JPH07242682A - ジハロゲノアルキルホスファンの製造法 - Google Patents

ジハロゲノアルキルホスファンの製造法

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JPH07242682A
JPH07242682A JP5455994A JP5455994A JPH07242682A JP H07242682 A JPH07242682 A JP H07242682A JP 5455994 A JP5455994 A JP 5455994A JP 5455994 A JP5455994 A JP 5455994A JP H07242682 A JPH07242682 A JP H07242682A
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JP
Japan
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dihalogenoalkylphosphane
reaction
temperature
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JP5455994A
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English (en)
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Kazuhide Takashima
一英 高嶋
Satoshi Tsukamura
聡 塚村
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルキルハライドと三ハロゲン化りんと無水
塩化アルミニウムとのフリーデルクラフツ反応生成物を
無水塩化アルミニウムと親和性のある極性溶媒中、M
g,Ca,Al,Sn,Fe,Co,Ni,Cu及びZ
nの群から選ばれた1種又は2種以上の金属、あるいは
炭化水素系溶媒中、Li,Na,K及びNaKの群から
選ばれた1種又は2種以上の金属を用いて還元すること
を特徴とするジハロゲノアルキルホスファンの製造法。 【効果】 簡便な操作で、穏和な反応条件で反応が進行
し目的物が高収率で得られる工業的に優れた製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維及びフィルム等の
難燃剤合成や農薬及びその他の有機りん化合物の出発物
質としての重要性が高いジハロゲノアルキルホスファン
の製造法に関する。本発明により製造されるジハロゲノ
アルキルホスファン、例えば、ジクロロメチルホスファ
ンはアクリル酸と反応させた後に無水酢酸と反応させる
ことで、2−メチル−2,5−ジオキソ−1−オキサ−
2−ホスホランにすることができ、これをポリエステル
材料に組み込むことにより、難燃性の高い繊維等にする
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来、ジハロゲノアルキルホスファン、
特に工業的に有用なジクロロメチルホスファンの製法と
しては、三塩化りんとメタンを四塩化炭素の存在下、5
00℃以上温度、常圧下又は加圧下で直接反応させる合
成法が知られており、特開昭53−5123号公報、特
開昭53−18517号公報、特開昭53−23929
号公報、特開昭58−116494号公報等に記載があ
る。この直接反応は高温気相反応であるため、危険を伴
い、反応副生成物も多くそれを除去するための設備も複
雑なものが必要である。そのためその設備費用も多額と
なることが予想され、工業的には問題が多い。
【0003】一方、公知の反応である三塩化りんとアル
キルクロライドのフリーデルクラフツ反応から得られる
反応生成物を赤りんを還元剤に用い加熱溶融させ、ジク
ロロアルキルホスファンを合成する方法がZhur.Obshc
h.Khim.28,2963(1958)に記載されてい
る。しかし、高温で無溶媒での反応であるため、溶媒系
での反応に比べ反応後の処理が難しく工業的規模では実
施が困難である。また、フリーデルクラフツ反応から得
られる反応生成物に金属ハイドライド(CaH2,Li
