JP2878761B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JP2878761B2 JP2055863A JP5586390A JP2878761B2 JP 2878761 B2 JP2878761 B2 JP 2878761B2 JP 2055863 A JP2055863 A JP 2055863A JP 5586390 A JP5586390 A JP 5586390A JP 2878761 B2 JP2878761 B2 JP 2878761B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動変速機等に適用される遊星歯車装置、
特にそのサイドワッシャー部の潤滑技術に関する。
(従来の技術) 従来、遊星歯車装置としては、例えば、実開昭和54−
117464号公報に記載されているものが知られている。
この従来出典には、ピニオンの側面とピニオンキャリ
アの側面との間に挟装されるサイドワッシャーが示さ
れ、このサイドワッシャー部の潤滑は、ピニオンシャフ
トに形成された潤滑油穴からピニオンの軸受部及びサイ
ドワッシャーを経過して外部に排出される油により行な
っている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の遊星歯車装置にあっ
ては、ピニオンにスラスト力が作用するとサイドワッシ
ャーが圧着し、各接触摺動面に潤滑油が供給されなくな
り、摩耗や焼き付き等の不具合が発生するという問題が
あった。
そこで、ピニオン又はサイドワッシャーの接触摺動面
に径方向潤滑溝を形成するという案があるが、この場合
にも、ピニオンの軸受部から接触摺動面に取り入れた潤
滑油が遠心力により溝からすぐに外部に排出されてしま
うことになり、摩耗や焼き付き等に対する有効な防止策
とはならない。
また、ワッシャーに潤滑穴を有する例としては、特開
平1−120425号公報に記載のものが知られている。
これは、ニードルへの潤滑油をキャリアプレートとピ
ニオンとの間から導くため、キャリアプレート側のワッ
シャーの切り欠きが径方向外周に向かって開口してい
る。そのため、潤滑油が遠心力によりすぐに外部に排出
されてしまい、摩耗や焼き付き等を防止する有効な手段
とはならない。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたもの
で、ピニオンとピニオンキャリアとの間にサイドワッシ
ャーが挟装される遊星歯車装置において、サイドワッシ
ャー部の潤滑性能の向上を図ることを課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明の遊星歯車装置で
は、 サンギア及びリングギアに噛み合うピニオンと、 前記ピニオンを回転可能に支持するピニオンシャフト
と、 前記ピニオンシャフトを固定するピニオンキャリア
と、 前記ピニオンの側面とピニオンキャリアの側面との間
に挟装されるサイドワッシャーと、 前記ピニオンシャフトに形成され、ピニオンギアの軸
受部に油排出口を有する第1の潤滑油穴と、 前記サイドワッシャーの両側面間を連通する第2の潤
滑穴と、 外周に対して開口していない閉鎖外周部を有し、前記
ピニオン又はサイドワッシャーの接触摺動面に前記軸受
部から流出した潤滑油を前記第2の潤滑穴に受渡す潤滑
路と、 を備えている事を特徴とする。
(作用) サイドワッシャー部の潤滑は、ピニオンシャフトに形
成された第1の潤滑油穴の油排出口からピニオンの軸受
部を経過し、軸受部から流出した油をサイドワッシャー
の両側面間を連通する第2の油滑穴に潤滑路を介して受
け渡される。
この潤滑作用において、潤滑路は外周に対して開口し
ていない閉鎖外周部を有するため、軸受部から流出した
油を第2の油滑穴に受け渡す時、潤滑油が遠心力により
そのまま外部に排出されることはない。
また、潤滑路によりピニオンの軸受部から離れた接触
摺動面にも潤滑油を供給することができるし、特に、ピ
ニオンにスラスト力が作用してサイドワッシャーが圧着
した場合には、サイドワッシャー同士やサイドワッシャ
ーとピニオンキャリアによる接触摺動面間の油膜切れを
防止することができる。
(第1実施例) まず、構成を説明する。
第1図は第1実施例の遊星歯車装置を示す要部断面図
であり、サンギア1及びリングギア2に噛み合うピニオ
ン3と、該ピニオン3を回転可能に支持するピニオンシ
