JP2877927B2 - 織機用ドビーにおける振動バランサのための連結装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、織機で複数のヘルド枠の制御をする振動バ
ランサ型式の複数の消極ドビーに依り、かつ詳細には織
り模様のプログラムによる選択装置の制御のもとに前記
バランサの当該端部の固定或いは移動を確保するために
各バランサの両端部の各々に設けられる連結装置に関す
る。

従来の消極ドビーでは、各バランサの両端部によって
枢支されたフックの先端部に対して働く２つの係合部材
によってそれらのバランサ機構へ振動運動を与える。こ
れらのフックが複数の保持機構と協働し、この保持機構
自体はプログラム式選択装置によって固定及び揺動制御
される複数軸に枢支される複数のフックによって構成さ
れ、従って織り模様のプログラムに従って対応するフッ
クと直接係合又は係脱されるようになっている。

これらの「押圧」バランサによる消極ドビー以外に複
数の「引張り」バランサによる消極ドビーが、同様に提
案され（この点に関してシュトイブリー社の名によるイ
タリヤ特許第1567237号明細書参照）、これらのドビー
ではその振動運動が、複数の振動台板に枢支されかつそ
の選択装置によって作動される複数の引張り機構によっ
て複数のバランサへ伝えられる。各引張り機構に対して
先端部に枢着されるフックが組合わされる。

他の場合と同様に或る場合では、それらのフックが撓
んで作動し、従って前記複数の機構へ加えられる極めて
大きい力を受ける不都合な屈曲を完全に回避させるた
め、前記複数機構に対して当然前記組立体の質量を増加
させかつその結果として前記ドビー、従ってその織機の
作動速度を妨げることになる大きい断面を設けることが
必要となるものと考えられる。

しかもそれらの複数のフックとそれらの保持機構との
協働が前記作動速度へ同様に不都合なように介入する係
脱作用を伴うことが問題とされた。

（解決されるべき課題） これらの欠陥こそ本発明が除去しようとするものであ
り、本発明は、本質的には該ドビーの複数の連結装置の
各々のフックの先端部を、当該機構の自由端部に枢着さ
れておりかつ前記ドビーの選択装置によって制御される
独立の揺動部材の形で実施することにある。

（課題の解決のための手段） 上記の課題は、本発明によれば、各バランサの両端部
の各々を、プログラム式選択装置の制御のもとに、フッ
クにより保持或いは引張りのための保持機構と連結する
ための織機用ドビーにおける複数の振動バランサのため
の連結装置において、前記連結が、フックに枢支軸によ
って枢支されかつ前記フック及び前記保持機構にそれぞ
れ設けられた複数の対応支承面と協働する２つの支持面
を有する揺動部材によって行われ、その際揺動部材は、
保持機構に配設されておりかつプログラム式選択装置に
連接された押し棒によって作動されることを特徴とする
装置によって、従って前記揺動部材に圧縮力しか作用し
ないようにし、何等の捩り作用もないように構成したこ
とによって解決される。

本発明の連結装置によれば、複数の先端部の代りをす
るそれらの揺動部材は、極めて小さい寸法、従って従来
の装置におけるよりも一層少ない質量をもつことができ
かつ極めて大きい力を支持させることができる。

係脱の際、揺動部材の押し込まれた位置から連結の張
り出した位置まで及びその逆の各揺動部材の移動制御
は、有利に前記揺動部材へ組合わされる弾性手段に抗し
て働く小さいレバーの助けをかりて操作されており、前
記レバーが保持機構によって支持されかつ該ドビーのプ
ログラム式選択装置に対し引張り棒或いは押し棒によっ
て連結される。

以下に添付した図面に図示した実施例につき本発明を
詳しく説明する。

（実施例） 第１図では織機に取りつけられる複数のヘルド枠の一
つが１で図示される。復帰ばね２と結合しているこの枠
１は、ワイヤ３によってドビーの複数のジャックレバー
４の一つに連結されており、ドビーの固定フレーム５に
枢着される前記レバー４は、その反対側の端部でバラン
サ７を取りつけるための軸６を支持する。図示される位
置で実際上軸６の軸線と一直線上にある中心軸10を中心
として振動運動させられる振動台板９に固定される２つ
の係合部材８によってドビーのバランサ機構のための振
動運動が与えられる。

