JP2858924B2 - プラスチック光導波路 - Google Patents

プラスチック光導波路

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JP2858924B2
JP2858924B2 JP2282023A JP28202390A JP2858924B2 JP 2858924 B2 JP2858924 B2 JP 2858924B2 JP 2282023 A JP2282023 A JP 2282023A JP 28202390 A JP28202390 A JP 28202390A JP 2858924 B2 JP2858924 B2 JP 2858924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光集積回路用導波路やプラスチック光ファイ
バなどの導波路として使用可能なプラスチック光導波路
に関するものである。
[従来の技術] 光学部品や光ファイバの基材としては光伝送損失が小
さく、伝送帯域が広いことから一般に石英ガラスや多成
分ガラス等の無機系のものが使用されている。一方、プ
ラスチックを基材とする光学材料も開発されている。こ
れらのプラスチック光学材料は、無機系に比べ加工性が
良く、取扱い易い等の特徴を持つことから注目されてい
る。例えば光ファイバにおいてはポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)あるいはポリスチレンのような透明なプラ
スチックを芯(コア)とし、その芯成分よりも屈折率の
低いプラスチックを鞘(クラッド)成分とした同心のコ
ア−クラッド構造からなるものが知られている。しかし
これらのプラスチック光ファイバは、無機系のファイバ
に比べて内部を伝達する光の減衰度合が大きいという欠
点がある。光回路部品においては現状の光ファイバ通信
に用いられている光の波長が650nm〜1600nmの光を用い
ていることから、プラスチックを用いる場合、その領域
における低損失化はより切実である。
またコアとクラッドの屈折率比により、伝搬する光の
モードが変化するため、導波路構造を決定するのにそれ
ぞれの屈折率制御は重要である。従来、プラスチック光
ファイバはマルチモードが一般的であり、そのため屈折
率制御はあまり考慮されず、コア,クラッドに屈折率差
の大きいホモポリマを採用している。例えばPMMAをコア
とした場合、フッ素系のホモポリマをクラッドとしてい
る。これに対しシングルモードを用いる光回路部品の導
波路ではより精密で簡易な屈折率制御が求められてい
る。
従来プラスチックで光導波路を形成する方法は、選択
光重合法,感光性樹脂を利用する方法が知られている。
選択光重合法はポリマに含ませたドーパント(アクリル
系モノマ)を選択的に重合あるいはポリマと反応させ、
屈折率を変化させることによりパターン状の光導波路を
作製するものである。また、感光性樹脂,ホトレジスト
を利用する方法は感光性樹脂をパターン状に露光し、選
択的に架橋をおこさせ、現像により未露光部分を除去
し、コアパターンを得るものである。
[発明が解決しようとする課題] 両者ともガラス導波路に比べると簡便で手軽に製造で
きるが、それぞれ近赤外域で吸収が大きいために1.0μ
m以上の長波長の光では使用することはできない。また
選択光重合法では溶媒の揮発条件でモノマ含量が変化し
屈折率変化が微妙に変化するほか、屈折率比の等の問題
がある。また感光性樹脂を利用する方法では、屈折率は
照射光量により変化し、また屈折率比の融通性にも欠け
ている。また現像時の膨潤により解像性が悪く、また表
面に凸凹ができやすい問題がある。このことも材料の問
題とあわせ両者の光損失が高い原因となっている。
またポリメチルメタクリレートのように吸湿性が高い
ポリマは湿度が高い環境では、水のOHの振動吸収が光損
失に影響を与える。OH振動吸収の高調波によって、特に
近赤外域の光伝送損失は低下する(例えば戒能俊邦,Pol
