JP2852297B2 - 導電性セラミックファイバー - Google Patents

導電性セラミックファイバー

Info

Publication number
JP2852297B2
JP2852297B2 JP10981498A JP10981498A JP2852297B2 JP 2852297 B2 JP2852297 B2 JP 2852297B2 JP 10981498 A JP10981498 A JP 10981498A JP 10981498 A JP10981498 A JP 10981498A JP 2852297 B2 JP2852297 B2 JP 2852297B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
conductivity
conductive
ceramic
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10981498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10251964A (ja
Inventor
亮 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP10981498A priority Critical patent/JP2852297B2/ja
Publication of JPH10251964A publication Critical patent/JPH10251964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2852297B2 publication Critical patent/JP2852297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性セラミック
ファイバー、とくに耐熱性セラミックウィスカーに導電
性被膜を形成してなるセラミックファイバーであって、
電気導電性が要求されるプラスチックに充填し、それを
補強するときに用いるものについての提案である。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器類は、ケーシングにプラ
スチックを用いるため、電磁波障害や静電気帯電の問題
があった。このような電磁波障害の除去や静電気帯電の
防止については、プラスチックに各種の導電性フィラー
などを充填し、該プラスチックを導電化することにより
対処しており、従来、以下に述べるような各種の技術が
提案されている。例えば、プラスチックに、カーボン粒
子、カーボンファイバー、アルミニウムやステンレスの
金属粒子、メタライズドガラスファイバー、導電性チタ
ン酸アルカリ金属塩ファイバーなどの導電性材料を負荷
する技術がそれである。
【0003】しかしながら、この従来技術において、上
記のカーボン粒子および、金属粒子を使用するものにお
いては、プラスチックに対する補強効果が小さいという
問題点があった。一方、上記のカーボンファイバーなど
を使用するものについては、従来のものは繊維径が太い
ために、プラスチックの表面平滑度が劣るだけでなく、
高価であるという問題点があった。さらに、上記の金属
ファイバーの場合も、表面の表面平滑度が劣るという問
題点があった。その他、上記のメタライズドガラスファ
イバーは、ガラスファイバーの表面に金属めっきしたも
のであるが、プラスチックとの混合、成形の過程でめっ
きが剥がれ導電率が低下するという問題、および繊維が
太いため、プラスチック表面平滑度が低下してしまうと
いう問題点が指摘されていた。
【0004】これに対して、導電性チタン酸アルカリ金
属塩ファイバーを使用する場合は、繊維径を細くできる
ため表面平滑度が高く、補強効果に優れているという特
徴がある。このような導電性チタン酸アルカリ金属塩フ
ァイバーを製造する技術としては、例えば、.特開昭
59−102882号公報、特開昭61−141618号公報に開示して
いるような技術があり、これらは、チタン酸アルカリ金
属塩の表面に導電性を有する水不溶性金属化物を沈着さ
せる技術である。また、.特開昭60−264326号公報、
特開昭61−117119号公報および特開昭61−19742 号公報
などは、チタン酸塩と異種元素を含む化合物との混合物
を焼成することにより、チタン酸塩に異種元素を導入す
る技術を開示している。さらに、.特開昭61−55217
号公報では、チタン酸カリウム繊維をアンモニアガス雰
囲気下で焼成することにより、酸素欠陥を最小限に止め
る技術を開示している。
【0005】しかしながら、上掲のの従来技術は、導
電性の金属化合物を単に沈着させたにすぎないため、チ
タン酸アルカリ金属塩の表面がすべて導電性物質で覆わ
