JP2861656B2 - 排気ガス浄化用触媒の加熱制御装置 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の加熱制御装置

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JP2861656B2
JP2861656B2 JP4205411A JP20541192A JP2861656B2 JP 2861656 B2 JP2861656 B2 JP 2861656B2 JP 4205411 A JP4205411 A JP 4205411A JP 20541192 A JP20541192 A JP 20541192A JP 2861656 B2 JP2861656 B2 JP 2861656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス浄化用触媒の加
熱制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関排気通路内には通気排気ガス浄化用
触媒が配置されている。この触媒は機関が始動せしめら
れると排気ガスにより加熱されて徐々に温度上昇するが
活性化温度以上にならないと排気ガス浄化機能を発揮し
ない。従って機関始動後、触媒が活性化温度に達するま
では触媒によって排気ガスが浄化されないことになる。
【0003】そこで触媒にヒータを組込み、機関始動時
に一定時間だけヒータに通電して触媒を急速に加熱せし
め、機関始動後ただちに触媒の温度を活性化温度まで上
昇させて触媒により排気ガスを浄化しうるようにした内
燃機関が公知である(実開昭47−22313号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが触媒が長期間
に亘って使用されて触媒が劣化してくると排気浄化機能
を発揮しだす触媒の活性化温度が次第に高くなる。しか
しながら上述の内燃機関におけるように機関始動時に一
定時間だけヒータに通電するようにした場合には触媒の
劣化の度合とは関係なく触媒は一定温度しか温度上昇せ
ず、従って触媒が新品のときに触媒が活性化温度まで上
昇するように通電時間を定めておくと触媒が劣化したと
きには通電が完了しても触媒は活性化温度まで上昇しな
いことになる。従って触媒が劣化したときには通電が完
了した後、暫らくの間排気ガスを浄化しえないという問
題を生ずる。
【0005】これに対し触媒が劣化したときのことを考
えて触媒が劣化したときに触媒が活性化温度まで上昇す
るように通電時間を定めておくと触媒が新品のときには
通電が完了したときに触媒の温度は活性化温度よりもは
るかに高くなる。従ってこの場合には触媒を加熱するた
めに無駄なエネルギを使用することになり、しかも場合
によっては触媒が過熱されて触媒が早期に劣化してしま
うという問題を生ずる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば図1の発明の構成図に示されるよう
に、機関の運転が開始されるときに機関排気通路内に配
置された触媒7を一時的に加熱する加熱手段Aと、触媒
7の劣化の度合を判断する劣化判断手段Bと、加熱手段
Aによって触媒7が一時的に加熱されるときに加熱手段
Aによって触媒7に与えられる熱量を触媒7の劣化の度
合が大きくなるにつれて増大せしめる制御手段Cとを具
備している。
【0007】
【作用】触媒の劣化の度合が大きくなるにつれて触媒の
活性化温度が高くなるが、触媒の劣化の度合が大きくな
ると触媒に与えられる熱量が増大せしめられるので触媒
の劣化の度合が小さかろうと大きかろうと触媒の加熱作
用が完了したときに触媒は活性化温度まで上昇せしめら
れる。
【0008】
【実施例】図2を参照すると、1は機関本体、2は排気
マニホルド、3は排気マニホルド2の出口側に接続され
た触媒コンバータ、4は触媒コンバータ3の出口側に接
続された排気管、5はディストリビュータ、6は変速機
を夫々示す。触媒コンバータ3の内部にはヒータ付触媒
7が配置され、更にこの触媒7下流の触媒コンバータ3
の内部には主触媒8が配置される。この触媒7は図3に
示されるように金属製薄板9aと金属製波形板9bとを
交互に同心円状に巻いたような形をなしており、これら
金属製薄板9aおよび金属製波形板9bによって触媒粒
子が担持される。更にこれら金属製薄板9aおよび金属
製波形板9bに電流を流すことによって金属製薄板9a
と金属製波形板9bを発熱させ、それによって金属製薄
板9aと金属製波形板9bにより担持された触媒粒子が
加熱される。従って金属製薄板9aと金属製波形板9b
は触媒担体を構成すると共にヒータ9の役割を果す。こ
のヒータ9は電子制御ユニット20の出力信号により制
御される。
【0009】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、常時電源25に接続されているバックアッ
プRAM26、入力ポート27および出力ポート28を
具備する。変速機6には車速を表わす出力パルスを発生
する速度センサ10が取付けられ、この速度センサ10
の出力パルスが入力ポート27に入力される。機関本体
1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温
センサ11が取付けられ、この水温センサ11の出力電
圧がAD変換器29を介して入力ポート27に入力され
る。ディストリビュータ5には機関回転数を表わす出力
パルスを発生する回転数センサ12が取付けられ、回転
数センサ12の出力パルスが入力ポート27に入力され
る。更に入力ポート27にはイグニッションスイッチ1
3がオンになったことを示す信号が入力される。一方、
ヒータ付触媒7のヒータ9は半導体スイッチ30を介し
てバッテリ14に接続される。この半導体スイッチ30
は駆動回路31を介して出力ポート28に接続され、出
力ポート28に出力された信号に基いて制御される。
【0010】図4はヒータ付触媒7の触媒担体9a,9
bの温度とヒータ付触媒7による排気ガス浄化率との関
係を示している。なお図4において実線Aは新品のヒー
タ付触媒7を示しており、鎖線Bは長時間使用されて劣
化したヒータ付触媒7を示している。図4の実線Aで示
されるようにヒータ付触媒7が新品のときには触媒担体