各バランサ７の両端部12にそれぞれに設けられる連結
装置は、当該端部12に枢支されたフック11から成りかつ
各フック11が対応する係合部材８に対する支持部を形成
する平らな後方突起部を備える。このフック11にドビー
のフレームに強固に固定された保持機構13が組み合わさ
れる。連結装置11〜13の制御は選択装置14によって行わ
れ、この選択装置14は、この実施例では複数の読取りフ
インガの選択動作を始動させるべき複数のピン付ホイー
ル15によって形成されることができる。

本発明によりまた第２図〜第４図に示されるように、
各フック11の自由端部は、ベルクランク状の揺動部材17
を備えている。この実施例では各フック11は、その端部
に凹部11aを構成するため縦方向にフライス加工され、
前記凹部11aに揺動部材17に対するピボットを形成する
小さい軸11bが設けられている。それらの端部の範囲
に、この揺動部材17は、互いに平行に配向される２つの
支持面17a及び17bを有し、それによってそれぞれ複数の
フック11の対応支承面11cとフック13の対応支承面13aと
協働するようになる。

対応支承面11cは、フック11の凹部11a内に設けられ、
対応支承面13aは、各保持機構13の端部に形成された空
洞13bに設けられている。この空洞13b内には、小さい横
軸13cが固定されており、この横軸13cは、選択装置14の
複数の読取りフインガへ押し棒19を連結する可動レバ18
を保持機構13上に支承する。これらの構成部分は、押し
棒19の軸線方向の移動により、保持機構13に枢支されか
つ押し棒19に枢支された可動レバ18を介して揺動部材17
を、凹部11a内に設けられかつ揺動部材17を前述の凹部1
1a外に張り出させるように付勢するばね20の力に抗し
て、フック11の凹部11a内に押し込み、それによってフ
ック11と保持機構13との連結を外すように構成されてい
る。

揺動部材17が通常型式のフックの突起部を構成するも
のと考えることができるが、この揺動部材17が、フック
11の先端部で自由に旋回しかつ選択装置14によって旋回
制御されることも考えられる。

第２図ではこの連結装置は、フック11が保持機構13へ
上部に近づく瞬間の状態で示されている。可動レバー18
は、空洞13bの内部に引込められた位置にあり、押し返
されている揺動部材17は、ばね20に抗して凹部11aの内
部に押込まれている。

第３図は、フック11の行程の終端を示している。その
ばね20の作用のもとに、揺動部材17は、それらの支持面
17a及び17bが対応支承面11c及び13aに当接するように揺
動する。従って前述のフック11と保持機構13とは、互い
にしっかりと連結される。

この位置では、フック11に揺動部材17を保持する軸11
bに対して支持面17bを結ぶ力の作用線がフック11と保持
機構13の位置する領域の真中を通過し、従って、揺動部
材17が該保持機構13と協働する時に、上記作用線上で即
ち保持機構の空洞13bの対応支承面13aとフック11上の枢
支軸11bとの間で、揺動部材17が何等の捩じり作用な
く、従って圧縮力のみを作用され、それによって支承面
11cに対する支持面17aが揺動部材17の揺動を阻止するよ
うに確保される。

第４図は、押し棒９及び可動レバー18に対して連結さ
れる旋回フィンガ16がホイール15の突起部によって作動
される場合（第４図の矢印）に起る係脱状態を示す。可
動レバー18の脊部は、その揺動の結果、ばね20に抗して
凹部11に押し返された揺動部材17の脊部に対して支持さ
れる。揺動部材17の係脱は、支持面17bを対応支承面13a
から係脱させ、その結果フック11が、保持機構13から解
放されかつこのため当該ヘルド枠１に組合わされた復帰
ばね２の作用を受けて後部に（図１の左方）向って移動
する。