ymer Preprints,Japan,32巻,4号,1983年 2525頁 参
照)すなわち使用環境条件の湿度変化により光伝送損失
が変動するといった問題があった。
また有機系ポリマ、特にポリメチルメタクリレート系
のガラス転移温度は一般に100℃前後である。そのため
耐熱温度の上限は70℃程度であり、実用的なものとして
は使用不能であった。これらの耐熱性に関する問題を解
決するものとして、ゴム状ポリシロキサンを用いた光導
波路、光ファイバが特開昭62−175703号公報に提案され
ている。しかし、これらは液状のポリシロキサンをゴム
化するために架橋剤を入れるか、放射線による後処理が
必要であり、光損失あるいは加工性に問題を持ってい
た。
一方、導波路のクラッド層としてガラスやサファイア
を用い、コア材料としてラダー型ポリシロキサンやポリ
ビニールシロキサンを用いる光導波路が提案されている
(特開昭61−240207)。前述のようにコアとクラッドの
屈折率比により、伝搬する光のモードが変化するため、
導波路構造を決定するのにそれぞれの屈折率制御は重要
である。しかしこの提案の場合、クラッドをガラスなど
の基板に限定しているため、使用できる材料が限定され
る問題があり、また基板との膨張率の違いなどに起因す
るクラッキングが生ずる問題もある。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであ
り、その目的は屈折率制御が容易であり、しかも耐熱性
に優れ、また吸湿に伴うOH振動吸収の影響の少ないプラ
スチック導波路を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ポリマからなるコア部と、該コア部を囲み
コア部より低い屈折率を有するポリマからなるクラッド
部とを有するプラスチック光導波路において、前記コア
部およびクラッド部がともにポリシロキサンからなるこ
とを特徴とする。
ここでポリシロキサンは下記一般式IおよびII: [式中、R1、R2はそれぞれCnY2n+1(Yは水素あるい
はハロゲン原子でハロゲン原子を必ず含み、nは5以下
の正の整数)で表されるハロゲン化アルキル基、あるい
はC6Y5で表されるハロゲン化フェニル基]で表される繰
り返し単位を有し、またはそれらの共重合体である。
[作 用] 上述のように従来の材料ではポリメチルメタクリレー
トがファイバ用材料として提案されているが、屈折率制
御,低損失性,吸湿性等に問題を含んでいる。
本発明における導波路は前記一般式(I),(II)で
示される繰り返し単位を有するポリマを用いることを本
質とする。これらの組合せあるいは共重合化により種々
の屈折率を持つものが得られ、屈折率制御が容易であ
る。また主鎖構造がシロキサンであることから高い耐湿
性を示す低損失の導波路を得ることができる。さらに側
鎖のハロゲン化によりポリマの吸湿性は大幅に低下し、
吸湿に基づくO−H振動吸収強度を極めて小さくなる。
PMMA系のポリマが吸湿性が大きいために、吸,脱湿によ
ってOH基に基づく吸収強度が大きく変動し、安定した導
光特性が得られなかったのに比べ、本発明は極めて安定
した光特性を維持しうるという特徴がある。またこのプ
ラスチック光導波路を基板上に形成する場合、基板はシ
リコン基板、ガラス基板のように硬い基板ばかりでなく
プラスチック基板などフレキシブルなものが使用可能で
ある。
本発明のポリマは下記一般式(III),(IV) 〔式中、R1,R2は一般式(I),(II)中のものと等し
い〕で表わされるクロロシランの加水分解で得られるシ
ラノールや環状ポリシロキサンの単独重合あるいは共重
合により得ることができる。また一般式(III),(I
V)で表されるクロロシランとアルコールを反応して得
られる各種のアルコキシシランの重合やハロゲノシラン
とアルコキシシランの縮重合によってもポリマを得るこ
とができる。なおnが6以上ではポリマのガラス転移温
度が低くなるため、取扱いに問題があり、nが5以下が
望ましい。
本発明におけるポリマの製造法は、一般のポリシロキ
