JP2861485B2 - イソチオシアン酸エステル精油溶液 - Google Patents
イソチオシアン酸エステル精油溶液Info
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- JP2861485B2 JP2861485B2 JP15254991A JP15254991A JP2861485B2 JP 2861485 B2 JP2861485 B2 JP 2861485B2 JP 15254991 A JP15254991 A JP 15254991A JP 15254991 A JP15254991 A JP 15254991A JP 2861485 B2 JP2861485 B2 JP 2861485B2
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- isotc
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、イソチオシアン酸エス
テル精油溶液に関するものである。
テル精油溶液に関するものである。
【０００２】
【従来技術及びその問題点】イソチオシアン酸エステル
（以下、ＩＳＯＴＣと略記する）が抗微生物作用を有
し、殺菌剤として使用されることは知られている（特願
平２−９１５６４号）。このＩＳＯＴＣは、強い刺激臭
を発生し、一般にはその刺激臭を抑制するために、難揮
発性の油性液体と溶解し、ＩＳＯＴＣの蒸発を抑制した
状態で用いられている。この場合、その油性液体として
は、コーン油等のド肪油が一般的に用いられている。し
かしながら、このようなＩＳＯＴＣ脂肪油溶液は、その
ＩＳＯＴＣの蒸発抑制効果の点で未だ満足すべきもので
はなかった。
（以下、ＩＳＯＴＣと略記する）が抗微生物作用を有
し、殺菌剤として使用されることは知られている（特願
平２−９１５６４号）。このＩＳＯＴＣは、強い刺激臭
を発生し、一般にはその刺激臭を抑制するために、難揮
発性の油性液体と溶解し、ＩＳＯＴＣの蒸発を抑制した
状態で用いられている。この場合、その油性液体として
は、コーン油等のド肪油が一般的に用いられている。し
かしながら、このようなＩＳＯＴＣ脂肪油溶液は、その
ＩＳＯＴＣの蒸発抑制効果の点で未だ満足すべきもので
はなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ＩＳＯＴＣ
の蒸発が効果的に抑制されたＩＳＯＴＣ溶液を提供する
ことをその課題とする。
の蒸発が効果的に抑制されたＩＳＯＴＣ溶液を提供する
ことをその課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シンナミックアル
デヒド及び／又はシネオールを主成分とする精油にＩＳ
ＯＴＣを溶解させることにより、ＩＳＯＴＣの蒸発を効
果的に抑制した溶液を取得し得ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シンナミックアル
デヒド及び／又はシネオールを主成分とする精油にＩＳ
ＯＴＣを溶解させることにより、ＩＳＯＴＣの蒸発を効
果的に抑制した溶液を取得し得ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【０００５】即ち、本発明によれば、イソチオシアン酸
エステルをシンナミックアルデヒド及び／又はシネオー
ルを主成分とする精油に溶解したイソチオシアン酸エス
テル精油溶液が提供される。
エステルをシンナミックアルデヒド及び／又はシネオー
ルを主成分とする精油に溶解したイソチオシアン酸エス
テル精油溶液が提供される。
【０００６】本明細書におけるイソチオシアン酸エステ
ル（ＩＳＯＴＣ）は、イソチオシアン酸の脂肪族系及び
芳香族系の各種エステルを包含するが、好ましくは、イ
ソチオシアン酸アリルエステル（ＣＨ2＝ＣＨＣＨ2ＮＣ
Ｓ）である。本発明においては、このものを主成分とす
るものであれば、任意のもの、例えば、香辛料抽出物
や、天然カラシ精油等をも用いることができる。本発明
で用いる精油は、シンナミックアルデヒドやシネオール
を主成分（５０重量％以上）とするもので、ケイ皮油や
ユーカり油が包含される。本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液
は、前記精油に対して、ＩＳＯＴＣを混合溶解すること
により得ることができる。ＩＳＯＴＣと精油の混合割合
は、両者の合計容量に対して、ＩＳＯＴＣが０．１〜６
０ｖｏｌ％、好ましくは０．５〜５０ｖｏｌ％である。
また、本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液には、必要に応じ、
本発明の目的を特に阻害しない範囲で他の油性液体を添
加することもできる。
ル（ＩＳＯＴＣ）は、イソチオシアン酸の脂肪族系及び
