JPH0763046A - 内燃機関の触媒暖機装置 - Google Patents

内燃機関の触媒暖機装置

Info

Publication number
JPH0763046A
JPH0763046A JP5210316A JP21031693A JPH0763046A JP H0763046 A JPH0763046 A JP H0763046A JP 5210316 A JP5210316 A JP 5210316A JP 21031693 A JP21031693 A JP 21031693A JP H0763046 A JPH0763046 A JP H0763046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
time
air
secondary air
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5210316A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
比呂志 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5210316A priority Critical patent/JPH0763046A/ja
Publication of JPH0763046A publication Critical patent/JPH0763046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の劣化程度に応じて通電加熱式触媒への
不要な通電を禁止することにより電力消費の無駄を防止
する。 【構成】 機関排気通路内に通電加熱式触媒12a、1
2bを配置し、機関始動時に通電を行うとともにエアポ
ンプ17から通電加熱式触媒上流側の排気通路に2次空
気を供給して触媒の暖機を行う。電子制御ユニット30
は通電加熱式触媒の劣化の程度を検出し、劣化程度が小
さく通電加熱式触媒への通電を行わなくても機関排気の
みで始動後直ちに触媒が活性化温度に到達する場合に
は、機関始動時に通電加熱式触媒への通電を禁止してエ
アポンプからの2次空気供給のみを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の触媒暖機装
置に関し、詳細には電気ヒータを有する通電加熱式触媒
コンバータと該触媒コンバータに2次空気を供給する2
次空気供給装置とを備えた内燃機関の触媒暖機装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】機関排気通路に配置された排気浄化触媒
の温度を、機関の始動後速やかに上昇させて触媒の活性
温度に到達させ、始動後のできるだけ早い時期から排気
中の未燃HC,CO成分を浄化させるために排気浄化触
媒に電気ヒータを設けた通電加熱式触媒コンバータが公
知である(特開平5−59940号公報参照)。
【0003】上記公報の通電加熱式触媒コンバータで
は、機関始動時に所定の時間ヒータに通電を行い排気浄
化触媒の温度を上昇させるとともに、触媒の温度を温度
センサにより検出して、検出された触媒温度が排気中の
未燃HC,COの酸化作用を促進しうる活性化温度に達
したときに触媒上流の機関排気通路内に2次空気を供給
してこの2次空気により未燃HC,COを浄化するよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の通電加熱式
触媒コンバータでは、機関始動時に常に所定の時間電気
ヒータによる触媒の加熱が行われる。また、2次空気は
触媒が一定の設定温度に到達するまでは供給されないた
め、上記設定温度以下では触媒による排気中の未燃H
C,COの酸化作用が生じない。
【0005】ところで、触媒の活性化温度は一定ではな
く触媒の劣化の程度に応じて変化するものである。すな
わち、新品の触媒では活性温度は低く、触媒の使用によ
る劣化が進行するに連れて活性温度は徐々に上昇する傾
向がある。従って、例えば使用開始直後の触媒では充分
に活性温度が低く、機関始動時にヒータ加熱を行わなく
ても機関からの排気による加熱のみで始動後直ちに触媒
の一部(例えば排気入口側)は活性化温度に到達してい
る。このため、この状態で2次空気を触媒に供給すれば
触媒の活性温度に到達した部分では排気中の未燃HC、
COの酸化作用が生じ、発生する酸化熱により触媒全体
が速やかに活性化温度に到達し、排気の浄化が行われ
る。一方ある程度使用して劣化が進行した触媒では活性
化温度が上昇しているため、排気による加熱のみでは触
媒は始動後直ちには活性化温度に到達せずヒータ加熱の
必要が生じる。
【0006】従って、上記公報の装置では触媒が劣化し
ておらずヒータ加熱の必要がない場合でも機関始動時に
は常にヒータに通電が行われることになり、機関始動時
の無駄な電力消費やヒータに大電流を供給することによ
るバッテリの寿命の低下を生じる問題がある。更に、上
記公報の装置では2次空気はヒータに通電を開始して触
媒が一定の温度に到達したことが確認されなければ供給
されないが、この温度は触媒の劣化による活性化温度の
上昇を考慮して充分に高く設定する必要がある。このた
め、触媒の劣化の程度が小さい場合には、触媒の温度が
低くても2次空気を供給することにより直ちにHC、C
O成分の酸化作用が開始されるにもかかわらず触媒が一
定温度に到達するまで2次空気が供給されず触媒の酸化
作用の開始が遅れる問題がある。
【0007】本発明は、上記問題に鑑み、触媒の劣化の
程度が小さい場合の不要なヒータ通電を排除し、機関始
動後の排気浄化を効率的に行うとともに、機関始動時の
無駄な電力消費の防止とバッテリ寿命の増大を図ること
が可能な内燃機関の触媒暖機装置を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、図1の
本発明の構成図に示すように、機関1の排気通路8内
に、排気浄化触媒加熱用の電気ヒータAを有する通電加
熱式触媒コンバータBを配置するとともに該通電加熱式
触媒コンバータ上流の機関排気通路内に2次空気を供給
する2次空気導入装置Cを設け、機関始動時に前記電気
ヒータAに通電して排気浄化触媒を昇温するとともに前
記2次空気供給装置Cから前記通電加熱式触媒コンバー
タB上流側排気通路に2次空気を供給して触媒の暖機を
行う触媒暖機制御手段Dを備えた内燃機関の触媒暖機装
置において、前記通電加熱式触媒コンバータの排気浄化
触媒の劣化の程度を検出する劣化検出手段Eと、前記検
出された触媒の劣化程度が所定の値以下の時に触媒暖機
制御手段Dによる電気ヒータへの通電を禁止する通電禁
止手段Fを備えたことを特徴とする内燃機関の触媒暖機
装置が提供される。
【0009】
【作用】触媒暖機制御手段Dは、機関始動時に電気ヒー
タAに通電を行い、触媒を加熱するとともに2次空気供
給装置Cから触媒コンバータ上流側排気通路に2次空気
を導入して触媒のHC、CO成分の酸化作用により触媒
の昇温(触媒暖機)を行う。劣化検出手段Eは使用によ
る触媒の劣化の程度を検出する。劣化検出手段Eにより
検出された上記触媒の劣化程度が所定値以下の場合、通
電禁止手段Fは機関始動時に電気ヒータAによる加熱を
行わなくても機関排気による加熱のみで触媒が直ちに活
性化温度に到達すると判断して、触媒暖機制御手段Dの
電気ヒータAへの通電を禁止する。これにより、触媒の
劣化程度が所定値以下の場合は触媒暖機制御手段Dは機
関始動時に触媒コンバータBに2次空気供給装置Cから
の2次空気供給のみを行う。
【0010】
【実施例】図2は本発明をV型8気筒内燃機関に適用し
た場合を示す。図2を参照するとV型8気筒内燃機関1
の各気筒は対応する吸気枝管2を介して共通の吸気ダク
ト3に連結され、各吸気枝管2には夫々対応する気筒の
吸気ポート内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁
4が取付けられる。吸気ダクト3はエアフロメータ5を
介してエアクリーナ6に連結され、吸気ダクト3の入口
部にはスロットル弁7が配置される。また、このV型8
気筒内燃機関は一対の排気マニホルド8a,8bを具備
し、各排気マニホルド8a,8bは夫々対応する触媒コ
ンバータ9a,9bおよび排気管10a,10bを介し
て共通の触媒コンバータ11に連結される。触媒コンバ
ータ9a,9bはともに図3に示すような同一の構造を
有しており、触媒コンバータ9a,9bの入口部に配置
された通電加熱式三元触媒12a,12bと、通電加熱
式三元触媒12a,12bの下流に配置された一対の主
三元触媒13a,13bとにより構成される。
【0011】通電加熱式三元触媒12a,12bは図4
に示されるように中心電極14a,14b周りに交互に
巻設された金属製薄板15と金属製波形板16とにより
構成され、これら金属製薄板15および金属製波形板1
6上には三元触媒が担持されている。中心電極14a,
14bに電圧を印加すると金属製薄板15および金属製
波形板16内を中心部から外方に向けて電流が流れるた
めに金属製薄板15および金属製波形板16が発熱し、
これら金属製薄板15および金属製波形板16により担
持された三元触媒が加熱されることになる。従ってこれ
ら金属製薄板15と金属製波形板16はヒータの役目を
