JP2876713B2 - スイッチの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、主に民生用，産業用電子機器に使用される
スイッチの製造方法に関するものである。

従来の技術 従来の技術を第５図，第６図により説明する。

一般に、スイッチの製造方法は、外部接続用端子板を
スイッチ基板にどのようにして取付けるかが大きなポイ
ントになる。これまでは、良導電性金属板から打抜き加
工した端子をスイッチ基板孔に圧入，め等の方法で取
付けていたが、近年、端子取付孔からスイッチ内部への
半田フラックス流入防止、スイッチ組立て作業の自動化
等の目的から、スイッチ端子を基本の樹脂材料で連続イ
ンサート成形する方式がとられるようになってきた。

そして、端子を連続インサート成形し、これを利用し
て自動組立てをするためには、個々のスイッチ内の端子
配列および連続したスイッチ相互の間隔を一定にするた
め、スイッチ端子を相互に連結し、相互関の間隔を一定
に保った状態でインサート成形する必要があった。この
ため、第５図に示すように、良導電性金属板からスイッ
チ端子4,5のプレス加工で製作する際に、その金属材料
で端子相互間を連結するつなぎ桟部21,22を余分に設
け、小つなぎ桟22によって端子相互間を、また大つなぎ
桟21によってスイッチ相互の間隔を一定に保った状態で
第６図に示すようにスイッチ基板用成形材料でインサー
ト成形していた。そして、この大つなぎ桟21,21a,21b…
…によって成形スイッチ基板8,8a,8b……を連続した状
態で取付け、それらの上端部にスイッチ可動接点9,9a,9
b……（9a,9bは図示せず）、駆動体10,10a,10b……、ケ
ース11、11a,11b……等を組合わせてスイッチを組立
て、スイッチ端子4,5,4a,5a,4b,5b……間の小つなぎ桟2
2,22a,22b…を切断して各スイッチの端子間を電気的に
独立させた状態で電気検査等を実施し、その後にスイッ
チ相互間の大つなぎ桟21,21a,21b…を切断して個々のス
イッチとして完成させる方式をとっていた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、電源用スイッチは電気容量が大きいた
め、その端子部はある程度材厚の大きい良導電性金属材
料から形成する必要があり、またスイッチ端子と外部の
回路を接続する方式もコネクターとの直接結合方式が増
加しつつあり、コネクターの接続ピンと共用されるため
に、強度的な必要性からも端子の材厚を大きくする必要
がある。

このため、一般には端子材料として0.8mm程度の板厚
の銅系金属板に銀メッキをして使用されており、この材
料でつなぎ桟部21,22も含めて形成した第５図に示すよ
うな連続端子板は、材厚が大きいため折曲げたり、コイ
ル状に巻くことが困難で、無理に折曲げるとスイッチ端
子４または５の一部が変形したり、成形スイッチ基板８
の一部が欠けたりする危険性があった。

従って、スイッチ基板の成形からスイッチの組立てま
で直線状のままでおこなう必要があり、一般には第５図
に示されるような連続端子板を1m程度の長さに切断して
成形，組立，検査等の作業をしているが、連続生産が難
しく作業効率が悪かった。

また、上記スイッチ端子板のつなぎ桟部21,22も含め
て端子材料である銅系金属板を銀メッキした高価な材料
で形成しても、スイッチ完成品の状態ではこれらつなぎ
桟部21,22の部分は不要となり切断廃棄するので、最終
的に有効使用できる材料の比率は非常に悪く、原価アッ
プの要因となっていた。

課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、良導電性金属板
から打抜き加工した端子を、可撓性を有する難燃樹脂製
の絶縁テープに所定の間隔で取付けて、基板の連続成形
スイッチの連続自動組立てをおこなうようにするもので
ある。

作用 したがって、本発明によれば、良導電性金属材料から
スイッチ構成上必要な端子部のみを打抜き加工するの
で、端子材料を有効活用できると共に、スイッチ端子を
所定の間隔で取付ける難燃樹脂製絶縁テープは可撓性を
有するので、スイッチ基板の成形時および成形済スイッ
チ基板の連結されたフープ材を利用して自動組立てをす
る際の自由度が大きく、工程の途中で折曲げ、一定の長
さでコイル状に巻取ることが可能で、製造工程の滑らか
な連続自動化が可能になる。

