JP2874132B2 - 交流用Nb▲下3▼Sn超電導線の製造方法 - Google Patents

交流用Nb▲下3▼Sn超電導線の製造方法

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JP2874132B2 JP1109574A JP10957489A JP2874132B2 JP 2874132 B2 JP2874132 B2 JP 2874132B2 JP 1109574 A JP1109574 A JP 1109574A JP 10957489 A JP10957489 A JP 10957489A JP 2874132 B2 JP2874132 B2 JP 2874132B2
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、核融合炉用トロイダルマグネット、粒子加
速機用マグネット、超電導発電機用マグネット等に利用
されるNb3Sn超電導線の製造方法に関する。
「従来の技術」 従来、Cu合金からなる金属基地の内部に無数の極細の
Nb3Sn超電導フィラメントを配列した構造の超電導線が
知られている。このNb3Sn超電導線を製造するには、ま
ず、第11図に示すように、Nbロッドからなる芯材1に、
Cu-Sn合金からなる管体2を被せて形成した複合体を複
数本集合し、次いでCu-Sn合金の管体3に挿入して縮径
し、第12図に示す1次素線4を作成する。次にこの1次
素線4を複数本集合して第13図に示すようにCu-Sn合金
の管体5に挿入して縮径し第14図に示す素線7を作成
し、この素線7に拡散熱処理を施してSnを拡散させ、Nb
3Sn超電導フィラメントを生成させて第15図に示すNb3Sn
超電導線8を製造している。
「発明が解決しようとする課題」 前述の従来方法では、素線の集合と縮径加工を繰り返
し行うので、Cu-Sn合金からなる管体2,3,5を用いた場
合、管体2,3,5の加工硬化が著しく、断線のおそれがあ
る。そこで、加工中の断線を防止するために、中間焼鈍
処理を繰り返し施しつつ加工しているが、工程が複雑に
なる問題があった。
また、中間焼鈍処理を繰り返し行う間に、Nbの芯材1
とその周囲のCu-Sn合金の管体2との界面に脆い化合物
層が生成し、この化合物層が原因となって縮径加工中に
Nbフィラメントがいびつな変形を起こすことがあった。
なお、交流用の超電導線を製造する場合などには、フィ
ラメントの直径を1μm以下になるまで縮径加工するこ
とがあるが、Nbフィラメントに前記のようにいびつな変
形を生じるようであると断線を生じ易く、縮径加工が困
難になる場合がある。
更に、前記の方法で製造された超電導線8において、
特に交流用として製造されたものは、超電導フィラメン
トの直径が1μm以下の小さいものとなり、超電導フィ
ラメント間の間隔も小さくなるので、隣接する極細の超
電導フィラメントが、あたかも1本のフィラメントとし
て挙動するようになる傾向があり、交流損失が生じ易い
問題があった。また、交流用の超電導線を製造し、フィ
ラメント径を1μm以下にまで小さくした場合、高磁界
域における臨界電流密度の低下が著しくなる問題があっ
た。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
交流通電時の損失が少なく、高磁界域における臨界電流
密度が優れるとともに、1μm以下の極細のフィラメン
トになるまで縮径加工した場合であっても製造時の縮径
加工中に断線を引き起こすことがなく、交流用として優
れたNb3Sn超電導線を製造することができる方法を提供
することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した発明は前記課題を解決するため
に、Nb,Nb-Ti合金、Nb-Ta合金またはこれらに磁性元素
を添加した合金からなる芯材の外方に、磁性元素を含有
しSnを含まないCu合金からなる管体を配し、更にその外
側にCu-Sn合金管を配して複合体を形成し、この複合体
を複数本集合して管体に挿入し縮径する加工を必要回数
