JP2863205B2 - 扁平形状を有する樹脂成形品の製造方法及びその装置、並びにフラットモータのコンミュテータ - Google Patents

扁平形状を有する樹脂成形品の製造方法及びその装置、並びにフラットモータのコンミュテータ

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JP2863205B2 JP22162889A JP22162889A JP2863205B2 JP 2863205 B2 JP2863205 B2 JP 2863205B2 JP 22162889 A JP22162889 A JP 22162889A JP 22162889 A JP22162889 A JP 22162889A JP 2863205 B2 JP2863205 B2 JP 2863205B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、扁平形状を有する樹脂成形品を射出成形す
る際にウェルドラインの発生を防止するようにした扁平
形状を有する樹脂成形品の製造方法及びその装置、並び
に、扁平形状を有する樹脂成形品の一種であるフラット
モータのアマチュアを射出成形する際にウェルドランイ
ンの発生を防止するようにしたフラットモータのコンミ
ュテータの改良に関する。
(従来の技術) 自動車用ラジエータの冷却ファンあるいは自動車用空
気調和装置のインテークユニット内に設けられた送風フ
ァン等を駆動するために、フラットモータが使用されて
いる(例えば、実開昭61−126,776号公報等参照)。
このフラットモータ1は、第5図に示すように、第1
ブラケット2と第2ブラケット3とを合体して構成され
る密閉ケーシング4を有している。前記各ブラケット
2、3に支持された含油軸受5を介して回転軸6が軸支
され、この回転軸6の内端とアマチュア7のハブ部7aと
は、セレーションを介して嵌合している。前記第2ブラ
ケット2の内面には、永久磁石8が前記アマチュア7と
小許の間隙を有するように設けられ、この永久磁石8と
ケーシング4との間に形成される磁界を切ってアマチュ
ア7が回転するようになっている。
このアマチュア7は、多数の単コイルCからなるアマ
チュアコイル9をほぼ全体にわたり合成樹脂によりモー
ルドして扁平は回転体を構成したものであり、その中心
部から突出した接続線eはコンミュテータ10に接続して
いる。また、コンミュテータ10の外周面には、給電用ブ
ラシ11が受部12に内装したコイルばね13の弾発力を受け
て摺接している。
前記単コイルCは、第6図に示すように、所定直径の
銅線14をほぼ台形となるように環状に巻回し形成されて
いる。そして、この単コイルCをコンミュテータ10の周
囲に所定ピッチずらして環状にかつ重畳的に配置するこ
とにより、前記アマチュアコイル9が形成されている。
前記コンミュテータ10は、第7図に拡大して示すよう
に、ブラシ11が摺接するセグメントSを治具等を用いて
環状に配列した後に、熱硬化性樹脂15により一体化した
ものである。各セグメントSは、単コイルCの端子eが
接続されるフック部16と、樹脂15内に食い込む爪部17と
を有しており、銅ないし銅合金の板材を打ち抜いた後、
フック部16と爪部17とを折り曲げて形成されている。
次に、扁平な樹脂成形品である前記アマチュア7を成
形方法及びその装置を、第8図に基づいて概説する。
このアマチュア7は、予め成形されたコンミュテータ
10と、該コンミュテータ10に接続線eを介して接続され
たアマチュアコイル9とを、射出成形装置18内に設置
し、射出成形法により樹脂モールドされている。
前記射出成形装置18は、アマチュア7の外形形状に対
応したキャビティ19を形成する下型20と上型21を有して
いる。下型20には、コンミュテータ10が嵌合するコンミ
ュテータ用受け孔22が形成されている。また、上型21に
は、スプルーブッシュ24が交換自在に装着されており、
該スプルーブッシュ24には、成形機のノズル25から溶融
樹脂材料を型内に導入するスプルー26と、溶融樹脂材料
をキャビティ19内に射出するゲート27とが形成されてい
る。尚。図中符号「28」は、上下型21、20の位置合わせ
を行うためのピンである。
そして、アマチュアコイル9をモールド成形する場合
には、先ず、熱硬化性樹脂15で予め成形したコンミュテ