H)又は金属粉(Mg,Ca,Fe,Ni,Cu,Z
n)を加え、加熱溶融してジクロロアルキルホスファン
を合成する方法がZhur.Obshch.Khim.35(6)10
27(1965)に記載されている。しかし、これらも
無溶媒の反応であり、どの還元剤を使用しても収率は5
0%程度と低く経済的なメリットが少ない。特開昭63
−196593号公報に記載された方法では、フリーデ
ルクラフツ反応から得られる反応生成物と無水塩化アル
ミニウムと親和性のある極性溶媒系で、触媒としてよう
素の存在下、黄りんで還元し、ジハロゲノアルキルホス
ファンを合成する。しかし、触媒の存在なしには反応収
率は極端に低く、一方触媒を使用した反応残滓の有効利
用を考えた場合、よう素の処理が問題となる。また、還
元剤の黄りんは発火点が34℃と室温付近であるため、
その取扱いは非常に難しく、危険を伴うものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の技
術の欠点を有さない工業的に有用な製造方法を見出すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、特定の有機溶媒を使用する
系において、ある種の金属を用い還元することにより目
的のジハロゲノアルキルホスファンを高収率で合成でき
ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明はア
ルキルハライドと三ハロゲン化りんと無水塩化アルミニ
ウムとのフリーデルクラフツ反応生成物を無水塩化アル
ミニウムと親和性のある極性溶媒中、Mg,Ca,A
l,Sn,Fe,Co,Ni,Cu及びZnの群から選
ばれた1種又は2種以上の金属、あるいは炭化水素系溶
媒中、Li,Na,K及びNaKの群から選ばれた1種
又は2種以上の金属を用いて還元することを特徴とする
ジハロゲノアルキルホスファンの製造法である。
【0005】本発明を実施するには、まず公知の方法に
従って有機溶媒中、無水塩化アルミニウムと三ハロゲン
化りんとアルキルハライドのフリーデルクラフツ反応に
より反応生成物を得る。アルキルハライドとしては、例
えばメチルクロライドやエチルクロライドなどが挙げら
れるが、好ましくはメチルクロライドが使用される。三
ハロゲン化りんとしては、例えば三塩化りんや三臭化り
んなどが挙げられるが、好ましくは三塩化りんが使用さ
れる。フリーデルクラフツ反応の溶媒としては、反応に
不活性であり後の操作の溶媒交換が容易な有機溶媒、特
に塩化メチレンが安価であり工業的に利用しやすく好ま
しい。耐圧容器に前記原料(無水塩化アルミニウム、ア
ルキルハライド、三ハロゲン化りん)と溶媒を仕込み、
密封した後、徐々に昇温させ、約80℃内外の温度で数
時間保持させる。その後冷却すると、反応生成物のスラ
リーが得られる。この反応は代表的には、例えば次式で
表される。
【0006】こうして得られた反応生成物は、以下の方
法により還元することにより目的物を得ることができ
る。 1.還元剤としてMg,Ca,Al,Sn,Fe,C
o,Ni,Cu又はZnを使用する場合:前記得られた
反応生成物と、無水塩化アルミニウムと親和性のある極
性溶媒とを混合、溶解させた後、塩化メチレン等のフリ
ーデルクラフツ反応に用いた溶媒、過剰の三ハロゲン化
りん、アルキルハライド等を留去する。この溶液に上記
示した金属の1種又は2種以上を添加し、還元する。無
水塩化アルミニウムと親和性のある極性溶媒としては例
えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
ーテル類、ベンゾニトリル等のニトリル類、テトラクロ
ロエタン等が挙げられ、反応操作性及びジハロゲノアル
キルホスファンの収率等の観点からエステル類、特にフ
タル酸ジエチルが好ましい。その有機溶媒の使用量は、
使用する溶媒の種類によっても異なり、フリーデルクラ
フツ反応生成物を溶解させるに足る量以上であれば良
く、特に規定しないが、反応操作を支障なく行うことが
でき、工業的に経済性のある量、例えば無水塩化アルミ
ニウム1モルに対し400〜1200グラムの範囲が好
ましい。使用する金属は反応性の点から粒度の小さい粉
末状のものが好ましい。その使用量はフリーデルクラフ