行って磁性元素を含みSnを含まないCu合金基地の内部に
NbまたはNb合金からなる極細のフィラメントを多数埋設
し前記Cu合金基地の外方にCu-Sn合金を配した構造の素
線を作成するとともに、純銅からなる安定化材と、その
外周のTa,Nbからなる拡散防止層とその外周のCu-Sn合金
の被覆層を具備する安定化導体を作成し、該安定化導体
を複数本集合し、その周囲に前記素線を複数本配置して
全体をCu-Sn合金の管体に挿入し、これを縮径した後に
熱処理を施してNb3Sn超電導フィラメントを生成させる
ことを特徴とするものである。
請求項2に記載した発明は前記課題を解決するため
に、Nb,Nb-Ti合金、Nb-Ta合金またはこれらに磁性元素
を添加した合金からなる芯材の外方に、磁性元素とTiを
含有しSnを含まないCu合金からなる管体を配し、更にそ
の外側にCu-Sn合金管を配して複合体を形成し、この複
合体を複数本集合して管体に挿入し縮径する加工を必要
回数行って磁性元素とTiを含みSnを含まないCu合金基地
の内部にNbまたはNb合金からなる極細のフィラメントを
多数埋設し前記Cu合金基地の外方にCu-Sn合金を配した
構造の素線を作成するとともに、純銅からなる安定化材
と、その外周のTa,Nbからなる拡散防止層とその外周のC
u-Sn合金の被覆層を具備する安定化導体を作成し、該安
定化導体を複数本集合し、その周囲に前記素線を複数本
配置して全体をCu-Sn合金の管体に挿入し、これを縮径
した後に熱処理を施してNb3Sn超電導フィラメントを生
成させることを特徴とするものである。
請求項3に記載した発明は前記課題を解決するため
に、請求項1または2に記載のNb3Sn超電導線の製造方
法において、安定化導体を複数本中心部から放射状にな
るように配置し、放射状に配置した安定化導体の周囲に
安定化導体を囲むように素線を複数本集合して全体をCu
-Sn合金の管体に挿入することを特徴とする。
超電導フィラメントが分散配列されたCu合金基地に磁
性元素が含有されているので、クーパー電子ペアが超電
導フィラメントから常電導金属基地側にしみ出した場合
に、磁性元素のもつ磁気モーメントによってペアがこわ
され、交流通電時に超電導フィラメントの間の合金基地
に流れようとする結合電流が抑制され、交流損失が減少
する。また、芯材の外方に設けるCu合金基地にSnを含ま
せていないので、加工途中で芯材と合金基地の界面に化
合物層を生成することが抑制される。更に、超電導フィ
ラメントの周囲の金属基地にTiが拡散されているので、
高磁界域における臨界電流特性が向上する。更にまた、
芯材の外方にSnを含まないCu合金の管体を被せてから縮
径するのでCu-Sn合金の管体よりも加工硬化する割合が
少なくなり、フィラメント断線のおそれが少なくなる。
更に、安定化導体を複数本、素線とともに集合してか
ら縮径し、熱処理するので、超電導特性の安定性が向上
するとともに、純銅製の安定化材を拡散防止層で覆った
安定化導体であるので、熱処理時に安定化材に不要な元
素拡散が防止されて安定化材の極低温における電気抵抗
を十分に低くでき、安定化材としての機能が十分に発揮
されるとともに、拡散防止層外方のCu-Sn合金のSnが熱
処理時に素線側に拡散してNb3Sn生成時に安定化導体側
からもSnの補給がなされる。また、複数本の安定化導体
をまとめて複数の素線とともに集合して縮径してから熱
処理を施すので、超電導線の内部に安定化導体を複数配
置でき、安定化導体を中心部にまとめて配置するならば
全体をコンパクトにできるとともに、安定化導体を中心
部から放射状に配置するならば、超電導線の内部の広い
範囲に安定化材を配置して安定性を高めることができ
る。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
第1図ないし第7図は、本発明方法をNb3Sn超電導線
の製造方法に適用した一実施例を示すもので、本発明方
法を実施して超電導線を製造するには、まず、第1図に
示すNbまたはNb合金からなるロッド状の芯材10の外周に
磁性元素を添加したCu合金からなる管体11を被せ、更に