ータ10のフック部16に、アマチュアコイル9の各接続線
eを接続する。次に、これらを、コンミュテータ10が前
記受け孔22に嵌合するように、下型20上に載置する。次
いで、ピン28で位置合わせを行って下型20と上型21とを
型締めし、その後、溶融した熱可塑性樹脂29を、成形機
のノズル25→スプルー26→ゲート27を介してキャビティ
内19に射出する。そして、この型締めした状態で、所定
時間だけ熱可塑性樹脂29を冷却固化させると、アマチュ
アコイル9が樹脂29で扁平な形状に覆われる形で、アマ
チュアコイル9とコンミュテータ10とが一体化される。
(発明が解決しようとする課題) このような射出成形装置18における前記ゲート27は、
キャビティ19に面し溶融樹脂材料の射出口であるため、
成形品の品質及び生産性に大きな影響を及ぼす重要な部
分である。また、ゲート27は、溶融樹脂材料がキャビテ
ィ19内に流入中はできるだけ流通抵抗が少ない方が良
く、一方、キャビティ19内が充満した後は可及的速やか
に冷却固化してキャビティ19内の樹脂を封じ込めること
が要求される。更に、型20、21から取り出した成形品の
ゲートトリミングの後仕上げが簡単で、そのあと目立た
ないことも重要である。このように、ゲート27の大き
さ、形状は相反する二つの要求の適当な妥協点を見出だ
して決められており、一般に、その形状から制限ゲート
と、非制限ゲートとに分類されている。
前者の制限ゲートは、周知のように、その断面積がゲ
ートの急速な固化を可能にする程度に制限されたものを
いい、この種の制限ゲートとして、標準ゲートが多用さ
れている。この標準ゲートをスプルーブッシュ24に3箇
所設けた射出成形装置18によって、前記アマチュア7を
成形した場合を説明する。
この場合、第9図に示すように、標準ゲートに面する
位置を破線の円形で示すと、キャビティ19内では、溶融
樹脂材料の複数の流動(図示矢印)が生じており、各流
動先端が完全に融着しないときには、合流して溶着した
部分に細長いウェルドライン30が発生する虞がある。こ
のウェルドライン30によって、外観的に目立ったり強度
が著しく低下してクラックが発生する等の問題があっ
た。このようなウェルドライン30の発生は、ゲート27が
2箇所以上ある場合には避けることはできないため、前
記標準ゲートを1箇所だけ設けることも考えられるが、
このように構成したとしても、アマチュア7自身は円盤
形状であるため溶融樹脂材料の二つ以上の流動は必ず生
じ、ウェルドライン30を防止することはできないもので
ある。
一方、後者の非制限ゲートであるフィルムゲート、リ
ングゲート、ディスクゲート等ゲート27を用いてアマチ
ュア7を射出成形すると、キャビティ19内では、溶融樹
脂材料は非制限ゲートから放射状に流動するので、前記
ウェルドライン30の発生を防止することはできる。しか
しながら、これら非制限ゲートは、その形状が複雑であ
ることから型費用が高額になってしまうという問題があ
る。しかも、上下型20、21を引き離す際に、環状の大き
なバリができてしまい、標準ゲートの場合と比較する
と、ゲートトリミング後仕上げが困難になるという欠点
があった。
尚、第8図に示すように、ゲート27を前記標準ゲート
として射出成形する場合、キャビティ19のうちアマチュ
ア7のハブ部7aに対応する部分H(図中クロスハッチ部
分)が一時的に溶融樹脂材料を溜めておき、この部分H
が樹脂で満たされると、樹脂が溢れ出るように放射状に
流動するのではないかとも考えられる。しかしながら、
図中平坦面に記載されているアマチュアコイル9は、複
数の単コイルCを環状にかつ重畳的に配置したものであ
るため、形成したアマチュアコイル9を加圧扁平して
も、その表面を微視的に見れば、各単コイルCの間に段
差、隙間が生じており、決して平坦面にはなっていな
い。このため、実際では、前記部分Hに向けて射出され
た溶融樹脂材料は、当該部分Hからコンミュテータ10の
外周に沿って円周方向に流動するよりも、アマチュアコ
イル9の両面の前記段差あるいは隙間に沿って径方向外
方に向かって流動する方が速く、溶融樹脂材料は、アマ
チュアコイル9に沿って不規則に流動している。従っ
て、キャビティ19内に前記部分Hが存在していても、溶
融樹脂材料は、当該部分Hに一旦溜まった後に溢れ出る
ように放射状に流動せず、ウェルドライン30の発生を防
