JP2862210B2 - 船舶推進装置 - Google Patents

船舶推進装置

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JP2862210B2
JP2862210B2 JP63298362A JP29836288A JP2862210B2 JP 2862210 B2 JP2862210 B2 JP 2862210B2 JP 63298362 A JP63298362 A JP 63298362A JP 29836288 A JP29836288 A JP 29836288A JP 2862210 B2 JP2862210 B2 JP 2862210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はプロペラのピッチを変更することが出来る船
舶推進装置に係り、詳しくはプロペラ軸と該軸に動力を
伝達するための伝達軸との間に伝達トルクを制限するた
めのトルク制限手段を設けた船舶推進装置に関するもの
である。
<従来の技術> 従来より船舶の推進装置に於いては、プロペラの捻り
角度(ピッチ)を変更して推進速度を変更することが出
来る所謂可変ピッチプロペラが提案されている。前記可
変ピッチプロペラを用いた場合、プロペラを回転させる
ための原動機を一定条件のもとで運転しつつ推進速度を
変更することが出来るため有利である。
また船舶の運転中にプロペラが岩や流木等の障害物と
接触することがあり、このとき発生する過負荷がプロペ
ラを駆動するための原動機に伝達され、該原動機に悪影
響を及ぼす虞れがある。このため従来から使用されてい
る固定ピッチプロペラ装置では、動力を伝達するための
伝達手段とプロペラとの間に伝達トルクを制限するため
のトルクリミッターが配設されているが、上記可変ピッ
チプロペラ装置にあっては、プロペラピッチを変更する
ための構造が複雑となるため、前記トルクリミッターを
有しないのが一般である。
然し、例えば特開昭60−88696号公報には、主軸の端
部に弾性スリーブを金属スリーブで包囲して形成したト
ルクリミッターを有する可変ピッチプロペラ装置が示さ
れている。
<発明が解決しようとする課題> 上記従来技術にあっては、プロペラを駆動するための
駆動系とプロペラピッチを変更するための駆動系とが互
いに対向する方向に配設されており、且つプロペラピッ
チを変更するための制御レバーは水中に剥き出しの状態
で配設されている。
このため前記レバーに藻や海草類が付着したりし易
く、清掃の頻度が多角なったり、水中部分の走行抵抗が
増大する虞れがある。
本発明の目的はプロペラのピッチを変更するためのピ
ッチ変更手段及び該変更手段を駆動するための駆動部等
を水中に露出することなく、且つプロペラを支持するた
めのプロペラ軸と該軸に動力を伝達するための伝達軸と
の間にトルクリミッターを設けた船舶推進装置を提供す
るものである。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するために、本発明の船舶推進装置
は、船舶を推進するためのプロペラを有し、前記プロペ
ラのピッチを変更可能に支持するプロペラボスを端部に
有するプロペラ軸と該プロペラ軸に動力を伝達するため
の伝達軸とを同軸上の前後に配置し、前記プロペラ軸と
伝達軸との間にトルク制限手段を配置して連結すると共
に、前記プロペラ軸に該プロペラ軸と同心上に配置され
た第1及び第2太陽歯車を含む遊星歯車機構を備え、前
記遊星歯車機構によって前記プロペラボスに回転可能に
嵌挿されたネジ軸を回転させてプロペラのピッチを変更
し得るように構成したものである。
<作用> 上記手段によれば、動力を伝達軸及びトルク制限手段
を介してプロペラ軸及びプロペラボスに伝達し、該プロ
ペラボスに支持されたプロペラを回転させることで船舶
を推進することが出来る。またプロペラのピッチを変更
する場合には、ピッチ変更手段をプロペラ軸の回転に差
動を与える差動歯車機構によって駆動することで、該ピ
ッチ変更手段とプロペラボスとの間に相対的な速度差を