果していることになる。
【0012】また、図2に示されるように、内燃機関1
は2次空気供給用電動式エアポンプ17を具備してい
る。このエアポンプ17の吐出口は遮断弁18を介して
一対の2次空気供給用分岐管19a,19bに連結さ
れ、各分岐管19a,19bは夫々対応する触媒コンバ
ータ9a,9b上流の排気マニホルド8a,8b内に連
結される。これら各分岐管19a,19b内には夫々対
応する排気マニホルド8a、8b内に向けてのみ流通可
能な逆止弁20a,20bが配置される。遮断弁18の
負圧ダイアフラム室21は大気に連通可能な切換弁22
を介してスロットル弁7下流の吸気ダクト3内に連結さ
れている。負圧ダイアフラム室21は通常切換弁22を
介して大気に開放されており、このとき遮断弁18は図
2に示されるように閉弁している。これに対して切換弁
22の切換え作用により負圧ダイアフラム室21が吸気
ダクト3内に連結されると遮断弁18が開弁し、このと
きエアポンプ17から吐出された2次空気が各排気マニ
ホルド8a,8b内に供給される。
【0013】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、常時電源に接続されているバックアップR
AM35、入力ポート36および出力ポート37を備え
ている。また、機関1に取付けられたディストリビュー
タ38には機関回転数を表わす出力パルスを発生する回
転数センサ39が取付けられ、回転数センサ39の出力
パルスが入力ポート36に入力される。エアフロメータ
5は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力
電圧が対応したAD変換器40を介して入力ポート36
に入力される。機関1には機関冷却水温に比例した出力
電圧を発生する水温センサ41が取付けられ、この水温
センサ41の出力電圧が対応するAD変換器40を介し
て入力ポート36に入力される。また、触媒コンバータ
9a、9bの出口近傍の排気管10a、10bには触媒
コンバータ出口の排気温度を検出する温度センサ51
a、51bが設けられており、その出力電圧は対応する
AD変換器40を介して入力ポート36に入力される。
なお、上記排気温度センサ51a、51bで検出した排
気温度は近似的に触媒12a、12bまたはヒータの温
度として使用することができる。
【0014】また、機関1を始動させるためのスタータ
の駆動を制御するスタータスイッチ42が設けられ、こ
のスタータスイッチ42がオンにされたことを示す信号
が入力ポート36に入力される。更に、通常は12ボル
ト程度の出力電圧を発生するバッテリ43が設けられ、
このバッテリ43の出力電圧が対応するAD変換器を介
して入力ポート36に入力される。
【0015】各触媒コンバータ9a,9b上流の各排気
マニホルド8a,8b内には夫々排気ガス中の酸素濃度
を検出するための第1の酸素濃度検出器、即ち第1のO
2 センサ44a,44bが配置され、更に各触媒コンバ
ータ9a,9b下流の各排気管10a,10b内には夫
々排気ガス中の酸素濃度を検出する第2の酸素濃度検出
器、即ち第2のO2 センサ45a,45bが配置され
る。これらの各O2 センサ44a,44b,45a,4
5bは空燃比がリーン(希薄)のときには0.1ボルト
程度の出力電圧(リーン電圧)を発生し、空燃比がリッ
チ(過濃)になると0.9ボルト程度の出力電圧(リッ
チ出力)を発生する。各O2 センサ44a,44b,4
5a,45bの出力電圧は夫々対応するAD変換器40
を介して入力ポート36に入力される。
【0016】また、通電加熱式三元触媒12a,12b
の各中心電極14a,14bは夫々対応するリレー46
a,46bを介してバッテリ43に接続され、またエア
ポンプ17もリレー47を介してバッテリ43に接続さ
れる。出力ポート37は対応する駆動回路48を介して
各リレー46a,46b,47に接続される。リレー4
6a,46bがオンになると各通電加熱式三元触媒12
a,12bに電力が供給されるために各三元触媒12
a,12bが加熱され、リレー47がオンになるとエア
ポンプ17に電力が供給されるためにエアポンプ17が
駆動される。また、出力ポート37は対応する駆動回路
48を介して切換弁22に接続され、遮断弁18の負圧
ダイアフラム室21への負圧の供給を制御している。
【0017】前述のように、本発明では、触媒がある程
度劣化して機関始動後の排気による加熱のみでは触媒が
直ちに活性温度に到達しない場合においてのみ通電加熱
式触媒コンバータ12a、12bに通電を行い触媒を加
熱する。以下に、図5を参照しつつ、先ず最初に通電加
熱式触媒コンバータに通電を行う場合(即ち、触媒があ
る程度劣化して活性化温度が上昇した場合)の本発明の
触媒暖機装置の基本的作動について説明する。
【0018】図5に示すようにイグニッションスイッチ
(図示せず)がオンにされるとスタートフラグXSがセ
ットされる。次いでスタータスイッチ42がオンとされ
て機関が始動され、機関回転数Nが予め定められた設定
値、例えば400r.p.m を越えるとスタートフラグXS
がリセットされる。スタートフラグXSがリセットされ
ると通電加熱式触媒12a,12bへの電力の供給が開
始され、即ち金属製薄板15と金属製波形板16からな
るヒータがオンとされ、その結果図5に示すように通電
加熱式触媒12a,12bの温度が上昇を開始する。こ
のとき機関シリンダ内ではリッチ混合気が燃焼せしめら
れており、従ってこのとき各排気マニホルド8a,8b
内には多量の未燃HC,COを含んだ排気ガスが排出さ
れる。
【0019】次いで通電加熱式触媒12a,12bの温
度が未燃HC,COの酸化作用を促進しうる活性化温度
Ta(図5)近くまで上昇するとエアポンプ17が駆動
されて排気ガスの空燃比を14.7から15.5程度の
リーン又は理論空燃比とするのに必要な量の2次空気の
供給が開始される。次いで通電加熱式触媒12a,12
bの温度が活性化温度Taに達すると2次空気による未
燃HC,COの酸化作用が開始され、このときの酸化反
応熱によって通電加熱式触媒12a,12bの温度が急
速に上昇する。通電加熱式触媒12a,12bの急速な
温度上昇が開始されると通電加熱式触媒12a,12b
への電力の供給が停止される。即ち、ヒータがオフとさ
れる。このようにヒータが比較的早い時期にオフにされ
るので電力消費量を低減することができる。次いで暫ら
くするとエアポンプ17がオフとされて2次空気の供給
が停止され、O2 センサ44a,44b,45a,45
bの出力信号に基く空燃比のフィードバック制御が開始
される。
【0020】次にヒータがオンとされてからヒータがオ
フとされるまでの間の作動について図6を参照しつつも
う少し詳しく説明する。なお、図6においてTonは通電
加熱式触媒22a,22bへの電力供給時間、即ちヒー
タの通電時間を示しており、TAIRonはヒータへの通
電が開始されてから2次空気の供給が開始されるまでの
2次空気供給開始時間を示しており、Tcは通電加熱式
触媒12a,12bの温度を示しており、Taは前述し
たように通電加熱式触媒12a,12bの活性化温度を
示している。
【0021】通電加熱式触媒12a,12bは通電加熱
が開始されて暫らくするとまず初めに通電加熱式触媒1
2a,12bの一部が活性化温度に達する。このとき通
電加熱式触媒12a,12bに2次空気を流入させると
活性化温度に達している触媒部分において2次空気によ
る未燃HC,COの酸化反応が開始される。このときの
酸化反応による発熱量は極めて大きく、従って一旦酸化
反応が開始されると酸化反応が行われている触媒部分の
温度が急速に上昇する。酸化反応が行われている部分の
温度が上昇するとその周りの触媒部分の温度が上昇する
ために周りの触媒部分においても2次空気による未燃H
C,COの酸化反応が開始され、これによりその周囲の
触媒部分の温度が急速に上昇する。このように触媒の一
部で酸化反応が開始されると他の領域においてもただち
に酸化反応が開始され、極めて短時間のうちに触媒全体
で酸化反応が開始されることになる。
【0022】これに対して通電加熱式触媒12a,12
bのいずれの部分も活性化温度に達していないときに2
次空気を供給すると未燃HC,COの酸化反応は行われ
ず、供給された2次空気による冷却作用によって通電加
熱式触媒12a,12bの温度がむしろ低下してしま
う。従ってこの場合には未燃HC,COの浄化作用が開
始される時期が遅くなってしまうことになる。また、触
媒の一部が活性化温度に達していても2次空気の供給が
開始されず、その後暫らくして2次空気の供給が開始さ
れると2次空気の供給が開始されるまでの間は未燃H
C,COの浄化作用が行われない。従ってこの場合にも
未燃HC,COの浄化作用が開始される時期が遅くなっ
てしまうことになる。従って未燃HC,COの浄化作用
を早期に開始させるためには触媒の一部が活性化温度に
達したときに触媒への2次空気の流入を開始させるよう
にする必要がある。
【0023】ところで触媒のどの部分が最初に活性化温
度に達するかを的確に予測するのは困難であり、最初に
活性化温度に到達する部分を特定することはできない。
従って触媒のどこか一部が活性化温度に達したときにそ
の触媒部分に2次空気を流入させるためには触媒全体に