止することはできなかった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになさ
れたものであり、第1の目的は、制限ゲートから溶融樹
脂材料を射出し扁平形状を有する樹脂成形品を射出成形
する際、溶融樹脂材料を放射状に流動させウェルドライ
ン30の発生を防止し得る扁平形状を有する樹脂成形品の
製造方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、扁平形状を有する樹脂
成形品を射出成形する装置であって、型構造が簡単でし
かも後仕上げの容易な制限ゲートを用いる一方、溶融樹
脂材料を放射状に流動させウェルドラインの発生を防止
し得る扁平形状を有する樹脂成形品の製造装置を提供す
ることである。
更に、本発明の第3の目的は、扁平形状を有する樹脂
成形品の一種であるフラットモータのアマチュアを射出
成形する際、溶融樹脂材料を放射状に流動させウェルド
ラインの発生を防止し得るフラットモータのコンミュテ
ータを提供することである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記第1の目的を達成するための本発明は、少なくと
も上型と下型とで形成され扁平形状を有するキャビティ
内に、前記上型に設けられ射出口としての制限ゲートか
ら溶融樹脂材料を射出し、前記キャビティの前記扁平形
状に対応した形状の樹脂成形品を射出成形する際に、前
記型内に予め載置されるインサート品若しくは前記下型
の少なくとも一方に形成されると共に前記樹脂成形品の
扁平面の略中心部に位置する環状溝内に、前記制限ゲー
トから前記溶融樹脂材料を射出し、射出された前記溶融
樹脂材料を、前記環状溝に一旦充満した後に該環状溝を
乗り越えて前記キャビティの外方に向けて放射状に流動
させるように射出成形したことを特徴とする扁平形状を
有する樹脂成形品の製造方法である。
また、上記第2の目的を達成するための本発明は、少
なくとも上型と下型とで形成され扁平形状を有するキャ
ビティ内に、前記上型に設けられ射出口としての制限ゲ
ートから溶融樹脂材料を射出し、前記キャビティの前記
扁平形状に対応した形状の樹脂成形品を射出成形する扁
平形状を有する樹脂成形品の製造装置において、前記制
限ゲートから射出された前記溶融樹脂材料を一旦充満す
ると共に充満した前記溶融樹脂材料を前記キャビティの
外方に向けて放射状に流動させる環状溝を、前記樹脂成
形品の扁平面の略中心部に位置するように、前記型内に
予め載置されるインサート品若しくは前記下型の少なく
とも一方に形成したことを特徴とする扁平形状を有する
樹脂成形品の製造装置である。
更に、上記第3の目的を達成するための本発明は、ブ
ラシが摺接するセグメントが回転軸と略同心の円筒状外
周面に設けられたコンミュテータと、複数の単コイルが
前記回転軸の直交する平面で多数環状にかつ重畳的に配
置されると共に前記コンミュテータに接続されるアマチ
ュアコイルとを有し、このアマチュアコイルと前記コン
ミュテータとを、少なくとも上型と下型とで形成される
キャビティ内に載置し、このキャビティ内に前記上型に
設けた射出口から溶融樹脂材料を射出して前記アマチュ
アコイルを樹脂モールドし、前記アマチュアコイルと前
記コンミュテータとを一体化するようにしたフラットモ
ータにおいて、前記射出口として制限ゲートを前記上型
に設け、前記制限ゲートから射出された前記溶融樹脂材
料を一旦充満すると共に充満した前記溶融樹脂材料を径
方向外方に向けて放射状に流動させる環状溝を、前記コ
ンミュテータの軸方向両端面のうち前記制限ゲートに面
する端面に形成したことを特徴とするフラットモータの
コンミュテータである。
(作用) 上記第1、第2の本発明によれば、制限ゲートから環
状溝内に射出された溶融樹脂材料は、環状溝で混合しつ
つ一旦充満し、その後、この環状溝を乗り越え、キャビ
ティの外方に向けて放射状に流動する。従って、キャビ
ティ内での流動状態は均一となり、流動先端の融着不良
に起因するウェルドラインは発生しなくなる。
また、上述のように構成したフラットモータのコンミ
ュテータによれば、制限ゲートから環状溝内に射出され
た溶融樹脂材料は、環状溝で混合しつつ一旦充満し、そ
の後、回転軸近傍に位置する環状溝を乗り越え、アマチ
ュアコイルの径方向外方に向けて放射状に流動する。従
って、キャビティ内での流動状態は均一となり、アマチ
