JP2863335B2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等に搭載される熱
交換器のヘッダ−構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車の室内空調機器を構成する
熱交換器として図２に示すものが知られている。この熱
交換器１は上下に延び対向して配置された円筒状のヘッ
ダ−２と、この各ヘッダ−２の接続穴３を介して両端が
連通状態で接続し上下に複数段に架設された偏平状の熱
交換チュ−ブ４とを有し、この熱交換チュ−ブ４の上下
面に熱交換フィン５が介装されている。この熱交換フィ
ン５のうちで、最上位及び最下位の熱交換フィン５の上
下面には補強プレ−ト６が取付けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の熱交換器では、ヘッダ−２が円筒状となっているた
め、このヘッダ−２を介してブラケット７にて図示しな
い車体にこの熱交換器を取付けるとき、このブラケット
７をヘッダ−２の外周面に対応するよう形成しなければ
ならず、面倒なものとなっていた。

【０００４】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、車
体等への取付け構造が簡単で、かつ耐圧性の低下を招く
ことがない熱交換器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、請求項１の発明は、左右に対向して配置され
た一対のヘッダ−と、該各ヘッダ−に両端が連通状態で
接続し上下に複数段に架設された熱交換チュ−ブと、該
各熱交換チュ−ブの上下面に配置した熱交換フィンとを
備え、該各ヘッダ−の前後に向かって熱交換空気を通風
させる熱交換器において、前記各ヘッダ−は、相互に対
向する面を開口するとともに、外面を方形状に、該開口
に対向する内面を円弧状にそれぞれ形成したタンク部
と、該タンク部の開口を閉塞するとともに前記各熱交換
チュ−ブを接続し外側に向かって断面円弧状に形成した
接続プレ−トとからなることを特徴とする。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１の熱交換器に
おいて、前記タンク部の円弧状の内面と方形状の外面と
の間に上下に延びる空隙を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】請求項１の発明によれば、タンク部の外面を方
形状に形成しているため、タンク部の各側壁が平面状と
なり、車体に取付けられるブラケットの構造が簡単なも
のとなる。また、タンク部の内面が円弧状に形成され、
また、接続プレ−トが外側に向かって円弧状に形成され
ているため、このタンク部と接続プレ−トにて形成され
る冷媒通路が断面略円形状となり、耐圧性を損なうこと
がない。

【０００８】請求項２の発明によれば、タンク部の外面
が方形状で、他方、内面が円弧状に形成されているた
め、この内面と外面との間が肉厚になり、ヘッダ−の重
量が重くなる傾向がある。ここで、この肉厚部分に空隙
を設けているため、ヘッダ−の重量の増加が防止され
る。

【０００９】

【実施例】図１、図３及び図４は本発明の第１実施例を
示すもので、図１は熱交換器の全体斜視図、図３は熱交
換器の組立て斜視図、図４はヘッダ−と熱交換チュ−ブ
との連結状態を示す断面図である。

【００１０】図中、１０は左右に対向して配置された一
対の縦長のヘッダ−、２０は各ヘッダ−１０間に上下複
数段に架設された熱交換チュ−ブ、３０は各熱交換チュ
−ブ２０の上下面にろう付けされた熱交換フィン、４０
は最上位及び最下位の熱交換フィン３０の上面或いは下
面に配置された補強プレ−トである。

【００１１】このヘッダ−１０は、図３及び図４に示す
ように、各ヘッダ−１０の対向面を開口（開口部１１
ａ）したタンク部１１と、このタンク部１１の開口部１
１ａを閉塞する接続プレ−ト１２とを有し、このタンク
部１１の上下端にはタンク部１１の上下端面を閉塞する
キャップ１３がろう付けされている。また、接続プレ−
ト１２は外側に向かって円弧状に形成されるとともに、
上下に所定間隔をおいて接続穴１２ａが穿設され、この
接続穴１２ａに各熱交換チュ−ブ２０が貫通接続してい
る。

【００１２】このタンク部１１はその外面１１ｂを方形
状に形成するとともに、開口部１１ａ寄りの両側壁１４
には段部１４ａを設け、この段部１４ａに接続プレ−ト
１２をろう付けしている。また、この開口部１１ａと対
向する内面１１ｃは円弧状に形成し、この内面１１ｃと
接続プレ−ト１２との間に冷媒通路１５を形成してい
る。

【００１３】本実施例によれば、ヘッダ−１０のタンク
部１１の外面１１ｂが方形状に形成されているため、両
側壁１４はもとよりこの両側壁１４を連結する側壁１４
´も平面状となり、図１に示すように、両側壁１４に取
付けられるブラケット５０はもとより、側壁１４´にブ
ラケット５１（２点鎖線）を取付ける場合にあっても、
この各ブラケット５０，５１が単に平面板状のもので良
くその構造が非常に簡単なものとなる。

【００１４】また、冷媒通路１５を構成するタンク部１
１及び接続プレ−ト１２の内面１１ｂ，１１ｃはそれぞ
れ円弧状に形成され、全体として断面略円形状にされる
ため、耐圧性の点でも損なわれることがない。

【００１５】図５は本発明の第２実施例を示すもので、
ヘッダ−と熱交換チュ−ブとの連結状態を示す断面図で
ある。この実施例では、タンク部１１の内面１１ｃと外
面１１ｂとの間の肉厚部分に上下に延びる空隙１６を形
成したものである。

【００１６】この実施例によれば、タンク部１１に形成
された空隙１６により、ヘッダ−１０の重量の増加を防
止できる。なお、その他の構成、作用は前記第１実施例
と同様である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、タンク部の外面を方形状に形成しているため、
タンク部の各側壁が平面状となり、車体に取付けられる
ブラケットの構造が簡単なものとなる。また、タンク部
の内面が円弧状に形成され、また、接続プレ−トが外側
に向かって円弧状に形成されているため、このタンク部
と接続プレ−トにて形成される冷媒通路が断面略円形状
となり、耐圧性を損なうことがないという利点を有す
る。

【００１８】請求項２の発明によれば、タンク部の内面
と外面との間に空隙を設けているため、この各面の間が
肉厚となったとしても、ヘッダ−の重量が増加すること
がないという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る熱交換器の全体斜視
図

【図２】従来の熱交換器の全体斜視図

【図３】第１実施例に係る熱交換器の組立て斜視図

【図４】第１実施例に係るヘッダ−と熱交換チュ−ブと
の連結状態を示す断面図

【図５】第２実施例に係るヘッダ−と熱交換チュ−ブと
の連結状態を示す断面図

【符号の説明】

１０…ヘッダ−、１１…タンク部、１１ｂ…外面、１１
ｃ…内面、１２…接続プレ−ト、１４…両側壁、１６…
空隙、２０…熱交換チュ−ブ、３０…熱交換フィン。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右に対向して配置された一対のヘッダ−
   と、該各ヘッダ−に両端が連通状態で接続し上下に複数
   段に架設された熱交換チュ−ブと、該各熱交換チュ−ブ
   の上下面に配置した熱交換フィンとを備え、該各ヘッダ
   −の前後に向かって熱交換空気を通風させる熱交換器に
   おいて、前記各ヘッダ−は、相互に対向する面を開口す
   るとともに、外面を方形状に、該開口に対向する内面を
   円弧状にそれぞれ形成したタンク部と、該タンク部の開
   口を閉塞するとともに前記各熱交換チュ−ブを接続し外
   側に向かって断面円弧状に形成した接続プレ−トとから
   なることを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】前記タンク部の円弧状の内面と方形状の外
   面との間に上下に延びる空隙を設けたことを特徴とする
   請求項１記載の熱交換器。