サン製造法と同様であり、クロロシランをエーテル等に
溶解し加水分解後、トルエン,キシレン等の有機溶媒に
溶解しKOH等のアルカリで重合を行わせるものである。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
モノマ製造例1 フェニルトリクロロシランの合成 1のステンレス製オートクレーブに244gのHSiC
l3,140gのC6H6,触媒としてBCl3を仕込み、270℃で最大
圧力65kg/cm2で10時間反応させた。冷却後340gの生成液
を得た。常圧蒸留で200〜201℃の留分のC6H5SiCl3 130g
を得た。
500mlのフラスコに37.4gのSiCl4を200mlのヘプタン
に溶かしたものを入れた。次に滴下ロートからフェニル
マグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液を50
0ml/hの割合で滴下し、撹拌しつつ温度は40〜50℃に保
った。滴下後2時間還流し、沈殿はろ過した。濾液を蒸
留し常圧蒸留で200〜201℃の留分C6H5SiCl3 20gを得
た。
モノマ製造例2 ジフェニルジクロロシランの合成 1のステンレス製オートクレーブに45gのSi粉末,8g
のCuCl,0.25gのZnCl2をよく混合して充填した。窒素気
流中430℃に加熱しCuClを還元した。冷却後、40gのモノ
クロロベンゼンをいれ、430℃で15時間反応させると約2
0gのクロロシランが得られた。これを蒸留塔で蒸留し、
184〜186℃(30mmHg)の留分のジフェニルジクロロシラ
ン13gを得た。
モノマ製造例3 ジメチルジクロロシランの合成 管状電気炉の石英製反応管に45gのSi粉末,8gのCuCl,
0.25gのZnCl2をよく混合して充填した。窒素気流中300
℃に加熱しCuClを還元した。さらに温度を320℃に保
ち、クロロメタンを0.8/hrの割合で反応管に流すと、
15時間で約20gのクロロシランが得られた。これを精留
塔で精留し、69〜70℃の留分のジメチルジクロロシラン
12gを得た。
モノマ製造例4 メチルトリクロロシランの合成 管状電気炉の石英製反応管に45gのSi粉末,8gのCuCl,
0.25gのZnCl2をよく混合して充填した。窒素気流中300
℃に加熱しCuClを還元した。さらに温度を320℃に保
ち、クロロメタンを0.4/hrの割合で反応管に流すと、
15時間で約20gのクロロシランが得られた。これを精留
塔で精留し、64〜65℃の留分のメチルトリクロロシラン
14gを得た。
モノマ製造例5 ペンチルトリクロロシランの合成 モノマ製造例4でクロロメタンの代わりにクロロペン
タンとすることにより沸点166〜168℃のペンチルトリク
ロロシラン10gを得た。
モノマ製造例6 フェニルメチルジクロロシランの合成 還流冷却器,温度計,ガス吹き込み管を備えた500ml
の4つ口フラスコの中央部に100wの水冷式高圧水銀灯を
設置し、新しく蒸留した(CH3)HSiCl2 86g,136gのC6H6
を仕込み、マグネチックスターラにより撹拌し器内を窒
素ガスで置換した後、高圧水銀灯を点灯し、室温で塩素
ガスを70g/hの割合で7時間吹き込み反応させた。反応
液約220gを減圧蒸留により203〜205℃のフェニルメチル
ジクロロシラン58gを得た。
モノマ製造例7 ブロムフェニルトリクロロシランの合成 塩化カルシウム管,温度計,滴下ロートを備えた200m
lのフラスコに、四塩化炭素100ml,モノマ製造例1で得
られたフェニルトリクロルシラン20g,鉄触媒0.2gを入
れ、冷浴で冷却しつつ臭素5.3gを滴下した。10時間反応
させ、得られた反応液を蒸留し120〜125℃(15mmHg)の
留分15gを得た。
モノマ製造例8 クロロフェニルトリクロロシランの合成 塩化カルシウム管,温度計,滴下ロートを備えた200m
lのフラスコに、四塩化炭素100ml,モノマ製造例1で得
られたフェニルトリクロルシラン20g,塩化第二鉄0.3g,
