JP2870349B2 - 内燃機関の排気ガス再循環装置 - Google Patents

内燃機関の排気ガス再循環装置

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JP2870349B2
JP2870349B2 JP5086469A JP8646993A JP2870349B2 JP 2870349 B2 JP2870349 B2 JP 2870349B2 JP 5086469 A JP5086469 A JP 5086469A JP 8646993 A JP8646993 A JP 8646993A JP 2870349 B2 JP2870349 B2 JP 2870349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気ガス再循
環装置に係り、特に負圧駆動されるダイアフラム式の制
御弁を排気還流通路中に有し、接点式弁開度センサの検
出結果を基に制御弁に供給する負圧をフィードバック制
御して再循環される排気ガス量を制御する内燃機関の排
気ガス再循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気エミッションを向上させ
る有効な手段として、従来より排気ガスを吸気通路内に
再循環させる手段が知られており、かかる処理を実現す
べく排気通路と吸気通路とを排気還流通路で連通した内
燃機関が広く普及している。
【0003】すなわち、内燃機関においては混合気が燃
料リーンとなり、過剰酸素を含む状況では、排気ガス中
に多量の窒素酸化物NOxが含有されることが知られて
いる。この場合、燃焼室内における燃焼速度が早いほ
ど、また燃焼温度が高いほど多量のNOxが発生する。
従って、燃焼速度を遅く、また燃焼温度を低くすること
ができれば、NOxの排出量を低減することが可能であ
る。
【0004】ところで、内燃機関から排出される排気ガ
ス中には、上記したNOxの他にも、水蒸気(H2 O)
や二酸化炭素(CO2 )のような不活性ガスが多量に含
まれている。このため、排気ガスは空気に比べて安定
で、自ら燃焼して熱源となることがない。
【0005】従って、排気ガスを混合気の一部として含
有させた場合、燃焼室内における燃焼速度及び燃焼温度
は共に低下することになり、排気ガスに含有されるNO
x量は著しく低減されることとなる。上記した排気ガス
再循環装置は、燃焼速度や燃焼温度と生成されるNOx
量とのかかる特性に鑑みたものである。
【0006】一方、内燃機関に供給される混合気中に過
剰な排気ガスが還流されると、燃焼室内における燃焼速
度が不当に鈍化して出力特性が悪化することになる。ま
た、過剰な排気ガスの混入は、燃焼温度の不当な低下を
招き、COやHC等の未燃成分の生成を促進させること
になる。
【0007】このため、排気ガスの再循環装置において
は、還流させる排気ガス量を精度良く所望の流量に制御
し得ることが要求され、一般に排気還流通路中にその導
通を制御する排気還流制御弁を設け、かつその制御弁を
フィードバック制御して要求される精度を確保する手法
が用いられている。
【0008】また、かかる排気ガス再循環装置において
は、排気ガスの還流流量を制御するシステムの異常を確
実に検出し得ることが重要である。予定した還流流量が
得られない場合は大幅な排気エミッションの悪化をもた
らすからである。
【0009】特開昭61−81567号公報は、かかる
要求に応える異常検出機構を備える内燃機関の排気ガス
再循環装置を開示している。この装置は、排気還流制御
弁の開度をフィードバック制御すると共に、所定時間内
にその開度が目標開度を中心として過大から過少へ、ま
たは過少から過大へと反転する回数をカウントし、その
反転回数を基に正常・異常の判定を行うものである。
【0010】すなわち、システムが正常に機能していれ
ば、排気還流制御弁の開度はフィードバック中心に対し
て過大・過少を繰り返し、所定時間内に適当な反転数が
カウントされるはずであり、一方、システムに異常が生
じている場合は、その反転数が極端に低下することを利
用したものである。
【0011】かかる構成によれば、内燃機関の動作中、
原則として常時異常判定を実行することができ、装置に
異常が発生した場合には、速やかにその異常を検出する
ことが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置は、排気還流制御弁の反転回数を所定の判定値