ュアコイルが樹脂モールドされる部分にウェルドライン
が発生することはない。
(実施例) 以下、本発明に係る扁平形状を有する樹脂成形品の製
造方法とその装置を、これらを具体化したフラットモー
タのアマチュアを樹脂モールドする方法及びその装置に
基づいて詳細に説明する。
第1図は、本発明によるフラットモータの製造過程を
示す断面図、第2図は、同実施例のフラットモータの要
部を示す拡大断面図、第3図は、本発明に係るフラット
モータのコンミュテータの一実施例を示す斜視図であ
り、第5〜9図に示した部材と共通する部材には同一の
符号を付し、その説明は一部省略する。
先ず、第2、3図に基づいて、本発明に係るフラット
モータのコンミュテータの一実施例を説明する。
このコンミュテータ10aは、従来と同様に、セグメン
トSを治具等を用いて環状に配列した後に、熱硬化性樹
脂15により一体化したものであり、前記熱硬化性樹脂15
としては、フェノール系樹脂が一般的に用いられてい
る。また、厚肉円筒形状の樹脂製基部31には、回転軸6
が嵌合する通孔32が形成されている。尚、便宜上、樹脂
製基部31における軸方向両端面のうち、アマチュア7側
の端面を第1端面31aと、他方を第2端面31bと称する。
前記各セグメントSは、第2図に示すように、単コイ
ルCの接続線eを結合するフック部16と、樹脂15内に食
い込む爪部17とを有し、銅ないし銅合金の板材を打ち抜
いた後、フック部16と爪部17とを折り曲げて形成されて
いる。また、セグメントS相互の間には、第3図に示す
ように、所定間隔のスリット33が形成されている。
更に、前記樹脂製基部31の第1端面31aには、第3図
に示すように、通孔32を中心とする環状のリブ34が設け
られている。図示例では、前記リブ34は、樹脂15により
基部31と一体的に成形したものであるが、コンミュテー
タ10aを成形する際に環状の金属板をインサートしてお
いて形成しても良い。そして、このリブ34と、コンミュ
テータ10aの通孔32に連続して取付けられる金属スリー
ブ35との間には、断面凹形の環状溝36が全周に渡って形
成されている。前記金属スリーブ35は、アマチュア成形
後にコンミュテータ10aの通孔32に圧入される回転軸6
に嵌合し、スリップトルクを確保するために用いられる
ものである。
次に、フラットモータのアマチュア7の成形方法及び
その装置を、第1、4図に基づいて説明する。
このアマチュア7は、予め成形されたコンミュテータ
10aと、該コンミュテータ10aに接続線eを介して接続さ
れたアマチュアコイル9とを、射出成形装置18a内に設
置し、射出成形法により樹脂モールドされるようになっ
ている。
前記射出成形装置18aは、第1図に示すように、アマ
チュア7の外形形状に対応したキャビティ19を形成する
下型20と上型21を有している。下型20には、コンミュテ
ータ10が嵌合するコンミュテータ用受け孔22が形成され
ている。また、上型21には、スプルーブッシュ24が交換
自在に装着されており、該スプルーブッシュ24には、成
形機のノズル25から溶融樹脂材料を型内に導入するスプ
ルー26と、溶融樹脂材料をキャビティ19内に射出するゲ
ート27とが形成されている。アマチュア7を成形する樹
脂材料としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)
等の熱可塑性樹脂が一般に使用されている。
特に、本実施例にあっては、前記ゲート27は、制限ゲ
ートとして多用されている標準ゲートを採用しており、
この標準ゲートを前記射出成形装置18aに3箇所設けて
ある(第1図では2箇所のみを示す)。更に、このゲー
ト27は、コンミュテータ10aの環状溝36上に位置するよ
うに、スプルーブッシュ24に設けられている。
このように構成した射出成形装置18aで、アマチュア
7を成形する工程を説明する。
先ず、熱硬化性樹脂15で予め成形したコンミュテータ
10aのフック部16に、アマチュアコイル9の各接続線e
を接続する。
次に、これらを、コンミュテータ10aが前記受け孔22
に嵌合するように、下型20上に載置する。
次いで、ピン28で位置合わせを行って下型20と上型21
とを型締めする。
その後、溶融した熱可塑性樹脂29を、成形機のノズル
25→スプルー26→ゲート27(標準ゲート)を介して、コ
