JP2862759B2 - 手書き文字認識装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、手書き文字を読み取っ
て、この読取情報と辞書登録の文字特徴情報との類似度
を評価することで手書き文字の認識処理を実行する手書
き文字認識装置に関し、特に、ユーザ・インタフェース
の向上を図って認識率の向上を実現可能とする手書き文
字認識装置に関する。

【０００２】手書き文字認識装置では、イメージスキャ
ナ等で手書き文字を読み取ったり、タブレットで手書き
文字を読み取る構成を採って、この読み取った読取情報
と辞書に登録されている文字特徴情報との類似度を評価
することで、手書き文字の認識処理を実行する構成を採
る。このような手書き文字認識装置では、より一層の認
識率の向上を実現していく必要がある。

【０００３】

【従来の技術】ユーザは、手書き文字認識装置で文字が
リジェクトされたり誤読されたりすることがあると、キ
ーボード等から本来の文字を入力していくことになる
が、従来の手書き文字認識装置では、このように文字が
リジェクトされたり誤読されたりするようなことがあっ
ても、ユーザに対して、どのような点が不備でそのよう
なことが起こったかを教示する手段を備える構成を採っ
ていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これから、従来の手書
き文字認識装置を用いていると、ユーザは、自分の文字
の書き方のどのような癖により文字がリジェクトされた
り誤読されたりするかが分からないために、何度も同じ
リジェクト・誤読を繰り返してしまという問題点があっ
た。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、ユーザ・インタフェースの向上を図って手書
き文字の認識率の向上を実現可能とする新たな手書き文
字認識装置の提供を目的する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図１に本発明の原理構成
を図示する。図中、１は本発明を具備する手書き文字認
識装置であって、手書き文字を読み取って、この読取情
報と辞書登録の文字特徴情報との類似度を評価すること
で手書き文字の認識処理を実行するもの、２は手書き文
字認識装置１の備える文字読取手段であって、イメージ
スキャナやタブレット等から構成されて、認識対象の手
書き文字を読み取るもの、３は手書き文字認識装置１の
備えるディスプレイ手段であって、認識結果を表示する
もの、４は手書き文字認識装置１の備えるキーボード等
の入力手段であって、ユーザとの対話手段となるもので
ある。

【０００７】この手書き文字認識装置１は、ディスプレ
イ手段３／入力手段４との間のインタフェース処理を実
行する入出力制御手段１０と、文字の特徴情報を管理す
る辞書１１と、文字読取手段２で読み取られる手書き文
字の読取情報と、辞書１１に登録される文字特徴情報と
の類似度を評価することで手書き文字の認識処理を実行
する認識実行手段１２と、認識実行手段１２の認識結果
をディスプレイ手段３のディスプレイ画面に表示する認
識結果表示制御手段１３と、入力手段４と対話すること
で、リジェクト・誤読文字に代わる文字の設定処理を実
行する設定手段１４と、入力手段４と対話することで、
リジェクト・誤読文字に対してのガイド情報の表示指示
を発行する発行手段１５と、リジェクト・誤読文字に対
してのガイド情報の表示処理を実行するガイド情報表示
制御手段１６とを備える。

【０００８】

【作用】本発明では、認識結果表示制御手段１３がディ
スプレイ手段３のディスプレイ画面に認識実行手段１２
の認識結果を表示していくときにあって、ディスプレイ
画面にリジェクト文字や誤読文字が表示されると、ユー
ザは、設定手段１４と対話することでそのリジェクト・
誤読文字に代わる文字の設定処理を実行する。

【０００９】このとき、ユーザは、リジェクト・誤読文
字に対してのガイド情報の表示を希望するときには、発
行手段１５にガイド情報の表示を指示し、この指示を受
けて、発行手段１５は、ガイド情報表示制御手段１６に
対してガイド情報の表示指示を発行する。

【００１０】この発行を受け取ると、ガイド情報表示制
御手段１６は、設定手段１４の設定する文字の辞書情報
と、その文字の設定元となったリジェクト・誤読文字の
読取情報とを、両者の差異が明確となる態様に従いつつ
ディスプレイ手段３のディスプレイ画面に表示する。

【００１１】このようにして、本発明の手書き文字認識
装置１では、ユーザに対して、どのような点に不備があ
ることで手書き文字がリジェクトされたり誤読されたり
したかを教示する機能を持つことを特徴とする。この機
能に従って、ユーザは、次回からは認識が可能となる書
き方に従って文字を書けるようになることから、文字の
認識率の向上を図ることができるようになるのである。

【００１２】

【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。図１でも説明したように、本発明の手書き文字認識
装置１は、ユーザに対して、リジェクト・誤読文字に対
してのガイド情報を表示する機能を持つものである。図
２に、この表示機能を実現するために本発明の手書き文
字認識装置１が実行する処理フローの一実施例を図示す
る。次に、この処理フローに従って本発明を詳細に説明
する。

