JPH08277753A - 燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置 - Google Patents

燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置

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JPH08277753A
JPH08277753A JP8007268A JP726896A JPH08277753A JP H08277753 A JPH08277753 A JP H08277753A JP 8007268 A JP8007268 A JP 8007268A JP 726896 A JP726896 A JP 726896A JP H08277753 A JPH08277753 A JP H08277753A
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amount
purge
air
fuel
purge air
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JP8007268A
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English (en)
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Takuya Matsumoto
卓也 松本
Mitsuhiro Miyake
光浩 三宅
Toru Hashimoto
徹 橋本
Toshiro Nomura
俊郎 野村
Hidetsugu Kanao
英嗣 金尾
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料蒸発ガス排出抑止装置に設けられたPC
Vの故障や配管の詰まりなどを確実に診断する装置を提
供する。 【解決手段】 ECU50は、エンジン1の暖機等が終
了した所定の運転状態にあるときに、先ず、空燃比フィ
ードバック制御の積分項の平均値Iやエンジン回転速度
Ne 等を記憶した後、PCV46を開放駆動して吸気管
9にパージエアを導入する。そして、パージエア導入後
に再び積分項の平均値Iやエンジン回転速度Ne 等を記
憶し、それぞれにパージエア導入前後の値の変化が殆ど
検出されなかった場合には、PCV46が故障であると
診断する。そして、パージエアの導入にあたっては、そ
の導入量が所定値に達するまでは、比較的小さな増量分
ΔDPRで導入量を増加させ、所定値に達した後は比較的
大きな増量分ΔDLAで導入量を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料蒸発ガス排出
抑止装置の故障診断装置に関し、特に、エンジンのドラ
イバビリティの悪化を極力抑えながら、故障診断を行う
装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】自動車のエンジンや車体には、大
気汚染の防止等を図るべく、有害排出成分を処理するた
めの種々のデバイスが取付けられている。例えば、燃焼
室からはクランクケース内に未燃燃料成分(HC)を主
成分とするブローバイガスが漏出するが、これはブロー
バイガス還流装置により吸気管に導入され、新気と共に
燃焼される。そして、燃料タンク内で発生したガソリン
蒸気、すなわち、HCを主成分とする燃料蒸発ガス(以
下、蒸発ガスと略称)は、燃料蒸発ガス排出抑止装置を
介して吸気管に導入され、ブローバイガスと同様に新気
と共に燃焼される。
【0003】燃料蒸発ガス排出抑止装置は、蒸発ガスを
吸着する活性炭が充填されたキャニスタや多数の配管類
等から構成されている。キャニスタには、燃料タンクに
連通する導入ポートと、吸気管に連通する排出ポート
と、大気に開口したベントポートとが設けられている。
この種のキャニスタストーレッジ式の燃料蒸発ガス排出
抑止装置では、燃料タンク内の蒸発ガスをキャニスタに
導入して活性炭に吸着させる。そして、エンジンが所定
運転状態にあるときに、吸気管負圧を排出ポートに作用
させることにより、ベントポートからキャニスタ内に外
気を導入し、この外気により活性炭に吸着された蒸発ガ
スを離脱させて外気と共にパージエアとして吸気管内に
導入させる構造となっている。吸気管に導入された蒸発
ガスは、混合気と共にエンジンの燃焼室内で燃焼し、こ
れにより大気への燃料蒸発ガスの放出が防止される。
【0004】尚、キャニスタストーレッジ式の処理シス
テムには、吸気管における蒸発ガスの導入孔を、スロッ
トルバルブよりも下流側に形成したものや、スロットル
バルブが全閉状態から所定開度以上開かれたときにスロ
ットルバルブの下流側に配されるような位置に形成した
もの等がある。ところで、パージエアには蒸発ガスが含
まれているため、これを無制限に吸気管に導入した場
合、混合気の空燃比が狂うことになる。特に、吸入空気
量の少ないアイドル運転時等にパージエアを導入した場
合、エンジンの回転速度や軸トルクが変動してドライバ
ビリティの悪化を生じる。そこで従来より、キャニスタ
と吸気管との間にパージコントロールバルブ(以下、P
CVと記す)を介装し、上述した所定運転状態でのエン
ジン運転時に、パージエアをエンジンに導入するように
している。PCVとしては機械式と電気式があり、吸気
負圧で作動する機械式がコスト面から主流となっている
が、性能面ではパージエアの導入・遮断を正確かつ任意
に制御できる電磁式が優れている。電磁式のPCVは、
通常、スロットル開度や吸気流量等の運転情報に基づ
き、エンジン制御ユニット(ECU)によりデューティ
制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電磁式のP
CVを採用した燃料蒸発ガス排出抑止装置にも、以下に
述べる問題点があった。すなわち、ECUとPCVとを
接続する電線の断線やコネクタの接触不良等が起こった
り、PCV内の弁体が何らかの原因で閉弁状態で固着し
たり、PCVの排出ポートや配管等が詰まった場合、吸
気管へのパージエアの導入が行えなくなる。その結果、
キャニスタ内で蒸発ガスが過飽和状態となり、燃料タン
クから更に供給された蒸発ガスは、活性炭に吸着される
ことなく大気中に放出されてしまう。ところが、蒸発ガ
スが大気に放出されるようになっても、当然のことなが
ら、エンジンの運転には支障を来さないため、運転者が
この故障に気付くことは殆どなく、長期に亘って蒸発ガ
スが大気中に放出され続けることになる。
【0006】そこで、特開平3−213652号公報や
特開平4−12157号公報等には、アイドル運転中等
に強制的にパージエアを導入し、その際の運転状態の変
化を検出してパージシステムの故障を診断する装置が記
載されている。ところが、これらの装置では、故障診断
時において、PCVを一度に開放してパージエアの導入
を行うため、以下に述べる不具合が発生する虞があっ
た。例えば、外気温が高くなる夏期等に長時間の停車を
行うと、キャニスタには多量の蒸発ガスが吸着され、パ
ージエアの濃度(蒸発ガスの混合率)が非常に高くな
る。このような場合にPCVを一度に開放すると、蒸発
ガスが吸気管に多量に流入することになり、燃焼室に流
入する混合気がオーバリッチとなる。その結果、トルク
変動や燃焼不良等に起因して、アイドル運転が円滑に行
われなくなったり、排気ガス中の有害排出成分が増加す
るのである。
【0007】このような不具合を解消するために、PC
Vの駆動デューティ比を小さな増加率で増加させ、パー
ジエアの導入量を徐々に増大させる方法も試みられた。
しかし、この方法を採った場合も、混合気の急激なオー
バリッチ化は防ぐことができるものの、PCVが所定の
開度(例えば、全開)となるまでに時間が掛かることに
なり、その間にアクセルペダル操作などによってエンジ
ン運転状態が変化して故障診断のための所定運転域から
逸脱した場合等には、故障診断が行えなくなるという別
種の不具合が生じる。
【0008】本発明は、上記状況に鑑みなされたもの
で、エンジンのドライバビリティの悪化を極力抑えなが
ら、燃料蒸発ガス排出抑止装置におけるPCVの故障や
配管の詰まり等を確実に診断する装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1では、車両に搭載されたエンジンの燃料供給系で発生
した燃料蒸発ガスと外気とを含むパージエアをパージ通
路を介して吸気通路に導入する燃料蒸発ガス排出抑止装
置において、前記パージエアの導入量を調整するパージ
調整手段と、前記パージエアの導入量の変化率が時間経
過につれて段階的または連続的に増大するように前記パ
ージ調整手段を制御するパージエア増量手段と、前記エ
ンジンの運転状態を表す運転状態情報量を検出する運転
状態検出手段と、前記パージエア増量手段による前記パ
ージ調整手段の制御が開始された後に前記運転状態検出
手段により検出された前記運転状態情報量に基づき、前
記燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断を行う診断手段
とを備えた燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置を
提案する。
【0010】また、請求項2では、請求項1記載の故障
診断装置において、前記パージ調整手段は、前記パージ
エア増量手段から送出される指令作動量に応じて作動
し、前記パージエア増量手段は、前記指令作動量が所定
量に達するまでは前記パージエアの導入量が第1の変化
率で増大するように前記パージ調整手段を制御し、前記
所定量に達した後は前記パージエアの導入量が前記第1
の変化率よりも大きい第2の変化率で増大するように前
記パージ調整手段を制御するものを提案する。
【0011】また、請求項3では、請求項1記載の故障
診断装置において、前記パージエア増量手段は、前記制
御を開始した時点からの経過時間が所定時間に達するま
では前記パージエアの導入量が第1の変化率で増大する
ように前記パージ調整手段を制御し、前記所定時間が経
過した後は前記パージエアの導入量が前記第1の変化率
よりも大きい第2の変化率で増大するように前記パージ
調整手段を制御するものを提案する。
【0012】また、請求項4では、請求項2記載の故障
診断装置において、前記所定量は、前記パージ調整手段
が正常である場合に前記運転状態情報量に有意な変化を
生じさせる量のパージエアの導入を実現するような前記
パージ調整手段の作動量であるものを提案する。また、
請求項5では、請求項3記載の故障診断装置において、
前記所定時間は、前記パージ調整手段が正常である場合
に前記運転状態情報量に有意な変化を生じさせる量のパ
ージエアの導入を実現するような前記パージ調整手段の
作動時間であるものを提案する。
【0013】また、請求項6では、請求項2または3記
載の故障診断装置において、前記診断手段は、前記パー
ジエア増量手段による前記パージ調整手段の制御が開始
された時点からの前記運転状態情報量の変化量が所定の
判定基準値を下回っている間は前記燃料蒸発ガス排出抑
止装置の故障診断を繰り返し行い、前記運転状態情報量
の変化量が前記所定の判定基準値を上回ると前記燃料蒸
発ガス排出抑止装置が正常であると判定するものを提案
する。
【0014】また、請求項7では、請求項2または3記
載の故障診断装置において、前記診断手段は、前記パー
ジエア増量手段による前記パージ調整手段の制御が開始
された時点から前記指令作動量または前記経過時間が所
定の上限値に達した時点までの前記運転状態情報量の変
化量が、所定の判定基準値を下回っているときに、前記
燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障していると判定するも
のを提案する。
【0015】また、請求項8では、請求項2記載の故障
診断装置において、前記パージ調整手段は、前記パージ
エア増量手段から送出される指令デューティ比に応じて
開閉して前記パージ通路を介する前記パージエアの流量
を調整するパージ調整弁を備え、前記パージエア増量手
段は、前記指令デューティ比が所定デューティ比に達す
るまでは前記指令デューティ比が第1のデューティ比変
化率で増大し、かつ、前記所定デューティ比に達した後
は前記第1のデューティ比変化率よりも大きい第2のデ
ューティ比変化率で増大するように、前記指令デューテ
ィ比を変化させるものを提案する。
【0016】また、請求項9では、請求項8記載の故障
診断装置において、前記診断手段は、前記パージエア増
量手段による前記パージ調整手段の制御が開始された時
点からの前記運転状態情報量の変化量が所定の判定基準
値を下回っている間は前記燃料蒸発ガス排出抑止装置の
故障診断を繰り返し行い、前記運転状態情報量の変化量
が前記所定の判定基準値を上回ると前記燃料蒸発ガス排
出抑止装置が正常であると判定するものを提案する。
【0017】また、請求項10では、請求項8記載の故
障診断装置において、前記診断手段は、前記パージエア
増量手段から前記パージ調整手段への前記指令デューテ
ィ比の送出が開始された時点から前記指令デューティ比
が所定の上限デューティ比に達した増大した時点までの
前記運転状態情報量の変化量が、所定の判定基準値を下
回っているときに、前記燃料蒸発ガス排出抑止装置が故
障していると判定するものを提案する。
【0018】また、請求項11では、請求項2または3
記載の故障診断装置において、前記エンジンは、エンジ
ン制御手段により制御され、前記エンジン制御手段は、
前記エンジンに供給される混合気の空燃比を検出する空
燃比検出手段と、前記混合気の空燃比を所定の目標空燃
比に制御するフィードバック制御のための制御補正量
を、前記空燃比検出手段による検出の結果に基づいて設
定する制御補正量設定手段と、前記エンジンへの燃料供
給量を調整する燃料供給量調整手段と、前記制御補正量
設定手段によって設定された制御補正量に基づいて前記
燃料供給量調整手段を駆動制御する燃料制御手段とを備
え、前記運転状態検出手段は、前記制御補正量設定手段
によって設定された前記制御補正量を前記運転状態情報
量として検出するものを提案する。
【0019】また、請求項12では、請求項2または3
記載の故障診断装置において、前記エンジンは、エンジ
ン制御手段により制御され、前記エンジン制御手段は、
前記吸気通路を介して前記エンジンに吸入される空気量
を、前記エンジンのアイドル回転速度を略一定に維持す
るように調整する吸入空気量調整手段を備え、前記運転
状態変化検出手段は、前記吸入空気量調整手段の作動量
を前記運転状態情報量として検出するものを提案する。
【0020】また、請求項13では、請求項2または3
記載の故障診断装置において、前記運転状態変化検出手
段は、前記エンジンの回転速度を前記運転状態情報量と
して検出するものを提案する。本発明の請求項1の故障
診断装置では、故障診断のためのパージエア導入を行う
べく、パージエア増量手段はパージ調整手段を作動させ
る。パージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が
正常であれば、パージ調整手段が作動してパージエアが
パージ通路および吸気通路を介してエンジンに導入さ
れ、これによりエンジン運転状態が変化する。一方、燃
料蒸発ガス排出抑止装置が異常であって、例えばパージ
調整手段が作動しなければ、パージエアはエンジンに導
入されず、エンジン運転状態は変化しない。診断手段
は、運転状態変化が生じなかったことを、運転状態変化
検出手段により検出された運転状態情報量に基づいて判
別すると、燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障であると診
断する。
【0021】パージエア増量手段は、パージエア導入量
の変化率が時間経過につれて増大するようにパージ調整
手段を制御する。この結果、パージ調整手段を含む燃料
蒸発ガス排出抑止装置が正常であれば、パージエア導入
量が徐々に増大し、しかも、故障診断に要する量のパー
ジエアが短時間内に導入される。パージエア導入量が漸
増するので、過度のパージエア導入による混合気のオー
バリッチ化に起因するエンジンのトルク変動や燃焼不良
が緩和される。また、パージエアが短時間内に導入され
るので、故障診断を確実かつ迅速に行える。そして、エ
ンジンが特定の運転状態にあることが故障診断の実行の
要件である場合にも、パージ調整手段を作動させ始めた
後にエンジンが特定の運転状態から逸脱して故障診断が
実行不能になるおそれが低減する。
【0022】また、請求項2の故障診断装置では、パー
ジ調整手段へ送出される指令作動量が所定量に達するま
では、パージエア導入量が比較的小さい第1の変化率で
増大するようにパージ調整手段が制御される。このた
め、パージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が
正常である場合、パージエア導入量が所定量に達するま
ではパージエア導入量が徐々に増大し、これにより過度
のパージエア導入が防止される。そして、指令作動量が
所定量に達した後は、パージエア導入量が第1の変化率
よりも大きい第2の変化率で増大するように、パージ調
整手段の作動が制御される。このため、パージエア導入
が促進されて、故障診断に必要な量のパージエアが短時
間内にエンジンへ導入される。一方、燃料蒸発ガス排出
抑止装置が異常であって、例えばパージ調整手段が作動
しなければ、パージエア導入は行われない。
【0023】また、請求項3の故障診断装置では、パー
ジエア増量手段によりパージ調整手段が制御されている
間、この制御の開始時点からの経過時間が所定時間に達
するまでは、パージエア導入量が第1の変化率で増大す
るように、パージ調整手段が制御される。このため、パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あれば、パージエア導入量が徐々に増大する。そして、
制御開始時点から所定時間が経過すると、第1の変化率
よりも大きい第2の変化率でパージエア導入量が増大す
る。