その外側にCu-Sn合金などからなる管体12を被せ、全体
を縮径して第2図に示す複合体13を作成する。この複合
体13においては、芯材10の周囲に管体11の構成材料から
なる被覆層が形成されている。
前記芯材10は、純NbあるいはTi,Taを添加したNb合
金、または、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Sr,Y,Cb,Zr,Rh,P
d,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tmなどの磁性元素を
1種以上含むNb合金、あるいは、磁性元素とTi,Taを含
む合金から形成されている。芯材10にTiを含有させる場
合、その含有量は0.5〜2重量%が好ましく、Taを含有
させる場合、その含有量は0.5〜4重量%が好ましい。
前記管体11は前記磁性元素の1種以上をCuに添加し、
Snを含んでいないCu合金からなるものである。また、管
体11を前記磁性元素とTiを含み、Snを含まない合金から
形成しても良い。前記管体11における磁性元素の含有量
は、超電導フィラメントを囲む金属基地を構成する金属
元素に対して磁性元素が全率固溶するものである場合
は、0.5〜5重量%が好ましく、金属間化合物を生じる
おそれがある磁性元素の場合は0.1〜0.5重量%以下が好
ましい。なおまた、この例のようにCu合金の金属基地を
用いる場合は、MnとNiなどがCuに対して全率固溶するの
でMnまたはNiを添加する場合に0.5〜5重量%添加する
ものとする。またCu-Sn合金にTiを添加する場合、その
含有量は0.1〜1.0重量%が好ましい。
前記管体12は、Cu-Sn合金からなるが、前記磁性元素
を含むCu-Sn合金、磁性元素とTiを含むCu-Sn合金、ある
いは、Tiを含むCu-Sn合金から形成しても良い。そし
て、管体12におけるSnの含有量は6〜13重量%が好まし
い。
次に前記複合体13を複数本第3図に示すように集合し
た後にCu-Sn合金などからなる管体14に収納して縮径
し、第4図に示す1次素線15を作成する。ここで用いる
管体14には前記磁性元素とTiを添加しても良い。
次いで前記1次素線15を複数本集合して第5図に示す
ように管体16に挿入し、更に縮径して第6図に示す2次
素線17を作成する。ここで用いる管体16は、Cu-Sn合金
あるいは、前記磁性元素とTiを添加したCu-Sn合金を用
いても良い。以上の如く縮径加工を繰り返す場合、芯材
10の外方に設ける管体11にはSnが含まれていないので、
縮径加工中に中間焼鈍処理を施しても芯材10と管体11の
界面部分に化合物層が生成しない。従って縮径加工によ
り生成されるフィラメントがいびつな形状に変形するこ
とがない。
続いて2次素線17を500〜800℃で数十時間〜数百時間
加熱する拡散熱処理を行う。この拡散熱処理を行うこと
により2次素線17の内部のNbの極細フィラメントとSnを
反応させてNb3Sn超電導フィラメントを生成させ、第7
図に示すNb3Sn超電導線20を得ることができる。
この超電導線20は、磁性元素を含有するCu-Sn合金か
らなる基地の内部に、極細のNb3Sn超電導フィラメント
が多数配列された構造になっている。また、芯材10、管
体12,14,16のいずれかにTiを含有させた場合はTiを含む
合金基地の内部にNb3Sn超電導フィラメントが多数配列
された構造になっている。
前記超電導線20は液体ヘリウムなどの冷媒によって極
低温に冷却して使用する。そして、交流通電を行った場
合、金属基地に磁性元素が含有されているので、超電導
フィラメント間に生じる結合損失を低減させることがで
きる。ここで超電導線において交流通電時に超電導複フ
ィラメントの間に結合損失が生じるのは、交流用の超電
導線にあっては、超電導フィラメントが直径0.1μm程
度まで極細化されており、このような極細径の超電導フ
ィラメントからは、その周囲のCu-Sn合金基地側に超電
導電子の電子ペアがしみ出し、隣接する超電導フィラメ
ントの間で電子ペアの結合がなされるためである。従っ