ツ反応生成物をジハロゲノアルキルホスファンに還元す
る反応の還元剤の理論量の0.8〜1.5倍であり、好
ましくは0.95〜1.2倍である。上限は特に規定し
ないが1.5倍量を越える使用は必要でなく、不経済で
ある。使用する金属としては特にAlが好ましい。還元
反応時の条件としては特別な規定は必要ではなく、好ま
しくは例えば、常圧下、攪拌しながら常温以上100℃
以下の温度で1〜10時間行えばよい。高沸点溶媒を使
用する場合は、還元反応とともにまたは反応終了後減圧
蒸留を行うことで、高純度のジハロゲノアルキルホスフ
ァンを得ることができる。さらに高収率でジハロゲノア
ルキルホスファンを得るためには、三ハロゲン化りんを
添加し、蒸留することによってジハロゲノアルキルホス
ファン−三ハロゲン化りん混合物として得ることができ
る。三ハロゲン化りんを添加する場合、還元反応前、反
応中、反応後、一部ジハロゲノアルキルホスファンを得
た後いずれの場合も可能である。こうして得た混合物を
例えば再蒸留することにより目的物と三ハロゲン化りん
に分離し、三ハロゲン化りんは原料系に再度使用が可能
である。この還元反応を還元剤をアルミニウムとしたと
きを代表的に例として示せば、次式のようになる。
【0007】2.還元剤としてLi,Na,K又はNa
Kを使用する場合:反応生成物と炭化水素系溶媒とを混
合した後、フリーデルクラフツ反応に用いた溶媒、過剰
の三ハロゲン化りん及びアルキルハライド等を留去す
る。この混合物に上記金属の1種又は2種以上を添加
し、還元する。炭化水素系溶媒としては、例えば飽和炭
化水素類、トルエン、キシレン又はテトラリン等であ
り、好ましくはキシレン、テトラリンが挙げられる。こ
の有機溶媒の使用量は、特に規定しないが使用する溶媒
の種類によっても異なり、反応操作を支障なく行うこと
ができ工業的に経済性がある量であればよい。通常、好
ましくは例えば無水塩化アルミニウム1モルあたり、2
00〜800グラムである。金属の形状は特に規定しな
いが、反応操作、進行を妨げない形状が好ましい。使用
量は、フリーデルクラフツ反応生成物をジハロゲノアル
キルホスファンに還元する反応の還元剤の理論量の0.
8〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.1倍である。使
用する金属としては特にNaが好ましい。還元反応時の
条件としては特別な規定は必要ではなく、通常は、常圧
下、攪拌しながら用いる金属の溶融温度以上、系の沸点
以下の温度で3時間以内程度行えばよい。還元反応終了
後は三ハロゲン化りんを添加した後、減圧蒸留すること
により、ジハロゲノアルキルホスファン−三ハロゲン化
りん混合物を高収率で得ることができる。
【0008】
【実施例】以下に示す実施例は、本発明を説明するもの
であって、何らこれに限定されるものではない。 実施例1 1リットルガラス製オートクレーブに無水塩化アルミニ
ウム40.00g、三塩化りん53.54g、塩化メチ
レン90.0gを仕込み、密封した。攪拌しながら、0
℃まで冷却してアスピレーターで容器内を減圧にした。
次に塩化メチルン15.90gを導入して徐々に加熱し
て3時間で80℃まで昇温させた。そのとき圧力は42
0KPaになった。そのままの温度で5時間熟成し、冷
却すると反応生成物がスラリー状で析出した。次に1リ
ットル四口フラスコに攪拌装置、温度計、蒸留装置、滴
下ロートをセットし、前記フリーデルクラフツ反応生成
物を仕込み、10℃に冷却した後、フタル酸ジエチル2
40.0gを滴下した。滴下とともに発熱し、しばらく
するとスラリーは溶解した。さらに1時間攪拌の後、減
圧蒸留して塩化メチレンと過剰量の三塩化りんおよび塩
化メチルを留去した。このフタル酸ジエチルの溶液にア
ルミニウム粉末6.21gを添加し、70℃に加熱して
この温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、その温度
で減圧蒸留を行って留出物26.77gを得た。これを
ガスクロマトグラフで定量分析を行った結果、ジクロロ
メチルホスファンが88.32重量%含有されていた。
さらにこの溶液に10℃で三塩化りん72.00gを添
加し、1時間攪拌後、減圧蒸留を行って留出物70.1
3gを得た。ここにはジクロロメチルホスファンが8.
