JP2866399B2 - 振幅減衰器 - Google Patents

振幅減衰器

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Description

【発明の詳細な説明】 [概要] 交流信号を尖頭値保持して得られた値を例えば1/2に
振幅減衰する減衰器に関し、 抵抗による電圧分割ではなく、切換コンデンサ型の電
圧分割により、簡易で正確な分割電圧を得るようにした
振幅減衰器を提供することを目的とし、 非反転入力端子に第1の電源の1/2の電圧が印加され
た演算増幅器と、前記演算増幅器の反転入力端子と出力
端子との間に設けられた第1のスイッチと、前記演算増
幅器の反転入力端子と、入力端子又は前記出力端子とを
選択的に接続する第2のスイッチと、前記演算増幅器の
反転入力端子と、前記第1の電源又は前記出力端子とを
選択的に接続する第3のスイッチと、前記演算増幅器の
反転入力端子と、第2の電源又は前記出力端子とを選択
的に接続する第4のスイッチとを有し、前記第2のスイ
ッチと前記演算増幅器の反転入力端子との間には第1の
容量が設けられ、前記第3のスイッチと前記演算増幅器
の反転入力端子との間には第2の容量が設けられ、前記
第4のスイッチと前記演算増幅器の反転入力端子との間
には第3の容量が設けられていることとして構成する。
[産業上の利用分野] 本発明は交流信号を尖頭値保持して得られた値を例え
ば1/2に振幅減衰する減衰器に関する。
従来、演算増幅器とスイッチ切換型コンデンサとの組
合せで構成した振幅減衰器は、減衰値の中心電圧として
直流電圧を抵抗分割して得ていたため、誤差が大きかっ
た。簡易な構成で正確な分割電圧を得る技術を開発する
ことが要望された。
[従来の技術] 単一電源で動作するマイクロコントローラに内蔵され
るアナログ・ディジタル変換器に対する入力信号を、当
初の信号より減衰させるための振幅減衰器は第3図のよ
うに構成していた。第3図において、1は演算増幅器、
2−1,2−2はコンデンサ3−1,3−2,3−3は切換スイ
ッチ、4は標本化保持回路、5は電圧Vccの電源、6−
1,6−2は抵抗素子、7は信号入力信号、8は減衰した
信号の出力端子を示す。信号入力端子7における振幅が
第4図に示すように接地電位から電圧Vccの大きさのパ
ルスであったとし、標本化保持回路4において、振幅Vc
cの大きさのパルスをVinとして入力させる。このとき切
換スイッチがコンデンサ2−1を介して演算増幅器1に
入力させる。このとき切換スイッチ3−1は閉じてお
く。次いでパルスVinの期間中に切換スイッチ3−1〜
3−3を総て図示側に切換えると、演算増幅器の動作に
おいて、その出力端子8には振幅1/2Vinの振幅が出力さ
れる。そのとき出力端子の減衰信号は電圧1/2Vccを中心
として振幅1/2Vinの信号となっている。中心電圧1/2Vcc
は演算増幅器1の非反転入力端子の電圧に等しい値であ
る。このように入力信号を減衰させる理由は、出力信号
端子8に接続される装置がマイクロプロセッサ・A/D変
換器などであって、動作上入力信号の振幅を制限してい
るからである。
[発明が解決しようとする課題] 第3図における電圧1/2Vccを得るとき、電源Vccを等
しい値の抵抗素子6−1,6−2により分割している。そ
して演算増幅器1と更には、後段の装置を含め、共通基
板上に半導体装置を製造する技術を適用することが多
い。抵抗素子となる6−1,6−2はCMOS製造技術では、
例えば拡散層を使用して得るためその抵抗値を完全に等
しくすることが難しく、特に小面積において一致させる
ことが難しいので1/2Vccの値が不正確になる欠点が生じ
た。そのため減衰した振幅値の中心値1/2Vccの値と、1/
2Vinの値の両者が不正確となった。
本発明の目的は前述の欠点を改善し、抵抗素子による
電圧分割ではなく、切換コンデンサ型の電圧分割によ
り、簡易で正確な分割電圧を得るようにした振幅減衰旗
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 第1図は本発明の原理構成を示す図である。第1図に
おいて、1は演算増幅器、2−1はコンデンサで容量が
他に比して2倍大きいもの、2−2,2−3はコンデン
サ、3−1〜3−4は切換スイッチ、5は直流電源Vc
c、7は信号入力端子、8は信号出力端子を示す。
本発明は下記の構成となる。即ち、 請求項1に記載の発明は、非反転入力端子(+)に第
1の電源の1/2の電圧が印加された演算増幅器1と、前
記演算増幅器1の反転入力端子(−)と出力端子8との
間に設けられた第1のスイッチ3−1と、前記演算増幅
器1の反転入力端子(−)と、入力端子7又は前記出力
端子8とを選択的に接続する第2のスイッチ3−2と、
前記演算増幅器1の反転入力端子(−)と、前記第1の
電源又は前記出力端子8とを選択的に接続する第3のス
イッチ3−3と、前記演算増幅器1の反転入力端子
(−)と、第2の電源又は前記出力端子8とを選択的に
接続する第4のスイッチ3−4とを有し、前記第2のス
イッチ3−2と前記演算増幅器1の反転入力端子(−)
との間には第1の容量2−1が設けられ、前記第3のス
イッチ3−3と前記演算増幅器1の反転入力端子(−)
との間には第2の容量2−2が設けられ、前記第4のス
イッチ3−4と前記演算増幅器1の反転入力端子(−)
との間には第3の容量2−3が設けられているように構
成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振幅減衰
器において、前記第2の容量2−2の大きさと前記第3