と比較して、その値が判定値に達しない場合を一律に異
常として捕らえる構成である。従って、システムに本質
的な異常が発生した場合に確実に異常として検出するこ
とができる反面、システムの経時変化による特性変化を
異常として検出してしまうおそれがあった。
【0013】すなわち、一般に排気還流制御弁のフィー
ドバック制御系を構成する為に設置される弁開度センサ
は、コスト上の制限等の理由で接触式センサが用いられ
る。また、排気還流制御弁においては、その構成上、多
くの場合付勢用のスプリングが用いられる。これら接触
式センサやスプリングは、繰り返し摺動され、または伸
縮されると、少なからずその特性を変化させる。
【0014】このため、排気ガス再循環装置の動作特性
は経時的に大きく変化する場合があり、上記従来の装置
の如く所定の判定値との比較によって一律に判断する装
置においては、その経時変化を異常として判定してしま
う場合があるという問題を有していた。
【0015】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、排気還流制御弁の実開度と要求開度との差を監視
し、その差が小さい間は経時変化として認識し、所定水
準を越える大幅な差が生じたときにだけ装置の異常とし
て捕らえることにより上記の課題を解決する内燃機関の
排気ガス再循環装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する内燃機関の排気ガス再循環装置の原理構成図を示
す。すなわち、上記の目的は図1に示す如く、内燃機関
の排気通路と吸気通路とを連通する排気還流通路1の途
中に、供給される負圧に応じた開度を示すダイアフラム
式排気還流制御弁2を備えると共に、該排気還流制御弁
2の開度を検出する接点式弁開度センサ3を有し、該接
点式弁開度センサ3の検出信号を基に前記排気還流制御
弁2に供給する負圧をフィードバック制御することによ
り排気ガスの還流流量を制御する内燃機関の排気ガス再
循環装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する
運転状態検出手段4と、内燃機関の運転状態に対応して
設定すべき前記排気還流制御弁の弁開度情報を有し、前
記運転状態検出手段の検出結果に基づいて前記排気還流
制御弁に供給すべき負圧を設定する負圧設定手段5と、
前記接点式弁開度センサにより測定された前記排気還流
制御弁の開度と、前記負圧設定手段が負圧設定の基礎と
した弁開度情報とを比較して、前記排気還流制御弁の実
開度と要求される弁開度との差を検出する開度差検出手
段6と、該開度差検出手段により所定水準を越える開度
差が検出された場合に、装置に異常が生じたと判定する
異常判定手段7とを有する内燃機関の排気ガス再循環装
置により達成される。
【0017】
【作用】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置に
おいて、前記負圧設定手段5は、前記運転状態検出手段
4の検出結果に基づいて、前記車両の運転状態に応じた
理論的に最適な弁開度が達成されるべき負圧を設定す
る。
【0018】従って、前記排気還流制御弁2が、供給さ
れた負圧に応じた弁開度を実現し、かつ前記弁開度セン
サ3が現実の弁開度に応じた検出信号を出力した場合、
前記開度差検出手段6には、前記負圧設定手段5及び前
記弁開度センサ3から共に、理論的に最適な弁開度に相
当する信号が供給される。
【0019】一方、前記排気還流制御弁2の動作特性が
変動し、または前記弁開度センサ3の出力特性が変動し
た場合、前記開度差検出手段6には、前記負圧設定手段
5からは理論的に最適な弁解度に相当する信号が、前記
弁開度センサ3からは前記排気還流制御弁2の特性変化
及び前記弁開度センサ3自身の特性変化の重畳された信
号が供給される。
【0020】この場合、前記開度差検出手段6に供給さ
れる信号の差は、直接前記排気還流制御弁2及び前記弁
開度センサ3の特性変化の状態を表す。また、かかる特
性変化が経時変化に起因する場合、2つの信号の差は小
さなステップで徐々に成長し、装置としての本質的異常
に起因する場合は大きなステップで急激に変動する。従
って、前記開度差検出手段6の検出結果を監視する前記
異常判定手段7では、装置の経時的変化と本質的異常と
を別個に捕らえることが可能である。
【0021】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である内燃機関の