発生させ、これによりプロペラのピッチを変更すること
が出来る。
またプロペラボスを支持するためのプロペラ軸と該軸
に動力を伝達するための伝達軸との間にトルク制限手段
を設けたので、プロペラが障害物と接触して衝撃が発生
した場合、該衝撃による過負荷はプロペラ軸を介してト
ルク制限手段に伝達され、該トルク制限手段に於いて滑
りが発生する。このため前記過負荷が伝達軸側に伝達さ
れることが無い。
またプロペラが障害物と接触し、プロペラ軸と伝達軸
との間に滑りが発生した場合であっても、差動歯車機構
に於いて前記滑りの発生に起因する差動の生じることが
無く、このため該差動歯車機構によって駆動されるピッ
チ変更手段は一定の状態を保持し、従ってプロペラピッ
チも一定状態を保持することが出来る。
<実施例> 以下上記手段を適用した船舶推進装置の実施例を図を
用いて説明する。
第1図は船舶推進装置の軸方向の断面説明図、第2図
は第1図のII−II断面図、第3図は第1図のIII−III断
面図、第4図(A)〜(C)は船舶推進装置に於ける動
力伝達系の模式説明図である。
図に於いて、垂直軸1は駆動手段となる例えばエンジ
ンEの動力を伝達軸2に伝達するための軸である。この
垂直軸1はケーシングAに回転可能に支承されている。
また前記垂直軸1の端部にはベベルギヤ1aが固着されて
いる。
伝達軸2は前記垂直軸1と直交して配置されている。
この伝達軸2は前側部2aに於いてベベルギヤ3を介して
ベアリング10aに支承されると共に、略中央部に於いて
ベアリング10bに支承され、これによりケーシングAに
対し回転可能に取り付けられている。また伝達軸2は前
側部2aにエンジンEからの動力を離接するためのクラッ
チシフター4を有すると共に、後側部2cにトルクリミッ
ター16を構成するためのインナーカラー7を有して構成
されている。
前記伝達軸2の前側部2aには垂直軸1に固着したベベ
ルギヤ1aと常時噛合しているベベルギヤ3が回転可能に
枢着されている。また前側部2aには、ベベルギヤ3の枢
着位置に連続してスプライン2bが刻設され、該スプライ
ン2bにクラッチシフター4が伝達軸2に対し回転不能に
且つ該軸2の軸方向に摺動可能に装着されている。
前記クラッチシフター4には伝達軸2に埋設したバネ
4aによって常に一方向に付勢されたシフターピン4bが嵌
合されており、これによりクラッチシフター4は常に一
方向(第1図に於ける右方向)に付勢されている。前記
シフターピン4bにはクラッチピン4cが当接されている。
このクラッチピン4cの一端は垂直軸1と平行に設けたク
ラッチ軸5の先端に固着したクラッチカム5aと当接して
いる。そして図示しないクラッチレバーを操作し、クラ
ッチカム5aを回動させることでクラッチシフター4を軸
方向に摺動させ、該シフター4に形成した爪4dとベベル
ギヤ3に形成した爪3aを噛合させることによって、エン
ジンEの動力を垂直軸1を介して伝達軸2に伝達し得る
ように構成されている。
伝達軸2の後側部2cには、段部2dが形成されており、
該段部2dから連続してスプライン2e及びネジ2fが形成さ
れている。前記スプライン2eには、ワッシャー6及びイ
ンナーカラー7が嵌合されている。そして前記ネジ2fに
ナット8を螺合することで、ワッシャー6及びインナー
カラー7が伝達軸2に固着されている。尚、前記インナ
ーカラー7の伝達軸2に対する取り付けはスプライン結
合のみに限定されず、例えば圧入方式による取り付けで
あっても良い。
前記インナーカラー7の外周には、摩擦係数の大きい
例えばゴム等の摩擦部材9が取り付けられている。前記
摩擦部材9は例えばスリーブ状に形成することが可能で
あり、この場合にはスリーブ状摩擦部材9をインナーカ
ラー7に嵌装することで取り付けることが出来る。また
インナーカラー7の外周面にゴムを焼付形成すること
で、該カラー7と摩擦部材9とを一体的に形成すること
も可能である。
前記伝達軸2を支承するためのベアリング10aはケー
シングAに収容されており、ベアリング10bはベアリン
グケース11aに収容されている。前記ベアリングケース1
1aには、該ケース11aと伝達軸2との間をシールするた