9a,9bの温度がt1 になると排気ガス浄化率が50
%となり、図4の鎖線Bで示されるようにヒータ付触媒
7が長時間使用されて劣化したときには触媒担体9a,
9bの温度がt1 よりも高いt2 に達したときに排気ガ
ス浄化率が50%となる。従ってヒータ付触媒7が排気
ガス浄化機能を発揮するヒータ付触媒7の活性化温度は
ヒータ付触媒7の劣化の度合が大きくなるほど高温にな
ることがわかる。それ故、ヒータ付触媒7の温度を活性
化温度まで上昇させるにはヒータ付触媒7の劣化の度合
が大きくなるほどヒータ付触媒7に対する加熱量を増大
せしめる必要がある。
【0011】図5はヒータ9の通電時間とヒータ9への
通電停止時における触媒担体9a,9bの温度との関係
を示している。ヒータ付触媒7が劣化してもヒータ9へ
の通電時における触媒担体9a,9bの温度上昇に対し
ては影響を与えないのでヒータ付触媒7が新品であろう
と劣化していようと図5に示す関係は変化しない。図5
においてT1 はヒータ付触媒7が新品のときに排気ガス
浄化率が50%となる温度t1 まで触媒担体9a,9b
を加熱するのに必要なヒータ通電時間を示しており、T
2 はヒータ付触媒7が劣化したときに排気ガス浄化率が
50%となる温度t2 まで触媒担体9a,9bを加熱す
るのに必要なヒータ通電時間を示している。従ってヒー
タ付触媒7に対する加熱量をヒータ通電時間によって制
御する場合にはヒータ付触媒7の劣化の度合が大きくな
るほどヒータ通電時間を長くしなければならないことが
わかる。
【0012】ヒータ付触媒7の温度を活性化温度まで上
昇させるのに必要なヒータ通電時間の目標値とヒータ付
触媒7の劣化の度合との関係は実験により求めることが
でき、実験により求められたこれらの関係が図6に示さ
れている。図6に示されるように触媒の劣化度が大きく
なるにつれて目標通電時間T0 が長くなる。一方、前述
したようにヒータ付触媒7の劣化の度合が大きくなるほ
どヒータ付触媒7の活性化温度は高くなり、従ってヒー
タ付触媒7の劣化の度合が大きいほどヒータ9への通電
停止時における触媒担体9a,9bの温度を高くしなけ
ればならない。ヒータ付触媒7の温度を活性化温度まで
上昇させるのに必要な触媒担体9a,9bの温度の目標
値とヒータ付触媒7の劣化度Lとの関係は実験により求
めることができ、実験により求められたこれらの関係が
図7に示されている。図7に示されるように触媒の劣化
度Lが長くなるにつれて触媒担体9a,9bの目標温度
0 が高くなる。
【0013】図6および図7に示すいずれの関係を用い
てもヒータ9への通電が完了したときにヒータ付触媒7
の温度を活性化温度まで上昇させることができる。即
ち、図6に示す関係を用いる場合には触媒の劣化度Lを
求め、ヒータ9への通電時間を触媒の劣化度Lに対応し
た図6の目標通電時間T0 とすればヒータ9への通電が
完了したときにヒータ付触媒7の温度を活性化温度まで
上昇させることができる。一方、図7に示す関係を用い
る場合には触媒の劣化度Lを求め、触媒担体9a,9b
の温度が触媒の劣化度Lに対応した図7の目標温度t0
に達したときにヒータ9への通電を停止すればヒータ9
への通電を停止したときにヒータ付触媒7の温度を活性
化温度まで上昇させることができる。ただし、図7に示
す関係を用いる場合には触媒担体9a,9bの温度を検
出しなければならない。
【0014】このように図6および図7のいずれの関係
を用いてもヒータ9への通電が完了したときにヒータ付
触媒7の温度を活性化温度まで上昇させることができる
が図6および図7のいずれの関係を用いる場合であって
も触媒の劣化度Lを求めなければならない。この触媒の
劣化度Lとしてはヒータ付触媒7の活性化温度の上昇を
最も対応よく表わす期間を使用することが好ましく、従
ってこの触媒の劣化度Lとしてどのような期間を用いる
かが大きな問題となる。この点に関し、車両の累積走行
距離が長くなれば、或いは車両の累積運転時間が長くな
ればそれに応じてヒータ付触媒7が劣化するので触媒の
劣化度Lを表わすものとして車両の累積走行距離又は累
積運転時間を用いることが考えられる。また、ヒータ付
触媒7の温度が高くなればなるほど、更にヒータ付触媒
7が高温となっている時間が長くなればなるほどヒータ
付触媒7が劣化するので触媒の劣化度Lを表わすものと
してヒータ付触媒7が高温となっている時間とそのとき
の温度との積を用いることが考えられる。触媒の劣化度
Lを表わすものとして上述のいずれのものが最良である
かは今のところ必ずしも明瞭ではないがこれまでの経験
によると累積走行距離が最もよさそうである。
【0015】図8は触媒劣化度Lを表わすものとして累
積走行距離を用いる場合の触媒劣化度Lの算出ルーチン
を示している。このルーチンは一定時間TIME毎の割
込みによって実行される。図8を参照するとまず初めに
ステップ40において車速センサ10の出力パルスから
算出された車速Vが求められる。次いでステップ41で
は車速Vに割込み時間TIMEを乗算することによって
走行距離Sが算出され、次いでステップ42においてL
にSを加算することによって累積走行距離Lが算出され
る。この累積走行距離LはバックアップRAM26内に
記憶される。
【0016】図9は触媒劣化度Lを表わすものとして累
積運転時間を用いる場合の触媒劣化度Lの算出ルーチン
を示している。このルーチンは一定時間TIME毎の割
込みによって実行される。図9を参照するとステップ5
0においてLに割込み時間TIMEを加算することによ
って累積運転時間Lが算出され、この累積運転時間Lは
バックアップRAM26内に記憶される。
【0017】図10は触媒劣化度Lを表わすものとして
ヒータ付触媒7が高温となっている時間とそのときの温
度との積を用いる場合の触媒劣化度Lの算出ルーチンを
示している。このルーチンは一定時間TIME毎の割込
みによって実行される。ただし、このルーチンを用いる
場合にはヒータ付触媒7の温度tを検出しなければなら
ない。
【0018】図10を参照するとまず初めにステップ6
0においてヒータ付触媒7の温度tが設定温度tC 、例
えば触媒の劣化をひき起こす温度tC よりも高いか否か
が判別される。t≧tC のときにはステップ61におい
て温度tと割込み時間TIMEを乗算し、この乗算結果
t・TIMEとLとを加算することによって累積触媒使
