JP2862283B2 - 導電性セラミックファイバーの製造方法 - Google Patents

導電性セラミックファイバーの製造方法

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JP2862283B2 JP1231775A JP23177589A JP2862283B2 JP 2862283 B2 JP2862283 B2 JP 2862283B2 JP 1231775 A JP1231775 A JP 1231775A JP 23177589 A JP23177589 A JP 23177589A JP 2862283 B2 JP2862283 B2 JP 2862283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、導電性セラミックファイバーの製造方法に
関し、とくに耐熱性セラミックウィスカーに導電性被膜
を形成してなるセラミックファイバーの製造方法であっ
て、電気導電性が要求されるプラスチックに充填し、そ
れを補強するときに用いるものについての提案である。
(従来の技術) 最近の電子機器類は、ケーシングにプラスチックを用
いるため、電磁波障害や静電気帯電の問題があった。こ
のような電磁波障害の除去や静電気帯電の防止について
は、プラスチックに各種の導電性フィラーなどを充填
し、該プラスチックを導電化することにより対処してお
り、従来、以下に述べるような各種の技術が提案されて
いる。例えば、プラスチックに、カーボン粒子、カーボ
ンファイバー、アルミニウムやステンレスの金属粒子、
メタライズドガラスファイバー、導電性チタン酸アルカ
リ金属塩ファイバーなどの導電性材料を負荷する技術が
それである。
しかしながら、この従来技術において、カーボン粒子
および、金属粒子を使用するものにおいては、プラスチ
ックに対する補強効果が小さいという問題点があった。
一方、カーボンファイバーなどを使用するものについて
は、従来のものは繊維径が太いために、プラスチックの
表面平滑度が劣るだけでなく、高価であるという問題点
があった。さらに、金属ファイバーの場合も、表面の表
面平滑度が劣るという問題点があった。また、メタライ
ズドガラスファイバーは、ガラスファイバーの表面に金
属めっきしたものであるが、プラスチックとの混合、成
形の過程でめっきが剥がれ導電率が低下するという問
題、および繊維が太いため、プラスチック表面平滑度が
低下してしまうという問題点が指摘されていた。
これに対して、導電性チタン酸アルカリ金属塩ファイ
バーを使用する場合は、繊維径を細くできるため表面平
滑度が高く、補強効果に優れているという特徴がある。
このような導電性チタン酸アルカリ金属塩ファイバー
を製造する技術としては、例えば、[I]特開昭59−10
2820号公報、特開昭61−141618号公報に開示しているよ
うな技術があり、これらは、チタン酸アルカリ金属塩の
表面に導電性を有する水不溶性金属化物を沈着させる技
術である。
また、[II]特開昭60−264326号公報、特開昭61−11
7119号公報および特開昭61−19742号公報などは、チタ
ン酸塩と異種元素を含む化合物との混合物を焼成するこ
とにより、チタン酸塩に異種元素を導入する技術を開示
しており、 さらに[III]特開昭61−55217号公報では、チタン酸
カリウム繊維をアンモニアガス雰囲気下で焼成すること
により、酸素欠陥を最小限に止める技術を開示してい
る。
しかしながら、上掲の[I]の従来技術は、導電性の
金属化合物を単に沈着させたにすぎないため、チタン酸
アルカリ金属塩の表面がすべて導電性物質で覆われるこ
とはなく、また沈着させる各導電性物質自体の導電率も
低いため、導電率が1×10-2Ω-1cm-1程度のものしか得
られていなかった。
また、上掲[II]の従来技術は、チタン酸塩の結晶格
子中に異種元素を導入することにより、チタンイオン空
格子のイオンを導いて導電性を付与させる技術である
が、導電性が低く1×10-2Ω-1cm-1程度のものしか得ら
れなかった。
さらに、上掲[III]のチタン酸カリウム繊維をアン
モニアガス中で焼成する従来技術でも、導電率はせいぜ
い2×10-2Ω-1cm-1程度のものしか得られていなかっ
た。
そこで本発明者らは、表面平滑性に優れかつ高い導電
率のものが得られないという従来技術の上述した問題点
を解決するために鋭意研究を行い、先に特願昭62−8675
2号(特開昭63−252928号公報)として、チタン酸アル
カリ金属塩からなるファイバーをアンモニア中で熱処理