めのオイルシール23cが装着されると共に、該ケース11a
はリングナット12aによってケーシングAに固着されて
いる。
前記伝達軸2の後側部2cと連続して、且つ同軸上にプ
ロペラ軸13が配設されている。このプロペラ軸13は、前
側部13aに於いてベアリングケース11bに収容されたベア
リング10cに支承されると共に、略中央部に於いて太陽
ギヤ28を介してベアリングケース11cに収容されたベア
リング10dに支承され、これによりケーシングAに対し
回転可能に取り付けられている。また前側部13aにはト
ルクリミッター16を構成するアウターカラー14が取り付
けられ、後側部13bにはプロペラボス17が取り付けられ
ている。更に、プロペラ軸13の略中央には第1歯車機構
24を構成し第1太陽歯車となるギヤ13cが形成されてい
る。
プロペラ軸13の前側部13aには、スプライン13d及びネ
ジ13eが形成されている。前記スプライン13dには、アウ
ターカラー14がナット15によって固着されている。
前記アウターカラー14は内周面が前記摩擦部材9と接
触係合し得るように構成されている。そして伝達軸2に
取り付けたインナーカラー7,摩擦部材9及びアウターカ
ラー14とによって、伝達トルクを制限するためのトルク
制限手段となるトルクリミッター16を構成している。従
って、垂直軸1を介して伝達軸2に伝達されたエンジン
Eの動力は、インナーカラー7にまで伝達されて、摩擦
部材9とアウターカラー14との接触摩擦により該アウタ
ーカラー14に伝達されるものである。
前記プロペラ軸13の後側部13bには、スプライン13f及
びネジ13gが形成されている。前記スプライン13fには、
プロペラボス17が着脱可能に取り付けられ、ナット18を
螺合によってプロペラ軸13に固着されている。
プロペラボス17は、第1図及び第3図に示すように周
囲に所定数(本実施例では3枚)のプロペラ19を装着
し、且つプロペラ19のピッチを変更するためのピッチ変
更手段を構成するスリーブ状のネジ軸20を回転可能に嵌
挿して構成されている。
前記プロペラボス17の内部にはプロペラ19の数に応じ
た室17aが形成されており、該室17aにはクランク21が回
転可能に嵌合されている。このクランク21は、該クラン
ク21の回転中心となる軸21aがプロペラ軸13の軸心と直
交するように設けられている。このクランク21にはプロ
ペラ19がボルト19aによって締結されている。尚、図に
於いて17bはOリング溝である。
前記クランク21の内側、即ちプロペラ軸13側であって
軸21aから偏心した位置には突起21bが形成されている。
この突起21bは、ネジ軸20と螺合するクロスヘッド22に
形成した溝22aに嵌合されている。そして突起21bはネジ
軸20の回転に伴って軸方向に移動するクロスヘッド22に
よって駆動され、これによりクランク21が軸21aを中心
に回転することでプロペラ19のピッチを変更するもので
ある。
前記ネジ軸20の外周所定位置には、プロペラ19のピッ
チを所望の値に設定し得る長さのネジ部20aが形成され
ている。更にネジ軸20の端部には、後述する第2歯車機
構を構成し第2太陽歯車となる太陽ギヤ28と係合するた
めのスプライン20bが形成されている。
前記室17aの両端開口部には、プロペラボス17とネジ
軸20との間をシールするためのオイルシール23a,23bが
装着されており、これにより該室17aは水密状態に保持
されている。
第1図及び第2図に示すように、プロペラボス17と同
期して回転する歯車機構(以下『第1歯車機構』とい
う)24は、太陽ギヤとなるプロペラ軸13に形成したギヤ
13c,遊星ギヤ25及びドライブリングギヤ26とにより構成
されている。またピッチ変更手段を構成するネジ軸20に
回転を伝達する歯車機構(以下『第2歯車機構』とい
う)27は、太陽ギヤ28,遊星ギヤ29及びリングギヤ30と
により構成されている。そして前記第1歯車機構24及び
第2歯車機構27によって差動歯車機構31が構成されてい
る。本実施例にあっては、前記第1歯車機構24,第2歯
車機構27は夫々遊星歯車機構によって構成されている。