排気ガス再循環装置の構成図を示す。以下、同図を参照
して本実施例装置の構成及び動作について詳細に説明す
るが、それに先立って図3を参照して、排気ガス再循環
装置(EGR装置)の概要について簡単に説明する。
【0022】図3中、符号11は内燃機関を示す。内燃
機関11の吸気ポートは、吸気バルブ12を介して吸気
通路13と連通している。また、その排気ポートは、吸
気バルブ14を介して排気通路15と連通している。
【0023】また、内燃機関11の燃焼室16内には、
ピストン17が配設されている。このピストン17は、
コンロッド18により、図示されないクランクシャフト
に連結されている。このため、燃焼室16内での爆発力
はクランクシャフトで回転力に変換されて取り出され
る。
【0024】排気通路15は、排気ガス中のNOx、H
C、COといった酸化物、及び未燃成分を浄化する三元
触媒コンバータ19に連通している。この触媒コンバー
タ19は、理想空燃比の燃料が燃焼した場合に最も効率
良く上記の未燃成分等を浄化する特性を有している。
【0025】また、排気通路15中、内燃機関11と触
媒コンバータ19との間には、排気還流通路20が連通
している。また、排気還流通路20の他方の端部は、吸
気通路13に連通している。更に、この排気還流通路2
0の途中には、排気還流制御弁(EGR弁)21が設け
られており、これにより通路20の導通が制御される。
【0026】EGR弁21は、ダイアフラム21a、ス
プリング21b、弁体21cで構成される。ダイアフラ
ム21aは、EGR弁21内部を2つの空間に仕切り、
スプリング21bにより常に下向きに付勢されている。
また、弁体21cはダイアフラム21aに固定されてお
り、通常の状態においては、排気還流通路20の導通を
遮断するように作用する。
【0027】ダイアフラム21aの上部空間は、負圧通
路22aを介して電磁弁23に連通している。この電磁
弁23は、フィルタ23a、大気孔23b、切替弁23
c、スプリング23d、ソレノイド23e、負圧孔23
fで構成されている。ここで、フィルタ23aと大気孔
23bとは互いに連通しており、大気孔23bの内部は
常に大気圧に保たれている。
【0028】また、切替弁23cは、大気孔23bまた
は負圧孔23fの何れかを閉塞するように動作し、ソレ
ノイド23eが通電されていない場合にはスプリング2
3dの作用で負圧孔23fを閉塞するように作用する。
そして、ソレノイド23eに所定の電流が通電される
と、発生する電磁力に従って大気孔23bを閉塞するよ
うに変位する。
【0029】ところで、この負圧孔23fは負圧通路2
2bを介して内燃機関11の吸気通路13と連通してい
る。従って、内燃機関11が運転している間は、吸気通
路13内に発生する吸気負圧が電磁弁23の負圧孔23
fまで伝えられることになる。
【0030】従って、ソレノイド23eへの通電をオン
として切替弁23dにより大気孔23bを閉塞した状態
とすれば、負圧通路22aには内燃機関11の吸気負圧
が導かれ、EGR弁21のダイアフラム21aには、ス
プリング21bの付勢力に抗う方向(図3中上向き)の
力が作用する。
【0031】また、ソレノイド23eへの通電をオフと
して切替弁23cを負圧孔23fを閉塞するように変位
させると、負圧通路22aの内圧はフィルタ23aを介
して大気に開放され、EGR弁21のダイアフラム21
aには、スプリング21bの付勢力のみが加わった状態
となる。
【0032】従って、ソレノイド23eへの通電を適宜
オン・オフすることによって、ダイアフラム21aに対
してスプリング21bの付勢力に抗う方向の力を適宜作
用させることができ、特に、ソレノイド23eへの通電
をデューティ制御する場合には、任意の負圧をダイアフ
ラム21a上に導くことができる。
【0033】ところで、本実施例装置のEGR弁21b
は、弁開度センサ24を備えている。この弁開度センサ
24は、後述の如く接触式の弁開度センサで、ダイアフ
ラム21aの変位に応じた、すなわち弁体21cの弁開
度に応じた信号を発生する。従って、弁開度センサ24
の出力信号を基に電磁弁23のソレノイド23eを適当
なデューティ比で駆動することとすれば、EGR弁21
の弁開度を高精度にフィードバック制御することが可能
である。
【0034】かかる構成のEGR装置において、内燃機
関11の動作中にEGR弁21が開弁されると、内燃機
関11の吸気通路13と排気通路15とが、排気還流通
路20を介して導通した状態となる。このため、内燃機