【0024】また、請求項4の故障診断装置では、パー
ジ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であ
れば、パージ調整手段へ送出される指令作動量が所定量
に達するか或いはその前に、即ち、パージエア導入量が
第1の変化率で増大する間に、通常は、運転状態情報量
に有意な変化が生じて、故障診断が終了する。また、請
求項5の故障診断装置では、パージ調整手段を含む燃料
蒸発ガス排出抑止装置が正常であれば、パージエア増量
手段によるパージ調整手段の制御が開始された時点から
所定時間が経過し或いはその前に、即ち、パージエア導
入量が第1の変化率で増大する間に、通常は、運転状態
情報量に有意な変化が生じて、故障診断が終了する。
【0025】また、請求項6の故障診断装置では、パー
ジエア増量手段によるパージ調整手段の制御が開始され
た時点からの運転状態情報量の変化量が所定の判定基準
値を上回ると燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であると
診断される。また、請求項7の故障診断装置では、パー
ジエア増量手段からパージ調整手段へ送出される指令作
動量が所定の上限値に達し、或いは、パージエア増量手
段によるパージ調整手段の制御が開始された時点からの
経過時間が所定の上限値に達すると、前記パージエア増
量手段による前記パージ調整手段の制御が開始された時
点から指令作動量または経過時間が上限値へ到達した時
点までの運転状態情報量の変化量が判別される。パージ
調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であれ
ば、この時点までにパージエア導入は既に十分に行われ
てエンジン運転状態に有意な変化が生じている。そこ
で、指令作動量または経過時間が上限値へ到達した時点
までの運転情報量の変化量が判定基準値を下回っていれ
ば、燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障していると判定さ
れる。
【0026】また、請求項8の故障診断装置では、パー
ジエア増量手段からパージ調整手段へ送出される指令デ
ューティ比が所定デューティ比に達するまでは、指令デ
ューティ比は比較的小さい第1のデューティ比変化率で
増大される。即ち、パージ調整手段を含む燃料蒸発ガス
排出抑止装置が正常であれば、パージエア導入量は徐々
に増大する。このため、パージエア導入による混合気の
オーバリッチ化に起因するトルク変動や燃焼不良が緩和
される。そして、指令デューティ比が所定デューティ比
に達した後は、指令デューティ比は第1のデューティ比
変化率よりも大きい第2の変化率で増大する。即ち、パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あれば、パージエア導入が促進されて、故障診断が確実
かつ速やかに行われる。
【0027】また、請求項9の故障診断装置では、パー
ジエア増量手段によるパージ調整手段の制御が開始され
た時点からの運転状態情報量の変化量が所定の判定基準
値を上回ると燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であると
診断される。また、請求項10の故障診断装置では、パ
ージエア増量手段からパージ調整手段へ送出される指令
デューティ比が所定の上限デューティ比に達すると、こ
の時点までの運転状態情報量の変化量が判別される。パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あれば、その時点までにパージエア導入は既に十分に行
われてエンジン運転状態に有意な変化が生じている。そ
こで、指令デューティ比が上限デューティ比へ到達した
時点までの運転情報量の変化量が判定基準値を下回って
いれば、燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障していると判
定される。
【0028】また、請求項11の故障診断装置では、パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あってパージエア導入が行われると、パージエアの空燃
比に応じて混合気全体の空燃比が変動し、制御補正量設
定手段が設定する制御補正量が通常時のものから変化す
る。そこで、運転状態検出手段により運転状態情報量と
して検出された制御補正量に基づいて、診断手段は、燃
料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断を行う。即ち、パー
ジエア増量手段によりパージ調整手段が制御されている
間に制御補正量が変化すれば装置が正常であると診断
し、制御補正量が変化しなければ同装置が故障している
と診断する。
【0029】また、請求項12の故障診断装置では、パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あってパージエア導入がエンジンのアイドル運転中に行
われると、パージエア導入によりエンジンに吸入される
空気量が増大する。この場合、吸入空気量調整手段は、
この吸入空気量の増大を抑制するように作動する。そこ
で、運転状態検出手段により運転状態情報量として検出
された吸入空気量調整手段の作動量に基づいて、診断手
段は、燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断を行う。即
ち、パージエア増量手段によりパージ調整手段が制御さ
れている間に吸入空気量調整手段の作動量が変化すれば
装置が正常であると診断し、作動量が変化しなければ装
置が故障していると診断する。
【0030】また、請求項13の故障診断装置では、パ
ージ調整手段を含む燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常で
あってパージエア導入が行われると、パージエア導入に
よりエンジン回転数が変化する。そこで、運転状態検出
手段により運転状態情報量として検出されたエンジン回
転数に基づいて、診断手段は、燃料蒸発ガス排出抑止装
置の故障診断を行う。即ち、パージエア増量手段により
パージ調整手段が制御されている間にエンジン回転数が
変化すれば装置が正常であると診断し、エンジン回転数
が変化しなければ装置が故障していると診断する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置の一実施
例を詳細に説明する。図1は、燃料蒸発ガス排出抑止装
置(パージシステム)が取付けられたエンジンの概略構
成図であり、同図において符号1は自動車用の直列4気
筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す)を示
す。エンジン1の吸気ポート2には、各気筒毎に燃料噴
射弁3が取り付けられた吸気マニホールド4を介し、エ
アクリーナ5,カルマン渦式のエアフローセンサ6,ス
ロットルバルブ7,アイドル運転時の吸入空気量調整手
段であるアイドルスピードコントローラ8等を具えた吸
気管9が接続している。尚、アイドルスピードコントロ
ーラ8は、スロットルバルブ7をバイパスする空気通路
と、この空気通路の流路面積を増減する弁体と、この弁
体を開閉駆動するステップモータ等からなっており、後
述するECU50により駆動制御される。
【0032】また、排気ポート20には、排気マニホー
ルド21を介し、空燃比検出手段であるO2 センサ2
2,三元触媒23,図示しないマフラー等を具えた排気
管24が接続している。更に、エンジン1には、エンジ
ン回転速度Ne 等を検出するためのクランク角センサ2
5,冷却水温TW を検出する水温センサ26、スロット
ルバルブ7の開度θTHを検出するスロットルセンサ2
7,大気圧Ta を検出する大気圧センサ28,吸気温度
Ta を検出する吸気温センサ29等の各種センサが接続
している。図中、30は燃焼室31の上部に配設された
点火プラグであり、32は点火プラグ30に接続した点
火コイルである。
【0033】一方、吸気管9におけるスロットルバルブ
7の下流には、パージ通路であるパージパイプ40が接
続しており、キャニスタ41のパージポート42からパ
ージエアが導入される。キャニスタ41には、蒸発ガス
を吸着する活性炭が充填されると共に、図示しない燃料
タンクからの導入パイプ43が接続する導入ポート44
と、大気に開口したベントポート45とが形成されてい
る。また、パージパイプ40には、管路の連通・遮断を
行うための電磁式常閉型のPCV46が設けられてお
り、後述するECU50によりデューティ制御される。
図中、47は計器盤等に取付けられた警告灯であり、パ
ージシステムの故障時に運転者に警告を与える。
【0034】一方、車室内には、図示しない入出力装
置,多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等),中央処理装置(CP
U),タイマカウンタ等を具えたECU(エンジン制御
ユニット)50が設置されている。ECU50は、エン