前記差動歯車機構31の構成について詳説する。
第2歯車機構27を構成する太陽ギヤ28は、スリーブ状
の軸として形成されている。前記太陽ギヤ28の端部には
ネジ軸20に形成したスプライン20bと係合するスプライ
ン28aが形成されている。そしてこの太陽ギヤ28は、プ
ロペラ軸13に対し回転可能に装着されている。
第2歯車機構27を構成するリングギヤ30は内周にギヤ
が形成され、且つ外周がベアリングケース11cに固着さ
れている。また第1歯車機構24を構成する遊星ギヤ25及
び第2歯車機構27の遊星ギヤ29は、軸32によって連結さ
れている。
第1遊星歯車機構24のドライブリングギヤ26の内周に
はギヤが形成され、且つ側面にはドライブギヤ33bと噛
合するベベルギヤ26aが形成されている。そして前記ド
ライブリングギヤ26はベアリングケース11cに対し回転
可能に装着されている。
垂直軸1に隣接して、且つ該軸1と平行に差動歯車機
構31の動力源となる電動モーター、或いは油圧モーター
等のモーター33がケーシングAに固着されている。前記
モーター33には軸33aが装着され、この軸33aの先端には
ドライブリングギヤ26に形成したベベルギヤ26aと噛合
してモーター33の動力を差動歯車機構31に伝達するため
のドライブギヤ33bが固着されている。
前記モーター33はブレーキ付モーターの如く自己ロッ
ク可能なモーター、或いはウォーム減速装置付きモータ
ー等の如く、ドライブギヤ33bに回転トルクが作用した
際に該トルクによって回転することのないモーターであ
り、且つ可逆回転可能なモーターを用いることが好まし
い。
上記構成に於いて、ベアリングケース11aにはオイル
シール23cが該ケース11aと伝達軸2との間に設けられ、
またベアリングケース11bにはオイルシール23dがプロペ
ラ軸13との間に設けられ、更にベアリングケース11cに
はオイルシール23eがプロペラ軸13との間に設けられて
いる。
前記各オイルシールによって、ケーシングAの内部を
ベベルギヤ1a,ベベルギヤ3及びクラッチシフター4等
を潤滑するための潤滑油を充填するオイル室34aと、差
動歯車機構31,ベベルギヤ33b等を潤滑するための潤滑油
を充填するオイル室34bと、トルクリミッター16を冷却
するための冷却水を充填する冷却室35とに分割形成して
いる。前記冷却室35には、ケーシングAに形成した取水
口A1から取り入れた水が取水口A2を通って導入されてい
る。また冷却室35には、図示しないウォーターポンプの
取水管が接続され、該ポンプによって汲み上げられた水
によってエンジン等を冷却している。
次に上記の如く構成した船舶推進装置に於いて、プロ
ペラのピッチを変更する場合について説明する。
駆動手段となるエンジEからの動力は垂直軸1に伝達
され、該軸1に固着したベベルギヤ1aを介して、伝達軸
2に枢着したベベルギヤ3に伝達される。そしてクラッ
チシフター4を移動して該シフター4とベベルギヤ3と
を係合させることで伝達軸2に動力を伝達する。前記伝
達軸2の回転はトルクリミッター16を介してプロペラ軸
13に伝達され、更にプロペラ軸13からプロペラボス17に
伝達され、該ボス17に支持されたプロペラ軸を回転させ
て船舶を推進する。
プロペラ軸13が回転すると、第1歯車機構24の太陽ギ
ヤとなるギヤ13cは、プロペラボス17と同期して回転す
る。このときギヤ13c及びドライブリングギヤ26と噛合
する遊星ギヤ25は、ギヤ13cに駆動されて、該ギヤ13cの
周りを自転しつつ公転する。
前記遊星ギヤ25は軸32によって第2歯車機構27を構成
する遊星ギヤ29と連結されているため、遊星ギヤ29は遊
星ギヤ25の公転に伴って太陽ギヤ28の周りを自転しつつ
公転する。
ここで、プロペラ19のピッチを変更しない場合には、
モーター33は駆動されることなくロックされ、従ってド
ライブリングギヤ26もロックされる。従って遊星ギヤ29
の回転が太陽ギヤ28に伝達され、該太陽ギヤ28は前記ギ
ヤ13cと同一回転数で同一方向に回転する。即ち、太陽
ギヤ28はプロペラボス17及びギヤ13cと同一回転数で回
転する。