れることはなく、また沈着させる各導電性物質自体の導
電率も低いため、導電率が1×10-2Ω-1cm-1程度のもの
しか得られていなかった。また、上掲の従来技術は、
チタン酸塩の結晶格子中に異種元素を導入することによ
り、チタンイオン空格子のイオンを導いて導電性を付与
させる技術であるが、導電性が低く1×10-2Ω -1cm-1
度のものしか得られなかった。さらに、上掲のチタン
酸カリウム繊維をアンモニアガス中で焼成する従来技術
でも、導電率はせいぜい2×10-2Ω-1cm -1程度のものし
か得られていなかった。
【0006】そこで本発明者らは、表面平滑性に優れか
つ高い導電率のものが得られないという従来技術の上述
した問題点を解決するために鋭意研究を行い、先に特願
昭62−86752 号 (特開昭63−252928号公報) として、チ
タン酸アルカリ金属塩からなるファイバーをアンモニア
中で熱処理して、酸化チタン層の少なくとも一部を窒化
チタン層とした高導電率導電性耐熱無機ファイバーを製
造する技術を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上掲の
各従来技術〜や本発明者らが先に提案した特願昭62
−86752 号に開示の技術は、いずれも、チタン酸アルカ
リ金属塩からなるファイバー自身に、単に導電性を付与
するためだけの技術にしかすぎない。すなわち、ファイ
バーそれ自身は耐熱性や強度に優れたものではなく、そ
れ故に補強効果が乏しいものとならざるを得ないのであ
る。そこで本発明は、導電性を有するだけでなく、ファ
イバー本来の機能、即ち、耐熱性や強度に優れるセラミ
ックファイバーを軸材として用いることにより、単に導
電性のみに着目して作られた従来のチタン酸塩ファイバ
ーの問題点を克服することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、基本的に補
強効果 (耐熱性、強度) に優れる耐熱無機材料を軸材と
して利用することに着目し、その軸材として、アルミ
ナ、ホウ酸アルミニウム、炭化珪素および窒化珪素から
選ばれる少なくとも1種のセラミックウィスカーを利用
し、その表面にまず酸化チタンなどをコーティングし、
次にその酸化チタンのコーティング層をアンモニア雰囲
気下で熱処理することにより窒化チタンを反応生成させ
ることにより、導電性を付与すれば、前述の問題を解決
できることを知見した。
【0009】すなわち、本発明は、アルミナ、ホウ酸ア
ルミニウム、炭化珪素および窒化珪素から選ばれる少な
くとも1種のセラミックウィスカーの表面に窒化チタン
層を設けてなる導電性セラミックファイバーである。ま
た、本発明においては、上記窒化チタン層は、セラミッ
クウィスカーの表面に被成したチタン化合物を、窒素雰
囲気中で熱処理することにより反応生成させたものであ
ることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、軸材 (ファイバ
ー) を、従来のような導電性チタン酸塩ファイバーでは
なくセラミックファイバーとし、一方、窒化チタンを生
成させるためのチタン酸塩は軸材へのコーティング材と
して用いる点にある。軸材に酸化物セラミック等のウィ
スカーを用いることとしたのは、これらの材料は補強効
果が高いからである。例えば、高強度のセラミックウィ
スカーが用いられるが、耐熱性構造材やケーシング、基
板などという使途に適合するように、アルミナ (Al
2O3)、ホウ酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素から選
ばれる少なくとも1種のセラミックウィスカーが好適で
ある。これらは熱的機能ばかりか機械的機能にも優れる
ので、軸材として用いるのに好適だからである。
【0011】かかるセラミックウィスカーは、直径1μ
m以下のものを用いるのが望ましい。これは1μmを越
えるような大きなウィスカーを用いると表面平滑度が低
下し、上記ケーシング用補強材料としては不向きとなる
からである。また、このセラミックウィスカーのアスペ
クト比は、強度維持などの観点から10〜10000 のものを
用いることが望ましい。それは、10未満だと補強効果が
劣り、一方、10000 を越えると分散性が低下することに
より補強効果が充分得られないためである。
【0012】軸材とする上記セラミックウィスカーに対
して本発明は、後で詳しく述べる方法によって、その表
面に高い導電性を示す窒化チタンの層を被成して導電性
ファイバーとする。この窒化チタン層の厚さとしては、
0.005 〜0.05μmの範囲内の厚さとする。窒化チタン層
が0.005 μmよりも薄いと導電性の付与が不十分とな
り、一方、0.05μmよりも厚いとコーティングの剥離が
生じるうえ、強度の劣化が懸念される。望ましくは、0.