関11で発生した吸気負圧の一部が排気通路15へ導か
れ、排気通路15中の排気ガスが排気還流通路20を通
って吸気通路13内へと吸入される。
【0035】そして、このように排気ガスの還流が行わ
れた場合、燃焼室16に供給される混合気中には、排気
ガス中に含まれるCO2 やH2 O等の不活性ガスが混入
する。この結果、燃焼室16内における混合気の燃焼速
度及び燃焼温度が低下し、排気ガス中のNOx含有量が
低下されることになる。
【0036】この際、燃焼室16内での燃焼速度や燃焼
温度が過度に低下すると、今度は排気ガス中のCO,H
C濃度が過剰となり、排気エミッションが悪化する。つ
まり、良好な排気エミッションを確保するためには、燃
焼速度や燃焼温度を適値に制御する必要があり、EGR
装置によってかかる要求を満たそうとする場合には、還
流される排気ガス量を精度良く制御する必要が生ずる。
【0037】ところで、燃焼室16内における混合気の
燃焼速度や燃焼温度は、内燃機関11の運転状態、負荷
等によってある程度決まる値である。従って、それらを
適値とし得る排気ガス還流流量は、内燃機関11の運転
状態等に対応して予め設定することが可能である。この
ため本実施例装置においては、かかる観点から設定した
マップを基に上記したEGR弁21のフィードバック制
御を実行することとしている。
【0038】以下、図2を参照して本実施例装置の要部
である異常検出機構の構成及び動作について、更に詳細
な説明を行う。尚、図2及び図3において同一の構成部
分については同一の符号を付している。この際、図2
中、電磁弁23については理解の容易のため3方向弁の
記号を用いて表している。
【0039】図2に示すように、本実施例装置の弁開度
センサ24は、所定電圧の印加された抵抗体24a,抵
抗体24a上を摺動するブラシ24b,ブラシ24bを
EGR弁21のダイアフラム21aと連結するシャフト
24cとで構成される。
【0040】すなわち、ブラシ24bは、ダイアフラム
21aの上下動に伴って上下に変位する。この際、ブラ
シ24bと抵抗体24aとは摺動し、両者の接触位置に
応じてブラシ24bの電位が変動する。従って、ブラシ
24bの電位を検出すれば、ダイアフラム21bの変位
位置、すなわちEGR弁21の弁開度を検知することが
できる。
【0041】制御装置30は、前記した運転状態検出手
段4,負圧設定手段5,開度差検出手段6及び異常判定
手段7を構成する本実施例装置の要部で、中央処理装置
(CPU)31,メモリ32,出力ポート33,入力ポ
ート34及びそれらを互いに接続する共通バス35を有
している。
【0042】出力ポート33は、各種センサ等から入力
されたデータに基づき、CPU31がメモリ32内に格
納されるプログラムに従って演算した結果を出力するポ
ートであり、駆動回路36を介して電磁弁23のソレノ
イド23eに接続されている。また、入力ポート34
は、A/Dコンバータを内蔵し、各種センサ等から供給
される検出信号をディジタル化して共通バスへと転送す
る。
【0043】ここで、本実施例装置における入力ポート
34には、上記した弁開度センサ24の他、内燃機関1
1の運転状態を検出するセンサとして例えば冷却水温を
検出する水温センサ37,吸入空気量を検出するエアフ
ロメータ38,スロットル弁全閉を表すアイドルスイッ
チ39及び機関回転数を表すクランク角センサ40等が
接続されている。
【0044】すなわち、制御装置30は、水温センサ3
7やエアフロメータ38等から供給される信号から内燃
機関11の運転状態を検出し、その状態に適した排気ガ
スの還流流量を実現すべくソレノイド23eをデューテ
ィ制御する。そして、その際に弁開度センサ24から供
給される実開度検出信号に基づいて、実開度と設定開度
とを整合させるためデューティ比を補正して出力する。
【0045】ところで、上記したように本実施例装置の
弁開度センサ24は、ブラシ24bが抵抗体24a表面
を摺動する接触式のセンサである。従って、弁開度セン
サ24の抵抗体24aは使用と共に摩耗し、弁開度セン
サ24の出力特性は経時的な変化を示すことになる。
【0046】従って、かかる特性を無視して制御を行う
場合は、排気ガスの還流流量の制御誤差が大きくなり、
所望の排気エミッションが確保できない事態に陥る場合
がある。更に、かかる特性を無視して、EGR弁21の
実開度と設定開度との差が所定の判定値を越えた場合に
異常と判定する装置においては、経時変化による特性変
