JP2862742B2 - 酸化物単結晶の製造方法 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法

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JP2862742B2
JP2862742B2 JP515093A JP515093A JP2862742B2 JP 2862742 B2 JP2862742 B2 JP 2862742B2 JP 515093 A JP515093 A JP 515093A JP 515093 A JP515093 A JP 515093A JP 2862742 B2 JP2862742 B2 JP 2862742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニオブ酸リチウム単結
晶等の酸化物単結晶を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウムは、光学デバイスとし
て必要且つ重要な単結晶酸化物材料であり、通常は LiN
bO3 と表記される。現在、ほとんどすべての商業的に入
手可能なニオブ酸リチウム単結晶は、いわゆるチョクラ
ルスキー (Czochralski)法で製造されている。この方法
では、いわゆるコングルエント組成 (Liが48.6mol %)
近辺では単結晶を引き上げることができる。しかし、コ
ングルエント組成から外れた組成の単結晶を引き上げる
ことは、組成の制御が難しいばかりでなく、クラック等
の問題から、現状では不可能である。
【0003】ニオブ酸リチウムは、特に光学材料として
多用されている。しかし、上記の製造上の制約から、コ
ングルエント組成のニオブ酸リチウムについては光学的
特性についてかなり研究が進んでいるが、コングルエン
ト組成を外れた組成のものについては、光学的研究が進
んでいない。このため、コングルエント組成を外れたニ
オブ酸リチウムを量産し、光学的デバイスとして利用す
ることが期待されている。
【0004】コングルエント組成を外れたニオブ酸リチ
ウムの製造法として、現在、VTE(Vapor Transport
Equilibration)法が知られている。この方法について簡
単に述べる。まず、チョクラルスキー法によって柱状の
ニオブ酸リチウム単結晶を引き上げる。この単結晶はコ
ングルエント組成を有している。次いでこの単結晶を焼
鈍し、1175℃で電圧をかけて単分域化処理し、次いでこ
の柱状物を切断して薄板を得る。一方、所望組成、例え
ば Li2O が 50mol%のニオブ酸リチウムからなる粉末を
用意し、上記の薄板と粉末とを密閉容器内に封入する。
充分な高温で充分長時間に亘って密閉容器内を熱処理す
ると、気相での輸送と固相拡散とによって、上記薄板に
おける組成と上記粉末における組成とが平衡状態に達す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コングルエント組成の
ニオブ酸リチウムは、1146℃のキュリー温度を有する。
そして、単分域化処理を単結晶に施しても、この単結晶
のキュリー温度を超える温度で熱処理すると、単結晶の
ドメインが再び多分域状態に戻る。このため、熱処理温
度は、単結晶のキュリー温度を超えないようにしなけれ
ばならない。
【0006】Li2Oが 50mol%である組成では、単結晶の
キュリー温度が1190℃である。そして、上記粉末として
Li2O が 50mol%である組成のニオブ酸リチウムを用い
る場合は、単結晶のキュリー温度が1146℃から 1190 ℃
へと向って上昇する。このため、従来は、1100℃程度で
熱処理をしていたが、単結晶のキュリー温度が1190℃に
達するまでに 500時間程度かかっていた。
【0007】一方、Li2Oが47.2 mol%である組成では、
単結晶のキュリー温度が1090℃である。そして、上記粉
末として Li2O が 47.2mol%である組成のニオブ酸リチ
ウムを用いる場合は、単結晶のキュリー温度が 1146 ℃
から1090℃へと向って下降する。このため、従来は、10
50℃程度で加熱処理をしていたが、単結晶のキュリー温
度が1090℃に達するまでに 800時間程度かかっていた。
【0008】しかも上記の例において、薄板の厚さは
0.5mm程度であり、これをもっと厚くすると、系内が平
衡状態に達するまでに一層膨大な時間が必要になる。こ
のように、コングルエント組成を外れた組成のニオブ酸
リチウムを合成するには、極めて膨大な時間と熱量とが
必要であるため、製造コストが高く、本格的な研究や商
業化の妨げになっていた。
【0009】本発明の課題は、酸化物の単結晶からなる
材料をVTE処理するのに際し、熱処理時間を短縮でき
るようにし、所望の組成を有する酸化物単結晶を短時間
で量産できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化物の単結
晶からなる材料と、前記酸化物の組成と異なる所定組成
を有する酸化物粉末とを熱処理することによって前記単
結晶の組成を変化させる工程;及び次いで、前記単結晶
をそのキュリー温度以上に加熱しながら前記単結晶に電