明細書の冒頭で述べたように、本発明は、第５図で図
示されるように引張られるバランサ型式のドビーへ適用
することができる。その場合には第１図の複数の保持機
構13は、複数のけん引可動機構13′によって代替され、
これらの可動機構が軸10′のまわりの振動運動によって
作動される複数の振動台板９によって支持される。フッ
ク11の複数のフックの後方突起部がドビーのフレームで
強固に固定される複数の係合部材８′と協働し、前記係
合部材８′は、それらのバランサの振動運動の振幅を制
限しかつそれらのフック11を角度上位置決めするように
されるだけである。

前述のフック11と保持機構13′の連結は、第２図〜第
４図の場合と同様に、即ちフック11によって支持されか
つドビーの選択装置14へ連結された押し棒19に枢支され
かつ保持機構13に横軸13cによって枢支されたレバー18
を介して作動される複数の揺動部材17によって実施さ
れ、前記選択装置は、この場合電磁石装置によって形成
されると考えられる。

前述した説明は、例として示されたに過ぎずかつ説明
された種々の実施形態の細部をすべて別の均等物によっ
て代替することによって逸脱されない本発明の範囲を少
しも限定するものでないと理解されなければならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による連結装置を備えた押し出しバラ
ンサのドビーの横断面図であり、第２図、第３図及び第
４図は、第１図に示されるバランサの両端部の一方の領
域に設けられた連結装置の配置及び機能を示す拡大尺度
の詳細断面図であり、そして第５図は、引張り型式のド
ビーに本発明による連結装置を適用する場合を示す第１
図と同様な横断面図である。 図中符号 １……ヘッド枠 ２……復帰ばね ３……ケーブル ４……振動レバー ５……固定フレーム ７……バランサ ９……振動台板 11……フック 13……保持機構 14……ドビーの選択装置 17……揺動部材 18……可動レバー 19……押し棒 20……弾性手段（ばね）

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各バランサ（７）の両端部の各々を、プロ
   グラム式選択装置（14）の制御のもとに、フック（11）
   により保持或いは引張りのための保持機構（13）と連結
   するための織機用ドビーにおける複数の振動バランサの
   ための連結装置において、 前記連結が、フック（11）に枢支軸（11b）によって枢
   支されかつ前記フック（11）及び前記保持機構（13）に
   それぞれ設けられた複数の対応支承面（11c,13a）と協
   働する２つの支持面（17a,17b）を有する揺動部材（1
   7）によって行われ、その際揺動部材（17）は、保持機
   構（13）に配設されかつプログラム式選択装置（14）に
   連接された押し棒（19）によって作動されることを特徴
   とする前記連結装置。
2. 【請求項２】選択装置（14）による揺動部材（17）の制
   御が、保持機構（13）によって支持されかつ押し棒（1
   9）と連結している可動レバー（18）を介して行われ、
   その際該揺動部材（17）の回動は、前記選択装置の読取
   りフインガ（16）に連結された押し棒（19）の作用のも
   とに、該揺動部材（17）を張り出し位置に付勢している
   弾性手段（20）の力に抗して行われることを特徴とする
   請求項１に記載の連結装置。
3. 【請求項３】揺動部材（17）の複数の支持面（17a,17
   b）と協働するフック（11）の両対応支承面（13a,11c）
   の１つ（11c）が、前記揺動部材（17）の揺動範囲内で
   フック（11）の端部の縦方向に延びる凹部（11a）内に
   設けられ、別の対応支承面（13a）が、制御レバー（1
   8）の揺動範囲内で保持機構（13）の空所（13b）内に設
   けられていることを特徴とする請求項２による連結装
   置。
4. 【請求項４】前記揺動部材（17）が、該揺動部材（17）
   が保持機構（13）と協働する時に、前記支持面（17a、1
   7b）の１つ（17b）とフック（11）上の枢支軸（11b）と
   の間に圧縮される、請求項１から３までのうちのいずれ
   か一項記載の連結装置。