ジン1の総合的な制御を行うエンジン制御手段として機
能する。ECU50の入力側には、上述した各種センサ
類(運転状態検出手段)からの検出情報が入力し、EC
U50は、これらの検出情報と制御マップ等から燃料噴
射量や点火時期等の最適値を演算して、燃料噴射弁3や
点火コイル32等の他、アイドルスピードコントローラ
8やPCV46の駆動制御も行う。即ち、ECU50
は、エンジン1への燃料供給量を調整する燃料供給量調
整手段としての燃料噴射弁3を駆動制御する燃料制御手
段として機能し、また、パージエアの導入量を調整する
パージ調整手段のパージ調整弁としてのPCV46を制
御するパージ増量手段として機能する。尚、ECU50
は、クランク角センサ25が検出したエンジン回転速度
Ne と目標エンジン回転速度NTとの偏差を算出し、こ
の偏差が所定偏差ΔN内に収まるようにアイドルスピー
ドコントローラ8をフィードバック制御して、アイドル
運転時におけるエンジン回転速度Ne を略一定に維持す
る。即ち、ECU50は、アイドルスピードコントロー
ラ8と協同して、アイドル回転速度を略一定に維持する
ように吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段として
機能する。
【0035】以下、図2〜図7の制御フローチャートお
よび図8〜図10のグラフを用いて、本実施例における
制御の手順を説明する。運転者がイグニッションキーを
ONにしてエンジン1がスタートすると、ECU(診断
手段)50は、所定の制御インターバルで、図2〜図6
のフローチャートに示した故障診断サブルーチンを繰り
返し実行する。
【0036】このサブルーチンを開始すると、ECU5
0は先ず、ステップS2で正常フラグFOKが1であるか
否かを判定する。正常フラグFOKは、パージシステムが
正常に作動している場合には1を示し、故障している場
合には0を示すフラグであり、イグニッションキーがO
Nされた時点では0にリセットされている。したがっ
て、サブルーチンの開始直後には、ステップS2の判定
は否定(No)となり、ECU50は、ステップS4に
進み上述した各種センサからの運転情報(運転状態情報
量)をRAMに読み込む。
【0037】次に、ステップS6において、ECU50
は、現在の運転状態がパージシステムの故障診断を行え
る条件を満たしているか否かを判定する。すなわち、E
CU50は、始動後に所定時間(本実施例では、180
秒)が経過していること、O2 センサ22による空燃比
フィードバック制御が開始されていること、アイドルス
ピードコントローラ8が回転速度フィードバック制御さ
れていること、水温TW が所定値(本実施例では、82
℃)以上であること、アイドル運転中であること等を順
次確認し、これらの条件が全て満たされている場合にの
み、ステップS6の判定を肯定(Yes)とする。
【0038】エンジン始動直後には当然にステップS6
の判定がNoとなるが、この場合には、ECU50は、
ステップS8で故障診断中フラグFFDを0にし、スター
トに戻る。尚、故障診断中フラグFFDが0の場合には、
ECU50は、後述するパージ制御サブルーチンにより
PCV46を駆動制御し、パージエアの導入やその停止
を行う。
【0039】さて、運転状態が安定してステップS6の
判定がYesとなった場合、ECU50は、ステップS1
0で故障診断中フラグFFDが1か否かを判定する。この
時点では故障診断中フラグFFDが0となっているため、
ステップS10の判定はNoとなり、ECU50は図3
のステップS12に進む。ステップS12で、ECU5
0は、先ず、現在すなわちパージエア導入前における空
燃比フィードバック制御の積分項Iの平均値IAVE を算
出し、これを第1積分値IA1として不揮発性RAMに記
憶する。尚、積分項Iは、下式に示したように、フィー
ドバック補正係数KFBの算出に用いられる制御補正量で
あり、図8に示したように、フィードバック制御中はO
2 センサ22の出力電圧に応じて常に増減している。ま
た、下式中でPは比例項、ILRN は学習補正値である。
【0040】KFB=1.0 +P+I+ILRN 即ち、ECU50は、空燃比フィードバック制御のため
の制御補正量(積分項I)を、空燃比検出手段(O2 セ
ンサ22)により検出された混合気の空燃比に基づいて
設定する制御補正量設定手段として機能する。そして、
燃料制御手段としてのECU50は、制御補正量に基づ
いて燃料噴射弁3を駆動制御する。
【0041】ステップS12で第1積分値IA1の記憶を
終えると、ECU50は、ステップS14で現在のアイ
ドルスピードコントローラ8の開弁量すなわちバルブポ
ジションPV を第1ポジションP1 として不揮発性RA
Mに記憶し、ステップS16で現在のエンジン回転速度
Ne を第1回転速度N1 としてRAMに記憶する。尚、
パージエア導入前においては、バルブポジションPV は
比較的大きく、エンジン回転速度Ne は比較的低い。
【0042】ステップS16で第1回転速度N1 の記憶
を終えると、ECU50は、ステップS18でタイマT
1 を0にリセットしてカウントを開始する。次に、EC
U50は、ステップS20で故障診断中フラグFFDを1
とした後、ステップS22で後述するパージエア導入制
御サブルーチンにより、パージエアの導入を開始してス
タートに戻る。
【0043】スタートに戻ったECU50は、今度はス
テップS10の判定がYesとなるため、図4のステップ
S26に進んで現時点すなわちパージエア導入開始後に
おける空燃比フィードバック制御の積分項Iの平均値I
AVE を算出し、これを第2積分値IA2として不揮発性R
AMに記憶する。尚、パージエアは、当然のことなが
ら、その空燃比がキャニスタ41への蒸発ガスの吸着量
等により変動する。そして、パージエアの空燃比が理論
空燃比よりリッチである場合には、図8に実線で示した
ように、積分項Iの値は減少し、リーンである場合には
逆に増加する。しかし、パージシステムの故障によりパ
ージエアの導入が行われない場合には、図8に破線で示
したように、積分項Iの値は変化しない。
【0044】ステップS26で第2積分値IA2の記憶を
終えると、ECU50は、ステップS28で現在のアイ
ドルスピードコントローラ8のバルブポジションPV を
第2ポジションP2 としてRAMに記憶し、ステップS
30で現在のエンジン回転速度Ne を第2回転速度N2
としてRAMに記憶する。尚、パージエア導入開始後に
おいては、図9に示したように、バルブポジションPV
はパージエアの導入量だけ小さくなり、エンジン回転速
度Ne はパージエア導入量に応じて一時的に上昇した後
に、アイドルスピードコントローラ8の作動により設定
値に復帰する。また、パージシステムの故障によりパー
ジエアの導入が行われない場合には、図9に破線で示し
たように、バルブポジションPV とエンジン回転速度N
e とは共に変化しない。尚、図8および図9のグラフで
は、説明の便宜上、PCV46を全開にして、パージエ
アを最大限に導入した場合を示してある。
【0045】次に、ECU50は、ステップS32で第
1積分値IA1と第2積分値IA2との偏差の絶対値(|I
A1−IA2|)を算出し、これが所定の閾値THI 以下か
否かを判定する。積分値の偏差の絶対値は、リッチある
いはリーンなパージエアが正常に導入された場合には有
意な値となるが、パージシステムの故障によりパージエ
アが全く導入されなかった場合には0となる。ところ
が、パージエアの空燃比が理論空燃比にごく近い場合に
は、パージエアが正常に導入されても、積分項Iの値が
殆ど変動しないため、積分値の偏差はやはり0に近くな
る。すなわち、積分値の偏差による故障診断は絶対的な
ものではなく、パージシステムが正常でかつパージエア
がリッチまたはリーンである場合にのみ確実な診断が行
われることになる。
【0046】ステップS32での判定がYesであった場
合、ECU50は、ステップS34で第1ポジションP
1 と第2ポジションP2 との偏差(P1−P2)を算出
し、これが所定の閾値THP 以下か否かを判定する。そ
して、この判定もYesであった場合、ECU50は、ス
テップS36で第2回転速度N2 と第1回転速度N1と
の偏差(N2−N1)を算出し、これが所定の閾値THN
以下か否かを判定する。
【0047】ステップS32,S34,S36の判定が
全てYes、すなわちステップS22でPCV46を付勢
したにも拘わらず、パージエアの導入による運転状態の
変化が検出されなかった場合、ECU50は、次に、ス
テップS38でPCV46の駆動デューティ比Dが所定
の上限デューティ比たとえば100%であるか否かを判
定し、この判定がNoであればスタートに戻って判定を
繰り返す。すなわち、PCV46が全開となるまでは、
パージエアの導入による運転状態の変化が検出されない
場合でも、故障との判定は行わないのである。
【0048】そして、ステップS32,S34,S36
の判定が全てYesで、かつステップS38の判定もYes
となった場合、ECU50は、ステップS40で図5の