圧を印加することによって前記単結晶を単分域化処理す
る工程を有する、酸化物単結晶の製造方法である。
【0011】上記の酸化物としては、各種の複合酸化物
を例示できる。こうした複合酸化物としては、例えば、
LiNbO3 , LiTaO3 などを例示できる。
【0012】
【作用】上記したように、本発明においては、酸化物単
結晶からなる材料をまずVTE処理することによってそ
の組成を変化させ、次いで、この単結晶を単分域化処理
している。従って、最初のVTE処理の段階では、単結
晶ドメインは多分域状態であってよく、従って単結晶を
キュリー温度以上の高温でVTE処理することができ
る。従って、従来よりも極めて短い熱処理時間で、目的
とする組成の酸化物単結晶を製造できる。
【0013】しかも、本発明では、上記のVTE処理の
後で、単結晶を単分域化処理している。この単分域化処
理は、短時間で遂行できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。ま
ず、以下の実施例においては、主として、本発明をニオ
ブ酸リチウム単結晶の製造に対して適用した例について
述べる。
【0015】まず、リチウム化合物とニオブ化合物とを
混合し、例えば 950℃で仮焼し、1050℃で焼成する。こ
の焼成物を用い、チョクラルスキー法によって1252℃で
引き上げ、コングルエント組成の柱状物を引き上げる。
次いで、この柱状物を1170℃でアニールして結晶中の歪
みを除く。次いで、この柱状物を切断し、所定厚さの薄
板を得る。
【0016】次いで、コングルエント組成と異なる所定
組成を有するニオブ酸リチウム粉末と上記薄板とを容器
に収容し、この容器内を熱処理することによって、薄板
を構成するニオブ酸リチウム単結晶の組成を変化させ
る。図1(a),(b) は、このVTE処理に適した熱処理装
置を概略的に示す断面図である。
【0017】容器8は、本体2と蓋1とから構成されて
いる。本体2の上側開口に蓋1が被せられている。本体
2の外形は略円筒状であり、本体2の上端面2aに、蓋1
の縁部1dが載置されている。蓋1の縁部1dの内側に段差
部1aが形成されており、段差部1aが、容器2の内側空間
内に突き出ている。段差部1aの平面形状は略円形であ
り、段差部1aの周囲に側周面1cが設けられている。
【0018】上端面2a及び縁部1dは共に精度良く研磨加
工し、かつ互いの平行度を上げるようにした。これによ
り、内側空間内の気密性が上がり、揮発性成分が容器20
の外に逃げないようになった。この結果、容器8内でリ
チウムが気相で平衡状態を保ち易くなった。また、段差
部1aを内側空間内へと突出させたことにより、側周面1c
と内側壁面2bとの間隔が小さくなった。この結果、リチ
ウム成分が、一層本体2と蓋1とのすり合わせ部分から
逃げにくくなった。
【0019】本体2内に所定組成のニオブ酸リチウム粉
末6が収容される。この粉末6中に一対の平板状電極5
A,5Bが埋設され、平板状電極5Aと5Bとは互いに
ほぼ平行であり、かつ底面2cに対して垂直である。各平
板状電極5A, 5Bの上端にそれぞれリード線3A,3
Bが接続され、各リード線3A,3Bは、蓋1の貫通孔
1eにそれぞれ挿通され、容器8の外へと引き出されてい
る。リード線3A,3Bは、図示しない電源に接続され
ている。リード線3A,3Bの引出口の周囲は、アルミ
ナセメント4で封止する。
【0020】コングルエント組成のニオブ酸リチウム単
結晶からなる薄板7が所定枚数、粉末6中に埋設されて
いる。各薄板7は、一対の平板状電極5Aと5Bとの間
に、これらに平行となるように配置されている。
【0021】本実施例においては、図1(a),(b) に示す
熱処理装置を用い、本発明を実施する。即ち、容器8内
を熱処理することによって単結晶の組成を変化させる。
次いで、容器8内を、単結晶のキュリー温度以上に加熱
しながら単結晶に電圧を印加することによって、単結晶
に単分域ドメインを形成する。この場合には、同じ熱処
理装置によって、VTE処理と単分域化処理とを、順次
連続的に行う。
【0022】また、上記のVTE処理と単分域化処理と
を、別個の熱処理装置によって行う方法もある。この場
合には、図2に示す装置によってVTE処理を行うこと
が好ましい。
【0023】容器18は、本体12と蓋11とから構成されて
いる。本体12の上側開口に蓋11が被せられている。本体
12の外形は、例えば略円筒状であり、本体12の上端面12
a に、蓋11の縁部11d が載置されている。蓋11の縁部11
d の内側に段差部11a が形成されており、段差部11a
が、容器12の内側空間内に突き出ている。段差部11a の
平面形状は略円形であり、段差部11a の周囲に側周面11
c が設けられている。
【0024】上端面12a 及び縁部11d は共に精度良く研
磨加工し、かつ互いの平行度を上げるようにした。これ
により、内側空間内の気密性が上がり、揮発性成分が容
器18の外に逃げないようになった。本体12内に、所定組
成のニオブ酸リチウム粉末6が収容される。
【0025】コングルエント組成のニオブ酸リチウム単
結晶からなる薄板7が所定枚数、粉末6中に埋設されて