て超電導フィラメントの周囲のCu-Sn合金基地内に磁性
を有する元素が含有されているとクーパー電子のペアが
磁性元素の磁性モーメントによりくずされて結合が生じ
にくくなり、交流損失が減少する。また、Nb3Sn超電導
フィラメントの周囲の金属基地にTiが拡散された構造の
場合、TiはNb3Snの高磁界域の臨界電流密度を向上させ
る効果を発揮するので、得られた超電導線の高磁界域で
の臨界電流密度が向上する。なお、Tiの添加量の大小に
より臨界電流密度の向上効果を調整できるが、Tiの添加
量を調整するには芯材10、管体12、管体14、管体16に含
有させるTi量を調節することで容易に調節することがで
きる。
なお、前記実施例において行った素線の集合工程と縮
径加工は2回に限るものではなく、3回以上の複数回行
っても差し支えない。
第8図はこの発明の製造方法を安定化材付きの超電導
線の製造方法に適用した例を説明するためのもので、こ
の例を実施して超電導線を製造するには、無酸素銅など
の純銅からなる安定化材22の外周に、Ta,Nbなどの金属
材料からなる拡散防止層23を形成し、更にその外周にCu
-Sn合金などからなる被覆層24を形成して安定化導体25
を作成する。なお、前記被覆層24はTiあるいは磁性元素
を含むCu-Sn合金から構成しても良い。
ここで前記拡散防止層23は、後工程で行う拡散熱処理
時に、安定化材22側に元素が拡散することを防止して安
定化材22の汚染を防止するために設けるものであり、そ
の構成材料としては融点が800℃以上の金属材料であっ
て、銅に対する反応性の低いTaやNbなどが好適に用いら
れる。
次にこの安定化導体25を複数本集合し、その外方に、
前記の例で用いた1次素線15あるいは2次素線17を更に
複数本集合して束ね、それらをCu-Sn合金などからなる
管体27に挿入し、これを縮径して素線を得る。前記管体
27は磁性元素あるいはTiを含むCu-Sn合金から形成して
も良い。前記素線に熱処理を施すと安定化材付きのNb3S
n超電導線を製造することができる。
この超電導線においては中心部に設けた安定化材22に
対するSnの汚染が防止されているので、安定化材22の極
低温における電気抵抗は十分に低い値になり、超電導線
の安定性が十分に高いものとなる。更に、超電導線の中
心部に安定化材22を複合した構造になっているので超電
導線の外方に新たに安定化材を添設する場合に比較して
よりコンパクトな構造にすることができる。
第9図はこの発明の製造方法を安定化材付きの超電導
線の製造方法に適用した第2の例を説明するためのもの
で、この例を実施して超電導線を製造するには、前記の
例で用いた安定化導体25と同等の安定化導体25を用意す
る。
次にこの安定化導体25を複数本集合して第9図に示す
ように逆Y字状(放射状)に配列し、安定化導体25…の
間に、前記の例で用いた1次素線15あるいは2次素線17
を更に複数本集合し、それらをCu-Sn合金などからなる
管体28に挿入し、全体を縮径して素線を作成した後に熱
処理を施すと安定化材付きの超電導線を製造することが
できる。なお、前記管体28を磁性元素あるいはTiを含む
Cu-Sn合金から形成しても良い。
第10図は先に説明した製造方法を安定化材付きの超電
導線の製造方法に適用した第3の例を説明するためのも
ので、無酸素銅などの純銅からなる安定化材30の外周
に、Ta,Nbなどの金属材料からなる拡散防止層31を形成
して安定化導体を作成する。
前記拡散防止層31を形成したならば、その全周にわた
り、前述の1次素線15あるいは2次素線17を配列して添
設する。素線を添設したならば、その外方にCu-Sn合金
などからなる管体33を第9図に示すように被せ、この後
に縮径加工を施して得るべき超電導線と同等の線径まで
縮径して素線を得る。なお、前記管体33は磁性元素ある
いはTiを含むCu-Sn合金から形成してもよい。
次にこの素線に熱処理を前述と同等の条件で施すなら
ば、Nb3Sn超電導線を得ることができる。
「試験例」 直径9mmのNbロッドにCu-1.0wt%Mn合金からなる外径1