実施例 以下本発明の一実施例について第１図〜第４図により
説明する。

第１図は、本発明のスイッチの製造方法を示す一実施
例の端子連続フープの構成を示す分解斜視図であり、図
において、１は可撓性を有する難燃樹脂製の細幅絶縁テ
ープで、その幅のほぼ中心線状には第２図に示すように
交互に所定の間隔a,bをとって配列された角孔2,3,2a,3
a,2b,3b……があけられている。そして、4,5は表面に銀
メッキをした良導電性金属板から打抜き加工された一組
のスイッチ端子で、４は可動接点支持端子、５は固定接
点付端子であり、これら端子の中間にそれぞれ設けられ
た２個ずつの爪部6,7を、上記絶縁テープ１の角孔2,3に
はめ込み先端部をめて上下方向に広げることにより、
絶縁テープ１に第２図に示すように所定の間隔ａで取付
けられる。つぎに間隔ｂをおいて次に一組の端子4a,5a
を、テープ１の次の角2a,3aに、さらに同様にして次の
一組の端子4b,5bを、テープの次の角孔2b,3bにと、次々
に取付けることにより、隣の一組の端子とは（ａ＋ｂ）
の間隔でスイッチ一組分ずつの端子が細幅絶縁テープ１
に取付けられた端子連続フープ16ができる。

そして、この端子連続フープ16は、可撓性を有する絶
縁テープ１により連結されているので自由に折曲げるこ
とができ、このままの状態でコイル状に巻取ることもで
きる。

このようにして製作された端子連続フープ16を、成形
金型に順次送り込んでスイッチ一組分毎の端子を難燃性
樹脂でインサート成形して、スイッチ基板8,8a,8b……
を形成し、スイッチ基板８−8a間,8a−8b間……の絶縁
テープ１はつなぎ桟として残すことにより、第３図に示
すように可撓性絶縁つなぎ桟により一定間隔（ａ＋ｂ）
で連結されたスイッチ基板連続フープ19ができる。

このスイッチ基板連続フープ19は可撓性絶縁テープ１
により連結されていて自由に折曲げることができるの
で、成形加工後にコイル状に巻取った後、スイッチの自
動組立機に供給し、この一定間隔（ａ＋ｂ）で連結され
たスイッチ基板8,8a,8b……をベースとしてスイッチの
可動接点9,9a,9b……、駆動体10,10a,10b……、ケース1
1,11a,11b……を組合わせて、第４図に示すように可撓
性絶縁テープ１で連結されたスイッチ完成品連続フープ
とし、この状態でスイッチの電気検査等をおこなった
後、スイッチ相互間のテープ１をスイッチケースの根元
から切断して分離することにより、個々のスイッチ完成
品として取出すものである。

発明の効果 本発明は、上記実施例から明らかなように、以下に示
す効果を有する。

（１） 端子連続フープ，スイッチ基板連続フープ，ス
イッチ完成品連続フープ共に可撓性のある絶縁テープで
連結されていて、何れのフープもコイル状に大量巻取り
が可能であるので、大量個数の連続生産ができると共
に、スイッチ生産の各中間工程において、保管，移動等
が容易である。

（２） 銀メッキされた良導電性金属板から打抜き加工
される端子は、スイッチ構成上必要な部分のみを加工
し、組立て途中で廃棄される部分がないので、材料の無
駄がない。

（３） スイッチ基板連続フープの段階から絶縁性のテ
ープで連結され、各々の端子は電気的に絶縁されている
ので、スイッチ組立工程に検査工程を組み込むことが容
易であると共に、スイッチ完成品の数量計測および自動
整列包装も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のスイッチの製造方法の一実施例におけ
る端子連続フープの分解斜視図、第２図は同平面図、第
３図は同スイッチ基板連続フープの斜視図、第４図は同
スイッチ完成品連続フープの側断面図、第５図は従来の
連続端子板の平面図、第６図は同連続端子板インサート
成形済スイッチ基板の平面図である。 １……絶縁テープ、4,4a,4b……スイッチ端子、5,5a,5b
……スイッチ端子、８……成形スイッチ基板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スイッチ１個分の金属製端子を一組とし
   て、複数組の端子を所定のピッチで連続して可撓性を有
   する難燃樹脂製絶縁テープに取付けた後、スイッチ１個
   分ずつの端子を絶縁テープ部も含み難燃性樹脂で連続イ
   ンサート成形して形成されるスイッチ基板を絶縁テープ
   で連結したフープを基準として、連続した状態でスイッ
   チを組立て、完成後に個別にスイッチに切断分離するス
   イッチの製造方法。