化と本質的な異常とを区別することなく異常として捕ら
えざるを得ないという問題があった。
【0047】そこで、本実施例装置においては、内燃機
関11の運転状態に応じて設定されたデューティ比でソ
レノイド23eを駆動すると共に、デューティ比演算の
基礎とした弁開度と、弁開度センサ24aから出力され
る検出信号とを比較して、その差が所定値に達しない場
合には経時変化として捕らえて学習補正し、かかる学習
補正にもかかわらずその差が所定値を越えて始めて異常
として判断することとした。
【0048】すなわち、初期段階における制御装置30
は、弁開度センサ24の出力特性は所定のデューティ比
に対して図4中に実線で示す如く特性を示すものとして
記憶している。そして、経時変化によって同図中に一点
鎖線で示す如く出力特性が変化した場合には、その現象
を経時変化によるものとして捕らえ、かつその変化を学
習補正する。
【0049】従って、弁開度センサ24からの出力信号
が、経時変化によって徐々に変化するにすぎない場合に
は、ソレノイド23eに供給する駆動信号のデューティ
比に対してほぼ正確な弁開度を確保することができ、更
に、異物の噛み込みや回路上の断線等の本質的異常が生
じた場合には、速やかにその現象を異常として捕らえる
ことができる。
【0050】このように、本実施例装置によれば、接触
式弁開度センサ24等の経時変化をEGR装置の本質的
異常とは別個に認識することができ、EGR装置の異常
を誤判定することがない。
【0051】ところで、本実施例装置の如くEGR弁2
1として負圧駆動によるダイアフラム式制御弁が用いら
れている場合、排気ガスの還流流量を変化させるべく駆
動信号のデューティ比を変更してから実際にEGR弁2
1が所望の弁開度に達するまでには相当の時間が必要と
される。
【0052】これに対して、内燃機関の運転状態に併せ
て変動する駆動信号のデューティ比は、車両の走行条件
の変化と共に頻繁に、かつ大幅に変動する。従って、上
記実施例装置において特性評価のため比較されるEGR
弁21の実開度と要求開度とは常時一致した値を示すわ
けではない。特に内燃機関11の運転状態が過渡的に変
化する場合においては、装置の経時変化の影響とは無関
係に実開度と要求開度との間に差が生ずる場合がある。
【0053】このため、上記実施例装置を何らの処置も
講じない状態で用いた場合、その学習補正の精度が悪化
し、更にはEGR装置の異常検出精度上問題となる場合
もある。この場合にいおて、上記の問題はEGR弁21
の開度が頻繁に変化することに起因している。従って、
EGR弁21の弁開度を内燃機関11の運転状態と切り
離して、その弁開度を一時的に定常状態に保持できれば
回避することが可能である。
【0054】以下、本実施例装置において上記の問題を
解決すべく制御装置30が実行する処理について、図5
に示すフローチャートに沿って説明する。
【0055】図5に示す処理が起動すると、先ずステッ
プ100において内燃機関11が減速フューエルカット
中であるか否かを検出する。この減速フューエルカット
は、電子制御式燃料噴射装置を備える内燃機関11にお
いて、アイドルスイッチ39がオン、かつクランク角セ
ンサ40が所定値を越える機関回転数を示す信号を発し
ている場合に、燃費向上のために実行される処理であ
る。
【0056】アイドルスイッチ39がオンとなるのはス
ロットルバルブが全閉となっている場合、すなわち運転
者に加速の意思がない場合であり、その際に内燃機関1
1がある程度の回転数で運転されていれば、燃料カット
によって機関が停止することもなく容易に燃費向上を図
ることができることに鑑みたものである。
【0057】ところで、本ルーチンにおいて内燃機関1
1が減速フューエルカット中か否かを判別するのは、減
速フューエルカット中にEGR弁21を強制的に定常状
態として、その間に実開度と要求開度との差をみるため
である。
【0058】つまり、減速フューエルカットが実行され
ている場合は、内燃機関11に燃料が供給されていない
ことから、EGR弁21の開度をどのように設定して
も、還流する排気ガスの影響で排気エミッションが悪化
することがない。従って、減速フューエルカット中にお
いてEGR弁21を任意の要求開度とすべく制御して、
その間に実開度と要求開度とを比較することとすれば、
何らの悪影響を伴うことなく目的の処理を遂行し得るこ
とになる。
【0059】従って、上記ステップ100において“減
速フューエルカット中ではない”と判別された場合は、