芳香族系の各種エステルを包含するが、好ましくは、イ
ソチオシアン酸アリルエステル（ＣＨ2＝ＣＨＣＨ2ＮＣ
Ｓ）である。本発明においては、このものを主成分とす
るものであれば、任意のもの、例えば、香辛料抽出物
や、天然カラシ精油等をも用いることができる。本発明
で用いる精油は、シンナミックアルデヒドやシネオール
を主成分（５０重量％以上）とするもので、ケイ皮油や
ユーカり油が包含される。本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液
は、前記精油に対して、ＩＳＯＴＣを混合溶解すること
により得ることができる。ＩＳＯＴＣと精油の混合割合
は、両者の合計容量に対して、ＩＳＯＴＣが０．１〜６
０ｖｏｌ％、好ましくは０．５〜５０ｖｏｌ％である。
また、本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液には、必要に応じ、
本発明の目的を特に阻害しない範囲で他の油性液体を添
加することもできる。
【０００７】
【発明の効果】本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液は、従来の
コーン油や大豆油等の脂肪油にＩＳＯＴＣを溶解した溶
液の場合とは異なり、溶液からのＩＳＯＴＣの蒸発が著
しく抑制されたものである。しかも、本発明溶液は、そ
の精油香気によるマスキング効果により、ＩＳＯＴＣの
刺激臭も抑制されたものとなっている。従って、本発明
のＩＳＯＴＣ溶液は、ＩＳＯＴＣ濃度が１０〜５０ｖｏ
ｌ％という高濃度であっても、ＩＳＯＴＣによる刺激具
が著しく抑制され、その取扱いは非常に容易である。
コーン油や大豆油等の脂肪油にＩＳＯＴＣを溶解した溶
液の場合とは異なり、溶液からのＩＳＯＴＣの蒸発が著
しく抑制されたものである。しかも、本発明溶液は、そ
の精油香気によるマスキング効果により、ＩＳＯＴＣの
刺激臭も抑制されたものとなっている。従って、本発明
のＩＳＯＴＣ溶液は、ＩＳＯＴＣ濃度が１０〜５０ｖｏ
ｌ％という高濃度であっても、ＩＳＯＴＣによる刺激具
が著しく抑制され、その取扱いは非常に容易である。
【０００８】本発明のＩＳＯＴＣ精油溶液は、そのＩＳ
ＯＴＣの持つ抗微生物作用により、殺菌剤や抗菌剤とし
て、食品分野を初めとし、各種の分野に用いられる。本
発明のＩＳＯＴＣ精油溶液は、その液体の状態のままで
あるいは多孔質物質に含浸させることにより、ＩＳＯＴ
Ｃ蒸気発生剤として用いられる。この場合の多孔性物質
としては、吸着剤や充填材等として一般に使用されてい
るものを用いることができる。このようなものとして
は、ケイソウ土、黄土、粘土、タルク、ゼオライト、ア
タパルジャイト、セピオライト等の粘土又は粘土鉱物の
他、活性炭、シリカ、シリカゲル、アルミナ、マグネシ
ア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、合成アルミノ
シリケート等が挙げられる。これらの多孔性物質として
は、粉末状の他、ペレット状、球状、円柱状、円筒状等
の種々の形状のものを用いることができる。また、これ
らの多孔性物質としては、水分の十分除去された焼成物
質や乾燥物であることが望ましい。多孔性物質に対する
ＩＳＯＴＣ溶液の含浸保持割合は、その多孔性物質の飽
和吸収量以下、通常、多孔性物質１００重量部に対し、
１〜１００重量部の割合であるが、その好ましい含有量
は、ＩＳＯＴＣ溶液の種類や多孔性物質の種類に応じて
適宜決める。
ＯＴＣの持つ抗微生物作用により、殺菌剤や抗菌剤とし
て、食品分野を初めとし、各種の分野に用いられる。本
発明のＩＳＯＴＣ精油溶液は、その液体の状態のままで
あるいは多孔質物質に含浸させることにより、ＩＳＯＴ
Ｃ蒸気発生剤として用いられる。この場合の多孔性物質
としては、吸着剤や充填材等として一般に使用されてい
るものを用いることができる。このようなものとして
は、ケイソウ土、黄土、粘土、タルク、ゼオライト、ア
タパルジャイト、セピオライト等の粘土又は粘土鉱物の
他、活性炭、シリカ、シリカゲル、アルミナ、マグネシ
ア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、合成アルミノ
シリケート等が挙げられる。これらの多孔性物質として
は、粉末状の他、ペレット状、球状、円柱状、円筒状等
の種々の形状のものを用いることができる。また、これ
らの多孔性物質としては、水分の十分除去された焼成物
質や乾燥物であることが望ましい。多孔性物質に対する
ＩＳＯＴＣ溶液の含浸保持割合は、その多孔性物質の飽
和吸収量以下、通常、多孔性物質１００重量部に対し、
１〜１００重量部の割合であるが、その好ましい含有量
は、ＩＳＯＴＣ溶液の種類や多孔性物質の種類に応じて
適宜決める。
【０００９】ＩＳＯＴＣ溶液を含浸保持させた多孔性物
