JP2864977B2 - 車両用前照灯装置 - Google Patents

車両用前照灯装置

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JP2864977B2
JP2864977B2 JP33351793A JP33351793A JP2864977B2 JP 2864977 B2 JP2864977 B2 JP 2864977B2 JP 33351793 A JP33351793 A JP 33351793A JP 33351793 A JP33351793 A JP 33351793A JP 2864977 B2 JP2864977 B2 JP 2864977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用前照灯装置にかか
り、詳細には、車両の前方を照射するヘッドランプの配
光を制御する車両用前照灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、夜間等にドライバー前方の視
認性を向上させるために、大きな光量で遠方を照射する
状態と小さな光量で近傍を照射する状態等の配光(所謂
ロービームとハイビーム)が切り換え可能なヘッドラン
プが配設されている。このヘッドランプは、車両の略先
端に固定されて予め定められた比較的広範囲を照射して
いる。
【0003】このヘッドランプを備えた車両が走行する
通常の道路では、自車両とすれちがう対向車両が自車両
前方に存在することがある。この自車両前方に対向車両
が存在する場合に、ヘッドランプが遠方を照射する状態
では、対向車両へ向けて大きな光量の光が照射されて対
向車両のドライバーが眩しく感じる。このために、対向
車両のヘッドランプからの光を含む自車両の周囲の光量
をセンサによって検出し、この検出値に基づいて自車両
のヘッドランプの光量を制御する光量制御装置がある
(実開昭63−129641号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような光量制御装置では、比較的大きな光量の光を自車
両へ向けて照射する対向車両のヘッドランプの光量で自
車両のヘッドランプの光量を制御するため、自車両前方
に対向車両が存在しない場合には、後方への照射光量が
少ない先行車両が存在しても大きな光量の光を自車両前
方へ照射する。このため、先行車両のドライバーは後方
確認のためのバックミラーやフェンダーミラーに反射さ
れた後続の自車両のヘッドランプによる光によってグレ
アを受ける(眩しく感じる)。
【0005】また、上記のような光量を制御する光量制
御装置を備えた車両が対向した場合には、何れの車両も
光量を制御しようとするため、一方の車両のヘッドラン
プが暗くなると共に他方の車両のヘッドランプが明るく
なる。このため、ヘッドランプが明るくなる他方の車両
の前方に先行車両が存在するときには、やはり先行車両
のドライバーは自車両のヘッドランプによる光によって
グレアを受ける。
【0006】本発明は、上記事実を考慮し、他車両に対
して眩しさを与えることがなく、ドライバーが目視する
最適な明るさの光を照射することができる車両用前照灯
装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、所定の明るさの第1のラン
プと明るさが変更可能な第2のランプとから構成される
ヘッドランプと、自車両の前方を走行する他車両までの
車間距離を検出する車間距離検出手段と、検出された車
間距離に基づいて前記他車両にグレアを与えないように
前記第2のランプの明るさを制御する制御手段と、を備
えている。
【0008】請求項2に記載の発明は、所定の明るさの
第1のランプと明るさが変更可能な第2のランプとから
構成されるヘッドランプと、自車両の前方を走行する他
車両が先行車両か対向車両を判別する判別手段と、 前
記他車両までの車間距離を検出する車間距離検出手段
と、前記判別手段の判別結果及び該当する他車両の車間
距離に基づいて前記他車両にグレアを与えないように前
記第2のランプの明るさを制御する制御手段と、を備え
ている。
【0009】請求項3に記載の発明の車両用前照灯装置
は、所定の明るさであると共に照射方向及び照射範囲の
少なくとも一方が変更可能な第1のランプと、明るさが
変更可能な第2のランプとから構成されるヘッドランプ
と、自車両の前方を走行する他車両の位置を検出する位
置検出手段と、検出された他車両の位置が前記ヘッドラ
ンプの変更可能な照射方向及び照射範囲の少なくとも一
方を越えたときに、該当する他車両の位置に基づいて該
他車両にグレアを与えないように前記第2のランプの明
るさを制御する制御手段と、を備えている。
【0010】請求項4に記載の発明の車両用前照灯装置
は、所定の明るさであると共に照射方向及び照射範囲の
少なくとも一方が変更可能な第1のランプと、明るさが
変更可能な第2のランプとから構成されるヘッドランプ
と、自車両の前方を走行する他車両までの車間距離を検
出する車間距離検出手段と、検出された他車両までの車
間距離が予め定めた所定距離以上であるときに、前記ヘ
ッドランプの照射方向及び照射範囲の少なくとも一方を
該車間距離に基づいて予め定めた所定の状態に変更する
と共に、該車間距離に基づいて該他車両にグレアを与え
ないように前記第2のランプの明るさを制御する制御手
段と、を備えている。
【0011】
【作用】請求項1に記載した発明の車両用前照灯装置
は、所定の明るさの第1のランプと明るさが変更可能な
第2のランプとから構成されるヘッドランプを備えてい
る。この第1のランプはロービーム用ランプを、第2の
ランプはハイビーム用ランプに対応させることができ
る。車間距離検出手段は、自車両の前方を走行する他車
両までの車間距離を検出する。この場合の他車両は、自
車両の前方の画像を検出する画像検出手段(カメラ)で
検出してもよく、測距器で測定してもよい。画像検出手
段を用いた場合には検出された画像を用いた画像処理に
よって自車両から他車両までの車間距離を求めることが
できる。従って、求めた車間距離に基づいて第2のラン
プ、例えばハイビーム用ランプの明るさを制御すれば、