ステップ110において後述するフラグfに“0”をセ
ットする以外には何らの処理も実行せずに今回の処理を
終了する。そして、“減速フューエルカット中である”
と判別された場合は、所定の処理を実行すべくステップ
120へ進む。
【0060】ステップ120では、減速フューエルカッ
トが検出された場合に設定すべき弁開度に対応するデュ
ーティ比Bを設定すると共に、弁開度設定中であること
を表すフラグfに“1”をセットする。この場合、デュ
ーティ比Bは、EGR弁21を所定の弁開度とするため
にソレノイド23eに供給すべき駆動信号のデューティ
比であり、本ステップを実行する際に設定すべき値とし
て予め設定されたデューティ比である。つまり、本ルー
チンにおいては、上記ステップ100が前記した運転状
態検出手段4に、また上記ステップ120が前記した負
圧設定手段5に相当している。
【0061】かかる設定が終了したら、続いてステップ
130へ進み、フラグfに“1”がセットされてからの
経過時間が所定時間cに達したか否かの判別を行う。上
記したように本実施例装置は、EGR弁21として負圧
駆動によるダイアフラム式制御弁を用いており、所定の
開度を要求してからその開度が得られるまでにある程度
の時間を要するからである。
【0062】従って、まだtがcに達していないと判別
された場合はそのまま今回の処理を終了し、以後ステッ
プ130においてt≧cと判別されるまで上記ステップ
100〜130の処理を繰り返し実行する。そして、所
定時間cの間減速フューエルカットが続行され、t≧c
が成立した場合はステップ140へ進む。
【0063】ステップ140では、弁開度センサ24の
出力信号に基づいてEGR弁21の実開度Dを検出する
と共に、EGR弁21の強制開弁処理を終了すべくソレ
ノイド23e駆動信号のデューティ比を0に設定し、か
つ上記のフラグfに“0”をセットする。
【0064】そして、ステップ150において、ソレノ
イド23eに供給した信号のデューティ比Bと検出した
実開度Dとの関係が、上記図4に示す関係に照らして正
常な領域であるか否かの判別を行い、正常な領域内であ
ると判別された場合はステップ160へ進んでB−Dの
関係の修正することにより最新の動作特性を学習して今
回の処理を終了する。
【0065】一方、B−D関係が異常領域に外れている
と判別された場合は、EGR装置に何らかの本質的異常
が発生したとして、ステップ170において異常表示の
ための処理を実行した後処理を終了する。尚、この場
合、上記ステップ140,150は前記した開度差検出
手段6及び異常判定手段7に相当している。
【0066】このように、上記の処理によってEGR装
置の経時変化に対する学習補正及び異常判定を行う構成
によれば、EGR弁21の弁開度が内燃機関11の運転
状態に影響されない領域で、それらの処理を行うことが
可能となり、学習精度及び異常検出精度を著しく向上さ
せることができる。
【0067】ところで、上記図5のフローチャートに示
す処理においてB−D関係を検出する際のデューティ比
Bは、制御装置30によって任意に設定される値であ
る。この場合、短時間の減速フューエルカットの際に上
記の処理を実行するためには、EGR弁21が要求開度
に達するまでの時間は短い程好ましい。
【0068】従って、例えば上記ステップ120におけ
るデューティ比Bを、減速フューエルカットが実行され
た瞬間の実開度付近の開度に対応するデューティ比とす
る構成とすれば、上記ステップ120における所定時間
cは極めて短い時間で足り、頻繁に学習補正及び異常判
定を実行することが可能となる。
【0069】また、本実施例装置における弁開度センサ
24の経時変化は、ブラシ24bの摺動に起因する抵抗
体24aの摩耗が主な原因である。従って、抵抗体24
aの表面上、頻繁にブラシ24bで摺動される部分につ
いては大きく摩耗する反面、ブラシ24bによってほと
んど摺動されない部分については摩耗が問題となること
はない。
【0070】従って、図2に示す本実施例装置におい
て、ブラシ24bが抵抗体24aの上端付近に接触する
場合、すなわちEGR弁21が全開状態である場合は、
接触式弁開度センサ24の経時変化の影響のない実開度
信号を取り出すことができる。また、このようにEGR
弁21を全開にする場合は、ダイアフラム21aやスプ
ング21bのへたりの影響を受けずにブラシ24bの位
置は、機械的にロックされる位置に決まる。
【0071】このため、上記ルーチン中、ステップ12