2次空気を流入させるようにしなければならない。ま
た、その後触媒全体において未燃HC,COの酸化反応
を行わせるためにも触媒の全体に2次空気を流入させな
ければならない。そのために本実施例では図2に示され
るように通電加熱式触媒12a,12bから上流側に距
離を隔てた位置において各排気マニホルド8a,8b内
に2次空気を供給するようにしている。このようにする
と各排気マニホルド8a,8b内に供給された2次空気
は通電加熱式触媒12a,12bに達するまでに排気ガ
ス内に分散し、2次空気が触媒全体に流入することにな
る。
【0024】しかしながらこのように通電加熱式触媒1
2a,12bから距離を隔てた上流位置に2次空気を供
給すると供給された2次空気が通電加熱式触媒12a,
12bに達するまでに時間を要する。また、遮断弁18
が開弁すると2次空気の供給が開始されるが遮断弁18
を通過した2次空気が各排気マニホルド8a,8b内に
達するのにも時間を要する。従って本実施例では図6に
示されるように通電加熱式触媒12a,12bの温度T
cが活性化温度Taに達する一定時間a前に遮断弁18
が開弁せしめられて2次空気の供給が開始され、それに
よって通電加熱式触媒12a,12bのどこか一部が活
性化温度Taに達したときに2次空気が触媒全体に流入
を開始するようにしている。
【0025】この一定時間aは実験により求められ、本
実施例ではこの一定時間αは固定値とされている。ま
た、本実施例では図6に示されるように2次空気の供給
が開始される一定時間β前、即ち遮断弁18が開弁する
一定時間β前にエアポンプ17が駆動される。従って本
実施例では2次空気の供給を開始すべきときにはまず初
めにエアポンプ17が駆動され、次いでエアポンプ17
の吐出圧が十分に高くなった一定時間β後に遮断弁18
が開弁されて2次空気の供給が開始される。次いでこの
2次空気は通電加熱式触媒12a,12bの一部が活性
化温度に達したときに通電加熱式触媒12a,12bに
流入する。その結果、2次空気による未燃HC,COの
酸化反応が開始され、斯くして通電加熱式触媒12a,
12bの温度Tcが急速に上昇することになる。
【0026】前述したように2次空気による未燃HC,
COの酸化反応による発熱量は極めて大きく、従って一
旦酸化反応が開始されると通電加熱式触媒12a,12
bを通電加熱しなくても通電加熱式触媒12a,12b
の温度は急速に上昇する。従って未燃HC,COの酸化
反応が開始されれば通電加熱式触媒12a,12bに通
電する必要がなくなる。この場合、理論的に言えば触媒
のいずれかの部分が活性化温度に達すると同時に通電加
熱式触媒12a,12bへの通電を停止してもよいこと
になるが本実施例では図6に示されるように余裕を見込
んで触媒のいずれかの部分が活性化温度に達したときか
ら一定時間b後に通電加熱式触媒12a,12bへの通
電が停止される。従って通電加熱式触媒12a,12b
への通電時間Tonは図6に示される期間となり、2次空
気供給開始期間TAIRonは通電時間Tonから一定時間
α(=a+b)を差し引いた時間となる。
【0027】ところで、図6は前述のように、触媒があ
る程度劣化した場合について示しており、機関始動後の
排気ガスによる加熱のみでは触媒が直ちに活性化温度T
aに到達しない場合について示している。しかし、実際
には触媒の活性化温度は触媒の劣化の進行とともに徐々
に上昇して行くものであり、使用初期の触媒では劣化の
程度が低いため、まだ活性化温度が充分に低くなってい
る。このような場合には、ヒータによる加熱を行わなく
ても機関排気ガスの熱により始動後直ちに触媒コンバー
タの排気入口側等の部分では触媒が活性化温度に到達し
ており、2次空気さえ供給すればこの部分で酸化反応が
開始されて触媒全体が急速に温度上昇する。従って、こ
のような場合にもヒータに通電を行うとヒータ電力が無
駄に消費されることになるのみならず、始動負荷の増大
や、機関始動毎にヒータに大電流を供給することにより
生じるバッテリの寿命の低下などの問題が生じる。
【0028】更に、触媒がある程度劣化してヒータによ
る加熱が必要となった場合でも、触媒の活性化温度は触
媒の劣化の進行とともに上昇して行くため、劣化がそれ
ほど進行していない触媒では比較的短時間のヒータ通電
で活性化温度に到達し、劣化の進んだ触媒と同等の時間
通電を行うと上記と同様、無駄な電力消費や不必要なバ
ッテリの寿命低下を招くことになる。
【0029】そこで、本実施例では、通電加熱式触媒1
2a、12bの劣化の程度を検出して、劣化の程度が小
さくヒータに通電を行わなくとも機関排気の熱のみによ
って触媒の一部がが活性温度に到達すると判断された場
合にはヒータへの通電を禁止して無駄な電力の消費を防
止するようにしている。ただし、この場合にも触媒上で
HC、CO等の酸化反応を生じさせるために触媒コンバ
ータ上流側の排気通路への2次空気の供給を行う。
【0030】図7は触媒の劣化が小さくヒータへの通電
が必要とされない場合の本実施例の触媒暖機装置の作動
を示す図5と同様な図である。図7においてイグニッシ
ョンスイッチがオンにされ、機関が始動すると機関から
の排気により触媒の温度が上昇する。この場合スタータ
フラグXSがリセットされても通電加熱式触媒12a、
12bには通電が行われず、触媒は排気のみによって加
熱される。しかし、この場合触媒が劣化しておらず、触
媒活性化温度Taは触媒が劣化した場合(図5)より低
いため触媒は短時間で活性化温度Taに到達する。一
方、触媒が活性化温度に到達するのと略同時に触媒に2
次空気が供給され触媒上での酸化反応が開始されるた
め、触媒温度は急速に上昇して機関始動後短時間で排気
の浄化が行われる。この場合、機関始動後、排気のみに
よる加熱で触媒が活性化温度に到達するまでの時間も触
媒の劣化の程度により異なってくるため、機関始動から
2次空気の供給開始までの時間TAIRonも触媒の劣化
程度に応じて変えることが望ましいが、ヒータ通電が必
要とされないほど触媒活性化温度が低い場合には、触媒
が活性化温度に到達するまでの時間も極めて短いことか
ら実際上TAIRonを一定値として取り扱うことがで
き、本実施例では2次空気TAIRonは一定値(TAI
on=A)に設定される。
【0031】図8はこの場合の触媒温度上昇状況を示す
図6と同様な図である。図8では触媒は排気加熱のみに
よって昇温するため機関始動直後の触媒温度Tcの上昇
は図6に比較して緩やかである。しかし、触媒活性化温
度Taが低いため触媒は排気加熱のみによって短時間で
活性化温度に到達する。また、2次空気供給開始時間T
AIRonは一定値Aに設定されているが、この一定値A
は触媒が排気加熱のみによって活性化温度に到達する時
間に対してある程度の余裕(図8、b)を見込んだ時間
から図6のαに相当する時間を差し引いた時間に略等し
くなるように設定される。
【0032】また、本実施例では、触媒の劣化の程度が
進み、ヒータ加熱を行う必要が生じた場合には、図6に
示したようにヒータ通電と2次空気の供給との両方を行
うが、この場合ヒータ通電時間Ton(従って、2次空気
供給開始時間TAIRon)は触媒の劣化の程度によって
制御される。例えば、バッテリ43の電圧が所定の範囲
に有る場合には触媒12a、12bの温度上昇速度は略
一定であるため、触媒が劣化して活性化温度が高くなる
につれて通電後触媒が活性化温度に到達する時間が長く
なり通電時間をTonを長く設定する必要がある。一方、
ヒータ加熱を行う必要が有る場合であっても、触媒の劣
化がそれ程進行していない場合には通電後触媒が比較的
短時間で活性化温度に到達するため通電時間Tonは比較
的短く設定して電力消費の無駄を防止する必要がある。
本実施例では、ヒータ加熱を行う場合に上記のように通
電時間Tonを触媒の劣化の程度に応じて制御することに
より電力消費の無駄を防止しつつ最適な触媒暖機を行う
ようにしている。
【0033】以上に説明したように、本発明の実施例に
よる触媒暖機装置の作用をまとめると以下のようにな
る。 触媒の劣化程度を検出する。 上記により検出された触媒の劣化程度が所定値以下の
場合には、機関始動時に通電加熱式触媒コンバータ12
a、12bに通電を行わず、機関始動後所定時間経過後
2次空気の供給のみを行う。
【0034】上記により検出された触媒の劣化程度が
所定値より大きい場合には、機関始動時に通電加熱式触
媒コンバータ12a、12bへの通電と2次空気の供給
との両方を行うとともに、触媒の劣化の程度に応じて通
電時間と2次空気の供給開始時間とを制御する。 以下に本発明の実施例による触媒暖機装置の上記の作用
を詳細に説明する。
【0035】先ず最初に、上記の触媒の劣化程度の検
出方法について説明する。図2に示すように三元触媒か
らなる通電加熱式触媒12a,12bを用いた場合には
空燃比がほぼ理論空燃比に維持されているときに最も高
い浄化効率を発揮する。従って図2に示される実施例で
は一方の排気マニホルド8aに接続された気筒群に供給
される空燃比が理論空燃比となるように第1O2 センサ
44aおよび第2O2 センサ45aの出力信号に基いて
空燃比をフィードバック制御し、他方の排気マニホルド
8bに接続された気筒群に供給される空燃比が理論空燃
比となるように第1O2 センサ44bおよび第2O2
ンサ45bの出力信号に基いて空燃比フィードバック制
