の組成を有する原料粉末を造粒、乾燥し、顆粒状
試験飼料を得た。

100l水槽に平均体重0.55gのアユを800尾ずつ収容し、
表３の配合飼料を25日間投与した結果を表４に示す。

実施例 ３ 下記の組成を有する原料粉末を造粒、乾燥し、顆粒状
試験飼料を得た。

100l水槽に平均体重37.6gテイラピアを70尾ずつ収容
し、表５の配合飼料を２ケ月間投与した結果を表６に示
す。

実施例１〜３をテスト後、同配合の飼料で継続飼育し
たところ、選別時や輸送時に対照区の魚類は衰弱した
り、１〜２尾斃死するのに対し、テスト区では衰弱、斃
死ともに認められなかつた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A23K 1/16 A23K 1/18 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ) ＢＩＯＳＩＳ（ＤＩＡＬＯＧ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】養魚飼料に遊離プロタミン又はその鉱酸塩
   を成長促進剤として配合したことを特徴とする成長促進
   性養魚飼料。