いる。各薄板7は、側壁面12b に対して略平行であり、
底壁面12c に対して略垂直である。
【0026】本態様では、図2に示す熱処理装置を用い
て薄板7の組成を変化させ、VTE処理する。次いで、
容器18内の温度を降下させ、蓋11を取り外し、薄板7を
粉末6中から取り出す。次いで、図1(a),(b) に示すよ
うに、薄板7を容器8内にセットし、前記した単分域化
処理を行う。
【0027】図3に示す従来の熱処理スケジュール21に
おいては、1100℃の温度で熱処理を続ける。この場合に
も、薄板7のキュリー温度Tc は、例えば1146℃から11
90℃へと向って、時間が経つにつれて上昇していく。し
かし、この方法では、キュリー温度が1190℃に達するま
でに長時間かかる。例えば、薄板の厚さが 0.5mmの場合
には、500 時間程度が必要である。
【0028】次に、Li2Oが 47.2mol%であるニオブ酸リ
チウム単結晶を製造する場合は、図4に示す従来の熱処
理スケジュール22においては、例えば1070℃で熱処理し
ていた。薄板7の単結晶のキュリー温度Tc が 1090 ℃
に達するまでには、800 時間程度の熱処理が必要であっ
た (薄板の厚さが0.5mm の場合) 。
【0029】これに対し、本発明によれば、極めて短い
熱処理時間で、コングルエント組成以外のニオブ酸リチ
ウム単結晶を製造できる。例えば、コングルエント組成
のニオブ酸リチウム単結晶からなる薄板7を1175℃で加
熱し、VTE処理すると、54時間以内に、単結晶の組成
が、Li2Oが 50mol%となることが解った。しかも、薄板
の厚さが3mmの場合にも、こうした結果が得られた。こ
のようにVTE処理を促進できるのは、コングルエント
組成に対応するキュリー温度(1146℃) 以上の温度で、
熱処理を行えるからである。
【0030】しかも、本発明では、上記のVTE処理の
後に、薄板7に電圧をかけながら加熱することにより、
これを構成する単結晶に単分域ドメインを形成すること
ができる。
【0031】これにより、VTE法によるニオブ酸リチ
ウムの熱処理時間が著しく短縮され、その生産量が著し
く増大し、生産コストが大きく下がった。しかも、単結
晶のドメインが単分域化した単結晶が得られる。
【0032】また、例えば、コングルエント組成のニオ
ブ酸リチウム単結晶からなる薄板7を1175℃で加熱し、
VTE処理すると、36時間以内に、単結晶の組成が、Li
2Oが47.2mol%となることが解った。
【0033】上記のVTE処理及び単分域化処理におい
て、単結晶の熱処理温度は、単結晶の溶融温度未満とし
なければならず、この熱処理温度と溶融温度との差を10
℃以上とすることが好ましい。一対の板状電極を酸化物
の粉末内に埋設し、一対の板状電極の間に薄板等の材料
を埋設した場合には、電圧の大きさ(V)を一対の板状
電極の間隔(cm) で除した値を1V/cm以上とすると、
材料の単分域化処理を確実に行える。
【0034】また、本発明においては、例えば図5に示
すような装置によって、VTE処理及び単分域化処理を
順次に実施することができる。また、図2に示すような
装置によってVTE処理を行い、次いで図5に示すよう
な装置によって単分域化処理することができる。図5に
示す各構成部分のうち、図1に示す各構成部分と同じも
のについては、同一の符号を付した。
【0035】そして、図5に示す熱処理装置において
は、各薄板7は、底面2cに対して、ほぼ垂直となるよう
に埋設されている。リード線3Aに平板状電極5Cが接続さ
れ、リード線3Bに平板状電極5Dが接続されている。平板
状電極5C, 5Dは、いずれも底面2Cに対してほぼ平行に埋
設されている。
【0036】ニオブ酸リチウム単結晶を単分域化するに
は、Z軸方向に向って電圧を印加する必要がある。この
ため、平板状電極5A, 5Bと薄板7との位置関係が図1に
示す状態の場合は、Z板を処理し易い。一方、光導波路
用途に好適な、主面と垂直にX軸が現れたX板を単分域
化処理する場合は、薄板7内にZ軸が存在する。従っ
て、図5に示すように薄板7を平板状電極5C, 5Dに対し
て垂直に配置し、かつ薄板7におけるZ軸が電圧印加方
向とほぼ一致するように配置する。Y板についても、こ
れと同様に薄板7および平板状電極5C, 5Dを配置するこ
とが好ましい。
【0037】なお、表面弾性波(SAW)基板用に好適
な128 °Y 板においては、薄板7の主面と垂直に128 °
Y 軸が現れる。従って、図1に示すように薄板7を設置
しても、電圧の大きさのうちかなりの部分がZ軸方向に
印加され、若干はY軸方向に印加される。従って、Z板
を単分域化処理するのにくらべて少し大きな電圧を印加
し、Z軸方向への印加電圧の目減りを補償すれば、問題
なく単分域化処理を行える。
【0038】(実験1)以下、更に具体的な実験結果に
ついて述べる。図1に示した熱処理装置を用い、コング
ルエント組成のニオブ酸リチウム単結晶をVTE処理
し、次いで単分域化処理した。Li2Oが 48.6mol%である
ニオブ酸リチウム単結晶からなる直径3インチの円柱状
物をチョクラルスキー炉から引き上げ、長さ100mm の円
柱状物を得た。これを焼鈍処理し、内周刃で切断し、所
定厚さの薄板を得た。