沃素0.1gを入れ、50gの塩素ガスを吹き込む。得られた
反応液を蒸留し87〜88℃(7mmHg)の留分18gを得た。
モノマ製造例9 フルオロフェニルトリクロロシランの合成 モノマ製造例1のにおいてフェニルマグネシウムク
ロライドの代わりにフルオロフェニルマグネシウムクロ
ライドを使用し同様な条件により、194〜196℃(6mmH
g)の留分のフルオロフェニルトリクロロシランを得
た。
モノマ製造例10 クロロメチルメチルジクロロシランの合成 塩化カルシウム管,温度計,滴下ロートを備えた200m
lのフラスコに、四塩化炭素100ml,モノマ製造例1で得
られたジメチルジクロルシラン20g,塩化第二鉄0.3g,沃
素0.1gを入れ、50gの塩素ガスを吹き込む。得られた反
応液を蒸留しクロロメチルメチルジクロロシラン12gを
得た。
モノマ製造例11 ビスクロロフェニルジクロロシランの合成 塩化カルシウム管,温度計,滴下ロートを備えた200m
lのフラスコに、四塩化炭素100ml,モノマ製造例2に得
られたジフェニルジクロロシラン30g,塩化第二鉄0.3g,
沃素0.1gを入れ、50gの塩素ガスを吹き込む。得られた
反応液を蒸留し175〜179℃(7mmHg)の留分13gを得た。
ポリマ製造例1 内容約50mlのフラスコにモノマ製造例1で得られたフ
ェニルトリクロルシラン10gをエチルエーテル20mlに溶
かし水100mlの中にそそぎ込み加水分解を行った。次に
加水分解物を分離し100mgのKOHを添加し、15mlのトルエ
ンと混合した。そして、この混合液を16時間還流した。
反応終了後冷却し、少量の沈殿量をろ過した後、メタノ
ールに溶液を流し込むことにより再沈殿を行った。得ら
れたポリフェニルシルセスキオキサンの分子量はMw=10
5000,Mw/Mn=6.0であった。赤外線吸収スペクトルによ
りシルセスキオキサン特有のSi−Oに起因するダブルピ
ークが1040cm-1および1160cm-1に見られた。このポリマ
の屈折率は1.5549(λ=0.633)であった。またこのポ
リマは高い耐熱性を示し、300℃で1時間熱処理しても
なんらの変化がみられかなった。
ポリマ製造例2 モノマ製造例2で得られたジフェニルジクロロシラン
を水と反応させることにより得たジフェニルシランジオ
ール30gをクロロホルム500mlに溶かし,CF3SO3Hを触媒と
して、5℃で20時間反応させた。反応液をメタノール中
にそそぎ込み白色固体のポリマを得た。このポリマの屈
折率は1.6143(λ=0.633)、分子量はMw=5000,Mw/Mn
=1.6であった。
ポリマ製造例3 トリクロロフェニルシランとジフェニルクロロシラン
の仕込比を変えて、製造例1と同様にして共重合体を合
成した。表1に組成比と屈折率の関係示す。
ポリマ製造例4 モノマ製造例3で得られたジメチルジクロロシラン10
gをエチルエーテル20mlに溶かし水100mlの中にそそぎ込
み加水分解を行った。次に加水分解物を分離し100mgのK
OHを添加し、15mlのトルエンと混合した。以下ポリマ製
造例1と同様の処理を行い、ポリマを得た。得られたポ
リマの分子量はMw=18000,Mw/Mn=2.5であった。
ポリマ製造例5 内容約50mlのフラスコにモノマ製造例4で得られたメ
チルトリクロルシラン10gをエチルエーテル20mlに溶か
し水100mlの仲にそそぎ込み加水分解を行った。次に加
水分解物を分離し100mgのKOHを添加し、15mlのトルエン
と混合した。そして、この混合液を16時間還流した。反
応終了後冷却し、少量の沈殿物をろ過した後、メタノー
ルに溶液を流し込むことにより再沈殿を行った。得られ
たポリメチルシルセスキオキサンの分子量はMw=2000,M
w/Mn=3.1であった。またこのポリマの屈折率は1.4231
であった。
ポリマ製造例6 モノマ製造例6で得られたフェニルメチルジクロロシ
ラン10gをエチルエーテル20mlに溶かし水100mlの中にそ
そぎ込み加水分解を行った。次に加水分解物を分離し10
