JP2869282B2 - ボイラー - Google Patents

ボイラー

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JP2869282B2
JP2869282B2 JP5026724A JP2672493A JP2869282B2 JP 2869282 B2 JP2869282 B2 JP 2869282B2 JP 5026724 A JP5026724 A JP 5026724A JP 2672493 A JP2672493 A JP 2672493A JP 2869282 B2 JP2869282 B2 JP 2869282B2
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英樹 伊藤
茂 小原
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Sanyo Denki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床暖房パネルやファン
コンベクター等の放熱器に加熱した熱媒液を循環供給す
るボイラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のボイラーとしては、例え
ば、特開平1−200150号公報に開示されているよ
うに、内、外胴間に熱媒液を貯溜する液室が形成され、
この液室の内側に燃焼室が形成された筒状の缶体と、こ
の缶体を加熱するバーナを外装体内の上部に設けるとと
もに、循環ポンプを外装体内の下部に設け、缶体と循環
ポンプとの間にリザーブタンクを配置することにより、
装置のコンパクト化を図ったものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のボイラーは、缶体が外装体の上部に横置きに設置さ
れている。このように缶体を横置きに設置した場合、例
えば、最大熱出力が約5000kcal/h以下の小熱
出力のものでは、それ程大きな液室を必要としないた
め、缶体の長手寸法を短くでき、設置スペースの小さい
縦長状の外装体内に収容できるが、例えば、最大熱出力
が7000kcal/h以上の大熱出力のものでは、大
きな液室を必要とし、その分だけ缶体の長手寸法が長く
なり、缶体を横置きに設置した場合には、外装体の形状
が横長状になり、大きな設置スペースを必要とする問題
があった。
【0004】そこで、缶体を縦置きに設置すれば、大き
な液室を必要とする大熱出力のものであっても、缶体を
縦長状の外装体内に収容でき、設置スペースが小さくて
済むが、その場合、缶体内の空気が除去しにくくなり、
例えば、缶体と放熱器との間の熱媒液の循環経路中に空
気がたまり、熱媒液の循環を阻害する問題が生じる心配
があった。
【0005】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであり、大熱出力のものであっても、設置スペースを
小さく抑えつつ、熱媒液中に含まれる空気を分離させて
確実に大気に放出できるようにするとともに、気液分離
構造を簡略化できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、内、外胴間
に熱媒液を貯溜する液室が形成され、この液室の内側に
燃焼室が形成された缶体と、この缶体の燃焼室に臨ませ
たバーナと、液室の熱媒液を放熱器に循環させる循環ポ
ンプと、熱媒液を補給するためのリザーブタンクとを外
装体内に収容したものにおいて、外装体内に缶体を立て
て設け、液室の出口部と循環ポンプの入口側とを連絡す
る循環パイプの中間部を液室よりも上方に延設してその
循環パイプ自体を気液分離部となし、この気液分離部に
はリザーブタンクに配管接続された圧力調節弁が設けら
れている構成である。
【0007】
【作用】筒状の缶体を外装体内に立てて設けたことによ
り、大きな液室を持つ缶体であっても、縦長状の外装体
に収容することができ、設置スペースを小さくできる
かりでなく、缶体の運転によって膨張する熱媒液の膨張
分は、循環パイプ上部の気液分離部及び圧力調節弁を介
してリザーブタンクに流れるので、循環パイプに流れ出
した熱媒液中に含まれる空気は、気液分離部で分離さ
れ、圧力調節弁からリザーブタンクに排出されるため、
熱媒液中の空気を確実に大気に放出でき、しかも、循環
パイプの中間部を液室よりも上方に延設してその循環パ
イプ自体を気液分離部となしたことにより、熱媒液中に
含まれる空気を分離させるための気液分離構造の簡素化
