JP2874423B2 - タンタル固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
タンタル固体電解コンデンサの製造方法Info
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- JP2874423B2 JP2874423B2 JP3359658A JP35965891A JP2874423B2 JP 2874423 B2 JP2874423 B2 JP 2874423B2 JP 3359658 A JP3359658 A JP 3359658A JP 35965891 A JP35965891 A JP 35965891A JP 2874423 B2 JP2874423 B2 JP 2874423B2
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- solid electrolytic
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- voltage
- electrolytic capacitor
- tantalum
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐湿性を向上した高圧用
のタンタル固体電解コンデンサの製造方法に関する。
のタンタル固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタル固体電解コンデンサは、一般的
に、タンタルの微粉末からなる焼結体に陽極酸化皮膜、
二酸化マンガン等の半導体層、カーボン層及び銀ペース
ト層を順次設けた構成になっている。
に、タンタルの微粉末からなる焼結体に陽極酸化皮膜、
二酸化マンガン等の半導体層、カーボン層及び銀ペース
ト層を順次設けた構成になっている。
【0003】陽極酸化皮膜は、硝酸やリン酸等の溶液中
に焼結体を浸潰し、化成電圧を印加して形成する。特
に、硝酸化成液は火花電圧が比較的に低いために、高圧
品にはリン酸化成液を用いて化成している。
に焼結体を浸潰し、化成電圧を印加して形成する。特
に、硝酸化成液は火花電圧が比較的に低いために、高圧
品にはリン酸化成液を用いて化成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、陽極酸化皮膜
中、特に弁作用金属側から少なくとも1/2の厚さの部
分にりんイオンが含まれていると、耐湿性が低下し、そ
のなかでも特に漏れ電流(以下LCという)が増加する
欠点があることがわかった。
中、特に弁作用金属側から少なくとも1/2の厚さの部
分にりんイオンが含まれていると、耐湿性が低下し、そ
のなかでも特に漏れ電流(以下LCという)が増加する
欠点があることがわかった。
【0005】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、耐
湿性を向上できるタンタル固体電解コンデンサ及びその
製造方法を提供するものである。
湿性を向上できるタンタル固体電解コンデンサ及びその
製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、タンタルの微粉末を化成して陽極酸化
皮膜を形成したタンタル固体電解コンデンサの製造方法
において、硝酸化成液を用い最大化成電圧の1/2以上
の電圧から前期最大化成電圧よりも低い電圧で化成する
工程と、この工程後にりんイオンを含む化成液を用い前
記最大化成電圧まで化成する工程とを行うことを特徴と
するタンタル固体電解コンデンサの製造方法を提供する
ものである。
達成するために、タンタルの微粉末を化成して陽極酸化
皮膜を形成したタンタル固体電解コンデンサの製造方法
において、硝酸化成液を用い最大化成電圧の1/2以上
の電圧から前期最大化成電圧よりも低い電圧で化成する
工程と、この工程後にりんイオンを含む化成液を用い前
記最大化成電圧まで化成する工程とを行うことを特徴と
するタンタル固体電解コンデンサの製造方法を提供する
ものである。
【0007】
【作用】
本発明は、先ず、硝酸化成液を用いて最大化成
電圧の1/2の電圧から最大化成電圧よりも低い電圧ま
での大きさの化成電圧により化成する。その後、りんイ
オンを含む化成液を用いて最大化成電圧まで化成する。
この化成処理により、陽極酸化皮膜は、少なくとも弁作
用金属から1/2の厚さの部分がりんイオンを含まない
領域となる。従って、りんイオンによる耐湿性の低下を
少なくできる。また、硝酸化成液によって最大化成電圧
まで化成することなく、りんイオンを含む化成液によっ
て化成しているため、陽極酸化皮膜の表面側には必ずり
んイオンを含む領域が形成される。このため、コンデン
サの耐圧を高くでき、高圧用に適したタンタル固体電解
コンデサを製造できる。
電圧の1/2の電圧から最大化成電圧よりも低い電圧ま
での大きさの化成電圧により化成する。その後、りんイ
オンを含む化成液を用いて最大化成電圧まで化成する。
この化成処理により、陽極酸化皮膜は、少なくとも弁作
用金属から1/2の厚さの部分がりんイオンを含まない
領域となる。従って、りんイオンによる耐湿性の低下を