用期間Lが算出される。この累積触媒使用期間Lはバッ
クアップRAM26内に記憶される。
【0019】触媒劣化度Lの算出に当っては図8から図
10に示すいずれのルーチンも用いることができる。図
6および図7は図8に示すルーチンを用いて触媒劣化度
Lを算出した場合を示しているが図9又は図10に示す
ルーチンを用いて触媒劣化度Lを算出した場合でも図6
および図7に示す曲線と同じような曲線となる。
【0020】図11は図2に示す内燃機関において図6
に示す関係を用いた場合のヒータ制御ルーチンを示して
おり、このルーチンは一定時間Ti 毎の割込みによって
実行される。なお、この場合図6に示す関係は予めRO
M22内に記憶されている。図11を参照するとまず初
めにステップ70において通電完了フラグがセットされ
ているか否かが判別される。始めてステップ70に進ん
だときには通電完了フラグはリセットされているのでス
テップ71に進み、イグニッションスイッチ13がオン
であるか否かが判別される。イグニッションスイッチ1
3がオンのときにはステップ72に進んで図6に示す触
媒劣化度Lに対応した目標通電時間T 0 が読込まれる。
次いでステップ73では水温センサ11の出力信号に基
いて機関冷却水温Tw が設定温度Tw0、例えば70℃よ
りも低いか否かが判別される。Tw ≦Tw0のときにはス
テップ74に進んで回転数センサ12の出力信号に基い
て機関回転数Nが設定回転数N0 、例えば400r.p.m
よりも高いか否かが判別される。N≧N0 のときには機
関が自力運転を開始したと判断してステップ75に進
む。ステップ75では半導体スイッチ30がオンとさ
れ、斯くしてヒータ9への通電が開始される。
【0021】即ち、Tw >Tw0のときには機関停止後さ
ほど時間を経過しておらず、従ってこのときにはヒータ
付触媒7はまだ温度が高いと考えられる。従ってTw
w0のときにはヒータ9を通電せしめないようにしてい
る。また、機関が自力運転を開始したときにヒータ付触
媒7が活性化温度に達していることが好ましいがこのよ
うにするには機関が自力運転を開始する目標通電時間T
0 前からヒータ9に通電を開始しなければならない。し
かしながらこのようにすると機関を始動するまで目標通
電時間T0 待たなければならないので運転者にとっては
不便であり、従って機関が自力運転を開始したときにヒ
ータ9に通電を開始するようにしている。
【0022】ヒータ9に通電が開始されるとステップ7
6に進んで時間Tに割込み時間Ti が加算され、ヒータ
9に通電が開始されてからの経過時間Tが算出される。
次いでステップ77では経過時間Tが目標通電時間T0
に達したか否かが判別される。経過時間Tが目標通電時
間T0 に達するとステップ78に進んで半導体スイッチ
30がオフとされ、ヒータ9への通電が停止される。次
いでステップ79ではTが零とされ、次いでステップ8
0では通電完了フラグがセットされる。
【0023】図12に別の実施例を示す。なお、この実
施例において図2と同様の構成要素は同一の符号で示
す。図12に示されるようにこの実施例ではヒータ付触
媒7の温度、実際には触媒担体9a,9bの温度を検出
するための熱電対からなる温度センサ15がヒータ付触
媒7に取付けられる。この温度センサ15は触媒担体9
a,9bの温度に比例した出力電圧を発生し、この出力
電圧がAD変換器32を介して入力ポート27に入力さ
れる。
【0024】図13は図12に示す内燃機関において図
7に示す関係を用いた場合のヒータ制御ルーチンを示し
ており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実
行される。なお、この場合図7に示す関係は予めROM
22内に記憶されている。図13を参照するとまず初め
にステップ90において通電完了フラグがセットされて
いるか否かが判別される。始めてステップ90に進んだ
ときには通電完了フラグはリセットされているのでステ
ップ91に進み、イグニッションスイッチ13がオンで
あるか否かが判別される。イグニッションスイッチ13
がオンのときにはステップ92に進んで図7に示す触媒
劣化度Lに対応した目標温度T0 が読込まれる。次いで
ステップ93では温度センサ15の出力信号に基いて触
媒担体9a,9bの温度tが設定温度tk よりも低いか
否かが判別される。t≦tk のときにはステップ94に
進んで回転数センサ12の出力信号に基いて機関回転数
Nが設定回転数N0 、例えば400r.p.m よりも高いか
否かが判別される。N≧N0 のときには機関が自力運転
を開始したと判断してステップ95に進む。ステップ9
5では半導体スイッチ30がオンとされ、斯くしてヒー
タ9への通電が開始される。
【0025】この実施例では触媒担体9a,9bの温度
を検出しており、従ってヒータ付触媒7が活性化温度に
達しているか否かを確実に検出することができる。ヒー
タ付触媒7の温度が活性化温度に比べてさほど低下して
いないとき、即ちt>tk のときにはヒータ付触媒7は
排気ガスによって比較的早い時期に活性化温度に達する
のでこのときにはヒータ9への通電を行わないようにし
ている。
【0026】ヒータ9に通電が開始されるとステップ9
6に進んで触媒担体9a,9bの温度tが目標温度t0
に達したか否かが判別される。触媒担体9a,9bの温
度tが目標温度t0 に達するとステップ97に進んで半
導体スイッチ30がオフとされ、ヒータ9への通電が停
止される。次いでステップ98において通電完了フラグ
がセットされる。
【0027】図14は触媒の劣化度に応じてヒータを制
御する更に別の実施例を示している。なお、図14にお
いて図2および図12と同様の構成要素は同一の符号で
示す。図14を参照するとこの実施例では内燃機関がV
型8気筒機関からなる。各気筒は対応する吸気枝管10
0を介して共通の吸気ダクト101に連結され、各吸気
枝管100には夫々対応する気筒の吸気ポート内に向け
て燃料を噴射するための燃料噴射弁102が取付けられ
る。吸気ダクト101はエアフロメータ103を介して
エアクリーナ104に連結され、吸気ダクト101の入
口部にはスロットル弁105が配置される。エアフロメ
ータ103は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、