他車両に対してグレアを与えることない明るさで自車両
前方を照射することができる。
【0012】請求項2に記載した発明の車両用前照灯装
置は、自車両の前方を走行する他車両が先行車両か対向
車両かを判別する判別手段を備えている。これによっ
て、他車両の種類を特定できる。従って、判別手段の判
別結果、すなわち他車両の種類及び該当する他車両の車
間距離に基づいて第2のランプ、例えばハイビーム用ラ
ンプの明るさを制御することにより、他車両として先行
車両及び対向車両が混在する場合であっても、走行中の
他車両に対してグレアを与えることない明るさで自車両
前方を照射することができる。
【0013】なお、先行車両までの車間距離と明るさと
の第1の関係と対向車両までの車間距離と明るさとの第
2の関係を予め記憶する記憶手段を更に設けて、所望の
関係を呼び出すこともできる。
【0014】請求項3に記載の発明の車両用前照灯装置
は、所定の明るさであると共に照射方向及び照射範囲の
少なくとも一方が変更可能な第1のランプと、明るさが
変更可能な第2のランプとから構成されるヘッドランプ
を備えている。この第1のランプはロービーム側のラン
プとしてもよく、新たに設けてもよい。また、第2のラ
ンプはハイビーム側のランプとしてもよく、新たに設け
てもよい。位置検出手段は、自車両の前方を走行する他
車両の位置を検出する。この場合の他車両は、自車両の
前方の画像を検出する画像検出手段(カメラ)で検出し
てもよく、測距器で測定した車間距離及び方向から定め
てもよい。画像検出手段を用いた場合には検出された画
像を用いた画像処理による画像上の他車両の位置から実
際の他車両の位置を求めることができる。ここで、坂等
の勾配を有している道路では、ドライバーの視界は道路
の勾配に応じて変動すると共に、自車両から他車両への
視線方向も上下に変位する。これにより、上記のような
照射方向及び照射範囲が変更可能なヘッドランプの制御
範囲外に他車両が位置することがある。このため、ドラ
イバーに必要な視界が確保されないことがある。そこ
で、制御手段は、検出された他車両の位置がヘッドラン
プの変更可能な照射方向及び照射範囲の少なくとも一方
を越えたときに、該当する他車両の位置に基づいて該他
車両にグレアを与えないように第2のランプの明るさを
制御する。従って、第1のランプにおける照射方向及び
照射範囲を越えた範囲で制御が必要な場合にあっては第
2のランプの明るさで補われ、他車両に対してグレアを
与えることない明るさで視認性を向上させることができ
るように自車両前方を照射することができる。
【0015】請求項4に記載の発明の車両用前照灯装置
では、車間距離検出手段によって自車両の前方を走行す
る他車両までの車間距離が検出される。車間距離が長く
なると微小な照射方向及び照射範囲の変動であっても、
他車両に対する影響は大きくなる。そこで、制御手段
は、検出された車間距離が予め定めた所定距離以上であ
るときに、ヘッドランプの照射方向及び照射範囲の少な
くとも一方を該車間距離に基づいて予め定めた所定の状
態に変更すると共に、該車間距離に基づいて該他車両に
グレアを与えないように第2のランプの明るさを制御す
る。この所定の状態には、他車両にグレアを与えない十
分な所定の照射方向及び照射範囲の少なくとも一方の状
態がある。このため、車間距離が長いときには予め定め
た他車両にグレアを与えない十分な所定の照射方向及び
照射範囲に設定されるので、例えば照射方向及び照射範
囲を僅かに変更しても他車両にグレアを与えることが予
想されるような場合には、第2のランプの明るさで補わ
れ、他車両に対してグレアを与えることない明るさで視
認性を向上させることができるように自車両前方を照射
することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の第1実施例
を詳細に説明する。第1実施例は、車両の前方に配設さ
れた明るさが変更可能なヘッドランプの配光を制御する
ヘッドランプの制御装置に本発明を適用したものであ
る。なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは
車体上方方向を、矢印LHは車幅左方方向を、矢印RH
は車幅右方方向を、示す。また、本第1実施例では、説
明を簡単にするため、明るさが変更可能なランプとし
て、ハイビーム側ランプを設定し、所定の明るさのラン
プとして、ロービーム側ランプを設定している。
【0017】図1に示したように、車両10のフロント
ボデー10Aの上面部には、エンジンフード12が配置
されており、フロントボデー10Aの前端部の車幅方向
両端部に固定されたフロントバンパ16の上部には、左
右一対(車幅方向両端部)のヘッドランプ18、20が
配設されている。また、エンジンフード12の後端部付
近には、ウインドシールドガラス14が設けられてい
る。このウインドシールドガラス14の上方でかつ車両
10内部(ドライバーの目視位置、所謂アイポイント近
傍)には夜間車両前方を撮影するためのカメラ22が配
置されている。このカメラ22は、画像処理装置48
(図3)に接続されている。このカメラ22は、X線や
粒子線等を受光した暗い可視像の強度を増倍して明るい
可視像に変換するイメージインテンシファイヤー管によ
る暗視用のカメラを用いてもよい。なお、車両10内の
図示しないスピードメーターのケーブルには、車両10
の車速Spを検知する車速センサ66(図3)が配設され
ている。
【0018】図2に示したように、車両10内には、ス
テアリング26が備えられている。このステアリング2
6の図示しない回転軸付近には、ターンシグナルレバー
28及びワイパコントロールレバー30が配設されてい
る。
【0019】ターンシグナルレバー28の先端部に取り
付けられたライトコントロールスイッチ32(図3)
は、ヘッドランプ18、20を点灯と消灯とに切り換え
指示するスイッチであり、ターンシグナルレバー28の
先端部をターンシグナルレバー28の軸を中心として回
転させるとオンオフする。このライトコントロールスイ
ッチ32がオンすることによってヘッドランプ18、2
0が点灯または消灯する。
【0020】車両10の左側に配設されたヘッドランプ