少なくできる。また、硝酸化成液によって最大化成電圧
まで化成することなく、りんイオンを含む化成液によっ
て化成しているため、陽極酸化皮膜の表面側には必ずり
んイオンを含む領域が形成される。このため、コンデン
サの耐圧を高くでき、高圧用に適したタンタル固体電解
コンデサを製造できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例の方法により製造したコンデンサ
素子の断面図を示す。 1はタンタルの微粉末からなる焼
結体である。2はこの焼結体1から引き出したタンタル
のリード線である。3は焼結体1を化成して形成した陽
極酸化皮膜である。そしてこの陽極酸化皮膜3は、タン
タルの弁作用金属側から少なくとも1/2の厚さを占め
るりんイオンを含まない部分4とそれ以外の外側のりん
イオンを含む部分5とから形成されている。6は陽極酸
化皮膜3に積層した二酸化マン ガンからなる半導体層で
ある。7は半導体層に積層したカーボン層である。8は
カーボン層に積層した銀ペースト層である。9は銀ペー
スト層8に半田10付けした陰極リード線である。
図1は本発明の実施例の方法により製造したコンデンサ
素子の断面図を示す。 1はタンタルの微粉末からなる焼
結体である。2はこの焼結体1から引き出したタンタル
のリード線である。3は焼結体1を化成して形成した陽
極酸化皮膜である。そしてこの陽極酸化皮膜3は、タン
タルの弁作用金属側から少なくとも1/2の厚さを占め
るりんイオンを含まない部分4とそれ以外の外側のりん
イオンを含む部分5とから形成されている。6は陽極酸
化皮膜3に積層した二酸化マン ガンからなる半導体層で
ある。7は半導体層に積層したカーボン層である。8は
カーボン層に積層した銀ペースト層である。9は銀ペー
スト層8に半田10付けした陰極リード線である。
【0009】次に、本発明の実施例の製造方法を説明す
る。 先ず、タンタルの微粉末を、タンタルのリード線2
を引き出した状態で圧縮成形し、真空熱処理して焼結体
1を形成する。焼結体1を形成後、硝酸溶液等のりんイ
オンを含まない化成液に浸漬し、最大化成電圧の1/2
以上の電圧から最大化成電圧より低い電圧で化成する。
次に、焼結体1を、りん酸溶液等のりんイオンを含む化
成液に浸漬し、最大化成電圧まで化成する。すなわち、
化成を2段階に分けて行い陽極酸化皮膜3を形成する。
陽極酸化皮膜3を形成後、焼結体1を、硝酸マンガン溶
液に浸漬して液を含浸し、焼成及び再化成して二酸化マ
ンガン層6を形成する。二酸化マンガン層6を形成後に
カーボンを塗布してカーボン層7を形成する。カーボン
層7を形成後に、銀ペーストを塗布して銀ペースト層8
を形成する。銀ペースト層8を形成後、これに陰極リー
ド線9を半田10付けする。 なお、化成は3段階以上に
分けて行ってもよい。
る。 先ず、タンタルの微粉末を、タンタルのリード線2
を引き出した状態で圧縮成形し、真空熱処理して焼結体
1を形成する。焼結体1を形成後、硝酸溶液等のりんイ
オンを含まない化成液に浸漬し、最大化成電圧の1/2
以上の電圧から最大化成電圧より低い電圧で化成する。
次に、焼結体1を、りん酸溶液等のりんイオンを含む化
成液に浸漬し、最大化成電圧まで化成する。すなわち、
化成を2段階に分けて行い陽極酸化皮膜3を形成する。
陽極酸化皮膜3を形成後、焼結体1を、硝酸マンガン溶
液に浸漬して液を含浸し、焼成及び再化成して二酸化マ
ンガン層6を形成する。二酸化マンガン層6を形成後に
カーボンを塗布してカーボン層7を形成する。カーボン
層7を形成後に、銀ペーストを塗布して銀ペースト層8
を形成する。銀ペースト層8を形成後、これに陰極リー
ド線9を半田10付けする。 なお、化成は3段階以上に
分けて行ってもよい。
【0010】以下に、タンタル固体電解コンデンサにつ
いて、実施例、従来例及び比較例に分けて、プレッシャ
ークッカーテストを行いLCの変化を求めた。実施例等
の化成条件は表1の通りとし、LCの変化を表2に示し
た。なお、テストの条件は、温度121℃、湿度100
%、気圧2atm、時間0〜44hrとする。
いて、実施例、従来例及び比較例に分けて、プレッシャ
ークッカーテストを行いLCの変化を求めた。実施例等
の化成条件は表1の通りとし、LCの変化を表2に示し
た。なお、テストの条件は、温度121℃、湿度100
%、気圧2atm、時間0〜44hrとする。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】表2から明らかな通り、LCは平均値で、
44hr後において、実施例1及び実施例2が0.90
0〜1.17μA、従来例が11.5μAそして比較例
が9 .90μAとなる。すなわち、実施例1及び実施例
2は従来例の約7.8〜10.2%、比較例の約9.1
〜11.8%に低下する。
44hr後において、実施例1及び実施例2が0.90
0〜1.17μA、従来例が11.5μAそして比較例
が9 .90μAとなる。すなわち、実施例1及び実施例
2は従来例の約7.8〜10.2%、比較例の約9.1
〜11.8%に低下する。
【0014】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の製造方法によれ
