JP2863321B2 - ジアルキル亜鉛の製造方法 - Google Patents

ジアルキル亜鉛の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機合成や高分子重合
触媒として重要なアルキル亜鉛の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】アルキル亜鉛を塩化亜鉛とトリアルキルア
ルミニウムから製造する方法は公知である(特公昭37-2
026 )。この製造方法では、反応槽への原料の供給のし
易さや、反応の進行の調節し易さから、塩化亜鉛の懸濁
液にトリアルキルアルミニウムを少量ずつ添加する方法
が用いられる。この塩化亜鉛は無水のものが用いられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この反応で
は反応の進行と共に原料の塩化亜鉛とは別に黒色の固体
が副生し、それらが次第に凝集し団粒化して、反応末期
には、直径3cmを越える粘着性の塊を形成し、浮遊する
現象を起こすことが判った。そしてこの塊は攪拌機に粘
着して攪拌を困難にしたり、蒸留装置への移液を不可能
にするなど製造上重大な困難をもたらすことが明らかに
なった。従って、上記反応によりアルキル亜鉛を工業的
に製造するためには、この塊状の副生物の生成を防止す
る必要があり、この解決法が要望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意研究を行った結果、塩化亜鉛の懸濁
液にケイ素の酸化物、アルミニウムの酸化物、アルミニ
ウムの水酸化物、亜鉛の水酸化物の中から1種以上を、
塩化亜鉛の1wt%以上を前もって添加して後、トリアル
キルアルミニウムを装入して反応を行う事により驚くべ
きことに副生する固体の凝集、団粒化を防止出来ること
を発見した。
【0005】又この方法による特別の発熱も生じない
し、収率の低下も起こらない。その結果反応中の攪拌も
反応後の移液も円滑に出来るようになり、上記問題点を
一掃し本発明を完成した。以下、本発明について更に詳
しく説明する。
【0006】本発明におけるアルキル亜鉛の生成反応は
下記式(化1)で示される。
【0007】
【化1】ZnCl2+2R3Al→ZnR2+2R2AlC
l反応は無水、不活性の雰囲気中で行われる。塩化亜鉛
はどんな製法のものでも良いが、微粉であることが好ま
しく、充分に乾燥しておかねばならない。トリアルキル
アルミニウム(R3Al)のアルキル基はC1〜C7のも
のが用いられ、好ましくは、C1〜C6である。
【0008】本反応に適したトリアルキルアルミニウム
の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリ-n- ブチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、メチル
ジエチルアルミニウム等である。
【0009】反応時トリアルキルアルミニウムは塩化亜
鉛に対する理論量より少し多く用いる。反応溶剤は原料
及び生成物と反応しない炭化水素溶剤であればなんでも
よいが、主生成物であるジアルキル亜鉛を分離して取り
出すためと、出来れば他方の生成物であるジアルキルア
ルミニウムクロライドも取り出したいので高沸点の炭化
水素溶剤例えば、流動パラフィン、ドデカン、デカリン
が好ましい。反応温度は、20〜120 ℃の範囲で良く、好
ましくは30〜100 ℃である。あまりに低いと反応が遅く
なるし、余りに高いと生成したジアルキル亜鉛が分解し
て収率を低下させる。
【0010】原料の添加順序は、塩化亜鉛を懸濁した溶
剤に、トリアルキルアルミニウムを加えても良いし、又
その逆の操作を行っても良い。しかし、一般には計量が
容易であること、反応を制御し易いこと等の理由により
塩化亜鉛の懸濁液にトリアルキルアルミニウムを徐々に
装入する。
【0011】さて、次に本発明の特徴は、上記の反応時
に、特定の化合物を前もって添加し、その存在下に反応
を行うことである。その特定の化合物とは、ケイ素の酸
化物、アルミニウムの酸化物、アルミニウムの水酸化
物、亜鉛の水酸化物である。
【0012】好ましい化合物としては、シリカ、アルミ
ナ、シリカアルミナ、水酸化アルミニウム、等である。
商品名では、ケイソウ土、セライト等である。これらは
充分に乾燥しておく必要がある。しかし、ごく微量の水
分であれば残存しても本発明の効果に影響はしない。
【0013】これらの化合物の添加量は、塩化亜鉛に対
して1wt%以上であれば良い。しかし余りに多く加えて
も経費がかかるだけであるから上限は100 wt%に止める
ことが好ましい。
【0014】好ましい添加方法は、塩化亜鉛を溶剤に懸
濁させる際に添加混合する方法である。その後、トリア
ルキルアルミニウムの装入速度によって反応の進行を制
御しつつ合成反応を行う。そうすることによって、合成