008 〜0.01μm程度が好適である。このような窒化チタ
ン層を設けてなる導電性セラミックファイバーの導電性
は1×10-2Ω-1・cm-1以上を示し、前記各従来技術のフ
ァイバーのそれが2×10-2Ω-1・cm-1であるのに比べる
と格段に優れた導電性のものが得られる。
【0013】次に、本発明にかかる導電性セラミックフ
ァイバーの製造方法について説明する。製造の第1の段
階は、Al2O3 、SiC、Si3N4 などのセラミックウィスカ
ー (アスペクト比10〜10000 、径1μm以下) を調整す
る処理である。
【0014】第2の段階は、上記セラミックウィスカー
の表面に、チタン化合物の溶液を塗布してチタン酸塩を
コーティングするか、さらにそのコーティング層を加熱
して酸化チタン膜を形成する処理である。この処理にお
いて、前記ウィスカーの表面に塗布するチタン化合物溶
液としては、Ti(OR)4 (ただし、R はアルキル、アルキ
ルカルボニル、アセチルアセトナートなど) や、その加
水分解・縮重合させてゲル状となしたものなどを用い
る。しかし、必ずしもゾルゲル法によるものだけでな
く、熱処理によって窒化チタンとなる他のものであって
もよい。上記チタン化合物溶液の塗布は、スプレーでも
よいし、この溶液中に前記ウィスカーを一定時間浸漬し
て付着させる方法であってもよいが、この処理は厚さが
0.005 〜0.05μmになるまで、複数回数繰返して行って
もよい。
【0015】次に、第3の段階は、上述のようにして得
られたチタン化合物コーティング付きセラミックウィス
カーを熱処理して導電性に優れたTiNを生成させる処理
である。この熱処理は以下の条件, 即ち、雰囲気は、ア
ンモニアガス雰囲気とする。熱処理の時間は、2時間未
満という短時間だと、前記コーティング層 (酸化チタン
層) が単に還元されるだけに止まり、高導電率を得るの
に充分な窒化チタン層が形成されず、一方、15時間を越
えるような長時間の熱処理は、窒化そのものは十分に進
行するものの作業効率が悪くなり、コストが高くなると
共にファイバーの強度が低下する。従って、窒化チタン
化のための熱処理時間は2時間以上15時間以内とする。
なお、上記熱処理の温度は、700 ℃未満の温度ではTiO2
ルチル構造となるだけで、窒化が進行しないため導電性
が得られず、一方、1100℃を越えるような高温ではファ
イバーの強度が低下するので、850 ℃以上1100℃以下と
する。
【0016】(実施例) (1) チタニウムイソプロポキシドとエチルアルコールを
モル比で1:1になるよう所定量混合し均一溶液とし
た。 (2) 水、塩化水素、エチルアルコールをモル比で3:0.