故障時処理サブルーチンを実行する。このサブルーチン
を開始すると、ECU50は、ステップS50で警告灯
47を点灯して運転者に注意を促し、ステップS52で
ダイアグノーシス用の故障コードをRAM内に記憶す
る。しかる後、ステップS54でパージエア導入停止フ
ラグFSTOPを1にし、ステップS56で故障診断中フラ
グFFDを0として、故障診断サブルーチンに復帰する。
尚、パージエア導入停止フラグFSTOPは、後述するパー
ジエア導入制御サブルーチンで用いられるフラグであ
り、1の場合にはパージエアの導入が停止される。
【0049】一方、パージコントロールバルブ46が一
旦故障と診断された後に、パージエアの導入による運転
状態の変化が検出され、ステップS32,S34,S3
6の判定のいずれかがNoとなった場合、ECU50
は、ステップS42で図6の正常時処理サブルーチンを
実行する。このサブルーチンを開始すると、ECU50
は、ステップS60で警告灯47を消灯し、ステップS
62でダイアグノーシス用の故障コードをRAM内から
消去する。次に、ステップS64でパージエア導入停止
フラグFSTOPを1にし、ステップS66で故障診断中フ
ラグFFDを0とする。しかる後、ステップS68で正常
フラグFOKを1として、故障診断サブルーチンに復帰す
る。尚、この時点以降はステップS2の判定がYesとな
るため、ECU50は、イグニッションキーがOFFに
なるまで、故障診断サブルーチンでの実質的な処理は行
わないことになる。
【0050】ここで、故障診断時における、パージエア
導入制御サブルーチンについて説明する。本実施例のパ
ージエア導入制御サブルーチンでは、パージエアの導入
時期を導入前期と導入後期とに二分割し、前者では比較
的小さな増量分をもって、また、後者では比較的大きな
増量分をもって、それぞれ駆動デューティ比Dを増加さ
せる。PCV(パージ調整手段)46は、ECU(パー
ジエア増量手段)50から指令デューティ比(指令作動
量)として送出されるデューティ比Dに応じて開閉す
る。
【0051】さて、図3のステップS22でパージエア
導入が決定されると、ECU50は、図7のパージエア
導入制御サブルーチンを開始し、先ずステップS70で
前述したパージエア導入停止フラグFSTOPが1であるか
否かを判定する。そして、サブルーチン開始時にはこの
判定は当然にNoとなるため、ECU50は、ステップ
S72で導入後期フラグFLAが1か否かを判定する。導
入後期フラグFLAは、パージエアの導入が後期に至った
か否かを識別するフラグであり、その初期値は0に設定
されている。したがって、初回の制御ではこの判定もN
oとなり、ECU50は、ステップS74で初期値0の
駆動デューティ比Dに前期用増量分ΔDPR(本実施例で
は、1%)を加えた後、ステップS76で現在の駆動デ
ューティ比Dが所定の導入後期判定閾値DA (本実施例
では、30%)に達したか否かを判定する。そして、こ
の判定もNoであれば、ステップS78でPCV46を
駆動した後、スタートに戻って制御を繰り返す。これに
より、PCV46の駆動デューティ比Dは、図10に示
したように、増量分ΔDPRをサブルーチン実行周期で除
した値に等しい第1のデューティ比変化率で徐々に増加
し、吸気管9内に導入されるパージエアの量が、第1の
デューティ比変化率に対応する第1の変化率で漸増して
ゆく。
【0052】パージエア導入前期で、何らかの運転状態
の変化が起こり、図4のステップS32,S34,S3
6の判定のいずれかがNoとなると、パージシステムは
正常であると判定される。すると、図6の正常時処理サ
ブルーチンでパージエア導入停止フラグFSTOPが1とさ
れ、ステップS70の判定がYesとなって、ECU50
は、ステップS78に進む。ECU50は、ステップS
78,S80でパージエア導入停止フラグFSTOPおよび
導入後期フラグFLAを0にリセットした後、ステップS
82でPCV46の駆動を停止し、パージエア導入制御
サブルーチンを終了する。尚、パージエア導入前期で
は、パージエアの絶対量が少なくかつその増加率も小さ
いため、ドライバビリティの悪化は殆ど生じないが、パ
ージシステムが正常であれば、一般に何らかの運転状態
の変化が起こり、正常判定がなされる。
【0053】一方、正常判定が行われないまま駆動デュ
ーティ比Dが導入後期判定閾値DAに達すると、ECU
50は、ステップS84で導入後期フラグFLAを1にす
る。すると、ステップS72の判定がYesとなり、EC
U50は、ステップS86で駆動デューティ比Dに後期
用増量分ΔDLA(本実施例では、5%)を加えた後、ス
テップS78でPCV46を駆動する。これにより、P
CV46の駆動デューティ比Dは、図10に示したよう
に、増量分ΔDLAをサブルーチン実行周期で除した値に
等しい第2のデューティ比変化率で急激に増加し、吸気
管9内に導入されるパージエアの量が、第2のデューテ
ィ比変化率に対応する第2の変化率で急増してゆく。
【0054】パージエア導入後期でも、何らかの運転状
態の変化が起こるとパージシステムは正常であると判定
され、上述したパージエア導入停止フラグFSTOPおよび
導入後期フラグFLAのリセットやPCV46の駆動停止
が行われる。ところが、駆動デューティ比Dが100%
(上限デューティ比)に達しても運転状態の変化が起こ
らない場合、図4のステップS38の判定がYesとなっ
て、パージシステムの故障と判定される。すると、図5
の故障時処理サブルーチンでパージエア導入停止フラグ
FSTOPが1とされ、この場合もパージエア導入停止フラ
グFSTOPおよび導入後期フラグFLAのリセットやPCV
46の駆動停止が行われる。尚、パージエア導入後期で
は、PCV46の駆動デューティ比Dは大きくなってい
るが、PCV46の故障や配管の詰まり等によりパージ
エアの正常な導入が行われていない場合が多く、ドライ
バビリティの悪化等が起こる虞は少ない。
【0055】本実施例では、上述した手順で故障診断と
これに伴うパージエアの導入制御を行うようにしたた
め、ドライバビリティの悪化を殆ど伴わずに、パージシ
ステムの故障を正確かつ速やかに診断できるようにな
り、蒸発ガスの大気中への放出を確実に防止することが
可能となった。また、パージエア導入前後における、空
燃比フィードバック制御における積分値の偏差と、エン
ジン回転速度の偏差と、アイドルスピードコントローラ
のバルブポジションの偏差とを組み合わせて、最終的な
故障診断を行うようにしたため、誤診断の虞も殆ど無く
すことができた。
【0056】以上で、具体的実施例の説明を終えるが、
本発明の態様はこの実施例に限るものではない。例え
ば、上記実施例ではパージエア導入前後における三つの
運転状態(空燃比フィードバック制御用の制御補正量
(積分項I)、エンジン回転速度、および吸入空気量調
整手段の作動量(コントローラ8のバルブポジショ
ン))に基づき、PCV46の故障診断を行うようにし
たが、二つ以下あるいは四つ以上の運転状態に基づきこ
れを行ってもよい。
【0057】上記実施例では、PCV駆動期間(パージ
エア導入期間)の全体を、デューティ比変化率(パージ
エア増量分)が小さい前期とデューティ比変化率が大き
い後期との2つの期間に分割し(図10)、また、デュ
ーティ比Dが閾値DA に到達したときに前期から後期へ
移行するようにしたが、図11に示すように、PCV駆
動開始時点からの経過時間が所定時間TA に達したとき
に前期から後期へ移行するようにしてもよい。また、P
CV駆動期間の全体を3つ以上の期間に分割してもよ
い。図12は、PCV駆動期間の全体を、I期、II
期、III期及びIV期の4つの期間に分割した場合を
示す。この場合、先行期間から後行期間への移行は、デ
ューティ比Dが閾値DC 、DD 、DE に達し或いは経過
時間が所定時間TC 、TD 、TE に達する度に行われ
る。
【0058】更に、上記実施例では、PCVのデューテ
ィ比の変化率を時間経過につれて段階的に増大させるよ
うにしたが、デューティ比(パージ調整手段の作動量)
の変化率を時間経過につれて連続的に増大させるように
してもよい。上記実施例ではPCV駆動期間の前期およ
び後期の各々においてデューティ比が直線的に増大する
が、この変形例ではデューティ比Dは所定の関数(曲
線)に従って非直線的に増大する。図13は、PCV駆
動開始時点からの経過時間を変数とする1次式に従っ
て、デューティ比変化率を連続的に増大させる場合を示
す。この場合、デューティ比Dは経過時間を変数とする
2次曲線に沿って増大する。
【0059】そして、デューティ比を非直線的に増大さ
せる場合にあっても、PCV駆動期間の全体を、デュー
ティ比または経過時間に基づいて、2つ以上の期間に分
割してもよい。この場合、夫々の期間において異なる関
数に従ってデューティ比を増大させることになる。図1
1に示すように、PCV駆動開始時点からの経過時間が
所定時間TA に達したときに前期から後期への移行を行
ってパージエア導入量の増大度合いを大きくする場合に
は、図7に示すパージエア導入制御サブルーチンに代え
て、これに類似の、図14に示すサブルーチンを実行す
ればよい。