反応時副生する固体は大きさが直径で最大2mm程度に止
まり、反応後の溶液は流動性が非常に良好で反応時の攪
拌、反応終了後の反応液の移液等の操作に何らの支障も
きたさない。 反応終了後はジアルキル亜鉛は通常蒸留
によって分離、精製される。ジアルキルアルミニウムク
ロライドも同様に蒸留により分離、精製される。また、
他の方法たとえば再結晶、錯体形成等によって分離して
も良い。更には、水酸化アルミニウム、アルミナにして
利用してもよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はそれによって限定されるもの
ではない。
【0016】実施例1 攪拌機、滴下ロート、温度計、三方コックを装着した30
0ミリリットルガラス製四つ口フラスコに内部を窒素置
換した。
【0017】次に脱水した塩化亜鉛45g(0.33モル) を脱
水した流動パラフィン36g に懸濁し、更に乾燥した水酸
化亜鉛1.5g(塩化亜鉛の3.3 wt%)を混合し懸濁させ
た。そのあと四つ口フラスコに装入した。次にトリメチ
ルアルミニウム48.0g(0.666 モル) を滴下ロートから反
応温度を25℃に保ちつつ2時間かけて滴下した。
【0018】反応を完結させるため滴下終了後30分間攪
拌を続けた。反応終了後、溶液中に黒色の固体が副生し
たが、その大きさは直径で最大1mm 程であり攪拌や溶液
の抜き出しに何らの支障もなかった。又、溶液を分析し
たところ、ジメチル亜鉛の収率は93%であった。
【0019】実施例2 実施例1と同様の装置と方法を用いて実験を行ったが、
試薬として今回は脱水した塩化亜鉛47.9g(0.352 モ
ル)流動パラフィン40g 、アルミナ2g(塩化亜鉛の4.2
wt%)の懸濁液とトリ-n-ブチルアルミニウム147g(0.7
16 モル) を用いた。反応終了後、副生した黒色の固体
の大きさは直径で最大1mmであった。
【0020】実施例3 実施例1と同様の装置と方法を用いて実験を行ったが、
試薬として今回は脱水した塩化亜鉛 45g(0.330 モル)
ドデカン40g 、セライト0.5g(塩化亜鉛の1.1 wt%)の
懸濁液とトリエチルアルミニウム 78g(0.683 モル)を
用いた。
【0021】反応終了後、副生した黒色の固体の大きさ
は、直径で最大2mmであった。又、溶液を分析したとこ
ろ、ジエチル亜鉛の収率は94%であった。
【0022】実施例4 攪拌機、滴下ロート、温度計、三方コックを装置した1
リットルのガラス製四つ口フラスコの内部を窒素置換し
た。次に脱水した塩化亜鉛300g(2.2 モル)、乾燥した
水酸化アルミニウム6.5g(塩化亜鉛の2.2wt%)を流動
パラフィン300gに混合し懸濁して四つ口フラスコに装入
した。次にトリエチルアルミニウム511g(4.47モル)を
滴下ロートから反応温度を35℃に保ちつつ3時間に渡っ
て滴下した。水酸化アルミニウムの存在による特別な発
熱は認められなかった。
【0023】反応を完結させるため滴下終了後15分間攪
拌を続けた。反応終了後副生した固体の大きさは直径で
最大2mmであった。攪拌、移液等に何らの問題も生じな
かった。反応液を分析したところ、ジエチル亜鉛の収率
は90%であった。
【0024】比較例1、2、実施例5、6 水酸化アルミニウムの必要添加量の検討を行った。実施
例4と同様にして水酸化アルミニウムの添加量を変えて
実験を行った。結果は表1に示す。これにより添加量は
塩化亜鉛の1wt%以上であれば良いことがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、反応時に副生す
る固体の大きさを細かくすることが出来る。その結果反
応中の攪拌時や反応後の反応液の移液を何らの障害も起
こすことなく円滑に行うことができる。又、この方法に
起因する発熱や収率の低下も見られない。その結果、ジ
アルキル亜鉛の製造を容易に行うことが出来る様にな
り、産業に利するところ大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 忠雄 大阪府高石市高砂1丁目6番地三井東圧 化学株式会社内 審査官 本堂 裕司 (56)参考文献 特開 昭63−239288(JP,A) 特公 昭37−2026(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 3/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素の酸化物、アルミニウムの酸化
    物、アルミニウムの水酸化物、亜鉛の水酸化物の中から
    1種以上を、塩化亜鉛に対し1wt%以上存在させて、塩
    化亜鉛とトリアルキルアルミニウムを反応させることを
    特徴とするジアルキル亜鉛の製造方法。
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