JP2877105B2 - 自動倉庫のラック - Google Patents

自動倉庫のラック

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JP2877105B2
JP2877105B2 JP29072996A JP29072996A JP2877105B2 JP 2877105 B2 JP2877105 B2 JP 2877105B2 JP 29072996 A JP29072996 A JP 29072996A JP 29072996 A JP29072996 A JP 29072996A JP 2877105 B2 JP2877105 B2 JP 2877105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のスプリンク
ラーヘッドが配設される自動倉庫のラックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前後一組の支柱と、それぞれの支
柱に左右に突出するように取り付けた腕木と、前後の腕
木の端部間を連結する棚受とを1つのユニットとし、こ
のユニットを縦方向や横方向に複数連結して構成したラ
ックと、このラックの前方を走行および昇降し、ラック
の各間口に対して物品を出し入れするスライドフォーク
を備えたスタッカクレーンとからなる自動倉庫が知られ
ている。このような自動倉庫においては、倉庫内で発生
した火災を自動的に消火する手段として、スプリンクラ
ーヘッドがラック内に多数配設される。
【0003】このスプリンクラーヘッドへ水を供給する
ために、給水管がラックを構成する部材に沿って配管さ
れる。該給水管を配管する際、配管によって生じるデッ
ドスペースをできるだけ小さくするため、前後の支柱間
で、かつラチスの側方に給水管を縦方向に配設したもの
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、給水管
を配管することによって生じるデッドスペースを完全に
無くすためには、ラチスを支柱の中心から目一杯偏心さ
せたとしても、支柱の幅からラチスの幅を差し引いた寸
法内に給水管を納める必要があり、径の太い給水管を使
用できないといった問題があった。一本の給水管に取り
付けることができるスプリンクラーヘッドの数は給水管
の径毎に規定(勿論、径が細くなると、取り付けること
が可能なスプリンクラーヘッドの数は少なくなる)され
ており、配設されるスプリンクラーヘッドの数が多くな
ると、一組の支柱間に複数本の給水管を配管する必要が
生じ、配管作業が煩雑になるといった問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような問題解決の
ために請求項1の発明は、前後の支柱と、前後の支柱間
に上下方向に複数取付けられる棚とを備えた第1のラッ
クユニット及び第2のラックユニットを水平ブレスを介
して並設し、第2のラックユニットの後側支柱の背面
が、第1のラックユニットの後側支柱の背面よりも第1
のラックユニット及び第2のラックユニットの前端側に
寄せられて設けられ、第2のラックユニットの後側支柱
の後方には、スプリンクラーヘッドの給水管が縦方向に
配設されることを特徴としている。この請求項1の発明
によれば、第1のラックユニットの後側支柱の後背面を
自動倉庫の壁面と当接した状態、或いは第1のラックユ
ニットの後側支柱の後背面同士を当接した状態でラック
が立設されても、スプリンクラーヘッドの給水管を第2
のラックユニットの後側支柱の背後に配置することがで
き、該給水管の配置用に前後方向及び左右方向に新たな
デッドスペースを設ける必要がない。
【0006】又、請求項2の発明は、給水管には、隣り
合う第1のラックユニット及び第2のラックユニットの
背後側中央部に位置するスプリンクラーヘッドと、第2
のラックユニットの前後の支柱間で前側支柱寄りに位置
するスプリンクラーヘッドとが、水平方向に配置される
枝管を介して連結されることを特徴としている。この請
求項2の発明のよれば、主としてそのラック自体で発生
した火災を消火するために設けられ、隣り合う第1のラ
ックユニット及び第2のラックユニットの背後側中央部
に位置するスプリンクラーヘッドと、主として隣接する
ラックへの延焼を防止するために設けられる第2のラッ
クユニットの前後の支柱間で前側支柱寄りに位置するス
プリンクラーヘッドとには、1本の給水管によって水が
供給されるので、ラック自体に配設される給水管の本数
を削減できる。特に第1のラックユニットの前後の支柱
間に補強部材であるラチスを取付け、該ラチスを取付け
た第1のラックユニットと、第2のラックユニットとを
水平ブレスによって連結すれば、前後の支柱間において
スプリンクラーヘッドの設置位置とラチスの設置位置と
