JP2858773B2 - セラミックスと金属の接合材および接合方法 - Google Patents
セラミックスと金属の接合材および接合方法Info
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Description
なる接合材およびその接合方法に関する。
果が大きく軽量であるなどの長所をもつ反面、ポーラス
が存在するために脆いという欠点がある。このため多孔
質セラミックス単独では使用上大きな制約を伴う。
の使用が考えられる。この複合材に使用される金属は、
セラミックスとの熱膨張差がなるべく小さくなるような
材料が選定される。
金属とを接合した場合、セラミックスと金属の熱膨張差
をいくら小さくしても、接合後の温度変化に伴って、セ
ラミックス側の接合界面近傍に引張り等の残留応力が発
生する。このため、多孔質セラミックスではその材質自
体の脆さのために接合界面近傍にクラックを生じやす
く、健全な接合材を得ることが困難な場合が多い。
化物系セラミックスと金属とを接合するに当って、セラ
ミックス側の接合界面近傍のクラック発生を防止して健
全な接合材が得られるようにすることにある。
は、表層部が酸化被膜で覆われた金属材と、この金属材
の上記酸化被膜側の面に接合されかつ多数のポーラスを
内包してその一部が接合面に開口する多孔質の酸化物系
セラミックス材と、これらセラミックス材と金属材との
間に介在させられて一面側が上記酸化被膜に接着しかつ
他面側がセラミックス材のポーラスに一部を入り込ませ
た状態で固化することにより上記接合面を強化する接合
ガラス層とを具備したものである。
を内包しその一部が接合面に開口する多孔質の酸化物系
セラミックス材と金属材とを接合する場合に、金属材の
表面に酸化被膜を形成する工程と、ガラスフリットを溶
剤に溶いた混合ペーストを上記金属材の酸化被膜上に塗
布する工程と、上記溶剤が乾燥しないうちに金属材とセ
ラミックス材とを重ね合せかつ上記混合ペーストを上記
接合面のポーラスの開口に染み込ませ、その後に上記溶
剤を乾燥させる工程と、ガラスの溶融温度まで加熱した
のちに徐冷することにより、硬化したガラス層を介して
上記セラミックス材と金属材とを接合するとともに上記
ポーラス内で硬化したガラスによって上記セラミックス
材の接合面を強化する工程とを具備したことを特徴とす
る。
る接合ガラス層は酸化物であるから、酸化物系セラミッ
クスとの濡れ性が良好であり安定した密着状態が得られ
る。しかもこの接合ガラス層はその一部が多孔質セラミ
ックスのポーラス中に食込んだ状態で固化するから、セ
ラミックスに対して強固な結合状態が得られるととも
に、接合界面近傍におけるポーラスがガラスで埋まるた
めセラミックスが補強される。
明する。
多孔質ジルコニアと、金属材2の一例としてのチタンの
接合界面構造を示している。第1図に示されるように多
孔質セラミックス材1は多数のポーラス5を内包し、金
属材2との接合面にポーラス5の一部が開口している。
金属材2の接合側表層部はAl2O3等の酸化被膜3で覆わ
れている。そしてセラミックス材1と金属材2との間
に、接合ガラス層4が介在させられている。ガラス層4
の一面側(図示下面側)は金属材2の酸化被膜3に接着
させられており、ガラス層4の他面側(図示上面側)は
セラミックス材1のポーラス5に一部を入り込ませた状
態で固化している。ガラス層4の材料としては、熱膨張
率がセラミックス材1と金属材2の熱膨張率に近いもの
が選択される。金属材2は、その熱膨張率がセラミック
ス材1の熱膨張率よりも僅かに大きなものとする。例え
ば酸化物系ジルコニアからなるセラミックス材1の熱膨
張率が7×10-6、Tiからなる金属材2の熱膨張率が8×
10-6の場合、接合ガラス層4は熱膨張率が8×10-6程度
の材料を選定する。このような熱膨張率とすることによ
って、接合後にセラミックス材1に生じる残留応力の絶
対値を極力小さくする。
図に示す。すなわちセラミックス材1と金属材2とを接
合するに当たって、接合ガラス層4の原料となるガラス
フリットをテルピネオールのような熱分解形の溶剤に溶
いて混合ペーストを作る。この場合、バインダーを使用
せずに、上記溶剤のみを用いてガラスフリットを溶かす
ことが肝要である。なぜなら、従来のガラスペーストの
ようにバインダーが添加されている場合には、塗布後の
乾燥工程においてバインダーを充分に揮発させることが
困難な場合が多いからである。仮にバインダーの揮発が
不十分でバインダーの一部がガラス層4に残留すると、
気孔が発生する原因ともなる。従って上記混合ペースト
は溶剤のみで作るものとする。
O2もしくはAl2O3等の酸化被膜3を形成する。こう金属
材2を安定な酸化被膜3で覆うことにより、接合材料で
あるガラス層4との濡れ性が更に向上し、両者の密着性
を高めることができる。
が乾燥しないうちに金属材2上にセラミックス材1を重
ね合わせる。こうすることによって、セラミックス材1
のポーラス5中に、毛細管現象によって溶剤が充分しみ
込むとともに、溶剤と一緒にガラスフリットがポーラス