【0060】このパージエア導入制御サブルーチンで
は、パージエア導入停止フラグFSTOPが1でないとステ
ップS70で判定すると、ECU50は、後期フラグF
LAの値が1であるか否かを判定する(ステップS7
2)。この判定結果がNoであれば、デューティ比Dが
ΔDPRだけ増大される(ステップS74)。図7のステ
ップS76に代わるステップS77では、図3のステッ
プS18で起動したタイマにより計測されるPCV駆動
開始時点からの経過時間T1 が所定時間TA に達したか
否かが判定される。そして、ステップS77での判定結
果がNoであれば、更新後のデューティ比DでPCV4
6が駆動される(ステップS78)。所定時間TA は、
例えば、所定時間TA への到達時にデューティ比Dが上
記実施例での閾値DA に到達するような時間に設定され
る。その後、経過時間T1 が所定時間TA に達すると、
フラグFLAの値が1にセットされ(ステップS84)、
これにより前期から後期への移行が行われる。この結
果、本サブルーチンの実行周期毎に、デューティ比D
は、ΔDPRよりも大きいΔDLAづつ増大される(ステッ
プS86)。図14でのその他の制御手順は図7の場合
と同様であるので、説明を省略する。
【0061】上記変形例に係る故障診断サブルーチンで
は、上記実施例の故障診断サブルーチンのステップS3
8(図4)におけるデューティ比Dが上限デューティ比
(100%)に達したか否かの判別に代えて、経過時間
T1 がこの上限デューティ比に対応する上限経過時間
(図11に符号TB で示す)に達したか否かを判別する
ようにしても良い。
【0062】図12に示すように、PCV駆動開始時点
からの経過時間T1 が所定時間TC、TD およびTE の
夫々に達したときにI期からII期への、II期からI
II期への、及びIII期からIVへの移行を行って、
パージエア導入量の増大度合いを徐々に大きくする場合
には、図7に示すパージエア導入制御サブルーチンに代
えて、図7及び図14図に示すものに類似の、図15及
び図16に示すサブルーチンを実行すればよい。
【0063】このパージエア導入制御サブルーチンで
は、パージエア導入停止フラグFSTOPが1でないとステ
ップS70で判定され、かつ、フラグFLAの値が1でな
いとステップS72で判定されると、デューティ比Dが
上記実施例での増量分ΔDPRよりも小さい増量分ΔDLC
だけ増大される(ステップS74)。図7のステップS
76に代わるステップS77では、経過時間T1 が所定
時間TC に達したか否かが判定される。そして、この判
定結果がNoであれば、更新後のデューティ比DでPC
V46が駆動される(ステップS78)。所定時間TC
は、例えば、所定時間TC への到達時にデューティ比D
が上記実施例での閾値DA よりも小さい値DC に到達す
るような時間に設定される(図12参照)。その後、経
過時間T1が所定時間TC に達すると、フラグFLAの値
が1にセットされ(ステップS84)、これによりI期
からII期への移行が行われる。
【0064】そして、フラグFLBの値が1であるか否か
が判別され(ステップS90)、この判別結果がNoで
あれば、デューティ比Dが、値ΔDLCよりも大きい値Δ
DLDだけ増大される(ステップS92)。その後、経過
時間T1 が所定時間TD に到達したとステップS94で
判別されると、フラグFLBの値が1にセットされて、I
I期からIII期への移行が行われる。
【0065】III期では、ステップS90、S92及
びS94に夫々対応するステップS98、S100及び
S102が繰り返し実行され、これにより、デューティ
比Dが、値ΔDLDよりも大きい値ΔDLEづつ増大され
る。PCV駆動開始時点から所定時間TE が経過する
と、フラグFLCの値が1にセットされて(ステップS1
04)、III期からIV期への移行が行われる。IV
期では、デューティ比Dが、値ΔDLEよりも大きい値Δ
DLFづつ増大される(ステップS106)。図15での
その他の制御手順は図7の場合と同様であるので、説明
を省略する。但し、このパージエア導入制御サブルーチ
ンでは、図7のステップS80に代わるステップS81
において、フラグFLA、FLB、FLCを0にリセットす
る。
【0066】図13に示すように、デューティ比D1を
2次曲線に沿って増大させる(デューティ比Dの変化率
をPCV駆動開始時点からの経過時間の1次式に従って
増大させる)場合には、図7に示すパージエア導入制御
サブルーチンに代えて、図17に示すサブルーチンを実
行すればよい。このパージエア導入制御サブルーチンで
は、パージエア導入停止フラグFSTOPが1でないとステ
ップS70で判定すると、ECU50は、経過時間T1
の2乗と所定の係数Kとの積を今回制御サイクルでのデ
ューティ比Dとして算出し(ステップS73)、この算
出デューティ比DでPCV46が駆動される(ステップ
S78)。ステップS70での判定結果がYesであれば
制御フローは図14のステップS79へ進む。
【0067】本発明は、上記実施例および変形例に限定
されない。例えば、制御の具体的な手順を始め、各閾値
や増量分の具体的な値等については、本発明の主旨を逸
脱しない範囲で変更することが可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明の請求項1の故障診断装置によれ
ば、車両に搭載されたエンジンの燃料供給系で発生した
燃料蒸発ガスと外気とを含むパージエアをパージ通路を
介して吸気通路に導入する燃料蒸発ガス排出抑止装置に
おいて、前記パージエアの導入量を調整するパージ調整
手段と、前記パージエアの導入量の変化率が時間経過に
つれて段階的または連続的に増大するように前記パージ
調整手段を制御するパージエア増量手段と、前記エンジ
ンの運転状態を表す運転状態情報量を検出する運転状態
検出手段と、前記パージエア増量手段による前記パージ
調整手段の制御が開始された後に前記運転状態検出手段
により検出された前記運転状態情報量に基づき、前記燃
料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断を行う診断手段とを
備えるようにしたため、パージエアが正常に導入された
場合には運転状態変化が生じる一方、導入が行われなか
った場合には運転状態変化が起こらず、パージ制御手段
の故障診断を確実に行うことができると共に、パージエ
アの導入の開始後は、パージエアの導入量の変化率を時
間経過につれて段階的に又は連続的に増大させるため、
混合気のオーバリッチ化等に起因するトルク変動や燃焼
不良が緩和され、しかも、故障診断を迅速に行える。
【0069】また、請求項2の故障診断装置によれば、
請求項1記載の故障診断装置において、前記パージ調整
手段は、前記パージエア増量手段から送出される指令作
動量に応じて作動し、前記パージエア増量手段は、前記
指令作動量が所定量に達するまでは前記パージエアの導
入量が第1の変化率で増大するように前記パージ調整手
段を制御し、前記所定量に達した後は前記パージエアの
導入量が前記第1の変化率よりも大きい第2の変化率で
増大するように前記パージ調整手段を制御するようにし
たため、パージエア導入量が所定量に達するまでは、比
較的小さい第1の変化率でパージエア導入量を増大させ
るため、混合気のオーバリッチ化等に起因するトルク変
動や燃焼不良が緩和される。そして、パージエア導入量
が所定量に達しても運転状態が変化しない場合には、第
1の変化率より大きい第2の変化率でパージエアの導入
量を増大させるため、故障診断が確実かつ速やかに行わ
れる。
【0070】また、請求項3の故障診断装置によれば、
請求項1記載の故障診断装置において、前記パージエア
増量手段は、前記制御を開始した時点からの経過時間が
所定時間に達するまでは前記パージエアの導入量が第1
の変化率で増大するように前記パージ調整手段を制御
し、前記所定時間が経過した後は前記パージエアの導入
量が前記第1の変化率よりも大きい第2の変化率で増大
するように前記パージ調整手段を制御するようにしたた
め、パージエア導入時間が所定時間に達するまでは、比
較的小さい第1の変化率でパージエアの導入量を増大さ
せるため、混合気のオーバリッチ化等に起因するトルク
変動や燃焼不良が緩和される。そして、パージエア導入
時間が所定時間に達しても運転状態が変化しない場合に
は、第1の変化率より大きい第2の変化率でパージエア
導入量を増大させるため、故障診断が確実かつ速やかに
行われる。
【0071】また、請求項4の故障診断装置によれば、
請求項2記載の故障診断装置において、前記所定量は、
前記パージ調整手段が正常である場合に前記運転状態情
報量に有意な変化を生じさせる量のパージエアの導入を
実現するような前記パージ調整手段の作動量であるよう
にしたため、通常は、パージエア導入量を第2の変化率
で増大させるには至らずに診断が終了し、混合気のオー
バリッチ化等に起因するトルク変動や燃焼不良が緩和さ
れる。
【0072】また、請求項5の故障診断装置によれば、
請求項3記載の故障診断装置において、前記所定時間
