JP2861517B2 - 熔融脱硫炉の操業方法 - Google Patents

熔融脱硫炉の操業方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛を主成分とする硫
化精鉱を原料とする熔融脱硫炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より製練炉の操業において、スラグ
の硫動性を確保することは最重要な管理項目の一つであ
った。近時提案されている鉄−シリケート系スラグに酸
化亜鉛を吸収させることにより効率良く亜鉛製練を行お
うとする熔融脱硫法においてもこの点は同じである。
【0003】ところで、硫化亜鉛精鉱を原料として操業
する場合、種々の要因により操業条件がある幅の中で変
動することは良く知られている。このような場合、スラ
グ組成も一定の幅をもつことになり、組成によっては流
動性がなくなり、炉底のビルドアップを生じる等、操業
に支障をきたすが、スラグが固化し操業を停止せざるを
得なくなる恐れがある。これを防止するため、スラグ温
度を比較的高く、すなわち1300〜1350℃に維持
するのが一般的である。
【0004】スラグ温度を高くすることは、スラグ中へ
の亜鉛の溶解度は温度が高いほど高くなる点からはプラ
ス要因である。
【0005】しかし、上記1300〜1350℃という
温度条件では、亜鉛の揮発率が著しく大きくなり、亜鉛
の煙灰への分配率が増加し、その結果、スラグへの亜鉛
の分配率は低いものとならざるを得なかった。
【0006】従って、亜鉛のスラグへの分配率を大きく
するためには、スラグ流動性が得られるかぎり、スラグ
温度を低くすることが不可欠とされていた。しかし、ス
ラグ組成とスラグの融点との関係が確立されておらず、
このためスラグ温度を低くした場合には、いつ炉底付近
のスラグが凝固し、炉底のビルドアップが生じるか全く
予想できない状況であった。
【0007】この状況は前記熔融脱硫法においてもまっ
たく同じであり、炉内の炉況に応じ表層、あるいは炉底
近傍のスラグ温度を測定しつつ、スラグ表層部の温度が
1300〜1350℃となるように操業していたので、
スラグへの亜鉛分配率を上げることが難しかった。な
お、安定操業時には、抜出されるスラグの温度と炉内ス
ラグ層表層部の温度との差はなく、炉底近傍のスラグ温
度はこれらの温度より概ね50℃低い状況である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、亜鉛
を主成分とする硫化精鉱を原料とする熔融脱硫炉の操業
方法において、スラグ表層部の温度を1300℃以下で
操業することを可能にする方法の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、亜鉛を含有する硫化精鉱を主とする原料
と、フラックスと、工業用酸素、酸素富化空気、空気の
何れか一つとを反応させ、酸化亜鉛を生成し、これをス
ラグ中に溶解させる熔融脱硫炉の操業方法において、該
炉内スラグの融点をスラグより推定し、炉底近傍のスラ
グ温度が、この推定融点以上となり、スラグ表層部の温
度が1300℃以下となるように操業するものであり、
好ましくは下記の式2に従い炉内スラグの推定融点を求
めるものである。
【0010】なお、下記の式2を用いるに際しては、予
め既知の組成のスラグを用いてEの値を求めておくこと
が必要となる。
【0011】
【式2】 ここで、Tは求めるスラグの融点(℃)であり、CFe
はスラグ中の鉄品位(%)であり、CSiO2 はスラグ
中のSiO2 品位(%)であり、CZnはスラグ中の亜
鉛品位(%)であり、Eはスラグの組成により定まる値
(℃)である。
【0012】なお、温度の維持には、必要に応じて重油
等の補助燃料を吹き込んで行う。
【0013】
【作用】本発明者らは、種々の操業解析より、スラグ組
成と融点との関係に注目することにより前記課題を解決
できることに気付き、以下の検討を行った。
【0014】すなわち、既知の組成のスラグをジルコニ
ア製坩堝に装入し、Ar雰囲気中で1300℃に24時
間保持し、次いで、該熔融スラグを水中に投入して急冷
し、試料を得た。引続き、1150℃まで温度を10℃
刻みで変更して同様に試料を作成した。
【0015】このようにして得られた種々の組成の試料
を研磨し、研磨面を偏光顕微鏡により観察し、各組成に
おいてガラス質のみが存在する最低温度と、ガラス質以
外の析出層が見られる最高温度との平均値を求め、この
平均値を対応する組成のスラグの融点と見なした。次
に、各組成と得られたスラグの融点との関係を詳細に検
討した。
【0016】この結果、組成に固有の定数Eを導入する
ことにより融点と組成とのあいだに以下の関係式を得
た。
【0017】
【式3】 ここで、Tは求めるスラグの融点(℃)であり、CFe
はスラグ中の鉄品位(%)であり、CSiO2 はスラグ
中のSiO2 品位(%)であり、CZnはスラグ中の亜
鉛品位(%)であり、Eはスラグの組成により定まる値
(℃)である。
【0018】なお、Eの値は、SiO2 、亜鉛以外の成
分、特にCaOやAl2 3 の品位に特有の値であるた
め、予め組成との関係で求めておくことが必要となる。
例えば、CaO=0%、Al2 3 =0%の場合には、
Eは−273℃であり、CaO=5%、Al2 3 =6
%の場合には、Eは−343℃であり、通常の操業にお
いては、−273℃〜−473℃の間の値をとる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。
【0020】[比較例1]図1に示す試験用熔融炉は、
高さ2.8m、内径1.5mの反応塔10と、長さ5.
