JP3546451B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ状固体電解コンデンサは、図5及び図6に示すように表面に誘電体酸化皮膜層2を有するアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなる平板状の金属箔1の表面に陽極部となる一部を除いて半導体層3及び導電体層4を順次積層した固体電解コンデンサ素子5(以下コンデンサ素子と称する)を形成し、次いでこのコンデンサ素子5をリードフレーム6に接続するが、リードフレーム6の2ヶ所の凸部6a、6bを間隔をおいて対向させ、それぞれの凸部6a、6bに前記コンデンサ素子5の陽極部7と陰極部8を載置している。
【0003】
そして前者は熔接9などで、後者は銀ペースト等の導電材10でリードフレーム6の凸部6a、6bに電気的、かつ機械的に接続した後、外装樹脂13で封止して、チップ状固体電解コンデンサが構成されている。
そしてこの封口した固体電解コンデンサは、容量等の電気性能を満たすことが要求され、さらに負荷テスト、耐湿テスト等の抜き取り検査が合格したものを製品としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したコンデンサ素子は、耐湿テスト時、湿気がリードフレームから進入し、コンデンサ素子の誘電体酸化皮膜層近くまで接近し、作製したコンデンサの容量並びにtanδ値を上昇させるという欠点があった。
このような欠点を防ぐために、コンデンサ素子を耐水性の樹脂で覆うことが考えられているが、作業性が悪く、またコスト上の問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたものであって、その要旨は表面に誘電体酸化皮膜層を有する弁作用金属箔に金属線を接続して陽極部とし、該金属線と金属箔との接続部に絶縁材を塗布し、しかる後、金属箔表面に半導体層および導電体層を順次形成して陰極部とし、次いでリードフレームの陽極リード引出し部と陰極リード引出し部とにそれぞれ前記コンデンサ素子の陽極部と陰極部を接続して外装樹脂で封止成形することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法にある。
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる弁作用金属箔としては、例えばアルミニウム、タンタル、及びこれらを基質とする合金等、弁作用を有する金属の箔が使用できる。又、弁作用金属箔の表面はエッチングによって実表面積が増加されていてもよい。
弁作用金属箔の表面に設けられる誘電体酸化皮膜層は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層であってもよく、或は、弁作用金属の表面上に設けられた他の誘電体酸化物の層であってもよいが、特に弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが望ましい。
【0007】
次に、このようにして誘電体酸化皮膜層まで形成された弁作用金属箔に、金属線を接続して陽極部とし、金属箔と金属線との接続部に絶縁材を塗布し、しかる後、金属箔表面に半導体層および導電体層を順次形成して陰極部とする方法を説明する。図1は、上述した陰極部8まで形成されたコンデンサ素子5を示す平面図である。
図2は、図1のA−A’部断面図である。
図1及び図2において、弁作用金属箔1の表面に誘電体酸化皮膜層2が形成されており、金属線11が接続していて、金属箔1と金属線11との接続部に絶縁材12が塗布されている。さらに誘電体酸化皮膜層2の上に、半導体層3、導電体層4が順次形成されている。
【0008】
金属線11の材質としてアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン及びこれらを基質とする合金等弁作用を有する金線の線が使用できる。金属線の断面形状は、丸、楕円、四角等の形状である。また金属線の長さおよび径の大きさは、使用する弁作用金属箔の大きさ、作製した固体電解コンデンサの形状によって変化するので、あらかじめ行う予備実験によって決定される。また、金属線には前述した手法であらかじめ導電体酸化皮膜層を形成していてもよい。
弁作用金属箔1と金属線11との接続は、熔接、銀ペースト等の導電ペースト、半田等の1つ以上の手法で接続される。
又、本発明において、弁作用金属箔1と金属線11との接続部には絶縁材12が塗布されるが、接続時に弁作用金属箔1の金属線11との接続面と反対側に応力がかかる場合には、接続面と反対側の面にも絶縁材12を塗布することが望ましい。
【0009】
絶縁材としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ブタジエンゴム等の炭化水素樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等従来公知の絶縁性樹脂およびアルミナ、シリカ等のセラミックスからなる絶縁性無機物があげられる。
本発明では、弁作用金属箔1に金属線11を接続して陽極部とし、該陽極部の一部を除いて残りの誘電体酸化皮膜層上に半導体層を形成させているが、半導体層の種類には特に制限はなく、従来公知の半導体層が使用できる。
【0010】
この中で、とりわけ本願出願人の出願による二酸化鉛と硫酸鉛からなる半導体層(特開昭62−256423号公報、特開昭63−51621号公報)が、作製した固体電解コンデンサの高周波性能が良好なために好ましい。
また、テトラチオテトラセンとクロラニルの錯体を半導体層として形成させる方法(特開昭62−29123号公報)、複素5員環高分子化合物にドーパントをドープした電導性高分子化合物からなる半導体層(特開昭60−37114号公報)もその一例である。
そしてこのような半導体層上には、例えばカーボンペースト及び/又は銀ペースト等の従来公知の導電ペーストを積層して導電体層を形成して陰極部8を形成している。
【0011】
次に、このように導電体層まで形成されたコンデンサ素子をリードフレームに接続する方法を説明する。図3及び図4はコンデンサ素子5をリードフレーム6に接続した状態を示す平面図および断面図である。
図3及び図4において、コンデンサ素子5の陽極部7(11金属線)と陰極部8(図示せず)とがリードフレーム6の陽極リード引出し部6aと陰極リード引出し部6bとにそれぞれ載置されていて、陽極部は熔接、導電ペースト、半田等で接続し、一方、陰極部は導電ペースト、半田等の導電材10で接続されている。
このようにしてリードフレームに接続されたコンデンサ素子は、リードフレームの一部を残してエポキシ樹脂等の外装樹脂により封止成形され固体電解コンデンサとしている。