は、前記パージ調整手段が正常である場合に前記運転状
態情報量に有意な変化を生じさせる量のパージエアの導
入を実現するような前記パージ調整手段の作動時間であ
るようにとしたため、通常はパージエア導入量を第2の
変化率で増大させるには至らずに診断が終了し、混合気
のオーバリッチ化等に起因するトルク変動や燃焼不良が
緩和される。
【0073】また、請求項6の故障診断装置によれば、
請求項2または3記載の故障診断装置において、前記診
断手段は、前記パージエア増量手段による前記パージ調
整手段の制御が開始された時点からの前記運転状態情報
量の変化量が所定の判定基準値を下回っている間は前記
燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断を繰り返し行い、
前記運転状態情報量の変化量が前記所定の判定基準値を
上回ると前記燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であると
判定するようにしたため、故障診断の精度が向上する。
【0074】また、請求項7の故障診断装置によれば、
請求項2または3記載の故障診断装置において、前記診
断手段は、前記パージエア増量手段による前記パージ調
整手段の制御が開始された時点から前記指令作動量また
は前記経過時間が所定の上限値に達した時点までの前記
運転状態情報量の変化量が、所定の判定基準値を下回っ
ているときに、前記燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障し
ていると判定するようにしたため、パージエア導入が過
渡的な段階にあるときの誤診断を防止でき、故障診断の
精度が向上する。
【0075】また、請求項8の故障診断装置によれば、
請求項2記載の故障診断装置において、前記パージ調整
手段は、前記パージエア増量手段から送出される指令デ
ューティ比に応じて開閉して前記パージ通路を介する前
記パージエアの流量を調整するパージ調整弁を備え、前
記パージエア増量手段は、前記指令デューティ比が所定
デューティ比に達するまでは前記指令デューティ比が第
1のデューティ比変化率で増大し、かつ、前記所定デュ
ーティ比に達した後は前記第1のデューティ比変化率よ
りも大きい第2のデューティ比変化率で増大するよう
に、前記指令デューティ比を変化させるようにしたた
め、混合気のオーバリッチ化等に起因するトルク変動や
燃焼不良を緩和しながら、故障診断を確実かつ速やかに
行うことが可能となる。
【0076】また、請求項9の故障診断装置によれば、
請求項8記載の故障診断装置において、前記診断手段
は、前記パージエア増量手段による前記パージ調整手段
の制御が開始された時点からの前記運転状態情報量の変
化量が所定の判定基準値を下回っている間は前記燃料蒸
発ガス排出抑止装置の故障診断を繰り返し行い、前記運
転状態情報量の変化量が前記所定の判定基準値を上回る
と前記燃料蒸発ガス排出抑止装置が正常であると判定す
るようにしたため、装置が故障しているとの誤診断を下
す虞が少なくなる。
【0077】また、請求項10の故障診断装置によれ
ば、請求項8記載の故障診断装置において、前記診断手
段は、前記パージエア増量手段から前記パージ調整手段
への前記指令デューティ比の送出が開始された時点から
前記指令デューティ比が所定の上限デューティ比に達し
た増大した時点までの前記運転状態情報量の変化量が、
所定の判定基準値を下回っているときに、前記燃料蒸発
ガス排出抑止装置が故障していると判定するようにした
ため、パージエア導入が過渡的な段階にあるときに、装
置が故障しているとの誤診断を下す虞が少なくなる。
【0078】また、請求項11の故障診断装置によれ
ば、請求項2または3記載の故障診断装置において、前
記エンジンは、エンジン制御手段により制御され、前記
エンジン制御手段は、前記エンジンに供給される混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記混合気の空
燃比を所定の目標空燃比に制御するフィードバック制御
のための制御補正量を、前記空燃比検出手段による検出
の結果に基づいて設定する制御補正量設定手段と、前記
エンジンへの燃料供給量を調整する燃料供給量調整手段
と、前記制御補正量設定手段によって設定された制御補
正量に基づいて前記燃料供給量調整手段を駆動制御する
燃料制御手段とを備え、前記運転状態検出手段は、前記
制御補正量設定手段によって設定された前記制御補正量
を前記運転状態情報量として検出するようにしたため、
導入されたパージエアの空燃比が所定値よりリッチある
いはリーンである場合には、パージシステムが正常であ
るとの診断を正確に行うことができる。
【0079】また、請求項12の故障診断装置によれ
ば、請求項2または3記載の故障診断装置において、前
記エンジンは、エンジン制御手段により制御され、前記
エンジン制御手段は、前記吸気通路を介して前記エンジ
ンに吸入される空気量を、前記エンジンのアイドル回転
速度を略一定に維持するように調整する吸入空気量調整
手段を備え、前記運転状態変化検出手段は、前記吸入空
気量調整手段の作動量を前記運転状態情報量として検出
するようにしたため、パージエアが少量でも導入された
場合には、パージシステムが正常であるとの診断を正確
に行うことができる。
【0080】また、請求項13の故障診断装置によれ
ば、請求項2または3記載の故障診断装置において、前
記運転状態変化検出手段は、前記エンジンの回転速度を
前記運転状態情報量として検出するようにしたため、パ
ージエアの導入によりエンジンの回転速度が多少でも変
化すれば、パージシステムが正常であるとの診断を正確
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る故障診断装置を適用したエンジン
制御系の一実施例を示した概略構成図である。
【図2】故障診断サブルーチンの手順を示したフローチ
ャートである。
【図3】故障診断サブルーチンの手順を示したフローチ
ャートである。
【図4】故障診断サブルーチンの手順を示したフローチ
ャートである。
【図5】故障時処理サブルーチンの手順を示したフロー
チャートである。
【図6】正常時処理サブルーチンの手順を示したフロー
チャートである。
【図7】パージエア導入制御サブルーチンの手順を示し
たフローチャートである。
【図8】パージエアの導入前後における、空燃比フィー
ドバックの積分項の変化を示したグラフである。
【図9】パージエアの導入前後における、エンジン回転
速度とアイドルスピードコントローラのバルブポジショ
ンとの変化を示したグラフである。
【図10】PCVの駆動デューティ比の変化を示したグ
ラフである。
【図11】本発明の変形例におけるデューティ比の変化
を示すグラフである。
【図12】本発明の別の変形例におけるデューティ比の
変化を示すグラフである。
【図13】本発明の更に別の変形例におけるデューティ
比の変化を示すグラフである。
【図14】図11に示す変形例におけるパージエア導入
制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図12に示す変形例におけるパージエア導入
制御サブルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図16】図15に一部を示したパージエア導入制御サ
ブルーチンの残部を示すフローチャートである。
【図17】図13に示す変形例におけるパージエア導入
制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 6 エアフローセンサ 7 スロットルバルブ 8 アイドルスピードコントローラ 9 吸気管 22 O2 センサ 23 三元触媒 24 排気管 25 クランク角センサ 27 スロットルセンサ 40 パージパイプ 41 キャニスタ 42 パージポート 43 導入パイプ 44 導入ポート 45 ベントポート 46 PCV 47 警告灯 50 ECU
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 345 F02D 45/00 345Z 362 362J (72)発明者 野村 俊郎 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 金尾 英嗣 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されたエンジンの燃料供給系
    で発生した燃料蒸発ガスと外気とを含むパージエアをパ
    ージ通路を介して吸気通路に導入する燃料蒸発ガス排出
    抑止装置において、 前記パージエアの導入量を調整するパージ調整手段と、 前記パージエアの導入量の変化率が時間経過につれて段
    階的または連続的に増大するように前記パージ調整手段
    を制御するパージエア増量手段と、 前記エンジンの運転状態を表す運転状態情報量を検出す
    る運転状態検出手段と、 前記パージエア増量手段による前記パージ調整手段の制
    御が開始された後に前記運転状態検出手段により検出さ