ば、先ず、硝酸化成液を用いて最大化成電圧の1/2以
上の電圧から最大化成電圧よりも低い電圧により化成
し、次に、りんイオンを含む化成液を用いて最大化成電
圧まで化成しているため、耐湿性を向上でき、LCを改
善できるとともに、高圧用に適したタンタル固体電解コ
ンデンサが得られる。
ば、先ず、硝酸化成液を用いて最大化成電圧の1/2以
上の電圧から最大化成電圧よりも低い電圧により化成
し、次に、りんイオンを含む化成液を用いて最大化成電
圧まで化成しているため、耐湿性を向上でき、LCを改
善できるとともに、高圧用に適したタンタル固体電解コ
ンデンサが得られる。
【図1】本発明の実施例により製造したコンデンサ素子
の断面図を示す。
の断面図を示す。
1…焼結体、 3…陽極酸化皮膜、 4…りんイオンを
含まない部分、5…りんイオンを含む部分。
含まない部分、5…りんイオンを含む部分。
Claims (1)
- 【請求項1】 タンタルの微粉末を化成して陽極酸化皮
膜を形成したタンタル固体電解コンデンサの製造方法に
おいて、硝酸化成液を用い最大化成電圧の1/2以上の
電圧から前期最大化成電圧よりも低い電圧で化成する工
程と、この工程後にりんイオンを含む化成液を用い前記
最大化成電圧まで化成する工程とを行うことを特徴とす
るタンタル固体電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3359658A JP2874423B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | タンタル固体電解コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3359658A JP2874423B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | タンタル固体電解コンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05182869A JPH05182869A (ja) | 1993-07-23 |
JP2874423B2 true JP2874423B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=18465628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3359658A Expired - Lifetime JP2874423B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | タンタル固体電解コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2874423B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4545204B2 (ja) * | 2004-02-04 | 2010-09-15 | 三洋電機株式会社 | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
JP4275044B2 (ja) * | 2004-02-04 | 2009-06-10 | 三洋電機株式会社 | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
WO2021172031A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電解コンデンサ用電極およびその製造方法、ならびに電解コンデンサ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5834924B2 (ja) * | 1975-10-08 | 1983-07-29 | エルナ−株式会社 | デンカイコンデンサヨウアルミニウム ノ ヨウキヨクサカホウホウ |
JPS6053452B2 (ja) * | 1976-01-28 | 1985-11-26 | エルナ−株式会社 | 電解コンデンサ用アルミニウムの陽極酸化方法 |
JPS52139993A (en) * | 1976-05-18 | 1977-11-22 | Toshiba Corp | Preparation of dielectric layer |
JPH02277212A (ja) * | 1989-04-18 | 1990-11-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | タンタル電解コンデンサおよびその製造方法 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP3359658A patent/JP2874423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05182869A (ja) | 1993-07-23 |
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