0mgのKOHを添加し、15mlのトルエンと混合した。以下ポ
リマ製造例1と同様の処理を行い、ポリマを得た。得ら
れたポリマの分子量Mw=53000,Mw/Mn=2.8であった。こ
のポリマの屈折率は1.5132であった。
ポリマ製造例7 モノマ製造例1で得られたフェニルトリクロルシラン
5gとモノマ製造例5で得られたペンチルトリクロロシラ
ン4.5g,エチルエーテル20mlに溶かし水100mlの中にそそ
ぎ込み加水分解を行った。次に加水分解物を分離し100m
gのKOHを添加し、15mlのトルエンと混合した。そして、
この混合液を16時間還流した。反応終了後冷却し、小量
の沈殿物をろ過した後、メタノールに溶液を流し込むこ
とにより再沈殿を行った。得られたポリマの分子量Mw=
21000であった。
ポリマ製造例8 モノマ製造例1で得られたフェニルトリクロルシラン
10gとモノマ製造例3で得られたジメチルジクロロシラ
ン2gをエチルエーテル20mlに溶かし水100mlの中にそそ
ぎ込み加水分解を行った。次に加水分解物を分離し100m
gのKOHを添加し、15mlのトルエンと混合した。そして、
この混合液を16時間還流した。反応終了後冷却し、小量
の沈殿物をろ過した後、メタノールに溶液を流し込むこ
とにより再沈殿を行った。得られたポリマの分子量Mw=
16000であった。
同様な方法によりモノマ製造例にあげたモノマを用い
て重合体を得ることができた。
実施例1 ポリマ製造例1で得たポリマを板状に加工し、両面を
光学研磨し分光器で近赤外〜可視光域での吸収を測定し
た。その結果660,850,1300,および1550nmにおけるオプ
ティカルデンシティ(OD)はそれぞれ0.012,0.010,0.01
2および0.024(cm-1)であり、きわめて高い透光性を示
した。同様にして他のポリマについても吸収を測定し
た。表2にその結果をまとめた。
実施例2 ポリマ製造例1で得たポリマをコア成分、ポリマ製造
例5で得たポリマをクラッド成分とする導波路を作製し
た。
前述の2種のポリマをメチルイソブチルケトンに溶か
し溶液とした。まずクラッド成分ポリマをシリコン基板
上に約20μmの厚さに塗布した。ベーク,乾燥処理後ク
ラッド成分ポリマ上にコア成分ポリマを約8μmの厚さ
に塗布した。次にホトリソグラフィ,ドライエッチング
によりコア成分ポリマを長さ50mm,幅8μm,高さ8μm
の直線矩形パタンに加工した。加工後クラッド成分をコ
ア成分ポリマ上に塗布し導波路を得た。波長1300nm,150
0nmの光を導波路の一端から照射し、他端から出てくる
光量を測定することにより導波路の損失を計算した。こ
の導波路の損失は0.5dB/cm以下であり充分に種々の光回
路に供することができる。
実施例3 ポリマ製造例3で得たトリ体/ジ体=80/20の共重合
体をコア成分,トリ体/ジ体=90/10の共重合体をクラ
ッド成分とする導波路を作製した。
前述の2種のポリマをメチルイソブチルケトンに溶か
し溶液とした。まずクラッド成分ポリマをシリコン基板
上に約20μmの厚さに塗布した。ベク,乾燥処理後クラ
ッド成分ポリマ上にコア成分ポリマを約8μmの厚さに
塗布した。次にホトリソグラフィ,ドライエッチングに
よりコア成分ポリマを長さ50mm,幅8μm,高さ8μmの
直線矩形パタンに加工した。加工後クラッド成分をコア
成分ポリマ上に塗布し導波路を得た。波長1300nm,1500n
mの光を導波路の一端から照射し、他端から出てくる光
量を測定することにより導波路の損失を計算した。この
導波路の損失は0.5dB/cm以下であり充分に種々の光回路
に供することができる。
実施例4 実施例3の光導波路を60℃,90%RHの条件下で2昼夜
静置してから取り出し、光損失を測定した。吸湿に基づ
く損失増は全くなく、耐湿性の高いことが確認された。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によるプラスチック導波
路は、従来のものにくらべ、ハロゲン原子を必ず含むよ
うにしたことにより、以下のような特有な効果を得られ