の容量2−3の大きさとが等しく、前記第1の容量2−
1の大きさは前記第2の容量2−2の大きさ及び前記第
3の容量2−3の大きさよりも大きいように構成され
る。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記
載の振幅減衰器において、前記第1の容量2−1、前記
第2の容量2−2及び前記第3の容量2−3はコンデン
サであるように構成される。
[作用] 入力信号Vinは振幅を減衰するための入力パルス電
圧、Vccは直流電源の電圧とする。減衰信号を得ない動
作時は、図示と反対側に総ての切換スイッが操作され、
減衰信号を得る動作時には切換スイッチが図示のように
操作されているとする。演算増幅器の反転入力端子にお
ける蓄積電荷を調べると、切換スイッチの操作によって
電荷量に変化はない筈であるから、その結果より、端子
8の出力電圧Voは1/2Vin+1/4Vccとなることが判る。こ
の値は出力電圧の中心値が正確に1/2Vccでなくても常に
成立するから、振幅減衰器として有効である。
[実施例] 第2図は本発明の実施例の構成を示す図で、第1図と
同一符号は同様のものを示す。第2図において、9−1,
9−2はMOS FETのインバータ回路について、その入出力
端子を短絡し、抵抗素子と同様に接続したもので、電圧
を分割して1/2Vccを得ている。今、減衰信号を得ない動
作のとき、切換スイッチが図示と反対側に操作されてい
て、その時の演算増幅器の反転端子のチャージQ1を求め
ると(同端子の電位をV1とする) Q1=4C(Vin−V1)+2C(Vcc−V1) +2C(0−V1) 次に減衰信号を得る動作のとき、切換スイッチは、図
示の側に操作され、同じ端子のチャージQ2を求めると Q2=8C(V0−V2) チャージ保存の法則からQ1=Q2 また演算増幅器は常に帰還がかかっているから、 V1=V2≒1/2Vcc よって4(Vin−V1)+2(Vcc−V1) +2(0−V1)=8(Vo−V1) ∴ Vo=1/2Vin+1/4Vcc 即ち出力電圧Voはこの式で示すように安定したもので
ある。
以上の説明は1/2Vccを中心に1/4Vccの振幅を得ること
であったが、本発明によると1/4Vccを中心に所定の振幅
に減衰した信号を得ることが可能である。例えば3/5の
振幅に減衰させるとき、コンデンサの容量比を下記の式
が成立するように選定する。
6(Vin+V1)+2(Vcc−V1)+2(0−V1) =10(V0−V1) 即ち、コンデンサ2−1を6C,コンデンサ2−2,2−3
を各々2Cに選定する。
一般に a(Vin−V1)+b(Vcc−V1)+c(0−V1) =d(V0−V1) の式において中点1/2Vccに対して振幅がxとなるように
するためには、 x=a/d,(1−x)/2=b/d d=a+b+c が成立するようにコンデンサの容量比を選定する。
また入力信号Vinが切換スイッチの切換速さと比較し
充分に遅い交流信号のときは、パルス信号入力の場合と
同様に動作させることが出来る。
[発明の効果] このようにして本発明によると、マイクロプロセッサ
・A/D変換器などの半導体回路基板を共通にした振幅減
衰器において特に有効であるが、その基板上にコンデン
サを製作しておけばその面積比によって、簡易正確な値
の振幅減衰した信号を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成を示す図、 第2図は本発明の実施例の構成を示す図、 第3図は従来の振幅減衰器の構成を示す図、 第4図は第3図の動作説明の図である。 1……演算増幅器 2−1,2−2,2−3……コンデンサ 3−1〜3−4……切換スイッチ 5……直流電源 7……信号入力端子 8……信号出力端子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非反転入力端子に第1の電源の1/2の電圧
    が印加された演算増幅器と、 前記演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に設け
    られた第1のスイッチと、 前記演算増幅器の反転入力端子と、入力端子又は前記出
    力端子とを選択的に接続する第2のスイッチと、 前記演算増幅器の反転入力端子と、前記第1の電源又は
    前記出力端子とを選択的に接続する第3のスイッチと、 前記演算増幅器の反転入力端子と、第2の電源又は前記
    出力端子とを選択的に接続する第4のスイッチとを有
    し、 前記第2のスイッチと前記演算増幅器の反転入力端子と
    の間には第1の容量が設けられ、 前記第3のスイッチと前記演算増幅器の反転入力端子と
    の間には第2の容量が設けられ、 前記第4のスイッチと前記演算増幅器の反転入力端子と
    の間には第3の容量が設けられていること を特徴とする振幅減衰器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の振幅減衰器において、 前記第2の容量の大きさと前記第3の容量の大きさとが
    等しく、 前記第1の容量の大きさは前記第2の容量の大きさ及び
    前記第3の容量の大きさよりも大きいこと を特徴とする振幅減衰器。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の振幅減衰器
    において、 前記第1の容量、前記第2の容量及び前記第3の容量は
    コンデンサであることを特徴とする振幅減衰器。
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