御している。
【0036】ところがこのように第1O2 センサ44
a,44bに加えて第2O2 センサ45a,45bの出
力信号により空燃比をフィードバック制御するようにし
た場合には三元触媒12a,12b,13a,13bが
劣化するにつれて第2O2 センサ45a,45bのリー
ン出力からリッチ出力、およびリッチ出力からリーン出
力への変化周期が短かくなる。従って、この変化周期か
ら三元触媒12a,12bの劣化の程度を判断すること
ができる。即ち、三元触媒12a,12bが劣化してい
ないときには図9(A)に示されるように第2O2 セン
サ45a,45bの出力の変化周期は比較的長く、三元
触媒12a,12bが劣化すると図9(B)に示される
ように第2O2 センサ45a,45bの出力の変化周期
が短くなる。その理由は次のとおりである。
【0037】三元触媒12a,12bは空燃比がリーン
のとき、即ち排気ガス中に過剰の酸素が存在するときに
は過剰な酸素を吸着保持し、空燃比がリッチのとき、即
ち排気ガス中にCO,HCは存在するが酸素が存在しな
いときには吸着保持していた酸素を放出するというO2
ストレージ機能を有し、このO2 ストレージ機能によっ
てHC,COの酸化作用およびNOxの還元作用が行わ
れる。ところが三元触媒12a,12bが劣化してくる
とこのO2 ストレージ機能が弱まり、その結果第2O2
センサ45a,45bの出力の変化周期が短くなってく
る。
【0038】例えば、三元触媒12a,12b下流に配
置された第2O2 センサ45a,45bの出力がリッチ
出力になると機関シリンダ内に供給される燃料量が減少
せしめられて空燃比がリーンとなる。次いでリーンの状
態で燃焼せしめられた燃焼ガスは排気マニホルド8a,
8bを通って三元触媒12a,12bに達する。このと
き排気ガス中には過剰な酸素が含まれているのでこの過
剰な酸素は三元触媒12a,12bに吸着保持され、そ
の結果三元触媒12a,12bからは酸素を含まない排
気ガスが流出することになる。従ってこのとき三元触媒
12a,12b下流に配置された第2O2 センサ45
a,45bでは空燃比がほぼ理論空燃比であると判断さ
れ、従ってこのとき第2O2 センサ45a,45bはま
だ空燃比がリーンであることを示すリーン出力を発生し
ない。次いで暫くして三元触媒12a,12bによる酸
素吸着能力が飽和すると三元触媒を通過した排気ガスが
過剰な酸素を含むようになるために第2O2 センサ45
a,45bでは空燃比がリーンであると判断され、斯く
してこのとき初めて第2O2 センサ45a,45bがリ
ーン出力を出力する。
【0039】一方、第2O2 センサ45a,45bの出
力がリーン出力になると機関シリンダ内に供給される燃
料量が増大せしめられて空燃比がリッチとなる。次いで
リッチの状態で燃焼せしめられた燃焼ガスは排気マニホ
ルド8a,8bを通って三元触媒12a,12bに達す
る。このとき排気ガス中にはCO,HCは存在するが酸
素が存在せず、従って三元触媒12a,12bに吸着保
持されていた酸素が放出されてCO,HCの酸化作用が
行われる。その結果三元触媒12a,12bからはH
C,COを含まない排気ガスが流出することになる。従
ってこのとき三元触媒12a,12b下流に配置された
第2O2 センサ45a,45bでは空燃比がほぼ理論空
燃比であると判断され、従ってこのとき第2O2 センサ
45a,45bはまだ空燃比がリッチであることを示す
リッチ出力を発生しない。次いで暫くして三元触媒12
a,12bが吸着保持していた全酸素を放出すると三元
触媒12a,12bを通過した排気ガスがCO,HCを
含むようになるために第2O 2 センサ45a,45bで
は空燃比がリッチであると判断され、このとき初めて第
2O2 センサ45a,45bがリッチ出力を出力する。
【0040】上述の説明からわかるように三元触媒12
a,12bの酸素吸着保持量が少なくなれば第2O2
ンサ45a,45bがリッチ出力を出力してからリーン
出力を出力するまでの時間が短くなり、また三元触媒1
2a,12bの酸素吸着保持量が少なくなって酸素の放
出量が少なくなれば第2O2 センサ45a,45bがリ
ーン出力を出力してからリッチ出力を出力するまでの時
間が短くなる。即ち、三元触媒12a,12bの酸素吸
着保持量が少なくなればなるほど、即ち三元触媒12
a,12bのO2 ストレージ機能が弱まれば弱まるほど
第2O2 センサ45a,45bのリーン出力からリッチ
出力、リッチ出力からリーン出力への変化周期が短くな
る。
【0041】ところで三元触媒12a,12bの劣化の
程度はこのO2 ストレージ機能の強さにより決まり、O
2 ストレージ機能が弱まったということは三元触媒12
a,12bが劣化したことを意味している。従って第2
2 センサ45a,45bの出力の変化周期が短くなっ
たということは三元触媒12a,12bが劣化したこと
を意味しており、従って第2O2 センサ45a,45b
出力の変化周期から三元触媒の劣化の程度を判断できる
ことになる。
【0042】次に図10から図14を参照してまず初め
に第1O2 センサ44a,44bおよび第2O2 センサ
45a,45bの出力信号に基いて行われる空燃比のフ
ィードバック制御について説明する。なお、図2に示す
実施例では各排気マニホルド8a,8bに接続された各
気筒群の空燃比制御は夫々対応するO2 センサ44a,
45aの出力信号およびO2 センサ44b,45bの出
力信号に基いてそれぞれ独立して同様な方法で行われる
ので、以下排気マニホルド8aに接続された気筒群の空
燃比制御のみについて説明する。なお、以下の実施例で
は空燃比が理論空燃比となるように基本燃料噴射時間T
AUPを空燃比補正係数FAFによって補正するように
した場合を示している。
【0043】図10および図11は第1O2 センサ44
aの出力にもとづいて空燃比補正係数FAFを演算する
第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを示してお
り、このルーチンは所定時間、例えば4ms毎に実行され
る。ステップ1001では、第1O2 センサ44aによ
る空燃比の閉ループ(フィードバック)条件が成立して
いるか否かが判別される。例えば、冷却水温が所定値以
下のときや、機関始動中は閉ループ条件が成立しておら
ず、その他の場合には閉ループ条件が成立する。閉ルー
プ条件が成立していないときには処理サイクルを完了
し、閉ループ条件が成立したときにはステップ1002
に進む。
【0044】ステップ1002では、第1O2 センサ4
4aの出力V1 がA/D変換されて取込まれ、次いでス
テップ1003ではV1 が比較電圧VR1例えば0.45
V以下か否か、即ち空燃比がリーンであるか否かが判別
される。空燃比がリーン(V 1 ≦VR1) であれば、ステ
ップ1004に進んでディレイカウンタCDLYが負か
否かが判別され、CDLY>0であればステップ100
5においてCDLYを0とした後、ステップ1006に
進む。ステップ1006では、ディレイカウンタCDL
Yが1減算され、ステップ1007,1008において
ディレイカウンタCDLYが最小値TDLでガードされ
る。この場合、ディレイカウンタCDLYが最小値TD
Lに到達したときにはステップ1009において第1の
空燃比フラグF1が“0”(リーン)とされる。なお、
最小値TDLは負の値である。
【0045】これに対してリッチ(V1 >VR1)であれ
ば、ステップ1010においてディレイカウンタCDL
Yが正か否かが判別され、CDLY<0であればステッ
プ1011においてCDLYを0とした後、ステップ1
012に進む。ステップ1012ではディレイカウンタ
CDLYが1加算され、ステップ1013,1014に
おいてディレイカウンタCDLYが最大値TDRでガー
ドされる。この場合、ディレイカウンタCDLYが最大
値TDRに到達したときにはステップ1015において
第1の空燃比フラグF1が“1”(リッチ)とされる。
なお、最大値TDRは正の値である。次いで図11、ス
テップ1016では、第1の空燃比フラグF1の符号が
反転したか否かが判別される。空燃比フラグF1が反転
したときにはステップ1017において第1の空燃比フ
ラグF1の値により、リッチからリーンへの反転か、リ
ーンからリッチへの反転かが判別される。リッチからリ
ーンへの反転であれば、ステップ1018においてFA
FがFAF+RSRとスキップ的に増大され、逆に、リ
ーンからリッチへの反転であれば、ステップ1019に
おいてFAFがFAF−RSLとスキップ的に減少せし
められる。即ち、スキップ処理が行われる。
【0046】第1の空燃比クラブF1の符号が反転しな
かったときにはステップ1020,1021,1022
において積分処理が行われる。即ち、ステップ1020
においてF1=“0”か否かが判別され、F1=“0”
(リーン)であればステップ1021においてFAFが
FAF+KIRとされ、F1=“1”(リッチ)であれ
ばステップ1022においてFAFがFAF−KILと
される。ここで、積分定数KIR,KILはスキップ量
RSR,RSLに比して十分小さく設定されている。
【0047】ステップ1018,1019,1021,
1022において演算された空燃比補正係数FAFはス
テップ1023,1024において最小値、例えば0.