2mm、内径10mmのチューブを被せ、その後に直径9mmまで
縮径して複合材を作成する。次にこの複合材をCu-8wt%
Sn-0.5wt%Ti合金からなる外径15mm、内径10mmの管体に
挿入し、450℃×2時間の中間焼鈍処理を施しながら0.5
8mmまで縮径加工して複合体を得る。次にこの複合体を5
47本集合して束ね、Cu-8wt%Sn-0.5wt%Ti合金からなる
外径18mm、内径16mmの管体に挿入し、中間焼鈍処理を施
しながら縮径加工を行って直径1.0mmの1次複合体を得
る。次に1次複合体を91本集合して束ね、Cu-8.0wt%Sn
-0.5wt%Ti合金からなる外径12mm、内径11mmの合金管に
挿入して縮径加工を行い直径0.2mmの素線を得た。この
素線において、内部に埋設されているNbフィラメントの
直径は約0.4μmとなっていた。
次いで600℃に150時間加熱する熱処理を施してNbのフ
ィラメントとSnを反応させてNb3Sn超電導フィラメント
を生成させて超電導線を製造した。
以上説明したように製造されたNb3Sn超電導線の臨界
電流密度(Jc)を 10Tの磁場中において測定したところ、 Jc=600A/mm2、(線材の全体値) 15Tの磁場中で測定したところ、 Jc=200A/mm2、(線材の全体値) の優秀な値が得られた。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば、芯材の周囲にSn
を含まないCu合金管を配置して縮径加工を行い、芯材と
Cu合金管の境界部分に化合物層を生成しないようにした
ので、縮径加工を繰り返し施して芯材を極細のフィラメ
ントに加工した場合であってもフィラメントがいびつな
形状に変形することがない。従って1μm以下の極細の
フィラメントになるまで縮径加工を行って製造される交
流用超電導線を製造した場合であっても、均一な形状の
フィラメントを有するNb3Sn超電導線を断線などのトラ
ブルを引き起こすことなく製造することができる。
また、超電導フィラメントを囲むCu合金基地に磁性元
素を含有させるので、交流通電時に超電導フィラメント
の周囲の金属基地に超電導電子のペアのしみ出しが生じ
た場合であっても、磁性元素の磁性によって電子のペア
がこわれ、交流通電時の結合電流を抑制することができ
る。従って交流通電時の損失が少ないNb3Sn超電導線を
得ることができる。
また、安定化導体を複数本、複数の素線とともに集合
してから縮径し、熱処理するので、超電導特性の安定性
が向上するとともに、純銅製の安定化材を拡散防止層で
覆った安定化導体であり、熱処理時に安定化材に不要な
元素拡散が防止されて安定化材の極低温における電気抵
抗を十分に低くできるので、安定化材としての機能が十
分に発揮されるとともに、拡散防止層外方のCu-Sn合金
のSnが熱処理時に素線側に拡散する。更に、複数本の安
定化導体をまとめて素線とともに集合して縮径してから
熱処理を施すので、超電導線の内部に安定化導体を複数
配置できる。そして、複数の安定化導体を中心部にまと
めて配置するならば、超電導線の全体をコンパクト化で
きるとともに、安定化導体を中心部から放射状に配置す
るならば、超電導線の内部の広い範囲に安定化材を配置
して安定性を高めることができる。
更に、超電導フィラメントの周囲のCu合金基地にTiを
含有させたものにあっては、Cu合金基地に拡散したTiに
より高磁界域の臨界電流密度を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明方法の一例を説明するため
のもので、第1図は芯材と管体の複合状態を示す断面
図、第2図は複合体の断面図、第3図は複合体の集合状
態を示す断面図、第4図は1次素線の断面図、第5図は
1次素線の集合状態を示す断面図、第6図は2次素線の
断面図、第7図は超電導線の断面図、第8図ないし第10
図はこの発明を安定化材付きの超電導線の製造方法に応
用した例を示すもので、第8図は第1の例を説明するた
めの断面図、第9図は第2の例を説明するための断面
図、第10図は第3の例を説明するための断面図、第11図