この出力電圧がAD変換器120を介して入力ポート2
7に入力される。また図2に示される実施例と同様にこ
の実施例においても水温センサ11がAD変換器121
を介して入力ポート27に接続され、回転数センサ12
が入力ポート27に接続される。
【0028】一方、この実施例では内燃機関が一対の排
気マニホルド2a,2bを具備し、各排気マニホルド2
a,2bは夫々対応する触媒コンバータ3a,3bおよ
び排気管4a,4bを介して共通の触媒コンバータ10
6に連結される。各触媒コンバータ3a,3bの内部に
は図3に示す構造のヒータ付三元触媒7と、主三元触媒
8とが配置される。各ヒータ付三元触媒7の触媒担体を
形成している各ヒータ9は夫々対応する半導体スイッチ
30a,30bを介してバッテリ14に接続され、これ
ら半導体スイッチ30a,30bは夫々対応する駆動回
路122を介して出力ポート28に接続される。また、
図12に示す実施例と同様にこの実施例でもヒータ付三
元触媒7の温度を検出するために温度センサ15a,1
5bが各触媒コンバータ3a,3bに取付けられてお
り、これらの温度センサ15a,15bは夫々AD変換
器123,124を介して入力ポート27に接続され
る。また、この実施例ではバッテリ14の電圧がAD変
換器125を介して入力ポート27に入力される。
【0029】更にこの実施例では各触媒コンバータ3
a,3b上流の各排気マニホルド2a,2b内に夫々排
気ガス中の酸素濃度を検出するための第1の酸素濃度検
出器、即ち第1のO2 センサ107a,107bが配置
され、更に各触媒コンバータ3a,3b下流の各排気管
4a,4b内には夫々第2のO2 センサ108a,10
8bが配置される。これらの各O2 センサ107a,1
07b,108a,108bは空燃比がリーン(稀薄)
のときには0.1ボルト程度の出力電圧(リーン電圧)
を発生し、空燃比がリッチ(過濃)になると0.9ボル
ト程度の出力電圧(リッチ出力)を発生する。各第1O
2 センサ107a,107bの出力電圧は夫々対応する
AD変換器126,127を介して入力ポート27に入
力され、各第2O2 センサ108a,108bの出力電
圧は夫々対応するAD変換器128,129を介して入
力ポート27に入力される。
【0030】触媒コンバータ3a,3bは同じ構造を有
しており、従って図15に一方の触媒コンバータ3aの
構造について示す。図15に示されるように触媒コンバ
ータ3a内にはヒータ付三元触媒7の下流に一対の主三
元触媒8が配置されており、前述したようにヒータ付三
元触媒7の触媒担体はヒータ9により構成されている。
なお、図15において109,110はヒータ9の電極
を示している。
【0031】ところで図14に示すような三元触媒7,
8を用いた場合には空燃比がほぼ理論空燃比に維持され
ているときに最も高い浄化効率を発揮する。従ってこの
実施例では一方の排気マニホルド2aに接続された気筒
群に供給される空燃比が理論空燃比となるように第1O
2 センサ107aおよび第2O2 センサ108aの出力
信号に基いて空燃比をフィードバック制御し、他方の排
気マニホルド2bに接続された気筒群に供給される空燃
比が理論空燃比となるように第1O2 センサ107bお
よび第2O2 センサ108bの出力信号に基いて空燃比
をフィードバック制御している。
【0032】ところがこのように第1O2 センサ107
a,107bに加えて第2O2 センサ108a,108
bの出力信号により空燃比をフィードバック制御するよ
うにした場合には三元触媒7,8が劣化するにつれて第
2O2 センサ108a,108bのリーン出力からリッ
チ出力、およびリッチ出力からリーン出力への変化周期
が短かくなり、斯くしてこの変化周期から三元触媒8の
劣化の度合を判断することができる。即ち、三元触媒
7,8が劣化していないときには図16(A)に示され
るように第2O2 センサ108a,108bの出力の変
化周期は比較的長く、三元触媒7,8が劣化すると図1
6(B)に示されるように第2O2 センサ108a,1
08bの出力の変化周期が短くなる。そこでまず初めに
その理由について説明する。
【0033】三元触媒7,8は空燃比がリーンのとき、
即ち排気ガス中に過剰の酸素が存在するときには過剰な
酸素を吸着保持し、空燃比がリッチのとき、即ち排気ガ
ス中にCO,HCが存在するが酸素が存在しないときに
は吸着保持していた酸素を放出するというO2 ストレー
ジ機能を有し、このO2 ストレージ機能によってHC,
COの酸化作用およびNOxの還元作用が行われる。と
ころが三元触媒7,8が劣化してくるとこのO2 ストレ
ージ機能が弱まり、その結果第2O2 センサ108a,
108bの出力の変化周期が短くなってくる。
【0034】即ち、三元触媒7,8下流に配置された第
2O2 センサ108a,108bの出力がリッチ出力に
なると機関シリンダ内に供給される燃料量が減少せしめ
られて空燃比がリーンとなる。次いでリーンの状態で燃
焼せしめられた燃焼ガスは排気マニホルド2a,2bを
通って三元触媒7,8に達する。このとき排気ガス中に
は過剰な酸素が含まれているのでこの過剰な酸素は三元
触媒7,8に吸着保持され、その結果三元触媒7,8か
らは酸素を含まない排気ガスが流出することになる。従
ってこのとき三元触媒7,8下流に配置された第2O2
センサ108a,108bでは空燃比がほぼ理論空燃比
であると判断され、従ってこのとき第2O2 センサ10
8a,108bはまだ空燃比がリーンであることを示す
リーン出力を発生しない。次いで暫くして三元触媒7,
8による酸素吸着能力が飽和すると三元触媒を通過した
排気ガスが過剰な酸素を含むようになるために第2O2
センサ108a,108bでは空燃比がリーンであると
判断され、斯くしてこのとき初めて第2O2 センサ10
8a,108bがリーン出力を出力する。
【0035】一方、第2O2 センサ108a,108b
の出力がリーン出力になると機関シリンダ内に供給され
る燃料量が増大せしめられて空燃比がリッチとなる。次
いでリッチの状態で燃焼せしめられた燃焼ガスは排気マ
ニホルド2a,2bを通って三元触媒7,8に達する。
このとき排気ガス中にはCO,HCは存在するが酸素が
存在せず、従って三元触媒7,8に吸着保持されていた
酸素が放出されてCO,HCの酸化作用が行われる。そ