【0039】この薄板について、Z面を光学研磨処理
し、縦20mm、横10mmの長方形状の試料を得た。平板状電
極5A,5Bの材質は、厚さ1mmの白金とした。Li2Oが
50mol%であるニオブ酸リチウムの粉末を、粉末6とし
て用いた。
【0040】容器8内の粉末6を圧縮成形して粉末6の
高さを30mmに揃え、試料7間の隙間を埋め、焦電による
クラック発生を防止した。そして、平板状電極5A,5
Bに直径 0.5mmの白金リード線3A,3Bを接続し、蓋
1と白金リード線3A,3Bとの隙間をアルミナセメン
ト4で封止した。
【0041】このようにして、表1に示す実験番号1〜
10の各条件でVTE処理を行い、次いで単分域化処理を
行った。ただし、薄板7の厚さやVTE処理時の熱処理
条件は、表1に示すように変更した。そして、VTE処
理及び単分域化処理後の単結晶のキュリー温度を測定
し、単分域判定を実施した。
【0042】実験番号1〜10における熱処理条件等につ
いて、図6を参照しつつ更に説明する。ただし、図6に
おいて、グラフ26は熱処理スケジュールを示し、グラフ
27は印加電圧のスケジュールを示す。
【0043】容器8を電気炉内に入れ、100 ℃/時間の
速度で昇温させ、時刻t1 で所望の熱処理温度T1 に到
達させた。このT1 は、表1に示す熱処理温度である。
ただし、実験番号1〜3では、2段階の熱処理を行っ
た。
【0044】そして、表1に示す熱処理温度及び時間
で、VTE処理を行う。即ち、図6に示すt2 −t
1 が、表1に示す熱処理時間である。そして、上記のV
TE処理が終わった後、温度を上昇させ、時刻t4 で熱
処理温度を1195℃にした。熱処理温度が1195℃に達して
から6時間後に電圧の印加を開始し、印加電圧を徐々に
上昇させ、6時間後に所定の印加電圧を得た。
【0045】20時間の間、熱処理温度を1195℃に保ち、
50℃/時間の降温速度で室温まで冷却させた。室温にな
ったときの時刻をt5 とする。そして、室温になってか
ら3時間かけて印加電圧をOVにした。
【0046】印加電圧の大きさは、一対の平板状電極5
Aと5Bとの間に介在する粉末1cm当たり、1Vとし
た。ただし、平板状電極5Aと5Bとの間隔とは、図1
(a) に示すmである。
【0047】上記の印加電圧の大きさが1V/cm未満で
あると、薄板7をそのキュリー温度以上に加熱しても、
単結晶のドメインがすべて揃わない。
【0048】また、表1に示す実験番号11, 12では、薄
板7を単分域化処理した後、従来の図3に示す熱処理ス
ケジュールで、従来のVTE装置によってVTE処理を
行った。単結晶のキュリー温度TC は、DTA装置を用
いて測定した。また、単結晶のドメインが単分域化して
いた場合には、「単分域判定」の項目を「○」と表示し
た。
【0049】なお、実験番号1〜10においては、時刻t
2 の時点で、キュリー温度が1190℃に達し、単分域化処
理が終了していることを、別途確認した。
【0050】
【表1】
【0051】また、ニオブ酸リチウムの相図を、図10に
概略的に示す。この相図から解るように、Li2Oの割合と
キュリー温度TC 及び溶融温度の間には、表2に示す関
係がある。
【0052】
【表2】
【0053】実験番号1〜10と 11, 12 とを比較すれば
解るように、本発明に従うことにより、1190℃のキュリ
ー温度を有するニオブ酸リチウム単結晶を、従来よりも
極めて短時間で製造することができる。これは、VTE 反
応が、基本的に温度によって律速されているからであ
る。しかも、単結晶のドメインも良好に単分域化されて
いた。
【0054】同一の熱処理条件でも、薄板7の厚さが3
mmになると、熱処理時間が若干長くなった。更に、薄板
7の厚さが5mmを超えると、内部まで組成が均一化しに
くいことが判明した。
【0055】なお、図10の相図から解るように、コン
グルエント組成では、溶融温度が 1252 ℃であり、少な
くともこの時点では、1150〜1242℃で熱処理を行う方が
VTE反応を促進でき、かつこの範囲で温度が高い方が
良い。ただし、Li2Oが 50mol%になると、溶融温度が 1
200 ℃にまで低下するので、この時点では熱処理温度を
1190 〜1150℃で行うのがよい。
【0056】(実験2)図7に示す熱処理サイクル23,
24、電圧印加サイクル25に従って、VTE処理と単分域
化処理とを順次行った。この処理法は、実験1と同じに
した。
【0057】この熱処理サイクル及び電圧印加サイクル
について説明する。まず、図2に示すように、溝板7を
粉末6中に埋設し、セットした。そして、熱処理サイク
ル23に従い、VTE 処理を行った。具体的には、容器18を
電気炉内に入れ、100 ℃/時間の速度で昇温させ、時刻
1 で所望の熱処理温度T2 に到達させた。
【0058】そして、表3に示す熱処理温度及び時間
で、VTE処理を行う。即ち、図7に示すt2 −t
1 が、表1に示す熱処理時間である。次いで、容器18内
を冷却させ、時刻t3 で室温に戻した。次いで、薄板7
を容器18から取り出し、図1に示すように再びセットし
た。
【0059】そして、温度を上昇させ、時刻t4 で熱処
