JP2874001B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は内燃機関のアイドル回転数制御装置に係
り、特に内燃機関の吸気通路に設けた絞り弁を迂回する
バイパス通路の制御弁を制御手段により開閉制御し、内
燃機関のアイドル回転数を冷却水温度に応じて設定した
所定の目標アイドル回転数に調整する内燃機関のアイド
ル回転数制御装置に関する。

［従来の技術］ 内燃機関にあっては、アイドル回転数を制御するアイ
ドル回転数制御装置を設けたものがある。このアイドル
回転数制御装置は、内燃機関の吸気通路に設けた絞り弁
を迂回して絞り弁上流側の吸気通路とサージタンクとを
連通するバイパス通路を設けている。このバイパス通路
に制御弁を設け、制御弁は、制御手段たる制御回路に連
絡されている。制御回路には、アイドルスイッチと冷却
水通路の冷却水温度を検出する冷却水温度センサと内燃
機関の回転数を検出する回転数センサとが接続されてい
る。

これにより、アイドル回転数制御装置は、制御回路に
よってアイドルスイッチと冷却水温度センサと回転数セ
ンサとから入力する信号によってバイパス通路の制御弁
を開閉制御し、絞り弁の上流側から下流側のサージタン
クへ供給されるバイパス空気量を増減して内燃機関の運
転状態を良好としている。

このようなアイドル回転数制御装置としては、例えば
特開昭63−75328号公報に開示されるものがある。この
公報に開示されるエンジンのアイドリング回転数制御方
法は、比例項Ｐと微分項ＤとによりPD制御を行い、エン
ジン回転数を目標アイドリング回転数に収束させる制御
において、アイドリング回転数領域への突入時点から予
め定められた不感帯内に回転数が安定するまでの時間を
因子としてＰ、Ｄ項の値に補正を加え、自動学習によっ
てＰ、Ｄ項を最適値に設定し、目標アイドリング回転数
に最短時間が収束させている。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、従来の内燃機関のアイドル回転数制御装置
においては、一般にコストを低廉に維持すべく制御手段
たる制御回路のメモリ容量を小さく設定しているととも
に、処理スピードを速くするために１バイト（８ビッ
ト）のものが使用されている。

このため、高回転型エンジンを利用することにより、
第４図に示す如く、8000rpmまで制御しようとする際の
例えば900rpmにおける目標アイドル回転数の分解能（LS
B）が式 8000（rpm）÷＄FF（255） により、約31.37rpmとなり、アイドル時のエンジン回転
数の振幅が大、すなわち分解能の２倍の値、約62.7rpm
となってエンジン回転数の細かいアイドル制御ができ
ず、エンジン回転数の安定性が悪化し、実用上不利であ
るという不都合がある。

［発明の目的］ そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去するため
に、内燃機関のアイドル運転状態がアイドルスイッチの
ON動作後で、車速が所定の車速以下、且つ冷却水温度セ
ンサによる水温が所定の水温以下、更に回転数センサに
よるエンジン回転数が所定のエンジン回転数以下の各条
件を満足した際には、所定の目標アイドル回転数におけ
るエンジン回転数の分解能を小として制御手段によって
制御弁を開閉制御することにより、エンジン回転数を細
かく制御でき、安定性を向上し得るとともに、構成が複
雑化せず、コストを低廉に維持しえる内燃機関のアイド
ル回転数制御装置を実現するにある。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するためにこの発明は、内燃機関のア
イドル回転数を前記内燃機関の冷却水温度に応じて設定
した所定の目標アイドル回転数に調整すべく前記内燃機
関の吸気通路に設けた絞り弁を迂回するバイパス通路の
制御弁を制御手段により開閉制御する内燃機関のアイド
ル回転数制御装置において、アイドル運転時にON動作す
るアイドルスイッチを設け、前記冷却水温度を検出する
冷却水温度センサを設け、前記内燃機関のエンジン回転
数を検出する回転数センサを設け、内燃機関のアイドル
運転状態が前記アイドルスイッチのON動作後で、車速が
所定の車速以下、且つ前記冷却水温度センサによる水温
が所定の水温以下、更に前記回転数センサによるエンジ
ン回転数が所定のエンジン回転数以下の各条件を満足し
た際に前記所定の目標アイドル回転数におけるエンジン
回転数の分解能を小として前記制御弁を開閉制御する制
御手段を設けたことを特徴とする。

［作用］ 上述の如く構成したことにより、内燃機関のアイドル
運転状態がアイドルスイッチのON動作後で、車速が所定
の車速以下、且つ冷却水温度センサによる水温が所定の
水温以下、更に回転数センサによるエンジン回転数が所
定のエンジン回転数以下の各条件を満足した際には、所
定の目標アイドル回転数におけるエンジン回転数の分解
能を小とし、制御手段によって制御弁を開閉制御してエ
ンジン回転数を細かく制御し、安定性を向上するととも
に、構成が複雑化せず、コストを低廉に維持している。

［実施例］ 以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１〜３図はこの発明の実施例を示すものである。第
２図において、２は内燃機関、４はアイドル回転数制御
装置である。このアイドル回転数制御装置４は、内燃機
関２の吸気通路６に設けた絞り弁８を迂回して、絞り弁
８の上流側の第１吸気通路６−１と下流側の第２吸気通
路６−２に設けたサージタンク10とを連通するバイパス
通路12を設けている。このバイパス通路12には、制御弁
14を設け、制御弁14に制御手段たる制御回路16が連絡さ
れている。

制御回路16には、アイドルスイッチ18と冷却水通路20
の冷却水温度を検出する冷却水温度センサ22と内燃機関
２の回転数を検出する回転数センサ24とが接続されてい
る。