18は、略同様の構成のロービーム側ランプL1とハイ
ビーム側ランプL2とを有している。ロービーム側ラン
プL1はバルブ40S(図3)を備えている。このバル
ブ40Sは、通常車両10のヘッドランプとして配設さ
れる明るさ(ワットW数、例えば、55W)のバルブが
用いられる。ハイビーム側ランプL2はバルブ40C
(図3)を備えている。バルブ40Cは遠方までを照射
するために、上記バルブ40Sより高出力(例えば、8
5W)のバルブが用いられる。なお、バルブ40Cの出
力は、バルブ40Sと同一であってもよい。
【0021】ヘッドランプ20は、上記ヘッドランプ1
8と同様の構成でかつ車幅に沿った車両10の中心(前
後方向、図1矢印FR方向)を軸として対象な位置に配
設された、バルブ41Sを備えたロービーム側ランプR
1とバルブ41Cを備えたハイビーム側ランプR2とを
有している(図3)。このロービーム側ランプR1及び
ハイビーム側ランプR2の各々の光軸は、上記ヘッドラ
ンプ18と略同一方向となるように配設されている。
【0022】図3に示すように、ヘッドランプ18、2
0の光量制御するための制御装置50は、リードオンリ
メモリ(ROM)52、ランダムアクセスメモリ(RA
M)54、中央処理装置(CPU)56、入力ポート5
8、出力ポート60、ドライバ64及びこれらを接続す
るデータバスやコントロールバス等のバス62を含んで
構成されている。なお、このROM52には、後述する
マップ及びヘッドランプの制御を行なうための制御プロ
グラムが記憶されている。入力ポート58には、車速セ
ンサ66及び画像処理装置48を介してカメラ22が接
続されている。出力ポート60は、ドライバ64を介し
て電圧設定回路66、68の制御端67、69に接続さ
れると共に画像処理装置48に接続されている。
【0023】ヘッドランプ18のロービーム側ランプL
1に取付けられたバルブ40Sは、一方がライトコント
ロールスイッチ32が接続(オン)されたときにバッテ
リーBTに接続され、他方が接地されている。従って、
ライトコントロールスイッチ32がオンになるとロービ
ーム側ランプL1が点灯する。また、ハイビーム側ラン
プL2に取付けられたバルブ40Cは、一方が電圧設定
回路66を介してライトコントロールスイッチ32に接
続され、他方が接地されている。この電圧設定回路66
は、ヘッドランプ18のハイビーム側ランプL2へ供給
する電圧を設定する。この電圧設定回路66は、FET
やトランジスタ等の素子から構成され、制御装置50か
ら制御端67に入力された制御信号(電圧値VH )に応
じて出力する電圧を設定する。従って、ライトコントロ
ールスイッチ32がオンになると制御装置50から入力
された電圧値VH に応じた所定の明るさでハイビーム側
ランプL2が点灯する。
【0024】同様に、ヘッドランプ20のロービーム側
ランプR1に取付けられたバルブ41Sは、一方がライ
トコントロールスイッチ32を介してバッテリーBTに
接続され、他方が接地されている。また、ハイビーム側
ランプR2に取付けられたバルブ41Cは、一方が電圧
設定回路68を介してライトコントロールスイッチ32
に接続され、他方が接地されている。この電圧設定回路
68の制御端69には、制御装置50から制御信号(電
圧値VH )が入力されるように接続されている。
【0025】次に、本実施例の画像処理装置48におけ
る他車両(先行車両及び対向車両)の認識処理及び車間
距離の演算処理について説明する。なお、画像信号によ
って形成されるイメージ上の各画素は、イメージ上に設
定された各々直交するX軸とY軸とによって定まる座標
系の座標(Xn ,Yn )で位置を特定する。
【0026】図4(1)に示すように、カメラ22によ
って撮影した画像であるイメージ120には車両10が
走行する道路122の車線両側の白線124内に先行車
両11が位置している。画像処理装置48では、このイ
メージ120を画像処理する。
【0027】先ず、以下のように白線候補点抽出処理及
び直線近似処理を順に行って車両10の走行レーンを検
出した後に、車両認識領域WP を設定する。
【0028】白線候補点抽出処理では、車線の白線と推
定される候補点を抽出する。先ず、白線を含むと推定さ
れる所定の幅γを有するウインド領域WS を設定し(図
4(3)参照)、このウインド領域WS 内の明るさの変
動が大きい点(垂直方向の明るさの微分値の最大点)を
白線候補点(エッジ点)として抽出する。このエッジ点
の連続を求めた場合を図4(3)の点線132に示し
た。なお、イメージ120の上下の領域には、先行車両
11が存在する確度が低いため、処理対象領域として予
め定めた上限線128及び下限線130の間の範囲を用
いる。
【0029】次の直線近似処理では、白線候補点抽出処
理で抽出されたエッジ点をハフ(Hough )変換を用いて
直線近似して白線と推定される線に沿った直線134、
136を求める。この直線134、136と下限線13
0とで囲まれた領域を車両認識領域WP として設定する
(図4(4)参照)。なお、上記道路122がカーブ路
のときには、上記求めた直線136、138の傾き差を
有した車両認識領域W P になる(図4(2)参照)。
【0030】車両認識領域WP の設定が終了すると、以
下のように検出処理して、設定された車両認識領域内W
P における先行車両11の有無を判定すると共に先行車
両11の有のときに車間距離SL を演算する。
【0031】先ず、車両認識領域WP 内において、上記
白線候補点検出処理と同様にエッジ点を検出し、検出さ
れたエッジ点を横方向に積分した積分値が所定値を越え
る位置のピーク点EP を検出する(図4(5)参照)。
なお、ピーク点EP が複数あるときは、画像上で下方に
位置するピーク点EP (距離のより近い点)を選択す
る。このピーク点EP に対応する水平方向の画素点の両
端を各々含むウインド領域WR 、WL を設定する(図4
(6)参照)。このウインド領域WR 、WL 内において
垂直方向の連続点(垂直線138R,138L)が安定
して検出された場合に先行車両11が存在すると判定す
る。
【0032】この検出された垂直線138R,138L
の横方向の間隔Sは車幅に対応するため、この車幅とピ