5の内部に入り込む。
材1と金属材2を150℃ないし350℃に加熱することによ
り、上記溶剤が分解させられる。更にガラスフリットの
溶融温度(例えば580℃)まで加熱する。こうして、セ
ラミックス材1の接合界面近傍におけるポーラス5の内
部に、溶融したガラスが充満する。その後に行なわれる
徐冷工程において、1℃ないし5℃/分の冷却速度で徐
冷することによって、冷却時の割れを抑制しつつ、ガラ
ス層4を硬化させる。
金属材2との接合部においては、酸化物であるガラス層
4と金属材2の酸化被膜3との結合がきわめて強度であ
り、しかもセラミックス材1の接合界面近傍におけるポ
ーラス5にガラス層4の一部が充満した状態で固化して
いるため、セラミックス材1自身の補強もなされる。こ
のため接合後の温度変化等に伴う熱膨張差によって生じ
る残留応力に対してセラミックス材1のクラック発生を
防止でき、充分な接合界面強度を発揮できる。しかも接
合ガラス層4はその材料を選択することにより種種の熱
膨張率のものを比較的容易に得ることができるから、セ
ラミックス材1と金属材2とに適合した熱膨張率のもの
を選択できる。
属に強固に固定できるとともに、セラミックスの脆さが
克服され、セラミックスの接合界面近傍を補強できる。
このため健全な接合部をもつセラミックスと金属との接
合材が得られる。
を模式的に示す断面図、第2図は第1図に示された接合
界面構造を得るためのプロセスを示す工程説明図であ
る。 1……セラミックス材、2……金属材、3……酸化被
膜、4……ガラス層、5……ポーラス。
Claims (2)
- 【請求項1】表層部が酸化被膜で覆われた金属材と、こ
の金属材の上記酸化被膜側の面に接合されかつ多数のポ
ーラスを内包してその一部が接合面に開口する多孔質の
酸化物系セラミックス材と、これらセラミックス材と金
属材との間に介在させられて一面側が上記酸化被膜に接
着しかつ他面側が上記セラミックス材のポーラスに一部
を入り込ませた状態で固化することにより上記接合面を
強化する接合ガラス層とを具備したことを特徴とするセ
ラミックスと金属の接合材。 - 【請求項2】多数のポーラスを内包しその一部が接合面
に開口する多孔質の酸化物系セラミックス材と金属材と
を接合する場合に、金属材の表面に酸化被膜を形成する
工程と、ガラスフリットを溶剤に溶いた混合ペーストを
上記金属材の酸化被膜上に塗布する工程と、上記溶剤が
乾燥しないうちに金属材とセラミックス材とを重ね合せ
かつ上記混合ペーストを上記接合面のポーラスの開口に
染み込ませ、その後に上記溶剤を乾燥させる工程と、ガ
ラスの溶融温度まで加熱したのちに徐冷することによ
り、硬化したガラス層を介して上記セラミックス材と金
属材とを接合するとともに上記ポーラス内で硬化したガ
ラスによって上記セラミックス材の接合面を強化する工
程とを具備したことを特徴とするセラミックスと金属の
接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1038441A JP2858773B2 (ja) | 1989-02-20 | 1989-02-20 | セラミックスと金属の接合材および接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1038441A JP2858773B2 (ja) | 1989-02-20 | 1989-02-20 | セラミックスと金属の接合材および接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02217370A JPH02217370A (ja) | 1990-08-30 |
JP2858773B2 true JP2858773B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=12525389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1038441A Expired - Lifetime JP2858773B2 (ja) | 1989-02-20 | 1989-02-20 | セラミックスと金属の接合材および接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2858773B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6716296B2 (ja) * | 2016-03-11 | 2020-07-01 | 日本特殊陶業株式会社 | 多孔体複合部材 |
-
1989
- 1989-02-20 JP JP1038441A patent/JP2858773B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02217370A (ja) | 1990-08-30 |
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