の結果三元触媒7,8からはHC,COを含まない排気
ガスが流出することになる。従ってこのとき三元触媒
7,8下流に配置された第2O2 センサ108a,10
8bでは空燃比がほぼ理論空燃比であると判断され、従
ってこのとき第2O2 センサ108a,108bはまだ
空燃比がリッチであることを示すリッチ出力を発生しな
い。次いで暫くして三元触媒7,8が吸着保持していた
全酸素を放出すると三元触媒7,8を通過した排気ガス
がCO,HCを含むようになるために第2O2 センサ1
08a,108bでは空燃比がリッチであると判断さ
れ、斯くしてこのとき初めて第2O2 センサ108a,
108bがリッチ出力を出力する。
【0036】上述の説明からわかるように三元触媒7,
8の酸素吸着保持量が少なくなれば第2O2 センサ10
8a,108bがリッチ出力を出力してからリーン出力
を出力するまでの時間が短くなり、また三元触媒7,8
の酸素吸着保持量が少なくなって酸素の放出量が少なく
なれば第2O2 センサ108a,108bがリーン出力
を出力してからリッチ出力を出力するまでの時間が短く
なる。即ち、三元触媒7,8の酸素吸着保持量が少なく
なればなるほど、即ち三元触媒7,8のO2 ストレージ
機能が弱まれば弱まるほど第2O2 センサ108a,1
08bのリーン出力からリッチ出力、リッチ出力からリ
ーン出力への変化周期が短くなる。
【0037】ところで三元触媒7,8の劣化の度合はこ
のO2 ストレージ機能のよしあしで決まり、O2 ストレ
ージ機能が弱まったということは三元触媒7,8が劣化
したことを意味している。従って第2O2 センサ108
a,108bの出力の変化周期が短くなったということ
は三元触媒7,8が劣化したことを意味しており、斯く
して第2O2 センサ108a,108b出力の変化周期
から三元触媒の劣化の度合を判断できることになる。こ
れが三元触媒7,8の劣化の度合を判断するための基本
原理である。
【0038】この基本原理は図14に示されるように三
元触媒7,8上流の機関排気通路内に第1O2 センサ1
07a,107bを配置し、三元触媒7,8下流の排気
通路内に第2O2 センサ108a,108bを配置し、
これらO2 センサの出力に基づいて空燃比を理論空燃比
に制御するようにしたダブルO2 センサシステムにおい
ても全く同様に成り立つ。即ち、このダブルO2 センサ
システムは第1O2 センサ107a,107bの出力特
性のばらつきや経年変化を第2O2 センサ108a,1
08bにより補償することを意図しているがこの場合で
も第2O2 センサ108a,108bの出力に基づいて
空燃比がフィードバック制御されるので上述の基本原理
がそのまま成立することになる。
【0039】次に図17から図21を参照してまず初め
に第1O2 センサ107a,107bおよび第2O2
ンサ108a,108bの出力信号に基いて行われる空
燃比のフィードバック制御について説明する。なお、図
14に示す実施例では各排気マニホルド2a,2bに接
続された各気筒群の空燃比制御は夫々対応するO2 セン
サ107a,108aの出力信号およびO2 センサ10
7b,108bの出力信号に基いて夫々独立して同様な
やり方で行われるので、以下排気マニホルド2aに接続
された気筒群の空燃比制御のみについて説明する。な
お、以下の実施例では空燃比が理論空燃比となるように
基本燃料噴射時間TAUPを空燃比補正係数FAFによ
って補正するようにした場合を示している。
【0040】図17および図18は第1O2 センサ、即
ち上流側O2 センサ107aの出力にもとづいて空燃比
補正計数FAFを演算する第1の空燃比フィードバック
制御ルーチンを示しており、このルーチンは所定時間、
例えば4ms毎に実行される。ステップ201では、上流
側O2 センサ107aによる空燃比の閉ループ(フィー
ドバック)条件が成立しているか否かが判別される。例
えば、冷却水温が所定値以下のとき、機関始動中、始動
後増量中、暖機増量中、パワー増量中、触媒過熱防止の
ためOTP増量中、上流側O2 センサ107aの出力信
号が一度も反転していないとき、燃料カット中等はいず
れも閉ループ条件が不成立となり、その他の場合には閉
ループ条件が成立する。閉ループ条件が不成立のときに
は処理サイクルを完了し、閉ループ条件が成立したとき
にはステップ202に進む。
【0041】ステップ202では、上流側O2 センサ1
07aの出力V1 がA/D変換されて取込まれ、次いで
ステップ203ではV1 が比較電圧VR1例えば0.45
V以下か否か、即ち空燃比がリーンであるか否かが判別
される。空燃比がリーン(V 1 ≦VR1)であれば、ステ
ップ204に進んでディレイカウンタCDLYが負か否
かが判別され、CDLY>0であればステップ205に
おいてCDLYを0とした後、ステップ206に進む。
ステップ206では、ディレイカウンタCDLYが1減
算され、ステップ207,208においてディレイカウ
ンタCDLYが最小値TDLでガードされる。この場
合、ディレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達し
たときにはステップ209において第1の空燃比フラグ
F1が“0”(リーン)とされる。なお、最小値TDL
は負の値である。
【0042】これに対してリッチ(V1 >VR1)であれ
ば、ステップ210においてディレイカウンタCDLY
が正か否かが判別され、CDLY<0であればステップ
211においてCDLYを0とした後、ステップ212
に進む。ステップ212ではディレイカウンタCDLY
が1加算され、ステップ213,214においてディレ
イカウンタCDLYが最大値TDRでガードされる。こ
の場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到
達したときにはステップ215において第1の空燃比フ
ラグF1が“1”(リッチ)とされる。なお、最大値T
DRは正の値である。
【0043】ステップ216では、第1の空燃比フラグ
F1の符号が反転したか否かが判別される。空燃比フラ
グF1が反転したときにはステップ217において第1
の空燃比フラグF1の値により、リッチからリーンへの
反転か、リーンからリッチへの反転かが判別される。リ
ッチからリーンへの反転であれば、ステップ218にお