ないし第15図は従来の超電導線の製造方法の一例を示す
もので、第11図は複合体の集合状態を示す断面図、第12
図は1次素線の断面図、第13図は1次素線の集合状態を
示す断面図、第14図は2次素線の断面図、第15図は超電
導線の断面図である。 10……心材、11……管体(被覆層)、12……管体、13…
…複合体、15……1次素線、17……2次素線、19……素
線、20……超電導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹下 雅行 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−101814(JP,A) 特開 昭60−241611(JP,A) 特開 昭1−102816(JP,A) 特開 昭59−13036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 13/00 565 H01B 12/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nb、Nb-Ti合金、Nb-Ta合金またはこれらに
    磁性元素を添加した合金からなる芯材の外方に、磁性元
    素を含有しSnを含まないCu合金からなる管体を配し、更
    にその外側にCu-Sn合金管を配して複合体を形成し、こ
    の複合体を複数本集合して管体に挿入し縮径する加工を
    必要回数行って磁性元素を含みSnを含まないCu合金基地
    の内部にNbまたはNb合金からなる極細のフィラメントを
    多数埋設し前記Cu合金基地の外方にCu-Sn合金を配した
    構造の素線を作成するとともに、純銅からなる安定化材
    と、その外周のTa,Nbからなる拡散防止層とその外周のC
    u-Sn合金の被覆層を具備する安定化導体を作成し、該安
    定化導体を複数本集合し、その周囲に前記素線を複数本
    配置して全体をCu-Sn合金の管体に挿入し、これを縮径
    した後に熱処理を施してNb3Sn超電導フィラメントを生
    成させることを特徴とする交流用Nb3Sn超電導線の製造
    方法。
  2. 【請求項2】Nb、Nb-Ti合金、Nb-Ta合金またはこれらに
    磁性元素を添加した合金からなる芯材の外方に、磁性元
    素とTiを含有しSnを含まないCu合金からなる管体を配
    し、更にその外側にCu-Sn合金管を配して複合体を形成
    し、この複合体を複数本集合して管体に挿入し縮径する
    加工を必要回数行って磁性元素とTiを含みSnを含まない
    Cu合金基地の内部にNbまたはNb合金からなる極細のフィ
    ラメントを多数埋設し前記Cu合金基地の外方にCu-Sn合
    金を配した構造の素線を作成するとともに、純銅からな
    る安定化材と、その外周のTa,Nbからなる拡散防止層と
    その外周のCu-Sn合金の被覆層を具備する安定化導体を
    作成し、該安定化導体を複数本集合し、その周囲に前記
    素線を複数本配置して全体をCu-Sn合金の管体に挿入
    し、これを縮径した後に熱処理を施してNb3Sn超電導フ
    ィラメントを生成させることを特徴とする交流用Nb3Sn
    超電導線の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の交流用Nb3Sn超
    電導線の製造方法において、安定化導体を複数本中心部
    から放射状になるように配置し、放射状に配置した安定
    化導体の周囲に安定化導体を囲むように素線を複数本集
    合して全体をCu-Sn合金の管体に挿入することを特徴と
    する交流用Nb3Sn超電導線の製造方法。
JP1109574A 1989-04-28 1989-04-28 交流用Nb▲下3▼Sn超電導線の製造方法 Expired - Fee Related JP2874132B2 (ja)

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