ーク点EP 位置とから先行車両11と自車両10との車
間距離SL を演算する。例えば、標準的な車両の車幅S
oを基準として、イメージから検出する車両の車幅に対
応する間隔Sの比率を求め、この比率から車間距離S L
を演算できる。上記垂直線138R,138Lの横方向
の間隔は、垂直線138R、138Lの各々の代表的な
X座標(例えば、平均座標値や多頻度の座標値)の差か
ら演算できる。
【0033】なお、上記で先行車両11が無のときには
車間距離SL =0と設定する。これによって、車間距離
L の値には、SL =0かSL >0かにより先行車両1
1が自車両10の前方に存在するか否かを表す情報をも
含むことになる。
【0034】次に、イメージ120からの対向車両11
Aの認識処理について説明する。先ず、上記の先行車両
認識処理の後に、求めた近似直線132(対向車両側)
を含むように補正するための補正量αを設定する。この
補正は、対向車両が対向車両側の近似直線132近傍に
位置する確度が高いので、設定される対向車両認識領域
の大きさによって対向車両のヘッドランプ等の検出が除
外されることを防ぐための近傍に位置して補正をするた
めである。この設定された補正量αに応じて直線133
を求めて求めた直線133の右方(左側通行時)を対向
車両認識領域W POとして設定する(図5参照)。この対
向車両認識領域WPO内において、対向車両11Aのヘッ
ドランプの光による光点に基づいて上記先行車両認識処
理と同様に、対向車両11Aを認識処理し、車間距離S
R を求める。
【0035】なお、上記対向車両認識領域WPOを設定し
た後に、対向車両11Aの存在確度が高い予め定めた上
限線及び下限線の間の範囲を含む領域Wooを設定し、こ
の領域Woo内で対向車両11Aを認識処理して車間距離
R を求めてもよい。
【0036】また、上記では白線124を検出して道路
を特定しているが、白線124のみを用いることなく、
道路122の側縁部に形成される縁石によって検出して
もよい。この場合、白線と縁石とを階調画像の検出レベ
ルを変更することによりいずれも検出することができ
る。
【0037】本発明者は、自車両10のハイビーム側の
ヘッドランプの光によって、他車両のドライバにグレア
を与える(ドライバが眩しさを感じる眼前照度測定)実
験を行った。この実験では、自車両10と他車両との車
間距離を25m〜250mの間で複数定め、各車間距離
において他車両のドライバが眩しさを感じなくなるまで
自車両10のハイビーム側のヘッドランプの電圧を降下
させたときの他車両のドライバの眼前照度を測定すると
共に自車両10のハイビーム側のヘッドランプの電圧値
を測定した。なお、ロービーム側のヘッドランプは常時
点灯した状態で測定した。
【0038】図7には先行車両11についての測定結果
を、図8には対向車両11Aについての測定結果を示し
た。これらの図では、自車両と他車両との車間距離(単
位、m)を横軸に、他車両のドライバの眼前照度(単
位、lx)を左縦軸に、自車両のヘッドランプの電圧値
(単位、V)を右縦軸に、設定し、車間距離及び眼前照
度の関係を点線で示しかつ車間距離及びヘッドランプの
電圧値の関係を実線で示すことにより、この2種類の関
係を同一の図に示した。例えば、先行車両11との車間
距離が125mのときは、先行車両11のドライバが眩
しさを感じない眼前照度が0.07lxであると共にヘ
ッドランプの電圧値が4.2Vであることが理解され
る。一方、対向車両11Aとの車間距離が125mのと
きは、対向車両11Aのドライバが眩しさを感じない眼
前照度が0.14lxであると共にヘッドランプの電圧
値が5.0Vであることが理解される。
【0039】これらの図7及び図8から理解されるよう
に、自車両10と他車両との車間距離に応じて他車両の
ドライバが眩しさを感じない眼前照度となる自車両10
のヘッドランプの電圧値を定めることができる。本実施
例では、先行車両11について車間距離とヘッドランプ
の電圧値との関係をマップ1として記憶している。ま
た、対向車両11Aについて車間距離とヘッドランプの
電圧値との関係をマップ2として記憶している。
【0040】以下、本実施例の作用を説明する。図示し
ないイグニッションキースイッチがオンされると、所定
時間毎に図6に示した配光制御ルーチンが実行される。
【0041】本配光制御ルーチンが実行されるとステッ
プ202へ進み、ライトコントロールスイッチ32のオ
ンオフを判断することによりヘッドランプ18、20が
点灯されたか否かを判断する。ヘッドランプ18、20
が消灯のときは配光制御の必要がないため(ステップ2
02で否定判断)、本ルーチンを終了する。なお、ライ
トコントロールスイッチ32がオンされると、少なくと
もロービーム側ランプが点灯する。
【0042】ヘッドランプ18、20が点灯されると
(ステップ202で肯定判断)、ステップ204へ進
み、画像処理装置48へ画像処理開始信号を出力した後
に、画像処理装置48において求められた自車両10と
先行車両11の車間距離SL 及び自車両10と対向車両
11Aの車間距離SR が読み取られる。画像処理装置4
8では、上記画像処理の説明で述べたように、先行車両
11及び対向車両11Aの認識処理が行われると共に、
先行車両11についての車間距離SL 及び対向車両11
Aについての車間距離SR が演算される。
【0043】次のステップ206では、読み取った車間
距離SL 、SR に基づいて、自車両10の前方の状態を
判断する。上記で説明したように、車間距離SL 、SR
の値には、自車両10の前方に先行車両11及び対向車
両11Aの何れかが存在するか否かの情報を含んでい
る。従って、先行車両11の有無及び対向車両11Aの
有無の組み合わせにより、他車両が無の状態(1)、先
行車両11のみが有の状態(2)、対向車両11Aのみ
が有の状態(3)、先行車両11及び対向車両11Aが
有の状態(4)、の4種類の状態がある。そこで、ステ
ップ206では車間距離SL 、SR の値から、4種類の
何れの状態かを判断する。
【0044】すなわち、車間距離がSL =0、でかつS
R =0の場合には、自車両10の前方に先行車両11及
び対向車両11Aの何れも無の状態(1)と判断し、ス
