JP2864309B2 - 高電圧トランス用のコア - Google Patents

高電圧トランス用のコア

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電圧トランス用のコ
アに関し、特に耐電圧を向上せしめた高電圧トランス用
のコアに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁性粉末を焼成して形成したコ
アが増幅器の段間結合用トランスやスピーカトランスな
どに使用されていたが、最近、電子機器の発展に伴い、
前記コアの使用範囲も広がり、コンピュータやその端末
装置を始めとして家庭電化製品の範囲に迄広がってい
る。また、該コアが使用される機器が小型化或いは扁平
化の傾向をたどっているので、磁性粉末を焼成して形成
したコアを使用したトランスの形状も扁平化の道をたど
っている。
【0003】図8乃至図10は、従来のトランス用E型
形状のフェライトコアとボビンとこれらを使用して組み
立てたトランスを示す斜視図である。図8において、1
はE型コアである。該E型コア1は、中央に扁平の断面
を持ち、コイルが捲回される中央脚2が配置され、その
両脇には脇脚3と4が配設されており、これら3本の脚
の根元は該中央脚2とT字型に接続されたヨーク部5に
よって接続されている。
【0004】図9において、6はボビン本体であり、そ
の両脇には、枠板7及び8が設けられている。それぞれ
の枠板7、8の下面には、端子板9、10が設けられて
おり、それら端子板9、10にはコイルの導線を接続す
るピン11、12が取付けられている。なお、ボビン本
体6の中心部には、貫通孔13が設けられている。この
トランスの組み立てを説明すると、まず、ボビン本体6
に所定の捲線を施し、それの端末部をそれぞれのピン1
2に捲回接続した後、E型コア1を2個用意し、それぞ
れの中央脚2をボビン本体6の貫通孔13の両端から挿
入して、トランスを組み立てる。図10は、組み立てを
終了したトランスを示す斜視図である。なお図10にお
いて、14はボビン本体6に捲回されたコイルを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のトランスを、た
とえば写真撮影用の閃光放電発光器に使用する場合、ト
ランスの2次側電圧は千ボルトの単位に迄上昇する。こ
のため、ピン11、12とコア1間の耐電圧PVを向上
させるため、ボビン本体の両端に設けられた端子板9、
10の長手方向の長さを大きくして、所望の耐電圧PV
を得ていた。このため、高電圧トランスの長手方向の長
さが長くなり、高電圧トランスを小型化するという目的
に対して反対の動きとなるという不都合が生じていた。
【0006】そこで本発明は、可及的にコアを小型化す
るとともに、ピンとコア間の所定の耐電圧が得られるよ
うな高電圧トランス用のコアを提供することを発明の目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような本発明の目
的を達成するために、本発明は、コイルが捲回される中
央脚と、該中央脚とT字型に接続されたヨーク部と、該
ヨーク部の両端部に配置され該端部から中央脚と平行に
配置された2つの脇脚を有する高電圧トランス用のコア
において、前記ヨーク部の一面であって端子板と接する
部分からヨーク部の端側壁に向かって傾斜する傾斜部を
設けたヨーク部材を具備することを特徴とする高電圧ト
ランス用のコアを提供する。
【0008】
【作用】ヨーク部の一面であって端子板と接する部分か
らヨーク部の端側壁に向かって傾斜する傾斜部を設け、
コアとピンとの間の沿面距離を十分に確保する。また、
該傾斜部がコアの補強部材にもなる。
【0009】
【実施例】次に本発明の一実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる高電圧トランス用
のコアの一実施例を示す斜視図である。図1及び図2に
おいて、20はE型コアを示す。該E型コア20は、中
央に扁平の断面を持った中央脚21を持ち、その両脇に
は脇脚22と23が配設されており、これら3本の脚の
根元は、ヨーク部24によって接続されている。図2に
も示したようにヨーク部24の端側壁26の途中から端
子板9、10と接する下面に向かって、斜めに傾斜して
いる斜面部25が形成されている。図3は上記のように
構成されたE型コアを用いて構成されたトランスを示す
斜視図である。なお、図3において従来のトランスと同