が干渉する場合のある第2のラックユニットの前後の支
柱間にラチスを設けなくとも、第2のラックユニットに
掛かる水平方向の荷重を、該第2のラックユニットの両
側に位置する第1のラックユニットで支えることができ
る。
【0007】又、請求項3の発明は、第2のラックユニ
ットの後側支柱の背面に配設される給水管と、隣り合う
第1のラックユニット及び第2のラックユニットの背後
側中央部に位置するスプリンクラーヘッドとを連結する
枝管は、水平ブレスの取付け位置と略同じレベルに配設
されていることを特徴としている。この請求項3の発明
によれば、給水管と、隣り合う第1のラックユニット及
び第2のラックユニットの背後側中央部に位置するスプ
リンクラーヘッドとを連結する枝管を取付ける設ける際
にラックの高さ方向に新たなデッドスペースを生じるこ
とがない。
【0008】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説明す
る。図1は、本発明の実施の形態のラックユニットによ
って構成されるラックを備えた自動倉庫の正面図であ
り、図2は、図1の側面図である。図3は、図1のラッ
クの平面図である。図4は、本発明の実施の形態のラッ
クユニットの構成を示す斜視図であり、図5は、第1の
ラックユニット及び第2のラックユニットの平面図であ
る。尚、本実施の形態では、図3における、右側を右、
左側を左、スタッカクレーン通路側を前、スタッカクレ
ーン通路側からラックの奥行き側を後と記載する。
【0009】本実施の形態では、ラックRは、第1のラ
ックユニットU1と第2のラックユニットU2とから構
築されている。第1のラックユニットU1は、所定間隔
を隔てた前後一対の支柱1A、1Bと、前後の支柱1
A、1Bから左右に突出する腕木2A、2Bと、前後の
腕木2A、2Bの端部間を連結する棚受3A、3Bとを
備えている。そして、前後の支柱1A、1B間は、上下
方向の複数箇所がラチス5によっても連結される。
【0010】一方、第2のラックユニットU2は、所定
の間隔を隔てた前後一対の支柱1C、1Dと、前後の支
柱1C、1Dから左右に突出する腕木2C、2Dと、前
後の腕木2C、2Dの端部間を連結する棚受3C、3D
とを備えている。第2のラックユニットU2の前後の支
柱1C、1Dの間隔は、第1のラックユニットU1の前
後の支柱1A、1Bの間隔よりも狭くなっている。そし
て、第2のラックユニットU2の後側の支柱1Dの背面
には、給水管4が縦方向に取付けられている。
【0011】又、第2のラックユニットU2の前後の支
柱1C、1D間には、スプリンクラーヘッド7aが配置
されており、第1のラックユニットU1及び第2のラッ
クユニットU2の背後側で、第1のラックユニットU1
と第2のラックユニットU2との中央部にも、スプリン
クラーヘッド7bが配置されている。スプリンクラーヘ
ッド7aは、枝管6aを介して給水管4に連結され、ス
プリンクラーヘッド7bは、枝管6bを介して給水管4
に連結される。
【0012】スプリンクラーヘッド7aは、主として火
災が発生したラックRから、該ラックRと後述するスタ
ッカクレーンCの通路Lを介して対向するラックRへの
延焼を防止するために配置されている。又、スプリンク
ラーヘッド7bは、主として火災が発生したラックR自
体の消火を行うために配置されている。
【0013】枝管6aは、その一方が、給水管4との連
設部から、給水管4の配設された第2のラックユニット
U2の腕木2Dと水平ブレス20との間を通って、支柱
1C、1Dの間隔の中央部よりも前側の支柱1C寄りま
で延設されている。そして、延設部分の先端は、右側に
屈曲して支柱1C、1Dの間に到達し、その自由端にス
プリンクラーヘッド7aが取り付けられる。そして、ス
プリンクラーヘッド7aの上方には集熱板8が取付けら
れる。
【0014】又、枝管6aのもう一方は、給水管4の配
設された第2のラックユニットU2と前後方向で隣接す
る第2のラックユニットU2の腕木2Dの下方を通過し
て、上記と同様に前側の支柱1C寄りまで延設されてい
る。そして、そして、延設部分の先端は、右側に屈曲し
て支柱1C、1Dの間に到達し、その自由端にスプリン
クラーヘッド7aが取り付けられる。スプリンクラーヘ
ッド7aの上方には、上記と同様、集熱板8(図5参
照)が取付けられる。
【0015】スプリンクラーヘッド7a及び集熱板8
は、図5において、前後の支柱1C、1D間、且つ左右
の棚受3C、3D間に位置するよう配設されており、更
に、集熱板8は、棚受3C、3Dの高さ範囲内に収まる
よう配設されている。したがって、前後方向、左右方
向、および高さ方向のいずれにおいてもデッドスペース
を生じないようになっている。又、集熱板8は、平面形
状が矩形のものの他、一般的に使用されている平面形状
が円形のものでもよい。