25m、内径1.5mのセトラー20を有し、該セトラ
ー20の一端が反応塔10に結合され、他端が排煙道2
2に結合されている。側壁に酸素・燃料バーナー24を
設けてあり、ランス16には原料・フラックス混合器1
8が接続されている。反応塔10の上部に直径2.5c
mの吹込みランス16を垂設し、該ランス16よりZn
=51.3%、Pb=1.4%、S=30.2%、Fe
=11.0%、CaO=0.3%、SiO2 =1.9%
の亜鉛精鉱と、Zn=1.7%、Pb=0.4%、S=
0.9%、Fe=36.5%、CaO=1.0%、Si
2 =26.0%のフラックス(1)と、Fe=1.2
%、CaO=1.5%、SiO2 =91.7%のフラッ
クス(2)と、CaCO3 =100%のフラックス
(3)とを70%の酸素富化空気と共に、炉内に予め装
入しておいた熔融スラグ中に吹込み、スラグ温度が13
20℃、Fe/SiO2 が0.9、Zn品位が20%と
なるように2日間の操業を行った。得られたスラグの流
動性は良好であり、炉内で固化するようなことは1度も
なかった。しかし、亜鉛のスラグへの分配率は低く、全
装入亜鉛量の35%が煙灰に分配された。
【0021】[実施例1]比較例1と同様にして操業す
るに際し、このスラグ組成に対応するEの値−343を
用いて、式3に従いスラグの融点Tを求めた。その結
果、Tは1163℃となったので、炉底近傍のスラグの
温度がこの融点以上となるように、抜出しスラグ温度を
1220℃とし、さらに2日間の操業を続けた。この結
果、スラグの流動性は多少悪化したものの、スラグの凝
固による炉底のビルドアップは起きなかった。そして、
煙灰として飛散する亜鉛量を35%から20%に低減す
ることができた。なお、操業期間中の炉内スラグ表層部
の温度は抜出しスラグ温度とほぼ同じであった。
【0022】[実施例2]比較例1と同様に操業するに
際し、フラックス(2)の切出し比率を減少させて、ス
ラグの温度を1220℃に維持したままFe/SiO2
を1.4まで上昇させた。操業変更後、約3時間でスラ
グの固化による炉底の上昇が始り、一日後に50mm上
昇していた。そこで、このスラグ組成に対応するEの値
−343を用いて式3によりスラグの融点を求めた。そ
の結果、スラグの融点は1190℃であり、推定炉底近
傍温度1170℃よりも高くなっていることがわかっ
た。なお、この操業条件での亜鉛の煙灰への分配率は2
2%であった。
【0023】この結果に基づき、抜き出しスラグ温度を
1250℃に上昇させたところ、炉底の上昇は停止し
た。この条件でさらに2日間の操業を続けたところ、亜
鉛の煙灰への分配率は25%に上昇したものの、それ以
上の炉底の上昇は見られなかった。なお、この操業条件
では上昇した炉底はそのままであり、操業開始時の状態
に復帰させることはできなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、炉底のビルドア
ップを防止しつつ、抜出しスラグ温度を1300℃以下
とすることができ、その結果、亜鉛のスラグへの分配率
を上昇させることができ、スラグより還元揮発等により
亜鉛を回収する際の実収率の向上をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用した熔融炉の断面略図で
ある。
【符号の説明】
10 反応塔 16 ランス 18 原料・フラックス混合器 20 セトラー 22 排煙道 24 酸素・燃料バーナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22B 19/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を主成分とする硫化精鉱を主とする
    原料と、フラックスと、補助燃料とを、工業用酸素、酸
    素富化空気、空気の何れか一つと反応させ、酸化亜鉛を
    生成し、これをスラグ中に溶解させる熔融脱硫炉の操業
    方法において、該炉内スラグの融点をスラグ組成より推
    定し、炉底近傍のスラグ温度をこの推定融点以上とし、
    かつ表層部のスラグ温度を1300℃度以下とすること
    を特徴とする熔融脱硫炉の操業方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、炉内スラ
    グの融点を、予め既知の組成のスラグを用いて求められ
    たEの値を用いて下記式(数1)に従い求めることを特
    徴とする熔融脱硫炉の操業方法。 【数1】 ここで、 Tは求めるスラグの融点(℃)であり、 CFeはスラグの鉄品位(%)であり、 CSiO2はスラグ中のSiO2 品位(%)であり、 CZnはスラグ中の亜鉛品位(%)であり、 Eはスラグの組成により定まる値(℃)である。
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