0においてEGR弁21を全開とし得るデューティ比を
設定する構成を採用した場合には、EGR装置に本質的
な異常が発生しない限り実開度と要求開度とが精度良く
整合することになり、経時変化の影響を受けない極めて
高精度な異常検出を実行することが可能となる。
【0072】更に、上記の処理においては、所定の弁開
度を実現すべく設定された1のデューティ比と、それに
対する実開度とで学習補正及び異常判定を行う構成とし
たが、要求開度と実開度との比較を複数の点で実行する
構成とすると一層高精度に学習補正及び異常判定を行う
ことが可能となる。
【0073】つまり、例えばEGR弁21の全開位置で
検出したB−Dの関係と、頻繁に用いられる弁開度付近
で検出したB−D関係の2点について測定する。そし
て、その2点を結ぶ直線が図4に示す要求開度直線(実
線の直線)に重なるように学習補正し、またはその直線
が2本の判定開度直線(破線の直線)の間に存在するか
否かによって異常判定する構成とする。
【0074】この場合、EGR弁21の全開度領域につ
いてのB−D関係について学習補正及び異常検出を実行
することとなり、1のB−D関係だけを用いてそれらの
処理を行う場合に比べて著しく高い精度の処理を行うこ
とが可能となる。
【0075】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、接触式弁開
度センサの摩耗等に起因する経時変化を、異物の噛み込
みや信号線の断線等の本質的な異常と別個に検出するこ
とができる。このため、排気エミッションにはさほど影
響しない経時的な特性変化を異常として誤検出すること
がなく、本質的な異常のみを確実に検出することができ
るという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置の
原理構成図である。
【図2】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置の
一実施例の要部の構成を表す図である。
【図3】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置の
一実施例の構成を表す全体図である。
【図4】本実施例装置におけるEGR弁の駆動信号と実
開度との関係を表す図である。
【図5】本実施例装置において制御装置が実行するルー
チン処理の一例のフローチャートである。
【符号の説明】
1,20 排気還流通路 2,21 排気還流制御弁(EGR弁) 3,24 弁開度センサ 4 運転状態検出手段 5 負圧設定手段 6 開度差検出手段 7 異常判定手段 11 内燃機関 13 吸気通路 15 排気通路 16 燃焼室 23 電磁弁 30 制御手段 39 アイドルスイッチ 40 クランク角センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/07 550 F02M 25/07 520

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通
    する排気還流通路の途中に、供給される負圧に応じた開
    度を示すダイアフラム式排気還流制御弁を備えると共
    に、該排気還流制御弁の開度を検出する接点式弁開度セ
    ンサを有し、該接点式弁開度センサの検出信号を基に前
    記排気還流制御弁に供給する負圧をフィードバック制御
    することにより排気ガスの還流流量を制御する内燃機関
    の排気ガス再循環装置において、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 内燃機関の運転状態に対応して設定すべき前記排気還流
    制御弁の弁開度情報を有し、前記運転状態検出手段の検
    出結果に基づいて前記排気還流制御弁に供給すべき負圧
    を設定する負圧設定手段と、 前記接点式弁開度センサにより測定された前記排気還流
    制御弁の開度と、前記負圧設定手段が負圧設定の基礎と
    した弁開度情報とを比較して、前記排気還流制御弁の実
    開度と要求される弁開度との差を検出する開度差検出手
    段と、 該開度差検出手段により所定水準を越える開度差が検出
    された場合に、装置に異常が生じたと判定する異常判定
    手段とを有することを特徴とする内燃機関の排気ガス再
    循環装置。
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