理温度を1195℃にした。熱処理温度が1195℃に達してか
ら6時間後に電圧の印加を開始し、印加電圧を徐々に上
昇させ、6時間後に所定の印加電圧を得た。
【0060】20時間の間、熱処理温度を1195℃に保ち、
50℃/時間の降温速度で室温まで冷却させた。室温にな
ったときの時刻をt5 とする。そて、室温になってから
3時間かけて印加電圧をOVにした。
【0061】他は実験1と同様の条件でVTE処理及び
単分域化処理を行ったところ、実験1と同じキュリー温
度の単分域単結晶が得られた。
【0062】(実験3)実験1と全く同様にして、表3
に示す実験番号21〜29を実施した。各例について、薄板
7の厚さ、VTE処理時の熱処理条件、熱処理後のキュ
リー温度、単分域判定を表3に示す。
【0063】ただし、実験1とは異なり、粉末として
は、Li2Oが 47.2mol%であるニオブ酸リチウムの粉末を
用いた。本実験における熱処理条件等について、図8を
参照しつつ更に説明する。ただし、図8において、グラ
フ31は熱処理スケジュールを示し、グラフ32は印加電圧
のスケジュールを示す。
【0064】容器8を電気炉内に入れ、100 ℃/時間の
速度で昇温させ、時刻t1 で所望の熱処理温度T2に到
達させた。このT2は、表3に示す熱処理温度である。
そして、表3に示す熱処理温度及び時間で熱処理を行っ
た。そして、表3に示す熱処理時間が経過した後に、ス
ケジュール32に従って電圧を印加した。
【0065】即ち、図8に示す「t6 −t1 」が、表3
に示す熱処理時間である。時刻t6か経過した時点で、
ニオブ酸リチウム単結晶のキュリー温度は、いずれも10
90℃に達していることを確認した。時刻t6 で電圧の印
加を開始し、6時間後に1V/cmにまで電圧を上昇さ
せ、更に8時間後に温度の降下を開始させた。この降温
速度は50℃/時間とした。温度が室温になったときの時
刻をt5 とする。そして、室温になってから3時間かけ
て印加電圧をOVとした。
【0066】また、表3に示す実験番号30, 31では、ま
ず薄板を単分域化処理した後、図4に示す熱処理スケジ
ュールで、表3に示す熱処理条件に従い、VTE処理を
行った。
【0067】
【表3】
【0068】上記の結果から解るように、本発明によ
り、単結晶を短時間でVTE処理することができる。ま
た、本発明の範囲内においても、熱処理温度が高い場合
の方が、一層短時間でキュリー温度が 1090 ℃に達して
いる。
【0069】なお、図10から解るように、Li2Oが 47.2m
ol%のときには、単結晶の溶融温度が 1230 ℃になるの
で、1220℃以下の熱処理温度で熱処理を行うことができ
る。また、本実験におけるように、Li2Oが 47.2mol%の
組成のものを得るには、そのキュリー温度である1090℃
以下、例えば 1050 ℃で従来は熱処理していた。そし
て、VTE処理はほぼ温度によって律速されるので、従
来は、実験番号30に示すように大変な長時間がかかって
いた。この点で、本発明による効果は更に大きい。
【0070】(実験4)図9に示す熱処理サイクル28,
29、電圧印加サイクル30に従って、VTE処理と単分域
化処理とを順次行った。この処理法は、実験1と同じに
した。また、粉末としては、Li2Oが 47.2mol%であるニ
オブ酸リチウムの粉末を用いた。
【0071】具体的には、まず、図2に示すように、薄
板7を粉末6中に埋設し、セットした。そして、熱処理
サイクル28に従い、VTE処理を行った。表3に示す熱
処理温度及び時間で、VTE処理を行った。即ち、図9
に示すt2 −t1 が、表3に示す熱処理時間である。次
いで、容器18内を冷却させ、時刻t3 で室温に戻した。
板7を容器18から取り出し、図1に示すように再びセッ
トした。
【0072】そして、温度を上昇させ、時刻t4 で熱処
理温度をT2にした。熱処理温度がT2に達してから6
時間後に電圧の印加を開始し、印加電圧を徐々に上昇さ
せ、6時間後に所定の印加電圧を得た。
【0073】20時間の間、熱処理温度をT2に保ち、50
℃/時間の降温速度で室温まで冷却させた。室温になっ
てから3時間かけて印加電圧をOVにした。
【0074】他は実験3と同様にしてVTE処理及び単
分域化処理を上記のように行ったところ、実験3と同じ
単分域単結晶が得られた。
【0075】なお、上記と同様にして、Li2Oが 47.6mol
%、48.0mol %、49.0mol %、49.4mol %、49.8mol %
である組成のニオブ酸リチウム粉末6を用い、本発明に
従って各組成の単結晶を製造した。そして、各組成の単
結晶を量産できることを確認した。
【0076】(実験5)タンタル酸リチウム単結晶を、
本発明に従って製造した。この製造プロセスは、実験1
に従った。ただし、薄板7の材質は、コングルエント組
成(Li2Oが48.3mol %) のタンタル酸リチウム単結晶と
した。粉末6として、Li2Oが 50.0mol%のタンタル酸リ
チウム粉末を用いた。
【0077】具体的には、VTE処理工程においては、
熱処理温度を1480℃とし、30時間後にキュリー温度が64
6 ℃に達することを確認した。続く単分域化処理におい
ては、熱処理温度を1480℃とし、印加電圧を2V/cmと