テップ208へ進む。また、車間距離がSL ≠0、でか
つSR =0の場合には、先行車両11が有でかつ対向車
両11Aが無の状態(2)と判断し、ステップ210へ
進む。また、車間距離がSL =0、でかつSR ≠0の場
合には、先行車両11が無でかつ対向車両11Aが有の
状態(3)と判断し、ステップ212へ進む。また、車
間距離がSL ≠0、でかつSR ≠0の場合には、先行車
両11及び対向車両11Aの何れも有の状態(4)と判
断し、ステップ214へ進む。
【0045】ステップ208では、自車両前方の状態が
他車両無であり防眩する必要がないため、電圧値VH
予め定めた最大電圧値Vmax を設定し、ステップ216
へ進む。この最大電圧値Vmax は、通常のハイビーム側
ランプを点灯するときの電圧値(例えば、12V)が記
憶されている。
【0046】ステップ210では、自車両前方に先行車
両11のみ有の状態であり、先行車両11に対してのみ
防眩すればよいため、上記のマップ1(図7)から先行
車両11までの車間距離SR に対する電圧値VL を電圧
値VH に設定する。
【0047】ステップ212では、自車両前方に対向車
両11Aのみ有の状態であり、対向車両11Aに対して
のみ防眩すればよいため、上記のマップ2(図8)から
対向車両11Aまでの車間距離SR に対する電圧値VR
を電圧値VH に設定する。
【0048】ステップ214では、自車両前方に先行車
両11及び対向車両11Aの両方が存在するため、先行
車両11及び対向車両11Aの両車両に対して防眩しな
ければならない。このため、先行車両11についてはマ
ップ1(図7)から先行車両11までの車間距離SR
対応する電圧値VL を導出すると共に、対向車両11A
についてはマップ2(図8)から対向車両11Aまでの
車間距離SR に対応する電圧値VR を導出する。導出さ
れた電圧値VL 、VR の内、小さい電圧値を電圧値VH
に設定する。従って、先行車両11及び対向車両11A
の両車両に対して防眩できるハイビーム側ランプの電圧
値VH が設定される。
【0049】このステップ214における電圧値VH
設定は、予め定めた車間距離(例えば、100m)を判
断基準として、参照するマップに優先順位を付して定め
るようにしてもよい。例えば、車間距離が100m未満
に先行車両11及び対向車両11Aの両方が有のときに
は先行車両11のマップを参照すると共に、車間距離が
100m以上で先行車両11及び対向車両11Aの両方
が有のときには対向車両11Aのマップを参照する。こ
のようにすれば、グレアを与える確度が高い他車両のマ
ップを参照することができる。
【0050】次のステップ216では、設定された電圧
値VH を電圧設定回路66、68へ出力することによっ
てハイビーム側ランプL2、R2の電圧を制御する。す
なわち、電圧設定回路66、68では、バッテリーBT
の電圧から電圧値VH に変動させてバルブ40C、41
Cに供給する。
【0051】従って、自車両10の前方の状態、すなわ
ち先行車両及び対向車両の存在の有無及び先行車両及び
対向車両までの車間距離に応じて他車両のドライバにグ
レアを与えない明るさによるヘッドランプの光が前方へ
照射される。
【0052】このような、ハイビーム側ランプの明るさ
を変動させたときと、ハイビーム側ランプを消灯させた
ときとにおける車間距離と自車両のドライバについての
視認距離との関係について、自車両のドライバの視認距
離倍率を用いて図9に示した。この視認距離倍率は、ハ
イビーム側ランプの明るさについて制御したときと非制
御のときとの視認距離の違いを倍率で示したものであ
り、以下の式(1)から求めている。また、図中、他車
両が先行車両であるときを点線で示し、他車両が対向車
両であるときを実線で示した。 (視認距離倍率)=(配光制御時の視認距離)/(非制御時の視認距離) −−−(1)
【0053】この図9から理解されるように、ハイビー
ム側ランプの明るさについて制御したときには非制御の
ときに比べて視認距離は、先行車両の場合には1.0〜
2.5倍向上すると共に、対向車両の場合には1.3〜
2.5倍向上する。
【0054】なお、図7及び図8から理解されるよう
に、ハイビーム側ランプの光量(電圧値)を制御するこ
となく、他車両のドライバにグレアを与えない最大電圧
値(例えば、約4.5V)をハイビーム側ランプの電圧
値に設定することのみでも、効果を得ることができ、こ
の場合、カメラ等を用いることなく、最適な配光を行う
ことができる。
【0055】なお、上記実施例では、他車両の検出を自
車両前方を撮影した画像から求めているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、測距器等の距離測定装置
を用いて検出するようにしてもよい。
【0056】また、上記実施例では、明るさが変更可能
なランプとしてハイビーム側ランプを設定し、所定の明
るさのランプとしてロービーム側ランプを設定したが、
明るさが変更可能なランプとしてロービーム側ランプを
設定し、所定の明るさのランプとしてハイビーム側ラン
プを設定してもよい。また、所定の明るさのランプとし
てロービーム側ランプによるヘッドランプを用い、明る
さが変更可能なランプとして補助ランプを用いてもよ
い。
【0057】次に、第2実施例を説明する。先行車両及
び対向車両等の他車両のドライバーに対しグレアを与え
ない配光や歩行者等の障害物を認知するための配光を考
えると、ヘッドランプの照射光軸の変更によって配光す
ることやヘッドランプの照射光をシェード等の遮光によ
って配光することが有効である。
【0058】第2実施例は、明るさが変更可能なランプ
と照射光軸が変更可能なランプと、から構成されるヘッ
ドランプの配光を制御するヘッドランプの配光制御装置
に本発明を適用したものである。なお、第2実施例は、
第1実施例と略同様の構成のため、同一部分は同一符号
を付して詳細な説明は省略し、以下、異なる部分のみを
説明する。
【0059】図10に示したように、第2実施例のヘッ
ドランプ18のロービーム側ランプL1は、プロジェク
タタイプのヘッドランプで、凸レンズ33、バルブ40
S及びランプハウス34を有している。このランプハウ