8にてガードされ、またステップ1025,1026に
おいて最大値、例えば1.2にてガードされる。これに
より、何らかの原因で空燃比補正係数FAFが大きくな
り過ぎ、もしくは小さくなり過ぎるのが阻止される。
【0048】図12は図10および図11のフローチャ
ートによる動作を説明するタイミング図を示している。
第1O2 センサ44aの出力により図12(A)に示す
ごとくリッチ、リーン判別の空燃比信号A/Fが得られ
ると、ディレイカウンタCDLYは、図12(B)に示
すごとく、リッチ状態でカウントアップされ、リーン状
態でカウントダウンされる。この結果、図12(C)に
示すごとく、遅延処理された空燃比信号A/F′(フラ
グF1に相当)が形成される。例えば、時刻t 1 にて空
燃比信号A/Fがリーンからリッチに変化しても、遅延
処理された空燃比信号A/F′はリッチ遅延時間TDR
だけリーンに保持された後に時刻t2 にてリッチに変化
する。時刻t3 にて空燃比信号A/Fがリッチからリー
ンに変化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′は
リーン遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持され
た後に時刻t4 にてリーンに変化する。しかしながら空
燃比信号A/F′が時刻t5 ,t6 ,t7 のごとくリッ
チ遅延時間TDRの間に反転すると、ディレイカウンタ
CDLYが最大値TDRに到達するのに時間を要し、そ
の結果時刻t8 において遅延処理後の空燃比信号A/
F′が反転される。従って遅延処理後の空燃比信号A/
F′は遅延処理前の空燃比信号A/Fに比べて安定とな
る。このように遅延処理後の安定した空燃比信号A/
F′にもとづいて図12(D)に示す空燃比補正係数F
AFが得られる。
【0049】次に、第2O2 センサ45aによる第2の
空燃比フィードバック制御について説明する。この第2
の空燃比フィードバック制御は第2O2 センサ45aが
リーン出力を出力したときにはリッチスキップ量RSR
を大きくすると共にリーンスキップ量RSLを小さくし
て空燃比をリッチ側に移行させ、第2O2 センサ45a
がリッチ出力を出力したときにはリッチスキップ量RS
Rを小さくすると共にリーンスキップ量RSLを大きく
して空燃比をリーン側に移行させて空燃比を正確に理論
空燃比に制御するものである。
【0050】図13は第2O2 センサ45aの出力にも
とづいてスキップ量RSR,RSLを演算する第2の空
燃比フィードバック制御ルーチンを示しており、このル
ーチンは所定時間、例えば0.5s毎に実行される。ス
テップ1301では第2O2 センサ45aによる閉ルー
プ条件が成立しているか否かが判別される。例えば、第
1O2 センサ44aによる閉ループ条件の不成立に加え
て吸入空気量Qが所定範囲(Q1 ≦Q≦Q2 )内でない
ときには閉ループ条件が成立しておらず、その他の場合
には閉ループ条件が成立する。閉ループ条件が成立して
いないときには処理サイクルを完了し、閉ループ条件が
成立したときにはステップ1302に進む。
【0051】ステップ1302では、第2O2 センサ4
5aの出力V2 がA/D変換されて取込まれ、次いでス
テップ1303においてV2 が比較電圧VR2以下か否
か、即ち空燃比がリーンか否かが判別される。V2 ≦V
R2(リーン)のときにはステップ1304,1305に
進み、V2 >VR2(リッチ)のときにはステップ130
6,1307に進む。
【0052】ステップ1304では第2の空燃比フラグ
F2が“0”とされ、次いでステップ1305において
RSRがRSR+ΔRS(一定値)とされる。即ち、リ
ッチスキップ量RSRが増大され、それによって空燃比
がリッチ側に移行する。一方、V2 >VR2(リッチ)の
ときにはステップ1306において第2の空燃比フラグ
F2が“0”とされ、次いでステップ1307において
RSRがRSR−ΔRSとされる。即ち、リッチスキッ
プ量RSRが減少され、それによって空燃比がリーン側
に移行する。
【0053】ステップ1308では、上述のごとく演算
されたリッチスキップ量RSRのガード処理が行われ、
例えば最小値MIN=0.025、最大値MAX=0.