質が粉末状の場合は、これを慣用の成形法により成形
し、タブレット状、球状、円柱状、ペレット状等の各種
形状の成形品とすることもできる。この場合の成形法と
しては、打錠成形法、押出成形法等が用いられる。この
成形を行う場合、成形助剤が用いられるが、このような
成形助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、アルギン酸ソーダ等の有機系バイン
ダーや、ベントナイト、カオリン、アルミナヒドロゲ
ル、ケイ酸ヒドロゲル等の無機系バインダーが挙げられ
る。さらに、成形助剤として、各種短繊維、例えば、石
こうウィスカー等を用いることができる。さらに、これ
らのＩＳＯＴＣ溶液を含む多孔性物質は、そのＩＳＯＴ
Ｃ蒸散性をコントロールする目的で、その多孔性物質の
表面を、ＩＳＯＴＣの蒸気を透過させる樹脂でコーティ
ングすることもできる。このようなコーティングによ
り、多孔性物質からのＩＳＯＴＣの蒸散をさらに抑制す
ることができる。
質が粉末状の場合は、これを慣用の成形法により成形
し、タブレット状、球状、円柱状、ペレット状等の各種
形状の成形品とすることもできる。この場合の成形法と
しては、打錠成形法、押出成形法等が用いられる。この
成形を行う場合、成形助剤が用いられるが、このような
成形助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、アルギン酸ソーダ等の有機系バイン
ダーや、ベントナイト、カオリン、アルミナヒドロゲ
ル、ケイ酸ヒドロゲル等の無機系バインダーが挙げられ
る。さらに、成形助剤として、各種短繊維、例えば、石
こうウィスカー等を用いることができる。さらに、これ
らのＩＳＯＴＣ溶液を含む多孔性物質は、そのＩＳＯＴ
Ｃ蒸散性をコントロールする目的で、その多孔性物質の
表面を、ＩＳＯＴＣの蒸気を透過させる樹脂でコーティ
ングすることもできる。このようなコーティングによ
り、多孔性物質からのＩＳＯＴＣの蒸散をさらに抑制す
ることができる。
【００１０】本発明のＩＳＯＴＣ溶液を含む他の蒸気発
生剤は、前記ＩＳＯＴＣ溶液をカプセル化することによ
って得ることができる。この場合のカプセル化法として
は、従来公知の各種の方法が用いられる。例えば、２流
体ノズルの外側ノズルから高分子溶液及び内側ノズルか
らＩＳＯＴＣ息油溶液を同時に水性媒体中に噴出する方
法や、界面重合法等がある。また、ＩＳＯＴＣ精油溶液
又はＩＳＯＴＣ精油溶液を含浸させた粉末状多孔性物質
を、常温で固体状を示し、融点が１００℃以下、好まし
くは４０〜６０℃の範囲にある熱可融性物質の融液に添
加混合した後、冷却固化し、粉砕することによってカプ
セル化物とすることができる。この場合、熱司融性物質
としては、高級アルコール又はそのエステル、高級脂肪
酸又はそのエステル、油脂、各種ワックス類等が挙げら
れる。さらに、常温又は１００℃以下の温度で液状を示
す硬化性樹脂組成物（エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物等）の溶融液中に、ＩＳＯＴＣ精油
溶液又はＩＳＯＴＣ精油溶液を含浸させた粉末状多孔性
物質を添加混合した後、冷却固化し、粉砕することによ
ってカプセル化物とすることもできる。さらに、シクロ
デキストリン、尿素等の包接化合物形成剤とＩＳＯＴＣ
精油溶液とを反応させて包接化合物状のカプセル化物と
することもできる。
生剤は、前記ＩＳＯＴＣ溶液をカプセル化することによ
って得ることができる。この場合のカプセル化法として
は、従来公知の各種の方法が用いられる。例えば、２流
体ノズルの外側ノズルから高分子溶液及び内側ノズルか
らＩＳＯＴＣ息油溶液を同時に水性媒体中に噴出する方
法や、界面重合法等がある。また、ＩＳＯＴＣ精油溶液
又はＩＳＯＴＣ精油溶液を含浸させた粉末状多孔性物質
を、常温で固体状を示し、融点が１００℃以下、好まし
くは４０〜６０℃の範囲にある熱可融性物質の融液に添
加混合した後、冷却固化し、粉砕することによってカプ
セル化物とすることができる。この場合、熱司融性物質
としては、高級アルコール又はそのエステル、高級脂肪
酸又はそのエステル、油脂、各種ワックス類等が挙げら
れる。さらに、常温又は１００℃以下の温度で液状を示
す硬化性樹脂組成物（エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物等）の溶融液中に、ＩＳＯＴＣ精油
溶液又はＩＳＯＴＣ精油溶液を含浸させた粉末状多孔性
物質を添加混合した後、冷却固化し、粉砕することによ
ってカプセル化物とすることもできる。さらに、シクロ
デキストリン、尿素等の包接化合物形成剤とＩＳＯＴＣ
精油溶液とを反応させて包接化合物状のカプセル化物と
することもできる。
【００１１】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