ンミュテータ10aの環状溝36に向けて射出する。
そして、この型締めした状態で、所定時間だけ熱可塑
性樹脂29を冷却固化させると、アマチュアコイル9が樹
脂29で扁平な形状に覆われる形で、アマチュアコイル9
とコンミュテータ10aとが一体化される。尚、回転軸6
は、アマチュア7を形成した後に、コンミュテータ10a
の通孔32に挿入される。
この場合、第4図(A)、(B)に示すように、3つ
のゲート27から環状溝36内に射出された溶融樹脂材料
は、この環状溝36内でそれぞれの流動が溶融して混じり
合い、一時的に溜められている。そして、同図(C)に
示すように、環状溝36が溶融樹脂材料で満たされると、
溶融樹脂材料は、キャビティ19のうちアマチュア7のハ
ブ部7aに対応する部分H(第1図中クロスハッチ部分)
に向けて、環状溝36内からリブ34を乗り越えつつ放射状
に流動する。
そして、前記部分Hに流動した溶融樹脂材料は、この
部分Hで一旦溜まった後に、ここから溢れ出るように、
アマチュアコイル9の径方向外方に向けて放射状に流動
することになる。このとき、前記部分Hは、すでに溶融
樹脂材料により充満されているため、アマチュアコイル
9の両面に残存する段差あるいは隙間に沿って径方向外
方に向かって流動したとしても、連続して射出された溶
融樹脂材料は、全体として扁平なアマチュアコイル9の
両面に放射状に流動することになる。
従って、上述した射出成形装置18aによれば、複数の
標準ゲートを有する装置であるものの、溶融樹脂材料を
キャビティ19内で放射状に流動させることができ、不良
現象であるウェルドライン30及びクラックの発生を防止
することが可能となる。更に、前記標準ゲートは、フィ
ルムゲート等の非制限ゲートと比較すると、構造が簡単
で、型費も安価であるので、設備面およびコスト面で有
利である。しかも、標準ゲートを使用しているため、ア
マチュア7のゲート27位置に生じる樹脂バリは比較的小
さく、バリの修正を簡単に行うことができるという利点
もある。また、第2図に示すように、射出成形後には、
リブ34と環状溝36がアマチュア7に噛み合うため、コン
ミュテータ10aの固定が強固になる。
以上、図示する実施例に基いて、フラットモータ1の
アマチュア7を射出成形する方法及びその装置について
説明したが、本発明は、扁平形状を有する樹脂成形品と
して前記アマチュア7に限定されるものではなく、他の
扁平形状の樹脂成形品に適用できるものである。
また、インサート品であるコンミュテータ10aに環状
溝36を形成した場合を示したが、インサート品が不要な
樹脂成形品であるならば、この樹脂成形品の扁平面の略
中心部に位置するように、環状溝36を下型20に形成し、
かつ、この環状溝36に向けて溶融樹脂材料を射出する制
限ゲートを上型21に設けるようにしても良い。
更に、インサート品10a及び下型20の両方に、環状溝3
6を形成しても良い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る扁平形状を有する
樹脂成形品の製造方法及びその装置によれば、環状溝に
よって、制限ゲートから射出された溶融樹脂材料をキャ
ビティ内で放射状に流動させることができ、ウェルドラ
インの発生を防止することが可能となった。
また、本発明に係るフラットモータのコンミュテータ
によれば、環状溝によって、制限ゲートから射出された
溶融樹脂材料をキャビティ内で放射状に流動させること
ができ、アマチュアコイルを樹脂モールドする際のウェ
ルドラインの発生を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る扁平形状を有する樹脂成形品の
製造方法及びその装置を具体化したフラットモータの製
造過程を示す断面図、第2図は、同実施例のフラットモ
ータの要部を示す拡大断面図、第3図は、本発明に係る
フラットモータのコンミュテータの一実施例を示す斜視
図、第4図(A)〜(C)は、本発明の作用の説明に供
する斜視図、第5図は、一般的なフラットモータを示す
断面図、第6図は、アマチュアコイルを構成する単コイ
ルの正面図、第7図は、第5図の要部を示す拡大断面
図、第8図は、従来のフラットモータの製造過程を示す
断面図、第9図は、フラットモータのアマチュアを示す