る。
(イ) 例えばポリマ製造例3で示した第1の屈折率と
の関係からも明らかなように、ハロゲン原子を必ず含む
ポリシロキサンの共重合化により種々の屈折率をもつも
のが得られ、コアに光を閉じこめて導波させる構造形成
に重要な屈折率制御が容易になる。
(ロ) 例えば実施例4における耐湿性の結果からも明
らかなようにハロゲン原子を必ず含むポリシロキサンを
用いることにより、ポリマの吸湿性は大幅に低下し、吸
湿に基づくO−H振動吸収強度は小さくなり、高温・多
湿条件下でも安定した導光特性が得られる。
(ハ) 例えば実施例2あるいは実施例3におけるプラ
スチック光導波路形成の結果からも明らかなように、本
発明の導波路では、コア部がハロゲン原子を必ず含むポ
リシロキサンから構成されるために、ホトリソグラフ
ィ、ドライエッチングによりコア部の加工が容易となり
長さ50mm、幅8μm、高さ8μm程度のコアリッジが形
成できる。そのため、近赤外光域における光集積回路用
材料として適している。また従来光ファイバ通信に用い
られている650〜1600nmの波長域において低損失である
ので、多成分系ガラスおよび石英系光ファイバと光/電
気,電気/光変換なしに接続使用できる。すなわちこれ
らの導波路を使って作製した光部品により、経済性に優
れたローカルエリアネットワークなどの光信号伝送シス
テムを構成できる利点がある。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシロキサンからなるコア部と、該コア
    部を囲みコア部より低い屈折率を有するポリシロキサン
    からなるクラッド部とを有するプラスチック光導波路に
    おいて、前記コア部が下記一般式(I)または(II)で
    表される化学構造のうち2種以上の異なったり繰り返し
    単位からなる共重合体のポリシロキサンであることを特
    徴とするプラスチック光導波路: ただし、R1およびR2はそれぞれCnY2n+1(Yは水素ある
    いはハロゲン原子でハロゲン原子を必ず含み、nは5以
    下の正の整数)で表されるハロゲン化アルキル基または
    C6Y5で表されるハロゲン化フェニル基である。
  2. 【請求項2】ポリシロキサンからなるコア部と、該コア
    部を囲みコア部より低い屈折率を有するポリシロキサン
    からなるクラッド部とを有するプラスチック光導波路に
    おいて、前記コア部がそれぞれ下記一般式(I)および
    (II)で表される化学構造を繰り返し単位として有する
    共重合体のポリシロキサンであることを特徴とするプラ
    スチック光導波路: ただし、R1およびR2はそれぞれCnY2n+1(Yは水素ある
    いはハロゲン原子でハロゲン原子を必ず含み、nは5以
    下の正の整数)で表されるハロゲン化アルキル基または
    C6Y5で表されるハロゲン化フェニル基である。
  3. 【請求項3】前記クラッド部が前記一般式(I)または
    (II)で表される化学構造を繰り返し単位として有する
    ポリシロキサンであることを特徴とする請求項1または
    2に記載のプラスチック光導波路。
  4. 【請求項4】前記クラッド部が前記一般式(I)または
    (II)で表される化学構造のうち2種以上の異なった繰
    り返し単位からなる共重合体のポリシロキサンであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック
    光導波路。
  5. 【請求項5】前記クラッド部がそれぞれ前記一般式
    (I)および(II)で表される化学構造を繰り返し単位
    として有する共重合体のシロキサンであることを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載のプラスチック
    光導波路。
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