ス34の一方の開口には、凸レンズ33が固定され、他
方の開口には、凸レンズ33の光軸C(凸レンズ33の
中心軸)上に発光点が位置するようにソケット36を介
してバルブ40Sが固定されている。
【0060】ランプハウス34内部のバルブ側は、楕円
反射面のリフレクタ38とされ、このリフレクタ38に
よるバルブ40Sの反射光が凸レンズ33及びバルブ4
0Sの間に集光されるようになっている。この集光点付
近にシェード43(図11参照)のエルボー部43Aが
位置するように固定されている。このシェード43の形
状は、ドライバーの歩行者や標識等の視認性向上や対向
車の防眩のために予め定められており、リフレクタ38
によって反射集光されたバルブ40Sの光がシェード4
3により通過光と遮光された光とに分断されて凸レンズ
33から射出される。
【0061】また、ランプハウス34の上部前方部位3
4Aには、軸受42が固定されている。この軸受42
は、支柱44に軸支されている。支柱44は車両10の
図示しないフレームに水平に固定されている。また、ラ
ンプハウス34の下部後方部位34Bには、アクチュエ
ータ46の可動子46Aの円筒状の先端が取り付けられ
ている。このアクチュエータ46は車両10の図示しな
いフレームに固定されており、モータ46D及び可動子
46Aをウオームとするウオームギヤから構成されてい
る。すなわち可動子46Aの後端はウオームとして機能
するように刻設されウオームホイール46Bに噛み合わ
されている。この可動子46Aは、図示しない摺動機構
により直線的に移動可能にされ、ウオームホイール46
Bの回転軸はモータ46Dのシャフト46Cに固定さ
れ、モータ46Dの回転が可動子46Aの直線駆動に変
換される。従って、制御装置50からの信号に応じたモ
ータ46Dの回転により、可動子46Aが垂直方向(図
10矢印A方向)に伸縮する。可動子46Aが収縮する
とヘッドランプ18は右回転し光軸Cが光軸CUにな
り、可動子46Aが伸長するとヘッドランプ18は左回
転し光軸Cが光軸CDになる。このように、可動子46
Aの伸縮に応じてヘッドランプ18は支柱44を軸とし
て回動し、光軸Lが上方向(図1の矢印UP方向)また
は下方向に偏向される。
【0062】ヘッドランプ20は、シェード43A及び
アクチュエータ47(図12)を備えている。ヘッドラ
ンプ20の構成はヘッドランプ18と同様であるため詳
細な説明は省略する。
【0063】図12に示したように、第2実施例の制御
装置50の出力ポート60には、ドライバ64を介し
て、電圧設定回路66、68の制御端67、69及び画
像処理装置48に接続され、また、ヘッドランプ18、
20のロービーム側ランプL1、R1においてシェード
を制御するためのアクチュエータ46、47に接続され
ている。なお、ROM52には、後述するマップ(図1
4)及び制御プログラム等が記憶されている。
【0064】ここで、照射光軸の変更による配光やシェ
ード等の遮光による配光では、照射範囲や光の到達位置
を制御することができるが、構造等の理由から制御範囲
が設定される。このため、坂道等を走行する他車両のよ
うに、設定された制御範囲を越えた位置に存在する他車
両等を考慮して配光制御することができない。また、車
間距離が長い他車両のドライバに対しては、自車両の僅
かな挙動、例えば上下動による配光の変動がグレアを与
える度合いに大きく影響する。
【0065】本発明者は、照射光軸の制御範囲を越えた
位置に他車両が存在するときについて、自車両10のハ
イビーム側のヘッドランプの光によって、他車両のドラ
イバにグレアを与える(ドライバが眩しさを感じるヘッ
ドライトの明るさになるバルブ電圧の測定)実験を行っ
た。この実験では、図13に示すように、予め定めた照
射光軸Cの制御範囲(制御角φ)を越えた偏差角εと、
このときの他車両のドライバが眩しさを感じなくなるま
で自車両10のハイビーム側のヘッドランプ電圧を降下
させたときの自車両10のハイビーム側のヘッドランプ
の電圧値VH を測定したものである。図14に測定結果
を示した。
【0066】この図14から理解されるように、偏差角
εに応じて他車両のドライバが眩しさを感じない眼前照
度となる自車両10のヘッドランプの電圧値VH を定め
ることができる。本実施例では、この偏差角εとヘッド
ランプの電圧値VH との関係をマップAとして記憶して
いる。
【0067】なお、他車両のドライバが眩しさを感じな
くなる自車両10のハイビーム側のヘッドランプの電圧
値VH は、車間距離を総合的にみて概ね平坦な特性であ
る(図7及び図8参照)。従って、制御角φを越えた位
置でかつ車間距離が異なるとき、偏差角εが略一致する
ときには上記のマップAを用いることができる。なお、
他車両には先行車両及び対向車両がある。本実施例では
車間距離について双方共に平均的な特性として図14を
用いているが、先行車両及び対向車両の各々について別
個に定めてもよいことは勿論である。次に、本実施例の
作用を説明する。図示しないイグニッションキースイッ
チがオンされると、所定時間毎に図15に示した配光制
御ルーチンが実行される。本配光制御ルーチンが実行さ
れるとステップ302へ進み、上記で説明したように先
行車両及び対向車両である他車両までの車間距離SL
R を演算する(図6のステップ202、204)。次
のステップ304では、他車両に対する目標照射角θを
演算する。すなわち、ステップ304では、以下のよう
にして他車両に対する自車両からの方向を求めている。
【0068】図16には、車両10が走行する平坦な道
路122をカメラ22によって撮影したときのドライバ
ーが目視する画像と略一致する基準となるイメージ12
0を示した。この道路122では、センターラインであ
る白線124により各車線の境界とされている。イメー
ジ120には、ドライバーが車両10の走行方向と平行
に前方を目視したときの視線(平坦な道路と平行な方
向)に対応する位置の基準点D(XD ,YD )が予め定
められている。この基準点D(XD ,YD )を、カメラ
22に撮影されたイメージ120の基準点とし、基準点
Dを各々通過しかつ各々直交する線を水平線Hor及び垂
直線Verとする。この水平線Horは、車両10が平地を