【0012】
【作用】
コンデンサ素子の陽極部と、リードフレームとの接続を金属線で行っているので、リードフレームを介して、湿気が誘電体酸化皮膜層に進入することが緩和される。
【0013】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1〜6
りん酸とりん酸アンモニウム水溶液中で化成処理して表面に誘電体酸化皮膜層を形成した45μF/cm2 のアルミニウムエッチング箔(以下、化成箔と称する。)の小片3mm×3.5mmを用意し、表1に示した金属線を化成箔小片の一端中央部に熔接により接続した。この接続部及び接続面と反対の面の接続部に対応する側に表1に併記した絶縁材を塗布後乾燥硬化した。次に金属線と化成箔を再度りん酸とりん酸アンモニウム水溶液中に入れ化成処理を行い表面に誘電体酸化皮膜層を形成した。つづいて化成箔小片3mm×3.5mmの部分を酢酸鉛三水和物2.4モル/l水溶液と過硫酸アンモニウム4.0モル/l水溶液の混合液に浸漬し、60℃で20分放置し、二酸化鉛と硫酸鉛からなる半導体層を形成した。
このような操作を3回行った後、半導体層上にカーボンペースト及び銀ペーストを順に積層して導電体層を形成し、コンデンサ素子を作製した。一方別に用意したリードフレーム(材質42アロイ、半田メッキ、厚み0.1mm)の陽極リード引出し部と陰極引出し部(各引出し部の幅3.0mm、引出し間隔1mm)に陽極部の金属線と陰極部を載置し、前者は熔接で、後者は銀ペーストで接続した。その後、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形して外形寸法7mm×4mm×3mmのチップ状固体電解コンデンサを作製した。
【0014】
比較例1
実施例1で、化成箔の寸法を3mm×5mmにし、3mm×3.5mmの部分に半導体層、導電体層を形成し、残り3mm×1.5mmの部分を陽極部としてリードフレームの陽極リード引出し部に接続した以外は、実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
以上のように作製した直後の固体電解コンデンサの状態及び85℃、85%RHの耐湿テストを200時間行った後のコンデンサの性能を表2に示した。なお、各実施例又は比較例は全数値n=50点の平均値である。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明の固体電解コンデンサは、コンデンサ素子の陽極部を金属線とし、陽極リード引出し部と接続しているため、耐湿テスト後の容量とtanδ値の上昇がおさえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示すコンデンサ素子の平面図である。
【図2】本発明の一例を示すコンデンサ素子の断面図である。
【図3】コンデンサ素子を陽極リード引出しと陰極リード引出しとに接続した状態を示す平面図である。
【図4】(a)コンデンサ素子を陽極リード引出しと陰極リード引出しとに接続した状態を示す断面図である。
(b)コンデンサ素子を陽極リード引出しと陰極リード引出しとに接続した状態を示す他例の断面図である。
【図5】従来のコンデンサ素子をリードフレームに載置した状態を示す平面図である。
【図6】従来のコンデンサ素子をリードフレームに載置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁作用金属箔
2 誘電体酸化皮膜層
3 半導体層
4 導電体層
5 固体電解コンデンサ素子 6a リードフレームの一方の凸部(陽極リード引出し部) 6b リードフレームの他方の凸部(陰極リード引出し部)
7 陽極部
8 陰極部
9 熔接
10 導電材 11 金属線 12 絶縁材 13 外装樹脂
Claims (4)
- 表面に誘電体酸化皮膜層を有する弁作用金属箔に弁作用を有する金属線を接続して陽極部とし、該金属線と金属箔との接続部に絶縁材を塗布し、しかる後、金属箔表面に半導体層および導電体層を順次形成して陰極部とし、次いでリードフレームの陽極リード引出し部と陰極リード引出し部とにそれぞれ前記コンデンサ素子の金属線による陽極部と陰極部を接続して外装樹脂で封止成形することを特徴とするチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
- 該金属線と金属箔との接続部に絶縁材を塗布し、金属線と金属箔を再度化成処理し、しかる後、金属箔表面に半導体層および導電体層を順次形成して陰極部とすることを特徴とする請求項1に記載のチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
- 弁作用を有する金属線が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン及びこれらを基質とする合金のいずれかの金属線であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法によって得られたチップ状固体電解コンデンサ。
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JP32830093A JP3546451B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
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JP32830093A Expired - Lifetime JP3546451B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
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DE10304756B4 (de) | 2003-02-05 | 2005-04-07 | W.C. Heraeus Gmbh | Sauerstoffangereicherter Niob-Draht |
DE102004032128B4 (de) | 2003-10-17 | 2010-10-14 | W.C. Heraeus Gmbh | Metallischer Werkstoff, Herstellverfahren und Verwendung |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32830093A patent/JP3546451B2/ja not_active Expired - Lifetime
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