し、単結晶のZ軸方向に電圧を印加した。なお、表4
に、Li2Oの割合と、単結晶の溶融温度及びキュリー温度
との関係を示す。
【0078】
【表4】
【0079】また、図11に、タンタル酸リチウムの相図
を示す。この相図においては、横軸にタンタルの方のモ
ル%を示してある。タンタル酸リチウム単結晶のキュリ
ー温度Tcは、その溶融温度にくらべると、相当低い。
【0080】なお、タンタル酸リチウムの場合は、溶融
温度−20℃〜溶融温度−100 ℃の範囲で熱処理を行う
と、VTE処理を促進する効果が大きい。そして、タン
タル酸リチウム単結晶の場合は、キュリー温度が溶融温
度にくらべて極めて低いので、従来は、ドメインの多分
域化を伴わずにVTE処理を施して組成を変更すること
は、ほぼ不可能であった。
【0081】(実験6)タンタル酸リチウム単結晶を、
本発明に従って製造した。この製造プロセスは、実験1
に従った。ただし、薄板7の材質は、コングルエント組
成のタンタル酸リチウム単結晶とした。粉末6として、
Li2Oが 47.0mol%のタンタル酸リチウム粉末を用いた。
【0082】具体的には、VTE処理工程においては、
熱処理温度を1480℃とし、30時間後にキュリー温度が57
4 ℃に達することを確認した。続く単分域化処理におい
ては、熱処理温度を1480℃とし、印加電圧を2V/cmと
し、単結晶のZ軸方向に電圧を印加した。
【0083】上記の実験1〜6によって製造した試料を
基板として用い、この基板に光導波路を形成してみたと
ころ、光の伝播損失や光損傷の少ない、好適な光導波路
基板、電圧センサー、焦電センサーが得られた。また、
試料のサイズについては特に制限はなく、例えば直径1
〜4インチのウエハーを処理できるし、一度に数枚処理
することができる。
【0084】次に、本発明の更に他の態様について述べ
る。図12は、本発明のうちVTE処理工程を実施するの
に適した熱処理用構造体を模式的に示す断面図である。
【0085】例えば、直方体の本体42の上側開口に、蓋
41が被せられている。本体42の縁部42a に、蓋41の縁部
41c が載置される。縁部41c の内側に段差部41a が形成
されており、段差部41a が、容器48の内側空間内に突き
出している。段差部41a の平面形状は長方形であり、差
部41a の四周に側周面41b が設けられている。本体の縁
部42a と蓋41の縁部41c とは、互いに接触しあう。
【0086】容器48の内側空間内には、好ましくは白金
製の内側容器43が収容されている。内側容器43は、本体
45と蓋44とからなる。底面42c に本体45が載置され、本
体45の縁部に蓋44が載置される。蓋44の周縁には、側壁
面42b と略平行に下方へと延びる笠部44a が設けられ
る。
【0087】本体45の内側空間内に、所定組成のニオブ
酸リチウム粉末47が収容され、粉末47に、白金線からな
る支持枠46が固定されている。即ち、支持枠46の末端46
a が粉末47中に突き刺され、固定されており、突起46b,
46cの間に、例えば2つの収容凹部46d が形成されてい
る。各収容凹部46d 内には、それぞれ薄板7が積み重ね
られ、上下方向に隣り合う薄板7の間に、白金線49が介
在している。
【0088】本例では、ニオブ酸リチウム粉末47と直接
接触する容器43を、これと非反応性の白金で形成した。
ただし、容器43は、薄い白金板によって形成されている
ので、蓋44と本体45との隙間から蒸気が漏れる。このた
め、笠部44a を設けることで蒸気の流通経路を長くする
のと共に、容器48内に内側容器43を収容した。
【0089】本態様のVTE処理法では、熱処理時に粉
末47が熱収縮しても、薄板7にクラックが発生するおそ
れはない。また、薄板7に粉末が付着すると、研摩加工
による粉末の除去が必要であるが、こうしたおそれもな
い。しかし、図1、図2、図5に示したような状態で薄
板7をVTE処理する場合には、薄板7の全面から等方
的に拡散が進行するので、VTE処理の完了に要する時
間が、図12の例にくらべると短いし、また厚さの大きい
薄板7についても内部まで確実に組成変化を完了させる
ことができる。
【0090】図13〜15は、それぞれ、本発明の単分域化
処理を行っている状態の構造体を模式的に示す断面図で
ある。
【0091】図13において、容器58は、本体52と蓋51と
から構成されている。本体52の上側開口に蓋51が被せら
れている。本体52の上端面52a に、蓋51の縁部51d が載
置されている。蓋51の縁部51d の内側に段差部51a が形
成されており、段差部51a が、容器58の内側空間内に突
き出ている。段差部51a の周囲に側周面51c が設けられ
ている。
【0092】VTE処理の終った薄板7を所定枚数用意
し、垂直方向に重ね合わせ、互いに接触させ、柱状の配
列体57を形成する。このVTE処理は、前記した方法で
行うことが好ましい。この配列体57の下端面に平板状電
極5Dを接触させ、配列体57の上端面に平板状電極5Cを載
せる。これらは、本体52の内側空間に収容されている。
平板状電極5Cの上に耐火物53が載置される。
【0093】各平板状電極5C, 5Dにそれぞれリード線3