走行したときに撮影したイメージ120の地平線に一致
する。
【0069】図17に示したように、平地を走行してい
る車両10の前方の道路122が平地から所定角度の勾
配を有する下り坂であるときのカメラ22で撮影された
イメージ121は、下り坂の方向へ向かった圧縮画像に
なり、イメージ121の地平線は平坦な道路122を撮
影したときの地平線の位置から下方へ移動する。従っ
て、このイメージ121のセンターライン123及び白
線124のイメージ上の画素の軌跡の最上部位の画素を
通過する水平線Hm と、基準点を通過する水平線Horと
の偏差ΔHが上記勾配に対応する。このような勾配導出
法を用いてカメラを基準とした他車両の方向(水平線か
らの方向)を求めることができる。すなわち、上記検出
したテールランプのイメージ上の垂直方向の位置が他車
両の方向に対応するため、上記の水平線Hm の位置をテ
ールランプ(先行車両、対向車両のときはヘッドラン
プ)の位置に代えて偏差ΔHを求めれば、他車両への方
向(目標照射角θ)を求めることができる。
【0070】次のステップ306では、予め定められた
制御角φ(φmin ≦φ≦φmax )を読み取ると共に、偏
差角εを演算(ε=θ−φmax )する。なお、本実施例
では、上り坂等に他車両が存在する場合を想定してい
る。
【0071】次のステップ308では、ε<0か否かを
判断することによって目標角θが制御角φの範囲内にあ
るか否かを判定する。肯定判定の場合には、ステップ3
10において車間距離SL 、SR の一方が所定値(本実
施例では、100m)未満か否かを判断する。SL <1
00またはSR <100の場合には、ステップ312に
おいて、車間距離に応じて他車両にグレアを与えること
がない通常の配光制御を行う。一方、ステップ310で
否定判定され、他車両が遠方に存在する場合には、照射
光軸を僅かに変化しても、他車両にグレアを与える確度
が増加するため、ステップ314において目標照射θか
ら予め定めた設定角dθを減算した角度を目標照射角θ
として設定する。従って、光軸変更による配光で他車両
にグレアを与える確度が少ない目標照射角θが設定され
る。
【0072】上記ステップ308において、否定判定さ
れ、目標角θが制御角φの範囲外にあるときは、ステッ
プ316へ進み、光量変更による配光制御を行う。すな
わち、制御角θは最大値φmax に設定され、偏差角εに
相当する配光をハイビーム側ランプの光量制御で行う。
この場合には、上記マップAを参照して他車両にグレア
を与えることがない自車両10のハイビーム側のヘッド
ランプの電圧値VH を設定する。なお、このステップ3
16では、光軸変更によって配光制御できるときに他車
両が遠方に存在する場合には、設定角dθを減算した目
標照射角θで制御される。これは、設定角dθの光軸制
御に相当する配光制御を、光量制御で補うためである。
【0073】このように、本実施例では、照射光軸の変
更による配光により照射範囲や光の到達位置を制御する
ときに設定される制御範囲を越えた坂道等を走行する他
車両に対して、ハイビーム側ランプの光量制御で補うよ
うにしているので、坂道等の立体的な道路形状であって
もドライバの視認性を向上させることができ、また、他
車両が存在する3次元的な位置に拘わらず、グレアを与
えることがない配光をすることができる。
【0074】また、遠方に他車両が存在し、他車両のド
ライバに対して僅かな配光の変動がグレアを与えるよう
な場合であっても、グレアを与えることがない配光をす
ることができる。従って、光軸変更のみで配光制御しよ
うとするときには照射光軸の微妙な制御を行わなければ
ならないが、本実施例では、照射光軸の微妙な制御を行
うことなく、電圧値の変更で容易に対応することができ
る。
【0075】なお、上記実施例では、上り坂を想定した
が下り坂等にも応用が可能である。下り坂等では、上記
求めた偏差角εに制御角φ(φmin ≦φ≦φmax )が含
まれているので、|ε|<(φmax −φmin )を判定
し、否定判定の場合に下り坂であると判断し、ハイビー
ム側のヘッドランプの光量制御で補うようにすればよ
い。
【0076】また、第2実施例では、ヘッドランプのラ
ンプハウスを回転させて光軸を偏向するようにしたが、
ランプハウス内のシェードを移動させることによって、
光軸を偏向した場合と同様に動作させることができる。
すなわち、図18に示したように、アクチュエータに代
えて駆動装置45を制御装置50が制御するようにす
る。この駆動装置45は、ヘッドランプ18のランプハ
ウス34の内部に配設されると共に制御装置50に接続
され、制御装置50から出力される制御信号に応じてシ
ェード40を凸レンズ30の光軸Lと直交する平面上で
上下に移動させる構成にする。従って、このシェード4
0の移動によって、車両前方の上下について照射範囲が
変更され、恰もヘッドランプ18の光軸を偏向した場合
と同様に動作させることができる。ヘッドランプ20に
ついても同様である。
【0077】また、第2実施例では、明るさが変更可能
なランプとしてハイビーム側ランプを設定し、光軸また
は照射範囲が変更可能なランプとしてロービーム側ラン
プを設定したが、明るさが変更可能なランプとしてロー
ビーム側ランプを設定し、光軸または照射範囲が変更可
能なランプとしてハイビーム側ランプを設定してもよ
い。また、光軸または照射範囲が変更可能なランプを含
むヘッドランプを用い、明るさが変更可能なランプに補
助ランプを用いてもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明によれば、自車両の前方を走行する他車両までの車
間距離に基づいてハイビーム用ランプ等の第2のランプ
の明るさを制御するため、他車両のドライバに対してグ
レアを与えることなく自車両前方を最適な配光にするこ
とができる、という効果がある。
【0079】請求項2に記載した発明によれば、他車両
の種類及び該当する他車両の車間距離に基づいてハイビ
ーム用ランプ等の第2のランプの明るさを制御するた
め、先行車両や対向車両のようにドライバに与えるグレ
アレベルが異なる場合であっても、他車両の種類に応じ
てグレアを与えることがない最適な配光にすることがで