ャフト4と、該ピニオンシャフト4を固定するピニオン
キャリア5と、前記ピニオン3の側面とピニオンキャリ
ア5の側面との間に挟装されるサイドワッシャー6,7
と、前記ピニオンシャフト4及びピニオンキャリア5に
形成され、ピニオン3の支持部に設けられた軸8の中央
部に油排出口9aを有する潤滑油穴9(第1の潤滑油穴)
とを備えている。
そして、前記サイドワッシャー6,7には、第2図及び
第3図に示すように、ワッシャー表裏面を貫通する潤滑
貫通穴10(第2の潤滑油穴)が軸方向に形成されてい
る。
また、前記ピニオン3のサイドワッシャー側接触摺動
面には、第4図及び第5図に示すように、閉鎖外周部11
aを有して形成された径方向潤滑溝潤滑溝11(潤滑路)
が形成されている。
次に、作用を説明する。
ピニオン3とピニオンキャリア5との間のサイドワッ
シャー6,7部の潤滑は、ピニオンシャフト4及びピニオ
ンキャリア5に形成された潤滑油穴9の油排出口9aから
ピニオン3の軸受8を経過し、ピニオン3の接触摺動面
に形成された径方向潤滑溝11に取り入れられて行なわれ
る。
即ち、第1接触摺動部S1は径方向潤滑溝11からの油で
直接潤滑され、第2接触摺動部S2は径方向潤滑溝11及び
サイドワッシャー6の潤滑貫通穴10を経過した油で潤滑
され、第3接触摺動部S3は径方向潤滑溝11,サイドワッ
シャー6の潤滑貫通穴10及びサイドワッシャー7の潤滑
貫通穴10を経過した油で潤滑される。
この潤滑作用において、径方向潤滑溝11は閉鎖外周部
11aを有することから、径方向潤滑溝11に取り入れられ
た潤滑油が遠心力によりそのまま外部に排出されること
はなく、特に、ピニオン3にスラスト力が作用してサイ
ドワッシャー6,7が圧着した場合には、径方向潤滑溝11
に封入された潤滑油が第1接触摺動部S1の潤滑油として
有効に利用されることになる。
さらに、サイドワッシャー6,7にはワッシャー表裏面
を貫通する潤滑貫通穴10が形成されている為、ピニオン
3の軸受8から離れた第2及び第3接触摺動部S2,S3に
も潤滑油を供給することができるし、特に、ピニオン3
にスラスト力が作用してサイドワッシャー6,7が圧着し
た場合には、サイドワッシャー6,7による第2接触摺動
部S2やサイドワッシャー7とピニオンキャリア5による
第3接触摺動部S3の油膜切れを防止することができる。
以上説明してきたように、第1実施例装置にあって
は、サイドワッシャー6,7にワッシャー表裏面を貫通す
る潤滑貫通穴10を形成し、且つ、ピニオン3に閉鎖外周
部11aを有する径方向潤滑溝11を形成した為、サイドワ
ッシャー部の潤滑性能の向上を図ることが出来る。
(第2実施例) 第6図は第2実施例の遊星歯車装置を示す要部断面図
であり、潤滑溝と潤滑貫通穴とを互いに連通する位置関
係で形成すると共にサイドワッシャーのみに両者を形成
した例である。
即ち、サイドワッシャー6には、第7図及び第8図に
示すように、ワッシャー表裏面を貫通する潤滑貫通穴10
を形成すると共に、閉鎖外周部11aを有する径方向潤滑
溝11を形成している。また、サイドワッシャー7には、
第9図及び第10図に示すように、ワッシャー表裏面を貫
通する潤滑貫通穴10を形成すると共に、潤滑貫通穴10に
符合する位置に円周方向潤滑溝12(潤滑路)を形成して
いる。
尚、他の構成は第1実施例と同様であるので、対応す
る構成に同一符号を付して説明を省略する。次に、作用
を説明する。
この第2実施例装置の場合も第1実施例装置と同様
に、サイドワッシャー6,7の圧着時においても各接触摺
動部S1,S2,S3に有効に潤滑油を供給する作用を示すと共
に、径方向潤滑溝11とサイドワッシャー6の潤滑貫通穴
10と円周方向潤滑溝12とサイドワッシャー7の潤滑貫通
穴10とが互いに連通する位置関係で形成されている為、
各接触摺動部S1,S2,S3間の潤滑油の受け渡しがスムーズ
に行なわれる。
以上説明してきたように、第2実施例装置にあって
は、サイドワッシャー6,7のみに潤滑貫通穴10及び潤滑
溝11,12を形成した為、加工が容易であると共に、ピニ
オン3の強度を低下させることもない。
また、第1実施例装置に円周方向潤滑溝12を追加する
構成とした為、第1実施例装置より高い潤滑性能の向上
を図ることが出来る。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成はこの実施例に限られるものではない。
(発明の効果) 以上説明してきたように、ピニオンとピニオンキャリ