が図れる
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図4の
図面に基づいて説明する。図において、1は架台2、周
側板3、天板4及び着脱可能な前パネル5からなる縦長
箱体状の外装体であり、この外装体1内の一側部には、
ステンレス鋼製の缶体6、この缶体6の上部に連結され
た消音器7及び循環ポンプ8が収容されるとともに、外
装体1内の他側部には、前記缶体6を加熱するガンタイ
プバーナにてなるバーナ9、このバーナ9に燃焼空気を
供給する送風機10、この送風機10の吸い込み口に下
部を連結した合成樹脂製の給気管11及び大気開放のリ
ザーブタンク12が収容され、このリザーブタンク12
は外装体1内の下部の架台2上に設置されている。
【0009】13は前記架台2上に取り付けた支持台で
あり、この支持台13の上には前記缶体6を立てて載置
固定するとともに、支持台13の内部空間には前記循環
ポンプ8が収容されている。前記缶体6は内胴14、外
胴15及び複数の煙管16,16等から構成され、前記
内胴14の内側にはバーナ9の先端部を臨ませた燃焼室
17が形成されるとともに、内胴14と外胴15との間
には熱媒液としての水とエチレングリコール等の循環水
を貯溜する液室18が形成されており、また、前記複数
の煙管16,16は、内胴14の頂部よりも上方の液室
18を貫通している。
【0010】前記燃焼室17で燃焼された高温の排気ガ
スは、図1に示すように、複数の煙管16,16を通
り、液室18の循環水と熱交換され、その後、消音器7
内を通って排気管19から外装体1の外部に排出され
る。
【0011】20は中間部に設けた接続口部21を前記
液室18の頂部の出口部22に接続した中空円筒状の金
属製循環パイプであり、この循環パイプ20は中間部及
び上部が下部よりも大径となされ、この循環パイプ20
の縮径された下部は循環ポンプ8の入口側に可撓性ホー
ス23を介して連絡されるとともに、上部は液室18よ
りも上方に延設して気液分離部24となし、この気液分
離部24の頂部、即ち、循環パイプ20の上端には、可
撓性の細パイプ25(配管)を介して前記リザーブタン
ク12に接続された2方向性の圧力調節弁26を装着し
ている。
【0012】前記2方向性の圧力調節弁26は、缶体6
の運転によって循環水が膨張し、液室18や循環パイプ
20内の圧力が所定値を越えると、流出口27を閉塞し
ている第1の弁体28が、第1のバネ29を圧縮してキ
ャップ30側に移動することにより流出口27が開放さ
れ、循環パイプ20内の循環水を細パイプ25を通して
リザーブタンク12に排出する。一方、液室18や循環
パイプ20内の圧力が所定値以下になると、流入口31
を閉塞している第2の弁体32が第2のバネ33を圧縮
して流入口31を開放し、リザーブタンク12内の補給
水を細パイプ25を通して循環パイプ20内に補給でき
るようにしている。
【0013】34は循環ポンプ8の出口側に接続された
行き管であり、この行き管34は途中で2方向に分岐さ
れ、この分岐された複数の行き口35,36は、図4に
示すように、外装体1の対向する2面を貫通して2方向
の外部に臨ませてあり、それら行き口35,36のう
ち、利用しない一方は止め栓37をしておく。
【0014】38は行き接続管、39は床暖房パネル、
ファンコンベクター等の外部放熱器、40は戻り接続
管、41,42は前記缶体6の液室18下部に対向して
設けられた排水口兼用の複数の戻り口部であり、これら
戻り口部41,42は、前記行き口35,36と同じ面
の外装体1の対向する2面を貫通して、2方向の外部に
臨ませてあり、これら戻り口部41,42のうち、利用
しない一方は通常、止め栓43をしておき、循環水の排
水、エチレングリコール等の不凍液の注入に利用する。
44は前記圧力調節弁26のキャップ30の外回りを覆
うカバーである。
【0015】上述の構成において、運転が開始される
と、バーナ9が燃焼して缶体6が加熱され、循環ポンプ
8の駆動によって、約50〜70℃に温められた液室1
8の循環水が、循環ポンプ20、可撓性ホース23を介
して循環ポンプ8に吸引され、この循環ポンプ8から行
き管34、行き接続管38を通って外部放熱器39に流
れ、この外部放熱器39で放熱した後、戻り接続管40
を通って戻り口部41から液室18の下部に戻され、暖
房運転が行われる。
【0016】本実施例によれば、内胴14と外胴15と
の間に循環水を貯溜する液室18が形成され、この液室
18の内側に燃焼室17が形成された筒状の缶体6を、