斜視図である。 1……フラットモータ、6……回転軸、 7……アマチュア(射出成形品)、 9……アマチュアコイル、 10、10a……コンミュテータ(インサート品)、 11……ブラシ、18、18a……射出成形装置、 19……キャビティ、20……下型、 21……上型、27……ゲート(制限ゲート)、 30……ウェルドライン、 31a……第1端面(端面)、34……リブ、 36……環状溝、C……単コイル、 e……接続線、S……セグメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−36509(JP,A) 特開 昭57−135132(JP,A) 特開 昭56−80445(JP,A) 特開 昭58−148159(JP,A) 特開 平1−306217(JP,A) 実開 昭61−165070(JP,U) 実開 昭59−149475(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも上型(21)と下型(20)とで形
    成され扁平形状を有するキャビティ(19)内に、前記上
    型(21)に設けられ射出口としての制限ゲート(27)か
    ら溶融樹脂材料を射出し、前記キャビティ(19)の前記
    偏平形状に対応した形状の樹脂成形品(7)を射出成形
    する際に、前記型(20,21)内に予め載置されるインサ
    ート品(10a)若しくは前記下型(20)の少なくとも一
    方に形成されると共に前記樹脂成形品(7)の扁平面の
    略中心部に位置する環状溝(36)内に、前記制限ゲート
    (27)から前記溶融樹脂材料を射出し、射出された前記
    溶融樹脂材料を、前記環状溝(36)に一旦充満した後に
    該環状溝(36)を乗り越えて前記キャビティ(19)の外
    方に向けて放射状に流動させるように射出成形したこと
    を特徴とする扁平形状を有する樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも上型(21)と下型(20)とで形
    成され扁平形状を有するキャビティ(19)内に、前記上
    型(21)に設けられ射出口としての制限ゲート(27)か
    ら溶融樹脂材料を射出し、前記キャビティ(19)の前記
    偏平形状に対応した形状の樹脂成形品(7)を射出成形
    する扁平形状を有する樹脂成形品の製造装置において、 前記制限ゲート(27)から射出された前記溶融樹脂材料
    を一旦充満すると共に充満した前記溶融樹脂材料を前記
    キャビティ(19)の外方に向けて放射状に流動させる環
    状溝(36)を、前記樹脂成形品(7)の扁平面の略中心
    部に位置するように、前記型(20,21)内に予め載置さ
    れるインサート品(10a)若しくは前記下型(20)の少
    なくとも一方に形成したことを特徴とする扁平形状を有
    する樹脂成形品の製造装置。
  3. 【請求項3】ブラシ(11)が摺接するセグメント(S)
    が回転軸(6)と略同心の円筒状外周面に設けられたコ
    ンミュテータ(10a)と、複数の単コイル(C)が前記
    回転軸(6)と直交する平面で多数環状にかつ重畳的に
    配置されると共に前記コンミュテータ(10a)に接続さ
    れるアマチュアコイル(9)とを有し、このアマチュア
    コイル(9)と前記コンミュテータ(10a)とを、少な
    くとも上型(21)と下型(20)とで形成されるキャビテ
    ィ(19)内に載置し、このキャビティ(19)内に前記上
    型(21)に設けた射出口から溶融樹脂材料を射出して前
    記アマチュアコイル(9)を樹脂モールドし、前記アマ
    チュアコイル(9)と前記コンミュテータ(10a)とを
    一体化するようにしたフラットモータにおいて、 前記射出口として制限ゲート(27)を前記上型(21)に
    設け、前記制限ゲート(27)から射出された前記溶融樹
    脂材料を一旦充満すると共に充満した前記溶融樹脂材料
    を径方向外方に向けて放射状に流動させる環状溝(36)
    を、前記コンミュテータ(10a)の軸方向両端面のうち
    前記制限ゲート(27)に面する端面(31a)に形成した
    ことを特徴とするフラットモータのコンミュテータ。
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