【００１２】実施例 イソチオシアン酸アリル（ＩＳＯＴＣ）を各種油性液体
に溶解し、得られた溶液を密封性ガラス容器に入れ、容
器内を真空にした後、容器を密封し、この密封状態で１
時間放置した後、ガラス容器内の気相中に含まれるイソ
チオシアン酸アリルを定量した。この測定結果に基づい
て求めた各溶液のＩＳＯＴＣ蒸気圧を次表及び図１に示
す。図１において、曲線１はケイ皮油、曲線２はユーカ
リ油、曲線３はコーン油（対照）、曲線４はゴマ油、曲
線５はオレンジ油及び曲線６はレモン油をそれぞれＩＳ
ＯＴＣ溶解用の油性液体として用いた溶液についての結
果を示す。
に溶解し、得られた溶液を密封性ガラス容器に入れ、容
器内を真空にした後、容器を密封し、この密封状態で１
時間放置した後、ガラス容器内の気相中に含まれるイソ
チオシアン酸アリルを定量した。この測定結果に基づい
て求めた各溶液のＩＳＯＴＣ蒸気圧を次表及び図１に示
す。図１において、曲線１はケイ皮油、曲線２はユーカ
リ油、曲線３はコーン油（対照）、曲線４はゴマ油、曲
線５はオレンジ油及び曲線６はレモン油をそれぞれＩＳ
ＯＴＣ溶解用の油性液体として用いた溶液についての結
果を示す。
【００１３】
【表１】
【００１４】表１に示した結果からわかるように、本発
明のＩＳＯＴＣ精油溶液（試料Ｎｏ１及びＮｏ２）にお
いては、気相中に含まれるＩＳＯＴＣの濃度が小さく、
ＩＳＯＴＣの溶液中からの蒸発が著しく抑制されている
ことがわかる。
明のＩＳＯＴＣ精油溶液（試料Ｎｏ１及びＮｏ２）にお
いては、気相中に含まれるＩＳＯＴＣの濃度が小さく、
ＩＳＯＴＣの溶液中からの蒸発が著しく抑制されている
ことがわかる。
【図１】各種の油性液体にＩＳＯＴＣを溶解した溶液に
ついてのＩＳＯＴＣ蒸気圧曲線を示す。
ついてのＩＳＯＴＣ蒸気圧曲線を示す。
１ ＩＳＯＴＣのケイ皮油溶液 ２ ＩＳＯＴＣのユーカリ油溶液 ３ ＩＳＯＴＣのコーン油溶液 ４ ＩＳＯＴＣのゴマ油溶液 ５ ＩＳＯＴＣのオレンジ油溶液 ６ ＩＳＯＴＣのレモン油溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関山 泰司 大阪府大阪市城東区中央一丁目１番47号 株式会社ミドリ十字城東分室内 (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C07C 331/16 A61K 35/78 C11B 9/00
Claims (3)
- 【請求項１】 イソチオシアン酸エステルをシンナミッ
クアルデヒド及び／又はシネオールを主成分とする精油
に溶解したイソチオシアン酸エステル精油溶液。 - 【請求項２】 該精油がケイ皮油である請求項１の溶
液。 - 【請求項３】 該精油がユーカリ油である請求項１の溶
液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15254991A JP2861485B2 (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | イソチオシアン酸エステル精油溶液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15254991A JP2861485B2 (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | イソチオシアン酸エステル精油溶液 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04352766A JPH04352766A (ja) | 1992-12-07 |
| JP2861485B2 true JP2861485B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=15542897
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15254991A Expired - Lifetime JP2861485B2 (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | イソチオシアン酸エステル精油溶液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2861485B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-28 JP JP15254991A patent/JP2861485B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04352766A (ja) | 1992-12-07 |
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