きる、という効果がある。
【0080】請求項3に記載した発明によれば、他車両
の位置がヘッドランプの変更可能な照射方向及び照射範
囲の少なくとも一方を越えたときには他車両の位置に基
づいて第2のランプの明るさを制御するので、第1のラ
ンプの照射方向及び照射範囲を越えて制御が要求される
場合であっても第2のランプで補って制御されるため、
他車両のドライバに対してグレアを与えることなく自車
両前方を最適な配光にすることができる、という効果が
ある。
【0081】請求項4に記載した発明によれば、他車両
までの車間距離に基づいて第2のランプの明るさを制御
するため、車間距離が長く照射方向及び照射範囲の変動
による影響が大きい場合であっても、微妙な制御を行う
ことなく、ドライバーに対する視界を確保しつつ他車両
にグレアを与えることがない最適な配光にすることがで
きる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両前部を示す車両斜め前方から見た斜視図で
ある。
【図2】車両前部を示す車両の運転席斜め後方から見た
斜視図である。
【図3】本発明の車両用前照灯装置が適用可能なヘッド
ランプ周辺と制御装置を示す概略構成図である。
【図4】カメラが出力する画像に基づいて先行車両を認
識する過程を説明するためのイメージ図である。
【図5】対向車両認識領域を示すイメージ図である。
【図6】第1実施例の配光制御メインルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図7】車間距離に対する先行車両のドライバ眼前照度
及びヘッドランプ電圧値の関係を示す特性図である。
【図8】車間距離に対する対向車両のドライバ眼前照度
及びヘッドランプ電圧値の関係を示す特性図である。
【図9】車間距離と視認距離倍率との関係を示す特性図
である。
【図10】第2実施例の車両用前照灯装置が適用可能な
ヘッドランプの構成を示す概略構成図である。
【図11】図10のシェードを示す線図である。
【図12】第2実施例の車両用前照灯装置が適用可能な
制御装置とその周辺の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図13】目標照射角と偏差角との関係を説明するため
の説明図である。
【図14】偏差角に対するヘッドランプ電圧値の関係を
示す特性図である。
【図15】第2実施例の配光制御メインルーチンを示す
フローチャートである。
【図16】カメラが出力する画像信号のイメージ図であ
る。
【図17】勾配を有する道路の撮影画像のイメージ図で
ある。
【図18】本発明の車両用前照灯装置が適用可能な他の
制御装置とその周辺の概略構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
L1 ロービーム側ランプ(第1のランプ) L2 ハイビーム側ランプ(第2のランプ) 18 ヘッドランプ(ヘッドランプ) 22 カメラ 48 画像処理装置(車間距離検出手段、位置検出手
段) 50 制御装置(制御手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−74135(JP,A) 特開 平4−293631(JP,A) 特開 昭62−131837(JP,A) 特開 昭58−71230(JP,A) 特開 平3−235732(JP,A) 実開 昭58−73048(JP,U) 実開 昭63−129641(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60Q 1/14 F21M 3/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の明るさの第1のランプと明るさが
    変更可能な第2のランプとから構成されるヘッドランプ
    と、 自車両の前方を走行する他車両までの車間距離を検出す
    る車間距離検出手段と、 検出された車間距離に基づいて前記他車両にグレアを与
    えないように前記第2のランプの明るさを制御する制御
    手段と、 を備えた車両用前照灯装置。
  2. 【請求項2】 所定の明るさの第1のランプと明るさが
    変更可能な第2のランプとから構成されるヘッドランプ
    と、 自車両の前方を走行する他車両が先行車両か対向車両を
    判別する判別手段と、 前記他車両までの車間距離を検出する車間距離検出手段
    と、 前記判別手段の判別結果及び該当する他車両の車間距離
    に基づいて前記他車両にグレアを与えないように前記第
    2のランプの明るさを制御する制御手段と、 を備えた車両用前照灯装置。
  3. 【請求項3】 所定の明るさであると共に照射方向及び
    照射範囲の少なくとも一方が変更可能な第1のランプ
    と、明るさが変更可能な第2のランプとから構成される
    ヘッドランプと、 自車両の前方を走行する他車両の位置を検出する位置検
    出手段と、 検出された他車両の位置が前記ヘッドランプの変更可能
    な照射方向及び照射範囲の少なくとも一方を越えたとき
    に、該当する他車両の位置に基づいて該他車両にグレア
    を与えないように前記第2のランプの明るさを制御する
    制御手段と、 を備えた車両用前照灯装置。
  4. 【請求項4】 所定の明るさであると共に照射方向及び
    照射範囲の少なくとも一方が変更可能な第1のランプ
    と、明るさが変更可能な第2のランプとから構成される
    ヘッドランプと、 自車両の前方を走行する他車両までの車間距離を検出す
    る車間距離検出手段と、 検出された他車両までの車間距離が予め定めた所定距離
    以上であるときに、前記ヘッドランプの照射方向及び照
    射範囲の少なくとも一方を該車間距離に基づいて予め定
    めた所定の状態に変更すると共に、該車間距離に基づい
    て該他車両にグレアを与えないように前記第2のランプ
    の明るさを制御する制御手段と、 を備えた車両用前照灯装置。
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