前記太陽ギヤ28の回転は、該ギヤ28に形成したスプラ
イン28aとネジ軸20に形成したスプライン20bとが係合す
ることによって、ネジ軸20に伝達される。前述の如く、
太陽ギヤ28の回転数がプロペラボス17の回転数と同一で
ある場合、ネジ軸20のプロペラボス17に対する相対的な
回転が発生しないことから、ネジ軸20に螺合されたクロ
スヘッド22は一定位置を保持し、これによりプロペラ19
のピッチは一定状態を維持する。
またプロペラ19のピッチを変更する場合には、モータ
ー33を駆動してドライブギヤ33bを介してドライブリン
グギヤ26を回転させる。前記モーター33の回転は、プロ
ペラ19のピッチを増加させる場合、或いは減少させる場
合に応じて回転方向を設定するものである。
モーター33を駆動することでドライブリングギヤ26を
回転させると、差動歯車機構31に於いて第1歯車機構24
と第2歯車機構27との間に相対的な速度差が発生する。
即ち、第1歯車機構24の遊星ギヤ25がギヤ13cの周りを
公転する際の自転数は、ギヤ13c、即ちプロペラ軸13の
回転数とドライブリングギヤ26の回転数を合成した数と
なり、この自転数は前記プロペラ19のピッチを変更しな
い場合の自転数と比較して異なった数となる。
このため遊星ギヤ29が太陽ギヤ28の周りを公転する公
転数が変化し、太陽ギヤ28の回転数が変化する。従っ
て、太陽ギヤ28とギヤ13c,プロペラボス17との間に相対
的な速度差が発生する。
前記太陽ギヤ28の回転がスプライン28a,20bを介して
ネジ軸20に伝達されることによって、ネジ軸20はプロペ
ラボス17に対し相対的な速度差を有することとなり、こ
の速度差によってネジ軸20がプロペラボス17に対し相対
的に回転する。前記ネジ軸20の回転に伴い、該ネジ軸20
に螺合したクロスヘッド22が軸方向に摺動し、該クロス
ヘッド22の溝22aに嵌合したクランク21の突起21bを移動
させる。
前記突起21bの移動に伴って、クランク21は軸21aを中
心として回転し、これによりプロペラ19のピッチを変更
させる。
また例えば、プロペラ19のピッチを変更していない状
態、即ち、モーター33が停止した状態でプロペラ19が障
害物と接触し、このためトルクリミッター16が作動して
伝達軸2の回転を継続しているにも関わらず、プロペラ
ボス17及びプロペラ軸13の回転が停止した場合には、第
1歯車機構24は停止する。このため、第2歯車機構27も
停止し、差動歯車機構31に於ける相対的な速度差が発生
することがなく、従ってプロペラ19のピッチは一定の状
態を維持する。
次に上記の如く構成した船舶推進装置を船外機,船内
外機及び船内機に適用した場合について説明する。
第4図(A)は船外機に適用した場合の説明図であ
る。図に示されるようにプロペラ軸13はケーシングAに
片持梁状に支承されている。そしてプロペラ軸13の突出
部にプロペラボス17が取り付けられている。従って、プ
ロペラ軸13の前側部13aはケーシングA内に収容されて
おり、該前側部13aよりも更に前側、即ちエンジンE側
に伝達軸2が配置されている。トルクリミッター16は前
述の如く、伝達軸2とプロペラ軸13との間に構成されて
おり、このため該トルクリミッター16はケーシングA内
に収容されている。
またプロペラ19のピッチを変更するためのピッチ変更
手段を構成するネジ軸20は、プロペラボス17に回転可能
に嵌挿されており、該ネジ軸20を駆動するための差動歯
車機構31はケーシングA内に収容されている。そして前
記差動歯車機構31はプロペラ軸13及びモーター33によっ
て駆動されると共に、プロペラ軸13に嵌装されている。
このため前記トルクリミッター16は、プロペラ軸13に
嵌装された差動歯車機構31よりもエンジンE側に設けら
れている。
船外機を図に示すように構成することによって、小さ
なスペースにも関わらずプロペラ19のピッチを変更する
ことが可能となり、且つエンジンEとプロペラ19との間
にトルクリミッター16を構成することが可能となる。
第4図(B)は船内外機に適用した場合の説明図であ
る。この場合にも前述した船外機に於けると同様な作用