して、酸化チタン層の少なくとも一部を窒化チタン層と
した高導電率導電性耐熱無機ファイバーを製造する技術
を提案した。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上掲の各従来技術[I]〜[III]や
本発明者らが先に提案した特願昭62−86752号に開示の
技術は、いずれも、チタン酸アルカリ金属塩からなるフ
ァイバー自身に、単に導電性を付与するためだけの技術
にしかすぎない。すなわち、ファイバーそれ自身は耐熱
性や強度に優れたものではなく、それ故に補強効果が乏
しいものとならざるを得ないのである。
そこで本発明は、ファイバー本来の機能、例えば耐熱
性や強度に優れると同時に導電性にも優れるものを得る
ことにより、単に導電性のみに着目して作られた従来の
チタン酸塩ファイバーの問題点を克服することとした。
(課題を解決するための手段) 発明者らは、基本的に補強効果(耐熱性、強度)に優
れる耐熱無機材料を軸材として利用することに着目して
なされたものであり、この耐熱無機材料(ウィスカー)
の表面に、酸化チタンの被覆層を形成して、この被覆層
の酸化チタンをアンモニア雰囲気下で熱処理して窒化チ
タンを反応生成させることにより導電性を付与すれば、
前述の問題を解決できることを知見した。
すなわち、本発明は、セラミックウィスカーの表面
に、チタン化合物溶液の処理によって生成する酸化チタ
ンの層をコーティングし、ついでこの酸化チタンコーテ
ィング付セラミックウィスカーを、アンモニアガス雰囲
気下にて熱処理することにより、前記セラミックウィス
カー表面に窒化チタンを生成させることにより導電性セ
ラミックファイバーを製造する方法である。
(作用) 本発明の特徴は、従来の導電性チタン酸塩ファイバー
に代え、チタン酸塩をコーティング材として用いる一
方、被コーティング基材,即ち軸心として非金属無機材
料のウィスカーを用い、前記チタン酸塩等のコーティン
グを窒素雰囲気下の熱処理によって窒化チタンに変える
ことにより、導電性セラミックファイバーを製造するよ
うにした点にある。
このような方法で導電性セラミックファイバーを製造
するようにしたのは、補強効果が高くしかも導電性に優
れたファイバーを得るのに好都合だからである。
本発明の製造方法においては、軸心となる基材には高
強度のセラミックウィスカーを用いるが、耐熱性構造材
やケーシング、基板などという使途に供するには、特に
耐熱性セラミックウィスカーが好ましく、例えば、酸化
物セラミックスでは、アルミナ(Al2O3)ウィスカー、
ホウ酸アルミニウムウィスカーを用い、非酸化物セラミ
ックスとしては、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4
のうちから選ばれるいずれか1種の各ウィスカーを用い
る。これは熱的機能ばかりか機械的機能にも優れるの
で、軸心として用いるのに好適である。
かかるセラミックウィスカーとしては、直径1μm以
下のものを用いるのが望ましい。これは1μmを越える
ような大きなウィスカーを用いると表面平滑度が低下
し、上記ケーシング用補強材料としては不向きとなるか
らである。
また、このセラミックウィスカーのアスペクト比は、
強度維持などの観点から10〜10000のものを用いること
が望ましい。それは、10未満だと補強効果が劣り、一
方、10000を越えると分散性が低下することにより補強
効果が充分得られないためである。
軸心とする上記セラミックウィスカーに対して本発明
は、まずチタン酸塩などをコーティングしたのち熱処理
することにより、軸心表面に高い導電性を示す窒化チタ
ンの層を反応生成させて導電性ファイバーとする。この
窒化チタン層の厚さとしては、0.005〜0.05μmの範囲
内の厚さとする。窒化チタン層が0.005μmよりも薄い
と導電性の付与が不十分となり、一方、0.05μmよりも
厚いとコーティングの剥離が生じるうえ、強度の劣化が
懸念される。望ましくは、0.008〜0.01μm程度が好適
である。
この窒化チタン層を反応生成させることにより本発明
のファイバーの導電性は1×10-2Ω-1・cm-1以上を示
し、前記各従来技術のファイバーのそれが2×10-2Ω-1
・cm-1であるのに比べると格段に優れた導電性を示すよ
うになる。
次に、本発明にかかる導電性セラミックファイバーの
製造方法について具体的に説明する。
製造の第1の段階は、Al2O3、SiC、Si3N4などのセラ
ミックウィスカー(アスペクト比10〜10000、径1μm
以下)を調整する処理である。
第2の段階は、上記セラミックウィスカーの表面に、