075にてガードされる。次いでステップ1309では
リーンスキップ量RSLが(0.1−RSR)とされ
る。即ち、云い換えるとリッチスキップ量RSRとリー
ンスキップ量RSLはRSR+RSL=0.1の関係を
満たすように制御される。
【0054】図14は燃料噴射時間の演算ルーチンを示
しており、このルーチンは繰返し実行される。図14を
参照するとまず初めにステップ1401において吸入空
気量Qおよび機関回転数Nから基本燃料噴射量TAUP
(=α・Q/N)が算出される(αは定数)。次いでス
テップ1402では機関冷却水温Twに基づいて暖機増
量係数FWLが算出される。なお、ステップ1402に
示す機関冷却水温Twと暖機増量係数FWLとの関係は
予めROM32内に記載されている。次いでステップ1
403では次式に基いて燃料噴射時間TAUが算出され
る。
【0055】 TAU=TAUP・FAF・(FWL+β)+γ なお、ここでβ,γは運転状態により定まる補正係数で
ある。次いでステップ1404では燃料噴射時間TAU
が出力ポート37に出力され、この燃料噴射時間TAU
に基いて各燃料噴射弁4から燃料が噴射される。図15
は三元触媒12a,12bの劣化度の検出ルーチンを示
しており、このルーチンは所定時間、例えば4ms毎に実
行される。
【0056】図15を参照するとまず初めにステップ1
501では図13のステップ1301と同様な第2O2
センサ45aの閉ループ条件が成立しているか否かが判
別され、第2O2 センサ45aの閉ループ条件が成立し
ている場合にはステップ1502に進む。ステップ15
02では機関回転数Nが例えば1000rpm ≦N≦30
00rpm であるか否かが判別され、次いでステップ15
03において機関1回転当たりの吸入空気量Q/Nが例
えば0.51≦Q/N≦1.01であるか否かが判別さ
れる。即ち、アイドル状態、加減速状態等を除いた定常
状態のみステップ1504に進むようになっている。
【0057】ステップ1504ではカウント値CTが1
だけインクリメントされ、次いでステップ1505では
CT≦CT0 か否かを判断することにより所定時間(C
0×4ms)を経過したか否かが判別される。CT≦C
0 の間はステップ1506に進んで第2の空燃比フラ
グF2が反転したか否かが判別され、第2の空燃比フラ
グF2が反転する毎にステップ1507に進んでカウン
ト値CSが1だけインクリメントされる。次いでCT>
CT0 になるとステップ1505からステップ1508
に進んでCSがCS0 とされる。従ってこのCS0 は所
定時間(CT0×4ms)内における第2の空燃比フラグ
F2の反転回数、即ち第2O2 センサ45aのリッチ出
力からリーン出力およびリーン出力からリッチ出力への
変化回数を示している。この変化回数CS0 はバックア
ップRAM35に記憶される。次いでステップ1509
においてカウント値CSがクリアされ、次いでステップ
1510においてカウント値CTがクリアされる。
【0058】この変化回数CS0 は前述したように三元
触媒12a,12bが劣化するほど大きくなり、従って
この変化回数CS0 から三元触媒12a,12bの劣化
程度を判断することができる。従って本実施例では図1
5に示すルーチンが請求項1の劣化検出手段に相当す
る。本実施例では、この変化回数CS0 から三元触媒1
2a,12bの劣化程度を判断し、この劣化程度に応じ
てヒータへの通電が必要か否かを判断するとともに、通
電が必要な場合には通電時間Tonを劣化程度に応じて設
定している。
【0059】以下に触媒の劣化程度、即ち上記の変化回
数CS0 に基づく本実施例の触媒暖機制御について説明
する。図16は、本実施例の触媒暖機制御の基本ルーチ
ンを示すフローチャートであり、請求項1の触媒暖機制
御手段に相当する。本ルーチンは電子制御ユニット30
により一定時間毎に実行される。
【0060】図16を参照するとまず初めにステップ1
600において図5、図7に示すスタートフラグXSが
セットされているか否かが判別される。イグニッション
スイッチがオンにされた直後はスタートフラグXSはリ
セットされているのでステップ1601に進み、機関回
転数Nが一定値、例えば200r.p.m よりも低いか否か
が判別される。このときにはN<200r.p.m であるの
でステップ1602に進んでスタートフラグXSがセッ
トされる。即ち前述したようにイグニッションスイッチ
がオンにされるとスタートフラグXSがセットされるこ
とになる。次いでステップ1605に進む。スタートフ
ラグXSがセットされるとステップ1600からステッ
プ1603に進んで機関回転数Nが400r.p.m 以上に
なったか否かが判別される。N≦400r.p.m のときは
ステップ1605にジャンプする。一方、N>400r.
p.m になるとステップ1604に進んでスタートフラグ
XSがリセットされ、次いでステップ1605に進む。
【0061】ステップ1605では通電加熱式触媒12
a,12bの通電制御、即ち金属製薄板15と金属製波
形板16からなるヒータの制御が行われる。次いでステ
ップ1606では2次空気の供給制御が行われる。図1
7および図18は図16のステップ1605において行
われるヒータ制御を示している。
【0062】図17および図18を参照するとまず初め
にステップ1701においてスタートフラグXSがリセ
ットされているか否かが判別される。スタートフラグX
Sがセットされているとき、即ち機関始動後機関回転数
Nが400r.p.m に達するまではステップ1702に進
んで次式に基きヒータへの通電時間Tonが算出される。
【0063】Ton=(W/C)・(Tact −Tehc ) ここでWはヒータの消費電力を示し、Cはヒータの熱容
量を示す、またTactはヒータに対して予め設定されて
いる温度を示す。Tehc はヒータの実際の温度を示し、
本実施例では触媒コンバータ9a、9bの出口に配置し
た排気温度センサ51a、51bの検出温度を近似的に
ヒータ温度Tehc として使用するが、触媒12a、12
bに専用の温度センサを設置してTehc を検出するよう
にすることもできる。上式からわかるようにヒータの設
定温度Tact とヒータの実際の温度Tehc との温度差
(Tact −Tehc )が小さくなるほど通電時間Tonが短
かくなる。なお、上式において熱容量Cおよび設定温度
act は固定値であり、ヒータの抵抗値は温度に対して
ほとんど変化しないために消費電力Wはバッテリ43の
電圧Vにより定まる。また、この実施例ではヒータの温
度を検出するために温度センサ51a、51bが用いら
れているがこの温度センサによって検出するのはスター
トフラグXSがリセットされる直前、即ち機関始動後回
転数が400r.p.m に達した時の触媒の温度であり、触
媒12a,12bが温度上昇を開始する前の温度であ
る。
【0064】次いでステップ1703では次式に基いて
最終的なヒータ通電時間Tonが算出される。 Ton=(Ton−Tond ) ・KTonA ここでTond は排気熱による通電時間の補正値を示して
おり、KTonAは三元触媒12a,12bの劣化度に応
じた通電時間の補正値を示している。即ち、触媒12
a,12bは排気熱によっても加熱されるために排気熱
が高いほど通電時間を短かくすることができる。従って
排気熱が高くなるほどTond が大きくされて最終的な通
電時間Tonが短かくされる。なお、排気熱は機関負荷Q
/N(吸入空気量Q/機関回転数N)が高くなるほど高
くなり、機関回転数Nが高くなるほど高くなるので排気
熱による通電時間の補正値Tond は図23(A)に示さ
れるようにN・Q/Nが大きくなるにつれて増大せしめ
られる。なお、図23(A)に示す関係は予めROM3
2内に記憶されている。
【0065】一方、前述したように三元触媒12a,1
2bの劣化の程度が小さいほどヒータの通電時間Ton
短くすることができ、無駄な電力消費を防止できる。そ
こで図23(B)に示されるように第2O2 センサ45
aのリッチ出力からリーン出力およびリーン出力からリ
ッチ出力への変化回数CS0 が小さくなるほど、即ち三
元触媒12a,12bの劣化の程度が小さいほど補正値
KTonAを減少させ、それによって3元触媒12a,1
2bの劣化の程度が小さい程通電時間Tonを短く設定す
る。なお、図23(B)に示す関係は予めROM32内
に記憶されている。次いで、ステップ1704では上記
により設定した通電時間Tonが所定値B以上か否かを判
断する。通電時間Tonが所定値Bより短くなっている場
合には、三元触媒12a、12bの劣化の程度が小さ
く、通電時間Tonが極めて短くなっており実際上ヒータ
に通電を行わなくても三元触媒12a、12bは排気に
よる加熱のみで機関始動後直ちに活性化温度まで昇温す
ると考えられる。従ってステップ1704でTon<Bで
ある場合にはステップ1705に進みヒータ通電時間T
onをゼロにセットし直してヒータへの通電を禁止する。
これにより、三元触媒12a、12bの劣化の程度が小
さい間の機関始動時の無駄な電力消費が防止される。な
お、上記所定値Bは三元触媒の種類により異なるため、
予め実験等により設定しておくことが必要である。ま
た、上記ステップ1704、1705は請求項1の通電
禁止手段に相当するものである。
【0066】また、ステップ1704で通電時間Ton
所定値B以上、即ち三元触媒12a、12bがある程度
劣化しており、ヒータへの通電が必要と判断された場合
にはステップ1706に進み、最大許容累積吸入空気
量、即ちガード値GAmax が算出される。 このガード
値GAmax は、ヒータを長時間に亘ってオンにし続けな
いために設けられており、後述のように機関の累積吸入
空気量GAが上記最大許容値GAmax 以上になったとき
はヒータ通電中であっても直ちに通電が停止される。な
お、このガード値GAmax は図20(A)に示すように
バッテリ電圧Vと機関始動時における機関冷却水温Tw
との関数として設定されており、図13(B)に示すよ
うなマップの形で予めROM32内に記憶されている。
ステップ1704、1705の実行後ルーチンはステッ
プ1716に進みヒータがオフとされる。
【0067】即ち、上記ステップ1702から1706
はスタートフラグXSがセットされている間(機関回転
数が200r.p.m を越えてから400r.p.m に上昇する
までの間)に実行され、この間ヒータへの通電は開始さ
れない。一方、機関回転数Nが400r.p.m を越え、ス
テップ1701においてスタートフラグXSがリセット
されたと判別されるとルーチンはステップ1707に進
み、機関冷却水温Twが−10℃≦Tw≦35℃の範囲
にあるか否かが判別される。Tw<−10℃又はTw>
35℃のときにはステップ1716に進んでヒータがオ
フとされる。これに対して−10°≦Tw≦35℃のと
きにはステップ1708に進んでバッテリ43の電圧V
が11(v)以下になったときにセットされるバッテリ
フラグXBがリセットされているか否かが判別される。