58重量%含有されていた。これらをトータルすると、
無水塩化アルミニウムを基準にした収率で84.6%で
ある。
【0009】実施例2 実施例1と同様に反応生成物スラリーを合成し、フタル
酸ジブチル240.0gに溶媒交換した。このフタル酸
ジブチルの溶液に亜鉛粉末23.54gを添加し、70
℃に加熱してこの温度で4時間加熱熟成した。反応終了
後、その温度で減圧蒸留を行って留出物23.98gを
得た。ここにはジクロロメチルホスファンが88.58
重量%含有されていた。次にこの溶液に10℃で三塩化
りん72.00gを添加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留
を行って留出物69.83gを得た。ここにはジクロロ
メチルホスファンが10.35重量%含有されていた。
これらをトータルすると、無水塩化アルミニウムを基準
にした収率で81.2%である。
【0010】実施例3 実施例1と同様に反応生成物スラリーを合成し、フタル
酸ジエチルに溶媒交換した。このフタル酸ジエチルの溶
液にマグネシウム粉末8.39gを添加し、70℃に加
熱してこの温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、そ
の温度で減圧蒸留を行って留出物19.84gを得た。
ここにはジクロロメチルホスファンが92.67重量%
含有されていた。次にこの溶液に10℃で三塩化りん7
2.00gを添加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を行っ
て留出物70.05gを得た。ここにはジクロロメチル
ホスファンが8.66重量%含有されていた。これらを
トータルすると、無水塩化アルミニウムを基準にした収
率で69.7%である。
【0011】実施例4 実施例1と同様に反応生成物スラリーを合成し、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル240.0gに溶媒交
換した。このジエチレングリコールジメチルエーテルの
溶液に鉄粉末12.84gを添加し、90℃に加熱して
この温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、その温度
で減圧蒸留を行って留出物27.75gを得た。ここに
はジクロロメチルホスファンが77.65重量%含有さ
れていた。次にこの溶液に10℃で三塩化りん72.0
0gを添加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を行って留出
物70.88gを得た。ここにはジクロロメチルホスフ
ァンが4.32重量%含有されていた。これらをトータ
ルすると、無水塩化アルミニウムを基準にした収率で7
0.2%である。
【0012】実施例5 実施例1と同様に反応生成物スラリーを合成し、ベンゾ
ニトリル240.0gに溶媒交換した。このベンゾニト
リルの溶液にスズ粉末35.61gを添加し、50℃に
加熱してこの温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、
その温度で減圧蒸留を行って留出物10.54gを得
た。ここにはジクロロメチルホスファンが94.77重
量%含有されていた。次にこの溶液に10℃で三塩化り
ん72.00gを添加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を
行って留出物68.09gを得た。ここにはジクロロメ
チルホスファンが20.77重量%含有されていた。こ
れらをトータルすると、無水塩化アルミニウムを基準に
した収率で68.8%である。
【0013】実施例6 1リットルガラス製オートクレーブに無水塩化アルミニ
ウム40.00g、三臭化りん105.57g、塩化メ
チレン90.0gを仕込み、密封した。攪拌しながら、
0℃まで冷却してアスピレーターで容器内を減圧にし
た。次に塩化メチル15.90gを導入して徐々に加熱
して3時間で80℃まで昇温させた。そのとき圧力は4
10KPaになった。そのままの温度で5時間熟成し、
冷却すると反応生成物がスラリー状で析出した。次に1
リットル四口フラスコに攪拌装置、温度計、蒸留装置、
滴下ロートをセットし、前記フリーデルクラフツ反応生
成物を仕込み、10℃に冷却した後、フタル酸ジエチル
240.0gを滴下した。滴下とともに発熱し、しばら
くするとスラリーは溶解した。さらに1時間攪拌の後、
減圧蒸留して塩化メチレンと過剰量の三臭化りん及び塩
化メチルを留去した。このフタル酸ジエチルの溶液にア
ルミニウム粉末6.21gを添加し、70℃に加熱して
この温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、その温度
で減圧蒸留を行って留出物32.27gを得た。これを
ガスクロマトグラフで定量分析を行った結果、ジブロモ
メチルホスファンが92.30重量%含有されていた。
さらにこの溶液に10℃で三臭化りん72.00gを添
加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を行って留出物67.