A, 3Bが接触され、各リード線3A, 3Bは、蓋51の貫通孔5
1e にそれぞれ挿通され、容器58の外へと引き出されて
いる。リード線3A, 3Bは、図示しない電源に接続されて
いる。リード線3A, 3Bの引出口の周囲は、アルミナセメ
ント4で封止する。そして、容器58内を単結晶のキュリ
ー温度以上に加熱しながら、配列体57に電圧を印加し、
単結晶に単分域ドメインを形成する。
【0094】こうした単分域化処理法を採用すれば、多
数枚の薄板7を、一つの熱処理容器内で一度に単分域化
処理することができる。また、配列体57の上側に耐火物
53をおもりとして載せることによって、薄板7間、薄板
7と平板状電極5C, 5Dとの間に隙間が発生するのを防止
できる。こうした微小な隙間は、焦電の発生によるクラ
ックの原因となるからである。
【0095】また、図13の構造体では、配列体57の外側
周面と本体52の内側面との隙間をできるだけ小さくし、
薄板7 や平板状電極5C, 5Dが横方向に位置ズレして焦電
を起すのを、防止する。
【0096】平板状電極5C, 5Dの材質は、単結晶7と非
反応性の軟質金属であるのが好ましく、未使用の白金板
が特に好ましい。未使用の白金板は、薄板7との密着性
が特に良かったからである。また、好ましくは、酸化物
単結晶と非反応性の物質からなる絶縁管中に、リード線
3A, 3Bを挿通させ、分極ミスを防止することが好まし
い。
【0097】本体52、蓋51の材質としては、絶縁性であ
って酸化物単結晶と非反応性のものを選択する。ニオブ
酸リチウム単結晶やタンタル酸リチウム単結晶を単分域
化処理する場合には、含有金属原子のうち98モル%以上
をマグネシウムが占めるマグネシアセラミックスが特に
好ましい。
【0098】図14、図15に示す単分域化処理用の構造体
も、基本的には、図13に示したものと同じである。ただ
し、図14、図15においては、図13におけるよりも、容器
58の水平方向の寸法が大きくなっており、配列体57の外
側周面と本体52の内側面52bとの間に隙間がある。
【0099】図14においては、この隙間にダミー材54が
収容されている。ダミー材54の高さは、少なくとも平板
状電極5Cよりも高くすることが好ましい。ダミー材54
は、酸化物単結晶と加熱時に反応しない絶縁性物質で形
成する必要がある。本体52の平面形状が円環状であり、
薄板7が略円形である場合には、ダミー材54の平面的形
状を半円状や弧状とすることがよい。本体52の平面的形
状が正方形の場合には、ダミー材54の形状を角柱状と
し、これを上記隙間に多数配列することがよい。
【0100】こうしたダミー材54は、薄板7及び平板状
電極5C, 5Dの横方向のズレによる焦電を抑える効果があ
る。また、ダミー材54同士の隙間を小さくすることによ
り、薄板7から蒸発した蒸気の流通に対する抵抗が大き
くなり、蒸発による単結晶の組成変動を防止できる。
【0101】図15の例においては、ダミー材54の下方
に、酸化物粉末55が収容されている。酸化物粉末55の組
成は、薄板7の単結晶の組成とほぼ同じにすることが好
ましい。このようにダミー材54の下方に酸化物粉末55を
配置すると、加熱時に酸化物粉末55からも成分が蒸発す
るので、配列体57付近の蒸気がほぼ一定に保たれ、薄板
7から蒸発成分が抜けにくくなる。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来よりも極めて短い熱処理時間で、目的とする組成の単
分域化された酸化物単結晶を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は、容器8内で薄板7を処理している状態
を示す断面図、(b) は、 (a)のIb −Ib線断面図であ
る。
【図2】容器18内で薄板7をVTE処理している状態を
示す断面図である。
【図3】従来の熱処理スケジュールを示すグラフであ
る。
【図4】従来の熱処理スケジュールを示すグラフであ
る。
【図5】容器8内で薄板7を処理している状態を示す断
面図である。
【図6】本発明の実施例に係る熱処理スケジュール及び
電圧印加スケジュールを示すグラフである。
【図7】本発明の実施例に係る熱処理スケジュール及び
電圧印加スケジュールを示すグラフである。
【図8】本発明の実施例に係る熱処理スケジュール及び
電圧印加スケジュールを示すグラフである。
【図9】本発明の実施例に係る熱処理スケジュール及び
電圧印加スケジュールを示すグラフである。
【図10】ニオブ酸リチウムの相図である。
【図11】タンタル酸リチウムの相図である。
【図12】薄板7をVTE処理している状態を模式的に
示す断面図である。
【図13】薄板7を重ね合わせてなる配列体57を単分域
化処理している状態を模式的に示す断面図である。
【図14】薄板7を重ね合わせてなる配列体57を単分域
化処理している状態を模式的に示す断面図である。
【図15】薄板7を重ね合わせてなる配列体57を単分域