いてFAFがFAF+RSRとスキップ的に増大され、
逆に、リーンからリッチへの反転であれば、ステップ2
19においてFAFがFAF−RSLとスキップ的に減
少せしめられる。即ち、スキップ処理が行われる。
【0044】第1の空燃比クラブF1の符号が反転しな
かったときにはステップ220,221,222におい
て積分処理が行われる。即ち、ステップ220において
F1=“0”か否かが判別され、F1=“0”(リー
ン)であればステップ221においてFAFがFAF+
KIRとされ、F1=“1”(リッチ)であればステッ
プ222においてFAFがFAF−KILとされる。こ
こで、積分定数KIR,KILはスキップ量RSR,R
SLに比して十分小さく設定されている。
【0045】ステップ218,219,221,222
において演算された空燃比補正係数FAFはステップ2
23,224において最小値、例えば0.8にてガード
され、またステップ225,226において最大値、例
えば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原
因で空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは
小さくなり過ぎるのが阻止される。図19は図17およ
び図18のフローチャートによる動作を説明するタイミ
ング図を示している。上流側O2 センサ107aの出力
により図19(A)に示すごとくリッチ、リーン判別の
空燃比信号A/Fが得られると、ディレイカウンタCD
LYは、図19(B)に示すごとく、リッチ状態でカウ
ントアップされ、リーン状態でカウントダウンされる。
この結果、図19(C)に示すごとく、遅延処理された
空燃比信号A/F′(フラグF1に相当)が形成され
る。例えば、時刻t1 にて空燃比信号A/Fがリーンか
らリッチに変化しても、遅延処理された空燃比信号A/
F′はリッチ遅延時間TDRだけリーンに保持された後
に時刻t 2 にてリッチに変化する。時刻t3 にて空燃比
信号A/Fがリッチからリーンに変化しても、遅延処理
された空燃比信号A/F′はリーン遅延時間(−TD
L)相当だけリッチに保持された後に時刻t4 にてリー
ンに変化する。しかしながら空燃比信号A/F′が時刻
5 ,t6 ,t7 のごとくリッチ遅延時間TDRの間に
反転すると、ディレイカウンタCDLYが最大値TDR
に到達するのに時間を要し、その結果時刻t8 において
遅延処理後の空燃比信号A/F′が反転される。従って
遅延処理後の空燃比信号A/F′は遅延処理前の空燃比
信号A/Fに比べて安定となる。このように遅延処理後
の安定した空燃比信号A/F′にもとづいて図19
(D)に示す空燃比補正係数FAFが得られる。
【0046】次に、下流側O2 センサ108bによる第
2の空燃比フィードバック制御について説明する。この
第2の空燃比フィードバック制御は下流側O2 センサ1
08bがリーン出力を出力したときにはリッチスキップ
量RSRを大きくすると共にリーンスキップ量RSLを
小さくして空燃比をリッチ側に移行させ、下流側O2
ンサ108bがリッチ出力を出力したときにはリッチス
キップ量RSRを小さくすると共にリーンスキップ量R
SLを大きくして空燃比をリーン側に移行させて空燃比
を正確に理論空燃比に制御するものである。
【0047】図20は下流側O2 センサ108aの出力
にもとづいてスキップ量RSR,RSLを演算する第2
の空燃比フィードバック制御ルーチンを示しており、こ
のルーチンは所定時間、例えば0.5s毎に実行され
る。ステップ301では下流側O2 センサ108aによ
る閉ループ条件が成立しているか否かが判別される。例
えば、上流側O2 センサ107aによる閉ループ条件の
不成立に加えて、下流側O2 センサ108aの出力信号
が一度も反転していないとき、吸入空気量Qが所定範囲
(Q1 ≦Q≦Q2 )外、スロットル弁全閉等のときには
閉ループ条件が不成立となり、その他の場合には閉ルー
プ条件が成立する。閉ループ条件が不成立のときには処
理サイクルを完了し、閉ループ条件が成立したときには
ステップ302に進む。
【0048】ステップ302では、下流側O2 センサ1
08aの出力V2 がA/D変換されて取込まれ、次いで
ステップ303においてV2 が比較電圧VR2以下か否
か、即ち空燃比がリーンか否かが判別される。V2 ≦V
R2(リーン)のときにはステップ304,305に進
み、V2 >VR2(リッチ)のときにはステップ306,
307に進む。
【0049】ステップ304では第2の空燃比フラグF
2が“0”とされ、次いでステップ305においてRS
RがRSR+ΔRS(一定値)とされる。即ち、リッチ
スキップ量RSRが増大され、それによって空燃比がリ
ッチ側に移行せしめられる。一方、V2 >VR2(リッ
チ)のときにはステップ306において第2の空燃比フ
ラグF2が“0”とされ、次いでステップ307におい
てRSRがRSR−ΔRSとされる。即ち、リッチスキ
ップ量RSRが減少され、それによって空燃比がリーン
側に移行せしめられる。
【0050】ステップ308では、上述のごとく演算さ
れたリッチスキップ量RSRのガード処理が行われ、例
えば最小値MIN=2.5%、最大値MAX=7.5%
にてガードされる。次いでステップ309ではリーンス
キップ量RSLが(10%−RSR)とされる。即ち、
云い換えるとリッチスキップ量RSRとリーンスキップ
量RSLはRSR+RSL=10%の関係を満たすよう
に制御される。
【0051】図21は燃料噴射時間の演算ルーチンを示
しており、このルーチンは繰返し実行される。図21を
参照するとまず初めにステップ401において吸入空気
量Qおよび機関回転数Nから基本燃料噴射量TAUP
(=α・Q/N)が算出される(αは定数)。次いでス
テップ402では機関冷却水温Tw に基いて暖機増量係
数FWLが算出される。なお、機関冷却水温Tw と暖機
増量係数FWLとの関係は予めROM22内に記載され
ている。次いでステップ403では次式に基いて燃料噴
射時間TAUが算出される。
【0052】 TAU=TAUP・FAF・(FWL+β)+γ なお、ここでβ,γは運転状態により定まる補正係数で
ある。次いでステップ404では燃料噴射時間TAUが
出力ポート28に出力され、この燃料噴射時間TAUに