71gを得た。ここにはジブロモメチルホスファンが1
4.05重量%含有されていた。これらをトータルする
と、無水塩化アルミニウムを基準にした収率で63.6
%である。
【0014】実施例7 1リットルガラス製オートクレーブに無水塩化アルミニ
ウム40.00g、三塩化りん53.54g、塩化メチ
レン90.0gを仕込み、密封した。攪拌しながら、0
℃まで冷却してアスピレーターで容器内を減圧にした。
次に塩化エチル20.32gを導入して徐々に加熱して
3時間で80℃まで昇温させた。そのとき圧力は410
KPaになった。そのままの温度で5時間熟成し、冷却
すると反応生成物がスラリー状で析出した。次に1リッ
トル四口フラスコに攪拌装置、温度計、蒸留装置、滴下
ロートをセットし、前記フリーデルクラフツ反応生成物
を仕込み、10℃に冷却した後、フタル酸ジエチル24
0.0gを滴下した。滴下とともに発熱し、しばらくす
るとスラリーは溶解した。さらに1時間攪拌の後、減圧
蒸留して塩化メチレンと過剰量の三塩化りん及び塩化エ
チルを留去した。このフタル酸ジエチルの溶液にアルミ
ニウム粉末6.21gを添加し、70℃に加熱してこの
温度で5時間加熱熟成した。反応終了後、その温度で減
圧蒸留を行って留出物28.18gを得た。これをガス
クロマトグラフで定量分析を行った結果ジクロロエチル
ホスファンが87.13重量%含有されていた。さらに
この溶液に10℃で三塩化りん72.00gを添加し、
1時間攪拌の後、減圧蒸留を行って留出物70.47g
を得た。ここにはジクロロエチルホスファンが11.5
5重量%含有されていた。これらをトータルすると、無
水塩化アルミニウムを基準にした収率で83.2%であ
る。
【0015】実施例8 1リットルガラス製オートクレーブに無水塩化アルミニ
ウム173.33g、三塩化りん232.02g、塩化
メチレン390.0gを仕込み、密封した。攪拌しなが
ら、0℃まで冷却してアスピレーターで容器内を減圧に
した。次に塩化メチル69.58gを導入して徐々に3
時間で80℃まで昇温させた。そのとき圧力は420K
Paになった。そのままの温度で5時間熟成し、冷却す
ると反応生成物がスラリー状で析出した。次に2リット
ル四口フラスコに攪拌装置、温度計、蒸留装置、滴下ロ
ートをセットし、前記フリーデルクラフツ反応生成物を
仕込み、10℃に冷却したあと、テトラリン650.0
gを添加した。1時間攪拌の後、減圧蒸留して塩化メチ
レンと過剰量の三塩化りん及び塩化メチルを留去した。
このテトラリンに溶媒交換したフリーデルクラフツ反応
生成物の系に金属ナトリウム56.79gを添加し、加
熱した。96℃付近で金属ナトリウムが溶融し始めたと
同時に発熱が認められた。96℃から120℃にかけて
約40分間で温度をコントロールしながら昇温させた。
120℃に達したあたりで発熱が収まったため、加熱し
て130℃まで昇温させ、その温度で30分保持させ
た。その後10℃まで冷却した。次にここに三塩化りん
650.0gを添加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を行
って留出物613.6gを得た。ここにはジクロロメチ
ルホスファンが20.34重量%含有されていた。無水
塩化アルミニウムを基準とした収率で82.1%であ
る。
【0016】実施例9 実施例8と同様に反応生成物スラリーを合成し、o−キ
シレン650.0gに溶媒交換した。このo−キシレン
に溶媒交換したフリーデルクラフツ反応生成物の系に金
属ナトリウム56.79gを添加し、加熱した。96℃
付近で金属ナトリウムが溶融し始めたと同時に発熱が認
められた。96℃から122℃にかけて約40分間で温
度をコントロールしながら昇温させた。122℃に達し
たあたりで発熱が収まったため、加熱して130℃まで
昇温させ、その温度で30分保持させた。その後10℃
まで冷却した。次にここに三塩化りん650.0gを添
加し、1時間攪拌の後、減圧蒸留を行って留出物61