化処理している状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1, 11, 41, 51 蓋 2, 12,42, 52 本体 3A,3B 電力供給用のリード線 5A,5B,5C,5D 一対の平板状電極 6,47, 55 所定組成を有する酸化物の粉末 7 酸化物の単結晶からなる薄板 8,18, 43, 48, 58 容器 21, 22, 23, 24, 26, 28, 29, 31 熱処理スケジュール 25, 27, 30, 32 電圧印加スケジュール TC キュリー温度 T1, T2 熱処理温度
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−85897(JP,A) 特開 平6−172078(JP,A) 特開 昭57−140400(JP,A) 特開 昭58−151399(JP,A) 特開 昭63−35498(JP,A) 特開 昭63−35499(JP,A) 特開 昭63−35500(JP,A) 特開 昭63−218599(JP,A) 特開 平1−103999(JP,A) P.F.Bordui,et a l.,”Preparation of characterization of off−congruentli thium niobate crys tals,”J.Appl.Phy s.,15 Jan.1992,Vol.71, No.2,p.875−879 Y.S.Luh,et al.,”S toichiometric LiNb 03 single−crystal f ibers for nonlinea r optical applicat ions,”J.Cryst.Grow th,1987,Vol.85,p.264−269 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 28/00 - 35/00 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物の単結晶からなる材料と、前記酸
    化物の組成と異なる所定組成を有する酸化物粉末とを熱
    処理することによって前記単結晶の組成を変化させる工
    程;及び次いで、前記単結晶をそのキュリー温度以上に
    加熱しながら前記単結晶に電圧を印加することによって
    前記単結晶を単分域化処理する工程を有する、酸化物単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記材料を前記酸化物粉末中に埋設した
    状態で前記熱処理を行う、請求項1記載の酸化物単結晶
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記材料を前記酸化物粉末中に埋設し、
    かつ前記材料を挟む位置に一対の板状電極を前記酸化物
    粉末中に埋設した状態で前記単分域化処理を行う、請求
    項1記載の酸化物単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記単結晶と非反応性の物質の線材から
    なる支持枠を前記酸化物粉末の上側に固定し、この支持
    枠の凹部内で複数の前記材料を垂直方向に配列し、隣り
    合う前記材料の間に、前記単結晶と非反応性の物質の線
    材が介在している状態で前記熱処理を行う、請求項1記
    載の酸化物単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記材料を互いに接触させつつ垂直方向
    に重ね合わせて配列体を形成し、この配列体の上端と下
    端とにそれぞれ板状電極を接触させ、上側の板状電極の
    上に耐火物を載置した状態で前記単分域化処理を行う、
    請求項1記載の酸化物単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記配列体及び前記耐火物と、これらを
    収容する容器の内側面との隙間に、前記単結晶と非反応
    性の物質からなるダミー材が配置されている、請求項5
    記載の酸化物単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記配列体及び前記耐火物と、これらを
    収容する容器の内側面との隙間に、前記単結晶と非反応
    性の物質からなるダミー材及び前記粉末が配置され、か
    つこのダミー材の下側にこの粉末が配置されている、請
    求項5記載の酸化物単結晶の製造方法。
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P.F.Bordui,et al.,"Preparation of characterization of off−congruentlithium niobate crystals,"J.Appl.Phys.,15 Jan.1992,Vol.71,No.2,p.875−879
Y.S.Luh,et al.,"Stoichiometric LiNb03 single−crystal fibers for nonlinear optical applications,"J.Cryst.Growth,1987,Vol.85,p.264−269

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