アとの間にサイドワッシャーが挟装される遊星歯車装置
において、第1の潤滑油穴と第2の潤滑油穴と潤滑路と
を有する構成とした為、サイドワッシャー部の潤滑性能
の向上を図ることが出来るという効果が得られる。
また、潤滑溝や穴をプレス加工等でワッシャーに施す
ことにより安価なものにすることができる。
さらに、第1の潤滑油穴から第2の潤滑油穴へと潤滑
油を受渡す潤滑路は、外周に対して開口していない閉鎖
外周部を有するため、潤滑路に取り入れられた潤滑油が
遠心力によりそのまま外部に排出されることはなく、特
に、ピニオンにスラスト力が作用してサイドワッシャー
が圧着した場合には、潤滑路に封入された潤滑油を接触
摺動面の潤滑油として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第1実施例の遊星歯車装置を示す要部断
面図、第2図は第1実施例装置のサイドワッシャーを示
す断面図、第3図は第1実施例装置のサイドワッシャー
を示す正面図、第4図は第1実施例装置のピニオンを示
す正面図、第5図は第1実施例装置のピニオンを示す断
面図、第6図は本発明第2実施例の遊星歯車装置を示す
要部断面図、第7図は第2実施例装置の一方のサイドワ
ッシャーを示す断面図、第8図は第2実施例装置の一方
のサイドワッシャーを示す正面図、第9図は第2実施例
装置の他方のサイドワッシャーを示す断面図、第10図は
第2実施例装置の他方のサイドワッシャーを示す断面図
である。 1……サンギア 2……リングギア 3……ピニオン 4……ピニオンシャフト 5……ピニオンキャリア 6,7……サイドワッシャー 8……軸受 9……潤滑油穴(第1の潤滑油穴) 9a……油排出口 10……潤滑貫通穴(第2の潤滑油穴) 11……径方向潤滑溝(潤滑路) 11a……閉鎖外周部 12……円周方向潤滑溝(潤滑路)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−270562(JP,A) 特開 平1−120425(JP,A) 実開 平1−100956(JP,U) 実開 昭64−20557(JP,U) 実開 昭63−11967(JP,U) 実開 昭61−172219(JP,U) 実開 昭57−105425(JP,U) 実開 昭57−105423(JP,U) 実開 昭54−117464(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 57/00 - 57/10 F16H 1/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンギア及びリングギアに噛み合うピニオ
    ンと、 前記ピニオンを回転可能に支持するピニオンシャフト
    と、 前記ピニオンシャフトを固定するピニオンキャリアと、 前記ピニオンの側面とピニオンキャリアの側面との間に
    挟装されるサイドワッシャーと、 前記ピニオンシャフトに形成され、ピニオンギアの軸受
    部に油排出口を有する第1の潤滑油穴と、 前記サイドワッシャーの両側面間を連通する第2の潤滑
    穴と、 外周に対して開口していない閉鎖外周部を有し、前記ピ
    ニオン又はサイドワッシャーの接触摺動面に前記軸受部
    から流出した潤滑油を前記第2の潤滑穴に受渡す潤滑路
    と、 を備えている事を特徴とする遊星歯車装置。
JP2055863A 1990-03-07 1990-03-07 遊星歯車装置 Expired - Lifetime JP2878761B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2687902B1 (fr) * 1992-02-27 1997-03-21 Petzl Ets Casque de securite a reglage du dispositif de maintien sur la tete.
JP3522152B2 (ja) * 1999-05-25 2004-04-26 ダイハツ工業株式会社 遊星歯車装置の潤滑構造
FR2942523B1 (fr) * 2009-02-26 2011-04-01 Peugeot Citroen Automobiles Sa Pignon et assemblage comportant un tel pignon

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