7.0gを得た。ここにはジクロロメチルホスファンが
20.00重量%含有されていた。無水塩化アルミニウ
ムを基準とした収率で81.2%である。
【0017】実施例10 1リットルガラス製オートクレーブに無水塩化アルミニ
ウム173.33g、三塩化りん232.02g、塩化
メチレン390.0gを仕込み、密封した。攪拌しなが
ら、0℃まで冷却してアスピレーターで容器内を減圧に
した。次に塩化エチル88.07gを導入して徐々に3
時間で80℃まで昇温させた。そのとき圧力は410K
Paになった。そのままの温度で5時間熟成し、冷却す
ると反応生成物がスラリー状で析出した。次に2リット
ル四口フラスコに攪拌装置、温度計、蒸留装置、滴下ロ
ートをセットし、前記フリーデルクラフツ反応生成物を
仕込み、10℃に冷却した後、isopar−G(登録
商標、脂肪族飽和炭化水素、平均分子量149)65
0.0gを添加した。1時間攪拌の後、減圧蒸留して塩
化メチレンと過剰量の三塩化りん及び塩化エチルを留去
した。このisopar−Gに溶媒交換したフリーデル
クラフツ反応生成物の系に金属ナトリウム59.18g
を添加し、加熱した。96℃付近で金属ナトリウムが溶
融し始めたと同時に発熱が認められた。95℃から12
2℃にかけて約40分間で温度をコントロールしながら
昇温させた。122℃に達したあたりで発熱が収まった
ため、加熱して130℃まで昇温させ、その温度で30
分保持させた。その後10℃まで冷却した。次にここに
三塩化りん650.0gを添加し、1時間攪拌の後、減
圧蒸留を行って留出物620.7gを得た。ここにはジ
クロロエチルホスファンが22.15重量%含有されて
いた。無水塩化アルミニウムを基準とした収率で80.
8%である。
【0018】
【発明の効果】本発明の製造法は簡便な操作で、穏和な
反応条件で反応が進行し、高収率で目的物が得られる工
業的に優れた製造法である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルハライドと三ハロゲン化りんと
    無水塩化アルミニウムとのフリーデルクラフツ反応によ
    る反応生成物を無水塩化アルミニウムと親和性のある極
    性溶媒中、Mg,Ca,Al,Sn,Fe,Co,N
    i,Cu及びZnの群から選ばれた1種又は2種以上の
    金属、あるいは炭化水素系溶媒中、Li,Na,K,及
    びNaKの群から選ばれた1種又は2種以上の金属を用
    いて還元することを特徴とするジハロゲノアルキルホス
    ファンの製造法。
  2. 【請求項2】 無水塩化アルミニウムと親和性のある極
    性溶媒がエステル類である請求項1記載のジハロゲノア
    ルキルホスファンの製造法。
  3. 【請求項3】 炭化水素系溶媒が飽和炭化水素類、トル
    エン、キシレン又はテトラリンである請求項1記載のジ
    ハロゲノアルキルホスファンの製造法。
  4. 【請求項4】 金属がAlである請求項1又は請求項2
    記載のジハロゲノアルキルホスファンの製造法。
  5. 【請求項5】 金属がNaである請求項1又は請求項3
    記載のジハロゲノアルキルホスファンの製造法。
  6. 【請求項6】 アルキルハライドがメチルクロライド又
    はエチルクロライドでありかつ三ハロゲン化りんが三塩
    化りんである請求項1ないし請求項5記載のジハロゲノ
    アルキルホスファンの製造法。
  7. 【請求項7】 金属を用いて還元する工程以降に三ハロ
    ゲン化りんを添加した後、減圧蒸留してジハロゲノアル
    キルホスファンを得る請求項1ないし請求項5記載のジ
    ハロゲノアルキルホスファンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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