【0016】一方、枝管6bは、給水管4との連設部か
ら右方向に延設されており、その先端部には、スプリン
クラーヘッド7bが取り付けられる。枝管6bの配設位
置は、第1のラックユニットU1の支柱1A、1Bと第
2のラックユニットU2の支柱1C、1Dとを連結する
水平ブレス20の取付け位置と略同レベルとなってい
る。
【0017】尚、図5において、枝管6bを給水管4と
の連設部から左方向に延設し、給水管4が配設された第
2のラックユニットU2と、該第2のラックユニットU
2の左側に配置される第1のラックユニットU1との背
後側の中央部分にスプリンクラーヘッド7bを配置する
ようにしても良い(図5中一点鎖線で表示)。
【0018】第1のラックユニットU1及び第2のラッ
クユニットU2を用いたラックRの組み立て作業を説明
する。第1のラックユニットU1は、予め工場におい
て、前後一組の支柱1A、1B、腕木2A、2B、棚受
3A、3B、及びラチス5を一体化することによって組
み立てられ、水平ブレス20などとともに据付現場に運
搬される。第2のラックユニットU2も同様にして、前
後一組の支柱1C、1D、腕木2C、2D、棚受3C、
3D、給水管4、分岐管6a、6b、スプリンクラーヘ
ッド7a、7b、及び集熱板8を一体化することによっ
て組み立てられる。
【0019】据付現場においては、所定のピッチで第1
のラックユニットと第2のラックユニットとを交互に並
設し、隣接する第1のラックユニットU1と第2のラッ
クユニットU2とを水平ブレス20等によって連結する
ことにより、所望の規模のラックRを構築する。なお、
第1のラックユニットU1及び第2のユニットU2は、
必要に応じて高さ方向に連結することも可能である。
【0020】第2のユニットU2の給水管4は、その下
端が、図示しない給水源に接続されたメイン給水管30
に接続される。メイン給水管30は、ラックRの最下段
に生じるデッドスペースに水平方向に配管され、この接
続作業は、図示しないジョイント等を用いて容易に行う
ことができる。尚、メイン給水管30を、ラックRの最
上部に生じるデッドスペースに配管するようにしてもよ
い。
【0021】上記のように構築されたラックRは、第1
のラックユニットU1及び第2のラックユニットU2
で、棚に載置された荷物の荷重を支え、第1のラックユ
ニットU1で、地震による水平方向の荷重を支える。そ
して、地震によって第2のラックユニットU2に水平方
向の負荷が掛かった場合、第2のラックユニットU2に
掛かった水平方向の荷重は、水平ブレス20等を介して
該第2のラックユニットU2の両側に位置する第1のラ
ックユニットU1に伝達されるようになっており、第1
のラックユニットU1が、第2のラックユニットU2を
支えるようになっている。
【0022】尚、上記のような構造のラックRにおい
て、第1のラックユニットU1に使用される支柱1A、
1Bの幅は、第2のラックユニットU2に使用される支
柱1C、1Dの幅よりも大きくすることで、水平方向の
荷重に対するラックR全体の耐力を効率良く向上させる
ことができる。
【0023】こうして構築されたラックRと、ラックR
間に形成された通路Lを走行し、ラックRの各棚に対し
て物品を出し入れするスタッカクレーンCとによって、
一つの自動倉庫が構成され、このような自動倉庫をラッ
クRの第1のラックユニットU1の後側の支柱1Bの背
面同士が隣あうように複数並設することによって一つの
自動倉庫システムが構成される。
【0024】このとき、第2のラックユニットU2の後
側の支柱1Dの背面は、第1のラックユニットU1の後
側の支柱1Bの背面よりも、ラックRの前側に寄せられ
た位置にあり、第2のラックユニットU2の後側の支柱
1Dの背面に給水管4が取り付けられるので、ラックR
の前後方向に給水管4の配設による新たなデッドスペー
スが生じず、コンパクトなシステムとすることができ
る。
【0025】この自動倉庫システムにおいては、万一倉
庫内で火災が発生した場合、火元に近い集熱板8の下方
に位置するスプリンクラーヘッド7が周囲の気温の上昇
によって開栓し、給水管4を介して分岐管6に供給され
ている水が散水される。
【0026】尚、本実施の形態においては、給水管4は
第2のラックユニットU2の後側の支柱1Dの背面に取
付けられているが、給水管4の取付け位置はこれに限る
ものではない。例えば、前後方向に隣接する2つの第1
のラックユニットU1の後側の支柱1Bの隣接部分と、
前後方向に隣接する2つの第2のラックユニットU2の
後側の支柱1Dの隣接部分との間に給水管4を配置する
こともできる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第2のラ
ックユニットの後側支柱の背面が、第1のラックユニッ
トの後側支柱の背面よりも第1のラックユニット及び第