これにより、前記アイドル回転数制御装置４は、制御
回路16によってアイドルスイッチ18と冷却水温度センサ
22と回転数センサ24とからの検出信号を入力するもので
ある。

また、前記制御回路16は、内燃機関２のアイドル運転
状態がアイドルスイッチのON動作後で、車速が所定の車
速以下、且つ冷却水温度センサ22による水温が所定の水
温以下、更に回転数センサ24によるエンジン回転数が所
定のエンジン回転数以下の各条件を満足した際に、所定
の目標アイドル回転数におけるエンジン回転数の分解能
を小として前記制御弁14を開閉制御するものである。

つまり、上述の各条件を満足した際に、例えば2000rp
mのエンジン回転数において分解能を切り替え、2000rpm
以下のエンジン回転数における分解能を小として制御す
る。

なお符号26はエアレギュレータであり、サーモワック
ス等の感温作動体を利用して前記絞り弁８を迂回して設
けたエア通路28を冷却水温度に応じて開閉し、低温時に
絞り弁８の下流側への空気量を補正する。また、符号30
は燃焼室、32は排気通路、34はバッテリである。

次に前記内燃機関２のアイドル回転数制御用フローチ
ャートに沿って作用を説明する。

前記内燃機関２を始動（100）後に、前記アイドルス
イッチ18のON動作後であるか否かの判断と、車速が所定
の車速以下でいるか否かの判断と、冷却水温度センサ22
による水温が所定の水温以下であるか否かの判断と、回
転数のセンサ24によるエンジン回転数が所定のエンジン
回転数以下であるか否かの判断とを夫々行い（102）、
これらのかく判断（102）が条件を満足、つまり条件が
成立した際には、所定の目標アイドル回転数におけるエ
ンジン回転数の分解能を小として前記制御弁14を開閉制
御する（104）。

つまり、2000rpmのエンジン回転数において分解能を
切り替え、式 2000（rpm）÷＄FF（255） から明らかな如く、分解能を約7.8rpmとし、アイドル時
のエンジン回転数の振幅を小、すなわち約15rpmとする
ものである。

これにより、前記アイドル回転数制御装置４の制御回
路16によってエンジン回転数のきめの細かいアイドル制
御ができ、エンジン回転数の安定性を向上し得て、実用
上有利である。

また、前記アイドル回転数制御装置４の構成において
は、従来のものと同一の構成を有することにより、構成
が複雑化せず、コストを低廉に維持でき、経済的にも有
利である。

なお、この発明は上述実施例に限定されるものではな
く、種々の応用改変が可能である。

例えば、この発明の実施例においては、内燃機関のア
イドル運転状態がアイドルスイッチのON動作後で、車速
が所定の車速以下、且つ冷却水温度センサによる水温が
所定の水温以下、更に回転数センサによるエンジン回転
数が所定のエンジン回転数以下の各条件を満足した際
に、2000rpmのエンジン回転数において分解能を切り替
え、2000rpm以下のエンジン回転数における分解能を小
として制御する構成としたが、切り替えるエンジン回転
数を1500rpmやその他の数値、あるいは数段階に切り替
えて、エンジン回転数における分解能を小として制御す
ることも可能である。

［発明の効果］ 以上詳細に説明した如くこの発明によれば、内燃機関
のアイドル運転状態がアイドルスイッチのON動作後で、
車速が所定の車速以下、且つ冷却水温度センサによる水
温が所定の水温以下、更に回転数センサによるエンジン
回転数が所定のエンジン回転数以下の各条件を満足した
際に所定の目標アイドル回転数におけるエンジン回転数
の分解能を小として制御弁を開閉制御する制御手段を設
けたので、エンジン回転数の細かいアイドル制御がで
き、エンジン回転数の安定性を向上し得て、実用上有利
であるまた、前記アイドル回転数制御装置の構成を従来
のものと同一の構成とすることができることにより、構
成が複雑化せず、コストを低廉に維持し得て、経済的に
も有利である。

【図面の簡単な説明】

第１〜第３はこの発明の実施例を示し、第１図は内燃機
関のアイドル回転数制御用フローチャート、第２図は内
燃機関のアイドル回転数制御装置の概略構成図、第３図
は目標アイドル回転数の分解能を示す図である。 第４図はこの発明の従来技術を示す目標アイドル回転数
の分解能を示す図である。 図において、２は内燃機関、４はアイドル回転数制御装
置、６は吸気通路、６−１は第１吸気通路、６−２は第
２吸気通路、８は絞り弁、10はサージタンク、12はバイ
パス通路、14は制御弁、15は制御回路、18はアイドルス
イッチ、20は冷却水通路、22は冷却水温度センサ、24は
回転数センサ、26はエアレギュレータ、28はエア通路、
30は燃焼室、32は排気通路、34はバッテリである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関のアイドル回転数を前記内燃機関
   の冷却水温度に応じて設定した所定の目標アイドル回転
   数に調整すべく前記内燃機関の吸気通路に設けた絞り弁
   を迂回するバイパス通路の制御弁を制御手段により開閉
   制御する内燃機関のアイドル回転数制御装置において、
   アイドル運転時にON動作するアイドルスイッチを設け、
   前記冷却水温度を検出する冷却水温度センサを設け、前
   記内燃機関のエンジン回転数を検出する回転数センサを
   設け、内燃機関のアイドル運転状態が前記アイドルスイ
   ッチのON動作後で、車速が所定の車速以下、且つ前記冷
   却水温度センサによる水温が所定の水温以下、更に前記
   回転数センサによるエンジン回転数が所定のエンジン回
   転数以下の各条件を満足した際に前記所定の目標アイド
   ル回転数におけるエンジン回転数の分解能を小として前
   記制御弁を開閉制御する制御手段を設けたことを特徴と
   する内燃機関のアイドル回転数制御装置。