【００１３】本発明の手書き文字認識装置１は、ユーザ
からガイド情報の表示指示があると、図２の処理フロー
に示すように、先ず最初に、ステップ１で、辞書１１か
ら、リジェクト・誤読文字の代わりに設定された文字の
文字特徴情報を読み出す。ここで、この代わりの文字
は、ユーザが、誤読文字を発見したり、リジェクト文字
を発見するときに、キーボード等の入力手段４を使って
設定することになる。

【００１４】次に、ステップ２で、手書き文字の読取情
報を格納している格納域から、リジェクト・誤読文字の
読取情報を読み出す。例えば、手書き文字認識装置１が
文字読取手段２としてイメージスキャナを用いる場合に
あって、イメージスキャナで読み取られる手書き文字の
イメージ情報を認識処理に用いるときには、このイメー
ジ情報を読み出すのである。また、手書き文字認識装置
１が文字読取手段２としてタブレットを用いる場合にあ
って、タブレットで読み取られる手書き文字の書順情報
を認識処理に用いるときには、この書順情報を読み出す
のである。

【００１５】続いて、ステップ３で、ステップ１で読み
出した辞書情報と、ステップ２で読み出した読取情報と
を対応付けてディスプレイ手段３のディスプレイ画面に
表示する。例えば、両者を並べて表示したり、色等を変
えて重ね合わせて表示したりすることで、両者を対応付
けて表示するのである。

【００１６】この表示情報は、ユーザに対して、どうい
う理由により文字がリジェクトされたり誤読されたかを
教え示すものである。これから、ユーザは、この表示情
報を参照することで、次回からそのリジェクト・誤読文
字をどのように書いたらよいか分かり、何度も同じリジ
ェクトや誤読を繰り返すといった不都合を回避すること
ができるようになる。

【００１７】図３及び図４に、本発明の処理例を図示す
る。図３に示す処理例は、手書き文字認識装置１が文字
読取手段２としてイメージスキャナを用いる場合の処理
例であって、原稿に記載された「漢字処理」という手書
き文字を認識対象とする場合に、これを「漢宇処理」と
認識し、ユーザによりこの誤読文字「宇」が「字」と修
正されるときに、ユーザの要望に応じて、読み取った
「字」のイメージ情報と、辞書１１に登録されている
「字」のイメージ情報とを並べて表示する例を示してい
る。

【００１８】また、図４に示す処理例は、手書き文字認
識装置１が文字読取手段２としてタブレットを用いる場
合の処理例であって、ペン記入ゾーン２０に記述されて
いく「漢字」という手書き文字を認識してディスプレイ
画面２１に表示する場合に、この「字」を認識不可能と
認識し、ユーザによりこのリジェクト文字が「字」と入
力されるときに、ユーザの要望に応じて、読み取った
「字」の書順情報と、辞書１１に登録されている「字」
の書順情報とを並べて表示する例を示している。この例
は、「６画」で記述されなければならない「字」が「４
画」で記述されてしまったことに、そのリジェクト理由
があることを表している。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の手書き文
字認識装置では、ユーザに対して、どのような点に不備
があることで手書き文字がリジェクトされたり誤読され
たりしたかを教示する機能を持つことを特徴とする。こ
の機能に従って、ユーザは、次回からは認識が可能とな
る書き方に従って文字を書けるようになることから、文
字の認識率の向上を図ることができるようになるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理構成図である。

【図２】本発明の手書き文字認識装置の実行する処理フ
ローの一実施例である。

【図３】本発明の処理の一例である。

【図４】本発明の処理の他の例である。

【符号の説明】

１ 手書き文字認識装置 ２ 文字読取手段 ３ ディスプレイ手段 ４ 入力手段 １０ 入出力制御手段 １１ 辞書 １２ 認識実行手段 １３ 認識結果表示制御手段 １４ 設定手段 １５ 発行手段 １６ ガイド情報表示制御手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 手書き文字を読み取って、この読取情報
   と辞書登録の文字特徴情報との類似度を評価することで
   手書き文字の認識処理を実行する手書き文字認識装置に
   おいて、 入力手段と対話することで、リジェクト・誤読文字に代
   わる文字の設定処理を実行する設定手段(14)と、 上記設定手段(14)の設定処理が実行されるときに有効モ
   ードに設定されて、入力手段と対話することで、リジェ
   クト・誤読文字に対してのガイド情報の表示指示を発行
   する発行手段(15)と、 上記発行手段(15)がガイド情報の表示指示を発行すると
   きに、上記設定手段(14)の設定する文字の辞書情報と、
   該文字の設定元となったリジェクト・誤読文字の読取情
   報とを、両者の差異が明確となる態様に従いつつディス
   プレイ画面に表示するガイド情報表示制御手段(16)とを
   備えることを、 特徴とする手書き文字認識装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の手書き文字認識装置にお
   いて、 ガイド情報表示制御手段(16)は、オンライン手書き文字
   が認識対象となるときにあって、辞書情報として文字の
   書順情報及び／又は画数情報を表示するとともに、リジ
   ェクト・誤読文字の読取情報として文字の書順情報及び
   ／又は画数情報を表示するよう処理することを、 特徴とする手書き文字認識装置。