バッテリフラグXBがセットされているときにはステッ
プ1716に進んでヒータがオフとされる。これに対し
てバッテリフラグXBがリセットされているときにはス
テップ1709に進む。
【0068】ステップ1709ではバッテリ43の電圧
Vが16(v)以下か否かが判別される。V>16
(v)のときにはステップ1716に進んでヒータがオ
フとされる。これに対してV≦16(v)のときにはス
テップ1711に進んでバッテリ43の電圧Vが11
(v)よりも高いか否かが判別される。V<11(v)
のときにはステップ1710に進んでバッテリフラグX
Bがセットされ、次いでステップ1716に進んでヒー
タがオフとされる。これに対してV≧11(v)のとき
にはステップ1712に進んでスタータスイッチ42が
オフとなっているか否かが判別される。スタータスイッ
チ42がオンのときにはステップ1716に進んでヒー
タがオフにされる。これに対してスタータスイッチ42
がオフのときには図18、ステップ1713に進んで図
19に示すルーチンにおいて算出されているカウント値
CTが通電時間Tonよりも小さいか否かが判別される。
このカウント値CTは図19に示す時間割込みルーチン
により算出され、従ってここで図19に示す時間割込み
ルーチンについて説明する。
【0069】図19を参照するとまず初めにステップ1
901においてスタートフラグXSがリセットされてい
るか否かが判別され、スタートフラグXSがリセットさ
れているときにはステップ1902に進んでエアフロー
メータ5により計測された吸入空気量Gと割込み時間間
隔tとの積G・tにGAを加算することによって累積吸
入空気量GAが算出される。エアフローメータ5により
計測される吸入空気量Gは単位時間当りに機関シリンダ
内に供給される吸入空気量を表わしているので積G・t
は割込み時間間隔の間に機関シリンダ内に供給される吸
入空気量を表わしており、従って累積吸入空気量GAは
機関回転数Nが400r.p.m を越えた後に機関シリンダ
内に供給された累積吸入空気量を表わしていることにな
る。次いでステップ1903ではカウント値CTに割込
み時間間隔tが加算される。従ってカウント値CTは機
関回転数Nが400r.p.m を越えたときからの経過時間
を表わしていることになる。
【0070】更び図17および図18に戻り、ステップ
1713においてCT≦Tonであると判断された場合に
はステップ1714に進む。ステップ1714では図1
9に示すルーチンにおいて算出されている累積吸入空気
量GAがガード値GAmax よりも大きくなったか否かが
判別される。GA<GAmax のときにはステップ171
5に進んでヒータがオンとされる。その後ステップ17
13においてCT>Tonになったと判別されたとき、即
ち通電時間T onが経過したときにはステップ1716に
進んでヒータがオフとされる。
【0071】上述の説明から判るように、本実施例では
三元触媒12a、12bの劣化の程度に応じてヒータ通
電時間Tonが制御され、触媒の劣化程度が小さくなる程
通電時間Tonは短く設定される。また、触媒の劣化程度
が充分に小さく、ヒータによる加熱なしに機関始動後直
ちに触媒が活性化温度に到達する場合にはヒータへの通
電が禁止される。
【0072】次に図21および図22は図16のステッ
プ1606において行われる2次空気供給制御を示して
いる。図21および図22を参照するとまず初めにステ
ップ2101においてスタートフラグXSがセットされ
ているか否かが判別される。スタートフラグXSがセッ
トされているとき、即ち機関回転数Nが400r.p.m に
達していないときにはステップ2102に進んで機関冷
却水温Twが−10℃≦Tw≦35℃の範囲にあるか否
かが判別される。−10℃≦Tw≦35℃のときにはス
テップ2103に進んで図17、18のルーチンで設定
された通電時間Tonがゼロより大きいか否かが判断され
る。ステップ2103でTon>0であった場合、即ちヒ
ータに通電を必要とする場合にはステップ2105に進
み、通電時間Tonから一定時間α(図5)を減算するこ
とによって2次空気供給開始時間TAIRon(=Ton
α)が算出される。
【0073】また、前述のように、触媒が劣化していな
い場合には通電時間Tonはゼロにセットされヒータへの
通電が禁止されるが、この場合も三元触媒12a、12
bでの酸化作用を生じさせるためには触媒が活性化温度
に到達したときに2次空気う供給する必要がある。そこ
で、ステップ2103でTon≦0であった場合にはステ
ップ2104に進み、二次空気供給開始時間TAIRon
を固定値Aに設定する。
【0074】上記操作後、ルーチンはステップ2106
に進み、2次空気を供給すべき前提条件が成立している
ことを示す許可フラグXPがセットされ、次いでステッ
プ2109に進む。これに対してTw<−10℃又はT
w>35℃のときにはステップ2108に進んで許可フ
ラグがリセットされ、次いでステップ2109に進む。
【0075】ステップ2109ではスタートフラグXS
がリセットされているか否かが判別される。このときに
はスタートフラグXSがセットされているのでステップ
2118に進んでエアポンプ17がオフされる。次いで
ステップ2119では切換弁22の切換作用によって遮
断弁18が閉弁せしめられる。一方、スタートフラグX
Sがリセットされると、即ち機関回転数Nが400r.p.
m を越えるとステップ2101からステップ2107に
進んで機関累積吸入空気量GAが最大吸入空気量GI
max よりも大きくなったか否かが判別される。この最大
吸入空気量GImax は2次空気の供給を停止するために
定められており、機関始動時における冷却水温Twとバ
ッテリ43の電圧Vとの関数として与えられ、図20
(B)に示したGAmax のマップと同様なマップの形で
予めROM32内に記憶されている。
【0076】ステップ2107においてGA≦GImax
であると判断されるとステップ2109にジャンプす
る。このときステップ2109ではスタートフラグXS
がリセットされていると判断されるのでステップ211
0に進み、カウント値CTが2次空気供給開始時間TA
IRonから一定時間β(図5)を差し引いたエアポンプ
オン時間(TAIRon−β)を越えたか否かが判別され
る。CT<TAIRon−βのときにはステップ2118
に進んでエアポンプ17がオフとされる。これに対して
CT≧TAIRon−βになると、即ちエアポンプオン時
間(TAIRon−β)が経過するとステップ2111に
進む。
【0077】ステップ2111ではバッテリ43の電圧
Vが11(v)よりも高いか否かが判別される。V≦1
1(v)のときにはステップ2112に進んでヒータが
オンにされているか否かが判別される。ヒータがオフの
ときにはステップ2118に進んでエアポンプ17がオ
フとされる。これに対してヒータがオンであると判別さ
れるときにはステップ2113に進んでヒータがオフと
され、次いでステップ2118に進んでエアポンプ17
がオフとされる。
【0078】一方、ステップ2111においてV>11
(v)であると判別されるときには図22、ステップ2
114に進んで許可フラグXPがセットされているか否
かが判別される。許可フラグXPがセットされていると
きにはステップ2115に進んでエアポンプ17がオン
とされ、次いでステップ2116に進んでエアポンプ1
7がオンにされてから一定時間β(図5)が経過したか
否か、即ち2次空気供給開始時間TAIRonが経過した
か否かが判別される。2次空気供給開始時間TAIRon
が経過しないときにはステップ2119に進んで遮断弁
18が閉弁され続け、一定時間βが経過すると、即ち2
次空気供給開始時間TAIRonを経過するとステップ2
117に進んで切換弁22の切換作用により遮断弁18
が開弁せしめられる。これにより2次空気の供給が開始
される。
【0079】次いでステップ2107においてGA>G
max になったと判別されたときにはステップ2108
に進んで許可フラグXPがリセットされる。許可フラグ
がリセットされるとステップ2114からステップ21
18に進んでエアポンプ17がオフとされ、次いでステ
ップ2119において遮断弁18が閉弁せしめられるの
で2次空気の供給が停止される。
【0080】上記の説明から判るように、本実施例では
2次空気の供給開始時間TAIRonはヒータ通電時間T
onに応じて設定され、ヒータ通電が禁止された場合には
一定値に設定される。これにより、触媒の劣化程度が低
くヒータによる加熱を行う必要がない場合にも触媒には
2次空気が供給されるので、触媒での酸化作用を早期に
開始して始動後の排気性状を良好に保つことができる。
【0081】なお、上述の実施例では触媒コンバータ下
流側のO2 センサ出力の変化回数CS0 に基づいて触媒
の劣化程度を判定しているが、触媒の劣化は使用に応じ
て進行するので車両の走行距離が長くなればそれに伴な
って通電加熱式触媒12a,12bの劣化の程度が高く
なるものと考えられる。、従って例えば車両の累積走行
距離が増大にするにつれて劣化の程度が高くなると判断
することもできる。
【0082】図24、25は車両の累積走行距離に基づ
いて簡易に触媒の劣化程度を検出しその劣化程度に応じ
てヒータ通電時間Tonを設定するようにした実施例を示
している。図24は車両走行距離に基づく触媒の劣化程
度検出ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチ
ンは電子制御ユニット30により一定時間毎(例えば1
秒毎)に実行される。 図24においてルーチンがスタ
ートするとステップ2401ではルーチン実行時の車速
SPDを車速センサ(図示せず)から入力し、ルーチン
実行間隔の間に車両が走行する距離(増加走行距離)D
Oを算出する。次いでステップ2402では上記により
求めた増加走行距離を累積値TAGEに加算し、加算後
の累積値をバックアップRAM35に記憶する。この累
積値TAGEは触媒の劣化程度を表すパラメータとな
る。
【0083】また、図25は上記パラメータによるヒー
タ通電時間Tonと2次空気供給開始時間TAIRonとの
設定を示す図である。図25を参照するにヒータ通電時
間T onは触媒の劣化程度が小さい程短く設定され、TA
GEが所定値TAGE0 より小さい場合にはTon=0と
される。また、TAGE=TAGE0 のときのTonの値
は図17、ステップ1704におけるBの値に相当す
る。一方、2次空気供給開始時間TAIRonはヒータ通
電時間Tonから一定値αを差し引いた値に設定され、T
AGE<TAGE0 の範囲では一定値Aに設定される。
本実施例では、図25に示す関係は図20(B)に示し
たGAmax のマップと同様なマップの形で予めROM3
2内に記憶されている。また、本実施例においても、ヒ
ータ通電と2次空気供給は図16から図19、図21か
ら図22と同様のルーチンにより制御されるが、図1
7、ステップ1702から1705でのヒータ通電時間