と効果を有するものである。
第4図(C)は船内機に適用した場合の説明図であ
る。この場合にも前述した船外機に於けると同様な作用
と効果を有するものである。
前述の実施例に於いて、プロペラボス17に形成した室
17a内には外部からの挿入物がないため、内容積が常に
一定となる。このため内部圧力の変化が無く、従って内
部圧力の変化に伴い発生する種々の問題、例えば潤滑油
の漏洩或いはネジ軸20を駆動するための動力の変化等が
発生することが無く、安定した状態で運転することが可
能となる。
<発明の効果> 以上詳細に説明したように本発明の船舶推進装置を用
いた場合には、動力を伝達軸及び該軸とプロペラ軸との
間に設けた伝達トルク制限手段を介してプロペラ軸及び
プロペラボスに伝達することで、プロペラを駆動し船舶
を推進することが出来る。またプロペラのピッチを変更
する場合には、プロペラボスに回転可能に嵌挿したピッ
チ変更手段をプロペラ軸の回転に差動を与える差動歯車
機構によって駆動することで、プロペラのピッチを変更
することが出来る。
このようにプロペラのピッチを変更する際の運動が全
て回転によるものであるため、ピッチ変更に要するトル
クが小さく、従って、ピッチを変更するための機構を従
来技術に於ける直線運動によるプロペラピッチの変更機
構と比較してコンパクトに構成することが出来る。
またプロペラボスを支持するためのプロペラ軸と該軸
に動力を伝達するための伝達軸との間に伝達トルク制限
手段を設けたので、プロペラが障害物と接触して過負荷
が発生した場合には、前記トルク制限手段に於いてプロ
ペラ軸と伝達軸との間に滑りが発生し、これにより過負
荷が伝達軸側に伝達されることがない。このため前記過
負荷によってエンジン或いはその他の駆動系に悪影響を
及ぼすことがない等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は船舶推進装置の軸方向の断面説明図、第2図は
第1図のII−II断面図、第3図は第1図のIII−III断面
図、第4図(A)〜(C)はプロペラボス及び差動歯車
機構に対する動力伝達経路の説明図である。 Aはケーシング、1は垂直軸、1aはベベルギヤ、2は伝
達軸、3はベベルギヤ、4はクラッチシフター、4bはシ
フターピン、5はクラッチ軸、5aはクラッチカム、7は
インナーカラー、8,15はナット、9は摩擦部材、10a〜1
0dはベアリング、11a〜11cはベアリングケース、13はプ
ロペラ軸、13cはギヤ、14はアウターカラー、16はトル
クリミッター、17はプロペラボス、17aは室、19はプロ
ペラ、20はネジ軸、20bはスプライン、21はクランク、2
1aはクランクの中心軸、21bは突起、22はクロスヘッ
ド、24は第1歯車機構、25,29は遊星ギヤ、26はドライ
ブリングギヤ、26aはベベルギヤ、27は第2歯車機構、3
0はリングギヤ、31は差動歯車機構、32は軸、33はモー
ター、33bはドライブギヤ、34a,34bはオイル室、35は冷
却室である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 3/00 - 3/12 B63H 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶を推進するためのプロペラを有し、前
    記プロペラのピッチを変更可能に支持するプロペラボス
    を端部に有するプロペラ軸と該プロペラ軸に動力を伝達
    するための伝達軸とを同軸上の前後に配置し、前記プロ
    ペラ軸と伝達軸との間にトルク制限手段を配置して連結
    すると共に、前記プロペラ軸に該プロペラ軸と同心上に
    配置された第1及び第2太陽歯車を含む遊星歯車機構を
    備え、前記遊星歯車機構によって前記プロペラボスに回
    転可能に嵌挿されたネジ軸を回転させてプロペラのピッ
    チを変更し得るように構成したことを特徴とする船舶推
    進装置。
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