外装体1内の一側部に立てて設けた構造であるため、最
大熱出力が7000kcal/h以上(例えば、130
00kcal/h)の大熱出力で、大きな液室18を持
つ缶体6の上に消音器7が連結された場合、縦長箱体状
の外装体1に収容することで、外装体1の幅寸法を小さ
くすることができ、設置の際に大きな設置スペースを必
要としない。
【0017】また、缶体6の液室18の出口部22に、
下部を循環ポンプ8の入口側に連絡した循環パイプ20
の中間部を接続し、この循環パイプ20の上部は液室1
8よりも上方に延設してその循環パイプ20自体で気液
分離部24を形成したので、気液分離部24と循環パイ
プ20とは一部品となって気液分離タンク等の別部品が
不要となり、気液分離構造の簡略化が図れる。また、
液分離部24の頂部にはリザーブタンク12に細パイプ
25を介して接続した圧力調節弁26を設けたので、缶
体6の運転によって膨張する循環水の膨張分は、循環パ
イプ20上部の気液分離部24、圧力調節弁26及び細
パイプ25を介してリザーブタンク12に流れるため、
循環パイプ20に流れ出した循環水中に含まれる空気は
気液分離部24で分離され、圧力調節弁26及び細パイ
プ25から大気開放のリザーブタンク12に排出される
ため、循環水中の空気を確実に大気に放出でき、エアー
かみによる問題がなくなる。
【0018】また、上述の実施例のものでは、排水口兼
用の複数の戻り口部41,42が、行き口35,36と
同じ面の外装体1の対向する2面を貫通して、2方向の
外部に臨ませてあるので、これら戻り口部41,42の
うちの一方を循環水の排水口を兼ねた不凍液の注入口と
して利用でき、不凍液の注入や循環水の排水を容易に行
うことができ、工事性やメンテナンス性を高めることが
できる。さらに、缶体6、消音器7、バーナ9の関連部
品を石油小型給湯機と共通化でき、設計面及びコスト面
で有利となる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明のボイラーに
よれば、外装体内に缶体を立てて設けた構成であるか
ら、缶体を縦長状の外装体に収容でき、設置の際に大き
なスペースを必要としないばかりでなく、液室の出口部
と循環ポンプの入口側とを連絡する循環パイプの中間部
を液室よりも上方に延設してその循環パイプ自体を気液
分離部となし、この気液分離部にはリザーブタンクに配
管接続された圧力調節弁が設けられている構成であるか
ら、熱媒液中に含まれる空気を分離させて確実に大気に
放出でき、しかも、気液分離タンク等の別部品を用いる
ことなく、循環パイプの一部を利用して、熱媒液中の空
気を分離することが可能となり、その結果、気液分離構
造が簡略化され、部品コストや製造コストを削減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すボイラーの断面図であ
る。
【図2】同じく架台に缶体を組み込んだ状態の斜視図で
ある。
【図3】同じく圧力調節弁部分の断面図である。
【図4】同じくボイラーの正面図である。
【符号の説明】
1 外装体 6 缶体 8 循環ポンプ 9 バーナ 12 リザーブタンク 14 内胴 15 外胴 17 燃焼室 18 液室 20 循環パイプ 24 気液分離部 26 圧力調節弁
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭55−87449(JP,U) 実開 昭59−189031(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24H 9/00 F24D 3/10 F24H 1/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内、外胴間に熱媒液を貯溜する液室が形
    成され、この液室の内側に燃焼室が形成された缶体と、
    この缶体の燃焼室に臨ませたバーナと、液室の熱媒液を
    放熱器に循環させる循環ポンプと、熱媒液を補給するた
    めのリザーブタンクとを外装体内に収容したものにおい
    て、外装体内に缶体を立てて設け、液室の出口部と循環
    ポンプの入口側とを連絡する循環パイプの中間部を液室
    よりも上方に延設してその循環パイプ自体を気液分離部
    となし、この気液分離部にはリザーブタンクに配管接続
    された圧力調節弁が設けられていることを特徴とするボ
    イラー。
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