onの計算と、図21、ステップ2103から2105
での2次空気供給開始時間TAIRonの計算との代わり
にパラメータTAGEを用いて図25に示す関係から直
接TonとTAIRonとを求める点が相違するのみである
ので詳細な説明は省略する。
【0084】
【発明の効果】排気浄化触媒の劣化が進行しておらず、
ヒータ通電を行わなくても排気加熱のみにより機関始動
後直ちに触媒が活性化温度に到達する場合には、ヒータ
通電を禁止して2次空気の供給のみを行うようにしたこ
とにより、機関始動時の触媒の排気浄化作用を早期に開
始させながら触媒使用開始初期における電力の無駄な消
費を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用する内燃機関の一実施例を示す全
体図である。
【図3】触媒の拡大側面断面図である。
【図4】通電加熱式触媒の断面図である。
【図5】ヒータに通電を行う場合のヒータ及びエアポン
プの作動を説明するためのタイムチャートである。
【図6】図5を補足説明するためのタイムチャートであ
る。
【図7】ヒータに通電を行わない場合の図5と同様なタ
イムチャートである。
【図8】図5を補足説明するための図6と同様なタイム
チャートである。
【図9】触媒劣化による第2O2 センサの出力電圧の変
化を示す線図である。
【図10】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図11】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図12】第1の空燃比フィードバック制御を説明する
ためのタイムチャートである。
【図13】第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示すフローチャートである。
【図14】燃料噴射時間の演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図15】触媒の劣化程度を検出するためのルーチンを
示すフローチャートである。
【図16】触媒の暖機制御を実施するためのルーチンを
示すフローチャートである。
【図17】ヒータ通電制御を実施するためのルーチンを
示すフローチャートである。
【図18】ヒータ通電制御を実施するためのルーチンを
示すフローチャートである。
【図19】時間割り込みルーチンを示すフローチャート
である。
【図20】最大許容吸入空気量GImax 及びガード値G
max の設定を示す線図である。
【図21】2次空気供給制御を実施するためのルーチン
を示すフローチャートである。
【図22】2次空気供給制御を実施するためのルーチン
を示すフローチャートである。
【図23】補正値Ton及びKTonAの設定を示す線図で
ある。
【図24】触媒の劣化程度を検出するためのルーチンの
別の実施例を示すフローチャートである。
【図25】ヒータ通電時間Ton及び2次空気供給開始時
間TAIRonの設定を示す線図である。
【符号の説明】
8a、8b…排気マニホルド 12a、12b…通電加熱式触媒 17…エアポンプ 30…電子制御ユニット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/32 301 B F02D 41/14 310 F 8011−3G K 8011−3G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路内に、排気浄化触媒加熱用
    の電気ヒータを有する通電加熱式触媒コンバータを配置
    するとともに該通電加熱式触媒コンバータ上流の機関排
    気通路内に2次空気を供給する2次空気導入装置を設
    け、機関始動時に前記電気ヒータに通電して排気浄化触
    媒を昇温するとともに前記2次空気供給装置から前記通
    電加熱式触媒コンバータ上流側排気通路に2次空気を供
    給して触媒の暖機を行う触媒暖機制御手段を備えた内燃
    機関の触媒暖機装置において、前記通電加熱式触媒コン
    バータの排気浄化触媒の劣化の程度を検出する劣化検出
    手段と、前記検出された触媒の劣化程度が所定の値以下
    の時に前記触媒制御手段による電気ヒータへの通電を禁
    止する通電禁止手段を備えたことを特徴とする内燃機関
    の触媒暖機装置。
JP5210316A 1993-08-25 1993-08-25 内燃機関の触媒暖機装置 Pending JPH0763046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5210316A JPH0763046A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 内燃機関の触媒暖機装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5210316A JPH0763046A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 内燃機関の触媒暖機装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0763046A true JPH0763046A (ja) 1995-03-07

Family

ID=16587409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5210316A Pending JPH0763046A (ja) 1993-08-25 1993-08-25 内燃機関の触媒暖機装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0763046A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503749A (ja) * 2011-01-28 2014-02-13 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 排ガスシステムを作動する方法
JP2015518109A (ja) * 2012-05-30 2015-06-25 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 排ガスシステムの作動のための方法
WO2020074267A1 (de) * 2018-10-08 2020-04-16 Vitesco Technologies GmbH Verfahren und vorrichtung zum ansteuern einer heizeinrichtung im abgasstrang einer brennkraftmaschine
CN113123850A (zh) * 2020-01-15 2021-07-16 丰田自动车株式会社 内燃机的催化剂劣化判断装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503749A (ja) * 2011-01-28 2014-02-13 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 排ガスシステムを作動する方法
JP2015518109A (ja) * 2012-05-30 2015-06-25 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 排ガスシステムの作動のための方法
WO2020074267A1 (de) * 2018-10-08 2020-04-16 Vitesco Technologies GmbH Verfahren und vorrichtung zum ansteuern einer heizeinrichtung im abgasstrang einer brennkraftmaschine
CN113123850A (zh) * 2020-01-15 2021-07-16 丰田自动车株式会社 内燃机的催化剂劣化判断装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3649188B2 (ja) 排気浄化装置付き内燃機関
JP3053703B2 (ja) 2次エア制御装置
JPH11125111A (ja) 内燃機関の排気管内空気導入制御装置
JPH0726580B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化判定装置
EP2044308A2 (en) Power source system of internal combustion engine
JP2009299638A (ja) 触媒の暖機制御装置
JP3602612B2 (ja) 内燃機関のアイドル回転数制御装置
JPH10339195A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
US5444978A (en) Catalyst warming up device of an internal combustion engine
US5428955A (en) Device for controlling heating of catalyst for purifying exhaust gas
JP2864838B2 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP3602613B2 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2008019792A (ja) 内燃機関の触媒早期暖機制御装置
JPH0763046A (ja) 内燃機関の触媒暖機装置
JP2861656B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒の加熱制御装置
JP2008255972A (ja) 空燃比制御装置
JP3823384B2 (ja) エンジンの触媒劣化判定装置
JP2970319B2 (ja) 内燃機関の触媒暖機装置
JP2004060564A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP4608758B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2003065027A (ja) 内燃機関の排気温度センサ制御装置
JP3006367B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3077457B2 (ja) 内燃機関の触媒暖機装置
JP4015707B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2944371B2 (ja) 内燃機関の排気管内空気導入装置