基いて各燃料噴射弁102から燃料が噴射される。図2
2は三元触媒7,8の劣化度の検出ルーチンを示してお
り、このルーチンは所定時間、例えば4ms毎に実行され
る。
【0053】図22を参照するとまず初めにステップ5
01では図20のステップ301と同様な下流側O2
ンサ108aの閉ループ条件が成立しているか否かが判
別され、下流側O2 センサ108aの閉ループ条件が成
立している場合にはステップ502に進む。ステップ5
02では機関回転数Nが例えば1000rpm ≦N≦30
00rpm であるか否かが判別され、次いでステップ50
3において吸入空気量Q/機関回転数Nが例えば0.5
l/rev≦Q/N≦1.0l/revであるか否かが
判別される。即ち、アイドル状態、加減速状態、燃料増
量域等を除いた定常状態のみステップ504に進むよう
になっている。
【0054】ステップ504ではカウント値CTが1だ
けインクリメントされ、次いでステップ505ではCT
≦CT0 か否かを判断することにより所定時間CT0 ×
4msを経過したか否かが判別される。CT≦CT0 の間
はステップ506に進んで第2の空燃比フラグF2が反
転したか否かが判別され、第2の空燃比フラグF2が反
転する毎にステップ507に進んでカウント値CSが1
だけインクリメントされる。次いでCT>CT0 になる
とステップ505からステップ508に進んでCSがC
0 とされる。従ってこのCS0 は所定時間CT0 ×4
ms内における第2の空燃比フラグF2の反転回数、即ち
第2O2 センサ108aのリッチ出力からリーン出力お
よびリーン出力からリッチ出力への変化回数を示してい
る。この変化回転CS0 はバックアップRAM26に記
憶される。次いでステップ509においてカウント値C
Sが零とされ、次いでステップ510においてカウント
値CTが零とされる。
【0055】この変化回数CS0 は前述したように三元
触媒7,8が劣化するほど大きくなり、従ってこの変化
回数CS0 から三元触媒7,8の劣化度を判断すること
ができる。従って図14に示される実施例ではこの変化
回数CS0 から三元触媒7,8の劣化度を判断し、この
変化回数CS0 が大きくなるほどヒータ9への通電時間
を長くするようにしている。
【0056】図23および図24は変化回数CS0 に基
いてヒータ9への通電時間を制御するようにしたヒータ
制御ルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎
の割込みによって実行される。なお、このルーチンは触
媒コンバータ3aのヒータ9を制御するルーチンを示し
ているが触媒コンバータ3bのヒータ9の制御も同様な
ルーチンを用いて行われる。
【0057】図23を参照するとまず初めにステップ6
01において機関回転数Nが400r.p.m よりも高いか
否か、即ち機関が自力運転を開始したか否かが判別され
る。N>400r.p.m のときにはステップ602に進ん
でバッテリ14の電圧VB が12.5(V)以上である
か否かが判別される。VB >12.5(V)のときには
ステップ603に進んで機関冷却水温Tw が−10℃<
w <35℃であるか否かが判別される。N≦400r.
p.m 、又はVB ≦12.5(V)、又はTw ≦−10℃
又はTw ≧35℃のときはステップ614にジャンプし
てヒータ9への通電が停止される。
【0058】一方、N>400r.p.m であり、VB >1
2.5(V)でありかつ−10℃<Tw <35℃のとき
には、即ちヒータ9に通電すべき条件が成立していると
きにはステップ604に進んでフラグXがセットされて
いるか否かが判別される。機関始動後初めてステップ6
04に進んだときにはフラグXはリセットされており、
従ってこのときにはステップ605に進む。ステップ6
05では次式に基いてヒータ9への通電時間Tonが算出
される。
【0059】Ton=(W/C)・(Tact −Tehc ) ここでWはヒータ9の消費電力を示し、Cはヒータ9の
熱容量を示し、Tact はヒータ9に対して予め設定され
ている温度を示し、Tehc は温度センサ15aにより検
出されるヒータ9の実際の温度を示している。上式から
わかるようにヒータ9の設定温度Tact とヒータ9の実
際の温度Tehc との温度差(Tact −T ehc )が小さく
なるほど通電時間Tonが短かくなる。なお、上式におい
て熱容量Cおよび設定温度Tact は固定値であり、ヒー
タ9の抵抗値は温度に対してほとんど変化しないために
消費電力Wはバッテリ電圧VB により定まる。従って図
25(A)に示されるように通電時間Tonはほぼヒータ
9の温度Tehc の関数となる。従ってステップ605で
は上式に基いて通電時間Tonを算出する代りに図25に
示す関係を予めROM22内に記憶しておき、この関係
に基いて通電時間T onを算出することもできる。
【0060】次いでステップ606では次式に基いて最
終的なヒータ通電時間Tonb が算出される。 Tonb =(Ton−Tond )・KTonA ここでTond は排気熱による通電時間の補正値を示して
おり、KTonAは三元触媒7,8の劣化度に応じた通電
時間の補正値を示している。即ち、ヒータ9は排気熱に
よっても加熱されるために排気熱が高いほど通電時間を
短かくすることができる。従って排気熱が高くなるほど
ond が大きくされて最終的な通電時間Tonb が短かく
される。なお、排気熱は機関負荷Q/N(吸入空気量Q
/機関回転数N)が高くなるほど高くなり、機関回転数
Nが高くなるほど高くなるので排気熱による通電時間の
補正値Tond は図25(B)に示されるようにN・Q/
Nが大きくなるにつれて増大せしめられる。なお、図2
5(B)に示す関係は予めROM22内に記憶されてい
る。
【0061】一方、前述したようにヒータ付三元触媒7
に対する加熱量をヒータ通電時間によって制御するよう
にした場合には三元触媒7,8の劣化の度合が大きくな
るほどヒータ9の通電時間を長くしなければならない。
そこで図25(C)に示されるように第2O2 センサ1
08aのリッチ出力からリーン出力およびリーン出力か
らリッチ出力への変化回数CS0 が大きくなるほど、即
ち三元触媒7,8の劣化の度合が大きくなるほど補正値
KTonAを増大させ、それによって三元触媒7,8が劣