一部分には同一の符号を付している。
【0010】図2から明確に分かるように、高電圧トラ
ンスのピン11、12からコア20迄の沿面距離(SL
1+SL2)は図10に示す従来型の高電圧トランスの
それと同じであるが、ヨーク部24に斜面部25が形成
されているため、点線SLより右側の部分の面積Aだけ
従来のコアよりも増加する。言い替えれば、沿面距離を
落とさず、ヨーク部24本体の部分の面積をAだけ減ら
してヨーク部24を小型に形成できる。また、傾斜部2
5を設けたため、ヨーク部24の図2の矢印B方向の長
さを従来のものよりも長くとれる。このため、面積Aを
持つ部分が一種の補強部となり、脇脚22、23の先端
が互いに近づいたり離れたりする、音叉運動の方向に応
力を受けても、斜面部25のために、折損を起こすよう
なことはない。
【0011】図4及び図5は他の実施例を示すヨーク部
の部分断面図である。図4に示す実施例では、斜面部3
5は内側に凹んだ円弧状の斜面部を構成している。また
図5に示す実施例では、斜面部45は直線状の斜面部で
あるが、上面側にも傾斜部分46を設けて、断面形状を
台形としたものである。
【0012】図3に示す高電圧トランスは、ピン11、
12が端子板9、10の下面よりも上に位置しているの
で、これをプリント配線基板に実装するとき、該プリン
ト配線基板には端子板がはまりこむための四角形の穴を
あけ、ピン11、12がプリント配線基板上の配線銅箔
と同一の高さにしなければならない。そこで、本発明で
は、図6に示すように、ピン15、16を段型に折曲せ
しめ、プリント配線基板の配線銅箔と接続する部分を端
子板の底面と同一平面に保持させると良い。
【0013】また、端子板に設けられたピンの数が少な
く、かつこれらが端子板の中央部に設けられているとき
には、図7に示すように、傾斜部61は中央部分だけ設
けておき、端面には補強部62、63を残しておく。こ
のように補強部62、63を残しておけば、脇脚に応力
が加わったとき、上記の実施例よりも破損を受ける確率
が少ない。
【0014】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
ヨーク部の一面であって端子板と接する部分からヨーク
部の端側壁に向かって傾斜する傾斜部を設けたので、コ
アや端子板を従来のものより大きく形成する必要はな
く、従来と同じ沿面距離をコアとピンの間に確保するこ
とができる。
【0015】また、ヨーク部の幅方向の長さを従来のも
のよりも長くとれるので、脇脚の先端が互いに近づいた
り離れたりする、音叉運動の方向に応力を受けても、斜
面部のために、折損を起こすようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコアの斜視図
【図2】コアの部分断面図
【図3】本発明に係るコアを用いた高電圧トランスの斜
視図
【図4】本発明の他の実施例を示す斜視図
【図5】本発明の他の実施例を示す斜視図
【図6】端子板の改良された具体例を示す部分断面図
【図7】本発明の他の実施例を示す斜視図
【図8】従来のコアを示す斜視図
【図9】高電圧トランス用のボビンを示す斜視図
【図10】従来の高電圧トランス示す斜視図
【符号の説明】
20・・・E型コア 21・・・中央脚 22・・・脇脚 23・・・脇脚 24・・・ヨーク部 25・・・傾斜部 26・・・端側壁
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 27/24 - 27/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルが捲回される中央脚と、該中央脚と
    T字型に接続されたヨーク部と、該ヨーク部の両端部に
    配置され該端部から中央脚と平行に配置された2つの脇
    脚を有する高電圧トランス用のコアにおいて、前記ヨー
    ク部の一面であって端子板と接する部分からヨーク部の
    端側壁に向かって傾斜する傾斜部を設けたヨーク部材を
    具備することを特徴とする高電圧トランス用のコア。
  2. 【請求項2】前記傾斜部の断面形状が円弧状であること
    を特徴とする請求項1記載の高電圧トランス用コア。
JP8942792A 1992-03-13 1992-03-13 高電圧トランス用のコア Expired - Fee Related JP2864309B2 (ja)

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