2のラックユニットの前端側に寄せられて設けられ、第
2のラックユニットの後側支柱の後方には、スプリンク
ラーヘッドの給水管が縦方向に配設されているので、第
1のラックユニットの後側支柱の後背面を自動倉庫の壁
面と当接した状態、或いは第1のラックユニットの後側
支柱の後背面同士を当接した状態でラックが立設されて
も、該給水管の配置用にラック自体の前後方向及び左右
方向に新たなデッドスペースを設ける必要がなく、自動
倉庫のラックをコンパクトにすることができる。
【0028】又、本発明によれば、給水管には、隣り合
う第1のラックユニット及び第2のラックユニットの背
後側中央部に位置するスプリンクラーヘッドと、第2の
ラックユニットの前後の支柱間で前側支柱寄りに位置す
るスプリンクラーヘッドとが、水平方向に配置される枝
管を介して連結されるようになっているので、主として
そのラック自体で発生した火災を消火するために設けら
れ、隣り合う第1のラックユニット及び第2のラックユ
ニットの背後側中央部に位置するスプリンクラーヘッド
と、主として隣接するラックへの延焼を防止するために
設けられる第2のラックユニットの前後の支柱間で前側
支柱寄りに位置するスプリンクラーヘッドとには、1本
の給水管によって水が供給され、ラック自体に配設され
る給水管の本数を削減できる。特に第1のラックユニッ
トの前後の支柱間に補強部材であるラチスを取付け、該
ラチスを取付けた第1のラックユニットと、第2のラッ
クユニットとを水平ブレスによって連結すれば、前後の
支柱間においてスプリンクラーヘッドの設置位置とラチ
スの設置位置とが干渉する場合のある第2のラックユニ
ットの前後の支柱間にラチスを設けなくとも、第2のラ
ックユニットに掛かる水平方向の荷重を、該第2のラッ
クユニットの両側に位置する第1のラックユニットで支
えることができ、地震による水平方向の荷重に対するラ
ックの耐久性が向上する。
【0029】又、本発明によれば、第2のラックユニッ
トの後側支柱の背面に配設される給水管と、隣り合う第
1のラックユニット及び第2のラックユニットの背後側
中央部に位置するスプリンクラーヘッドとを連結する枝
管は、水平ブレスの取付け位置と略同じレベルに配設さ
れているので、給水管と第1のラックユニット及び第2
のラックユニットの背後側中央部に位置するスプリンク
ラーヘッドとを連結する枝管を取付ける設ける際にラッ
クの高さ方向に新たなデッドスペースを生じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のラックユニットによって
構成されるラックを備えた自動倉庫の正面図である。
【図2】図1のラックの側面図である。
【図3】図1のラックの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態のラックユニットの構成を
示す斜視図である。
【図5】第1のラックユニット及び第2のラックユニッ
トの平面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D 支柱 4 給水管 6a、6b 枝管 7a、7b スプリンクラーヘッド 20 水平ブレス U1 第1のラックユニット U2 第2のラックユニット

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後の支柱と、前後の支柱間に上下方向に
    複数取付けられる棚とを備えた第1のラックユニット及
    び第2のラックユニットを水平ブレスを介して並設し、
    第2のラックユニットの後側支柱の背面が、第1のラッ
    クユニットの後側支柱の背面よりも第1のラックユニッ
    ト及び第2のラックユニットの前端側に寄せられて設け
    られ、第2のラックユニットの後側支柱の後方には、ス
    プリンクラーヘッドの給水管が縦方向に配設されること
    を特徴とする自動倉庫のラック。
  2. 【請求項2】給水管には、隣り合う第1のラックユニッ
    ト及び第2のラックユニットの背後側中央部に位置する
    スプリンクラーヘッドと、第2のラックユニットの前後
    の支柱間で前側支柱寄りに位置するスプリンクラーヘッ
    ドとが、水平方向に配置される枝管を介して連結される
    ことを特徴とする請求項1記載の自動倉庫のラック。
  3. 【請求項3】第2のラックユニットの後側支柱の背面に
    配設される給水管と、隣り合う第1のラックユニット及
    び第2のラックユニットの背後側中央部に位置するスプ
    リンクラーヘッドとを連結する枝管は、水平ブレスの取
    付け位置と略同じレベルに配設されていることを特徴と
    する請求項1又は2記載の自動倉庫のラック。
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