チタン化合物の溶液を塗布してチタン酸塩をコーティン
グするか、さらにそのコーティング層を加熱して酸化チ
タン膜を形成する処理である。
この処理において、前記ウィスカーの表面に塗布する
チタン化合物溶液としては、Ti(OR)4(ただし、Rはア
ルキル、アルキルカルボニル、アセチルアセトナートな
ど)や、その加水分解・縮重合させてゲル状となしたも
のなどを用いる。しかし、必ずしもゾルゲル法によるも
のだけでなく、熱処理によって窒化チタンとなる他のも
のであってもよい。
上記チタン化合物溶液の塗布は、スプレーでもよい
し、この溶液中に前記ウィスカーを一定時間浸漬して付
着させる方法であってもよいが、この処理は厚さが0.00
5〜0.05μmになるまで、複数回数繰返して行ってもよ
い。
次に、第3の段階は、上述のようにして得られたチタ
ン化合物コーティング付きセラミックウィスカーを熱処
理して導電性に優れた窒化チタン(TiN)の層を生成さ
せる処理である。この熱処理は以下の条件で行う。
雰囲気は、アンモニアガス雰囲気とする。熱処理の時
間は、2時間未満という短時間だと、前記酸化チタンの
コーティング層が単に還元されるだけに止まり、高導電
率を得るのに充分な窒化チタン層が形成されず、一方、
15時間を越えるような長時間の熱処理は、窒化そのもの
は十分に進行するものの作業効率が悪くなり、コストが
高くなると共にファイバーの強度が低下する。従って、
本発明ファイバー製造時に採用する熱処理時間は2時間
以上15時間以内とする。
次に、熱処理の温度は、700℃未満の温度ではTiO2
チル構造となるだけで、窒化が進行しないため導電性が
得られず、一方、1100℃を越えるような高温ではファイ
バーの強度が低下する。従って、該熱処理の温度は850
℃以上1100℃以下とする。
(実施例) (1)チタニウムイソプロポキシドとエチルアルコール
をモル比で1:1になるよう所定量混合し均一溶液とし
た。
(2)水、塩化水素、エチルアルコールをモル比で3:0.
53:2になるよう所定量混合し均一溶液とした。
(3)上記(1)で得られた溶液に上記(2)で得られ
た溶液を常温にて一定速度で徐々に滴下しながら攪拌混
合し均一溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液を攪拌しながら密閉状
態にて約40℃の温度で約20時間保持した。
(5)上記(4)で得られた溶液を約40℃の温度にてロ
ータリーエバポレーターを用い、粘度が約10ポイズにな
るまで濃縮した。
(6)上記(6)で得られた溶液中にアルミナウィスカ
ーを投入し混合した後吸引ろ過し、さらに100℃の温度
にて攪拌しながら乾燥させた。
(7)上記(6)で得られたチタン化合物付着ウィスカ
ーを、アンモニアガス雰囲気下で5℃/minの速度で1000
℃まで昇温した後温度1000℃にて2時間熱処理すること
により、表面に窒化チタンが反応生成しコーティングさ
れた状態のセラミックファイバーを得た。
このようにして得られた導電性セラミックファイバー
について以下に示す方法にて導電率を測定したところ、
2×10-2Ω-1cm-1という高い値を示した。
なお、導電率の測定に当たっては、まず試料0.8gを内
径10mmの金型にて10kg/cm2の圧力で10分間加圧成型した
円柱状の試験片を作成し、この試験片の厚さと断面積を
測定した後に両面に金を蒸着し、これを電極としてその
両極に常温、大気中にて直流定電圧を印加し、その時に
流れる電流値を測定した。そして、導電率は次式により
算出した。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、補強効果ならび
に表面平滑性に優れると共に、高い導電率を有するセラ
ミックファイバーを容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C30B 29/62 D06M 11/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックウィスカーの表面に、チタン化
    合物溶液の処理によって生成する酸化チタンをコーティ
    ングし、ついでこの酸化チタンコーティング付きセラミ
    ックウィスカーをアンモニアガス雰囲気下にて熱処理す
    ることにより、前記セラミックウィスカー表面に窒化チ
    タンの層を生成させることを特徴とする導電性セラミッ
    クファイバーの製造方法。
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