53:2になるよう所定量混合し均一溶液とした。 (3) 上記(1) で得られた溶液に上記(2) で得られた溶液
を常温にて一定速度で徐々に滴下しながら攪拌混合し均
一溶液を得た。 (4) 上記(3) で得られた溶液を攪拌しながら密閉状態に
て約40℃の温度で約20時間保持した。 (5) 上記(4) で得られた溶液を約40℃の温度にてロータ
リーエバポレーターを用い、粘度が約10ポイズになるま
で濃縮した。 (6) 上記(6) で得られた溶液中にアルミナウィスカーを
投入し混合した後吸引ろ過し、さらに100 ℃の温度にて
攪拌しながら乾燥させた。 (7) 上記(6) で得られたチタン化合物付着ウィスカー
を、アンモニアガス雰囲気下で5℃/min の速度で1000
℃まで昇温した後温度1000℃にて2時間熱処理すること
により、表面に窒化チタンがコーティングされたセラミ
ックファイバーを得た。
【0017】このようにして製造した本発明の導電性セ
ラミックファイバーについて以下に示す方法にて導電率
を測定したところ、2×10-2Ω-1cm-1という高い値を示
した。なお、導電率の測定に当たっては、まず試料 0.8
gを内径10mmの金型にて10kg/cm2の圧力で10分間加圧成
型した円柱状の試験片を作成し、この試験片の厚さと断
面積を測定した後に両面に金を蒸着し、これを電極とし
てその両極に常温、大気中にて直流定電圧を印加し、そ
の時に流れる電流値を測定した。そして、導電率は次式
により算出した。
【数1】 (発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、補
強効果ならびに表面平滑性に優れるとともに、高い導電
率を有するセラミックファイバーを簡易に提供すること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C30B 29/62 D06M 11/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ、ホウ酸アルミニウム、炭化珪
    素および窒化珪素から選ばれる少なくとも1種のセラミ
    ックウィスカーの表面に窒化チタン層を設けてなる導電
    性セラミックファイバー。
  2. 【請求項2】 上記窒化チタン層は、セラミックウィス
    カーの表面に被成したチタン化合物を、窒素雰囲気中で
    熱処理することにより反応生成させたものである請求項
    1に記載の導電性セラミックファイバー。
JP10981498A 1998-04-20 1998-04-20 導電性セラミックファイバー Expired - Lifetime JP2852297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10981498A JP2852297B2 (ja) 1998-04-20 1998-04-20 導電性セラミックファイバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10981498A JP2852297B2 (ja) 1998-04-20 1998-04-20 導電性セラミックファイバー

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1231775A Division JP2862283B2 (ja) 1989-09-08 1989-09-08 導電性セラミックファイバーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10251964A JPH10251964A (ja) 1998-09-22
JP2852297B2 true JP2852297B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=14519894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10981498A Expired - Lifetime JP2852297B2 (ja) 1998-04-20 1998-04-20 導電性セラミックファイバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2852297B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10251964A (ja) 1998-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1175300A (en) Metal-matrix composite containing oxide coated carbon fibres
US6284682B1 (en) Process for making chemically bonded sol-gel ceramics
JPH0466819B2 (ja)
US5741596A (en) Coating for oxidation protection of metal surfaces
US20060147699A1 (en) Protective ceramic coating
JP2852297B2 (ja) 導電性セラミックファイバー
US6221942B1 (en) Zircon-carbon for ceramic composite fiber coatings and fine-grained zircon powder
US5039550A (en) Colloidal processing method for coating ceramic reinforcing agents
HASHISHIN et al. Oxidation-resistant coating of carbon fibers with TiO2 by sol-gel method
CN108660442B (zh) LaxTiyOz氧化物、包含该LaxTiyOz氧化物的复合材料及其制备方法
CN110256052B (zh) 基于线形有机硅齐聚物/氧化铝复合陶瓷前驱体及制备方法
JP2862283B2 (ja) 導電性セラミックファイバーの製造方法
EP0678597A1 (en) Electrophoresis process for preparation of ceramic fibers
JPH054839A (ja) ゾルゲル法による薄膜の作製方法
JP2002531590A (ja) コートされた、電気的に分極可能な、非磁性粒子、それらの製造方法およびそれらの使用
JP2666222B2 (ja) 封止材料
Matsuda et al. Preparation of copolymerized phenylsilsesquioxane-benzylsilsesquioxane particles
KR20030054077A (ko) 세라믹 분말에의 산화티탄 코팅방법 및 이를 이용한탄화붕소-알루미늄 복합재료의 적심성 향상방법
JPH08170193A (ja) 金属酸化物膜付き基体の製造方法
JPH05151829A (ja) 無機材料被覆部材
KR20040040208A (ko) 바인더를 이용한 질화붕소 후막의 제조방법
JPH0527573B2 (ja)
JPS62263322A (ja) 窒化チタン繊維もしくは窒化チタンで被覆された酸化チタン繊維の製造法
CN105155251A (zh) 一种具有多孔氧化铝涂层的碳化硅纤维的制备方法
KAWAMURA et al. Silicon carbide coating on alumina film using polycarbosilane