    れた前記運転状態情報量に基づき、前記燃料蒸発ガス排
    出抑止装置の故障診断を行う診断手段とを備えたことを
    特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  2. 【請求項2】 前記パージ調整手段は、前記パージエア
    増量手段から送出される指令作動量に応じて作動し、 前記パージエア増量手段は、前記指令作動量が所定量に
    達するまでは前記パージエアの導入量が第1の変化率で
    増大するように前記パージ調整手段を制御し、前記所定
    量に達した後は前記パージエアの導入量が前記第1の変
    化率よりも大きい第2の変化率で増大するように前記パ
    ージ調整手段を制御することを特徴とする、請求項1記
    載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記パージエア増量手段は、前記制御を
    開始した時点からの経過時間が所定時間に達するまでは
    前記パージエアの導入量が第1の変化率で増大するよう
    に前記パージ調整手段を制御し、前記所定時間が経過し
    た後は前記パージエアの導入量が前記第1の変化率より
    も大きい第2の変化率で増大するように前記パージ調整
    手段を制御することを特徴とする、請求項1記載の燃料
    蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  4. 【請求項4】 前記所定量は、前記パージ調整手段が正
    常である場合に前記運転状態情報量に有意な変化を生じ
    させる量のパージエアの導入を実現するような前記パー
    ジ調整手段の作動量であることを特徴とする、請求項2
    記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  5. 【請求項5】 前記所定時間は、前記パージ調整手段が
    正常である場合に前記運転状態情報量に有意な変化を生
    じさせる量のパージエアの導入を実現するような前記パ
    ージ調整手段の作動時間であることを特徴とする、請求
    項3記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記診断手段は、前記パージエア増量手
    段による前記パージ調整手段の制御が開始された時点か
    らの前記運転状態情報量の変化量が所定の判定基準値を
    下回っている間は前記燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障
    診断を繰り返し行い、前記運転状態情報量の変化量が前
    記所定の判定基準値を上回ると前記燃料蒸発ガス排出抑
    止装置が正常であると判定することを特徴とする、請求
    項2または3記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診
    断装置。
  7. 【請求項7】 前記診断手段は、前記パージエア増量手
    段による前記パージ調整手段の制御が開始された時点か
    ら前記指令作動量または前記経過時間が所定の上限値に
    達した時点までの前記運転状態情報量の変化量が、所定
    の判定基準値を下回っているときに、前記燃料蒸発ガス
    排出抑止装置が故障していると判定することを特徴とす
    る、請求項2または3記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置
    の故障診断装置。
  8. 【請求項8】 前記パージ調整手段は、前記パージエア
    増量手段から送出される指令デューティ比に応じて開閉
    して前記パージ通路を介する前記パージエアの流量を調
    整するパージ調整弁を備え、 前記パージエア増量手段は、前記指令デューティ比が所
    定デューティ比に達するまでは前記指令デューティ比が
    第1のデューティ比変化率で増大し、かつ、前記所定デ
    ューティ比に達した後は前記第1のデューティ比変化率
    よりも大きい第2のデューティ比変化率で増大するよう
    に、前記指令デューティ比を変化させることを特徴とす
    る、請求項2記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診
    断装置。
  9. 【請求項9】 前記診断手段は、前記パージエア増量手
    段による前記パージ調整手段の制御が開始された時点か
    らの前記運転状態情報量の変化量が所定の判定基準値を
    下回っている間は前記燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障
    診断を繰り返し行い、前記運転状態情報量の変化量が前
    記所定の判定基準値を上回ると前記燃料蒸発ガス排出抑
    止装置が正常であると判定することを特徴とする、請求
    項8記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  10. 【請求項10】 前記診断手段は、前記パージエア増量
    手段から前記パージ調整手段への前記指令デューティ比
    の送出が開始された時点から前記指令デューティ比が所
    定の上限デューティ比に達した増大した時点までの前記
    運転状態情報量の変化量が、所定の判定基準値を下回っ
    ているときに、前記燃料蒸発ガス排出抑止装置が故障し
    ていると判定することを特徴とする、請求項8記載の燃
    料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  11. 【請求項11】 前記エンジンは、エンジン制御手段に
    より制御され、 前記エンジン制御手段は、前記エンジンに供給される混
    合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記混合気
    の空燃比を所定の目標空燃比に制御するフィードバック
    制御のための制御補正量を、前記空燃比検出手段による
    検出の結果に基づいて設定する制御補正量設定手段と、
    前記エンジンへの燃料供給量を調整する燃料供給量調整
    手段と、前記制御補正量設定手段によって設定された制
    御補正量に基づいて前記燃料供給量調整手段を駆動制御
    する燃料制御手段とを備え、 前記運転状態検出手段は、前記制御補正量設定手段によ
    って設定された前記制御補正量を前記運転状態情報量と
    して検出することを特徴とする、請求項2または3記載
    の燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置。
  12. 【請求項12】 前記エンジンは、エンジン制御手段に
    より制御され、 前記エンジン制御手段は、前記吸気通路を介して前記エ
    ンジンに吸入される空気量を、前記エンジンのアイドル
    回転速度を略一定に維持するように調整する吸入空気量
    調整手段を備え、 前記運転状態変化検出手段は、前記吸入空気量調整手段
    の作動量を前記運転状態情報量として検出することを特
    徴とする、請求項2または3記載の燃料蒸発ガス排出抑
    止装置の故障診断装置。
  13. 【請求項13】 前記運転状態変化検出手段は、前記エ
    ンジンの回転速度を前記運転状態情報量として検出する
    ことを特徴とする、請求項2または3記載の燃料蒸発ガ
    ス排出抑止装置の故障診断装置。
JP8007268A 1995-02-10 1996-01-19 燃料蒸発ガス排出抑止装置の故障診断装置 Withdrawn JPH08277753A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101589571B1 (ko) * 2014-12-01 2016-01-28 주식회사 현대케피코 퍼지 콘트롤 솔레노이드 밸브의 닫힘 고착 판단 및 해소 방법
JP2018162737A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 株式会社デンソー 蒸発燃料処理装置
JP2019049270A (ja) * 2019-01-07 2019-03-28 株式会社デンソー 弁制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101589571B1 (ko) * 2014-12-01 2016-01-28 주식회사 현대케피코 퍼지 콘트롤 솔레노이드 밸브의 닫힘 고착 판단 및 해소 방법
JP2018162737A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 株式会社デンソー 蒸発燃料処理装置
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