化するほど最終的な通電時間Tonb が長くされる。な
お、図25(C)に示す関係は予めROM22内に記憶
されている。
【0062】次いでステップ607では現在の単位時間
当りの吸入空気量Qt に通電時間T onb を乗算すること
によって現在の運転状態が続行したときに通電期間中に
吸入されるであろう全吸入空気量Tqab が算出される。
初めてステップ607に進んだときはファストアイドル
状態であると考えられるからTqab は通電期間中ファス
トアイドル状態が続行したときに吸入されるであろう全
吸入空気量Tqab を表わしている。
【0063】次いでステップ608ではカウント値Cが
通電時間Tonb よりも大きくなったか否かが判別され
る。初めてステップ608に進んだときにはC≦Tonb
なのでステップ609に進み、ヒータ9への通電が開始
される。次いでステップ610においてフラグXがセッ
トされ、次いでステップ611ではカウント値Cにヒー
タ制御ルーチンの割込み時間間隔αが加算される。従っ
てカウント値Cはヒータ9への通電が開始されてからの
経過時間を表わしていることになる。
【0064】フラグXがセットされると次の割込み時に
はステップ603からステップ612に進んでΣTQに
前回の割込み時から今回の割込み時までの間に吸入され
たであろう吸入空気量Q(現在の吸入空気量Q×割込み
時間間隔)が加算される。従ってΣTQはフラグXがセ
ットされた後に吸入されたであろう全吸入空気量を表わ
している。次いでステップ613ではΣTQがTqab
りも小さいか否かが判別される。ヒータ9に通電が開始
されてからファストアイドル状態が持続していればΣT
Q≦Tqab であるのでステップ608に進み、ステップ
608においてC>Tonb になったと判断されたとき、
即ち通電時間Tonb が経過したときにはステップ614
に進んでヒータ9への通電が停止せしめられる。
【0065】これに対して例えばヒータ9への通電期間
中に加速運転が行われたとするとΣTQが増大するため
に通電時間Tonb が経過する前にΣTQ>Tqab とな
る。このときにはステップ613からステップ614に
進んでただちにヒータ9への通電が停止せしめられる。
即ち、ΣTQが大きくなればそれに伴なってヒータ9に
加えられる熱量が増大するのでこのときには早期に三元
触媒7,8が活性化温度に達する。従ってΣTQ>T
qab になったときには通電時間Tonb が経過する前にヒ
ータ9への通電を停止せしめるようにしている。なお、
図23および図24に示すルーチンでは一旦C>Tonb
になるか或いはΣTQ>Tqab になるとその後はヒータ
9への通電が停止せしめられる。
【0066】以上述べたように本発明による実施例では
ヒータ付触媒7が新品であろうと劣化していようとヒー
タ付触媒7の温度を活性化温度まで急速に上昇せしめる
ことができる。従って機関始動後早い時期から排気ガス
を浄化することができることになる。また、ヒータ9に
は必要以上に電力が供給されないのでヒータ付触媒7が
過熱することもなく、更にバッテリ14の電力が無駄に
消費されることもなくなる。
【0067】
【発明の効果】触媒が新品であろうと劣化していようと
触媒が加熱のために無駄なエネルギを使用することなく
触媒を活性化温度まで急速に昇温せしめることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成図である。
【図2】内燃機関の全体図である。
【図3】ヒータ付触媒の断面図である。
【図4】排気ガス浄化率と触媒担体温度との関係を示す
線図である。
【図5】触媒担体温度とヒータ通電時間との関係を示す
線図である。
【図6】ヒータの目標通電時間を示す線図である。
【図7】触媒担体の目標温度を示す線図である。
【図8】触媒劣化度を算出するためのフローチャートで
ある。
【図9】触媒劣化度を算出するためのフローチャートで
ある。
【図10】触媒劣化度を算出するためのフローチャート
である。
【図11】ヒータを制御するためのフローチャートであ
る。
【図12】内燃機関の別の実施例を示す図である。
【図13】ヒータを制御するためのフローチャートであ
る。
【図14】内燃機関の更に別の実施例を示す全体図であ
る。
【図15】触媒コンバータの拡大側面断面図である。
【図16】第2O2 センサの出力電圧の変化を示す線図
である。
【図17】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図18】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図19】第1の空燃比フィードバック制御を説明する
ためのタイムチャートである。
【図20】第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図21】燃料噴射時間の演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図22】触媒劣化度を検出するためのフローチャート
である。
【図23】ヒータ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図24】ヒータ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図25】通電時間Tonおよび補正値Tond ,KTon
を示す線図である。
【符号の説明】
3…触媒コンバータ 7…ヒータ付触媒 8…主触媒 9…ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/20 F01N 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の運転が開始されるときに機関排気
    通路内に配置された触媒を一時的に加熱する加熱手段
    と、触媒の劣化の度合を判断する劣化判断手段と、加熱
    手段によって触媒が一時的に加熱されるときに加熱手段
    によって触媒に与えられる熱量を触媒の劣化の度合が大
    きくなるにつれて増大せしめる制御手段とを具備した排
    気ガス浄化用触媒の加熱制御装置。
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