JP2857900B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、薄膜トランジスタの製造方法に係り、特に
コプラナー型薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Tran
sistor)の製造方法に関する。
[従来の技術] 液晶テレビ等に使用される液晶表示装置としては、単
純マトリクス型がある。しかし、高コントラスト及び高
時分割駆動を実現するには、単純マトリクス型では限界
がある。そこで、走査電極と信号電極のマトリクス交点
部の各画素ごとにスイッチ素子と必要に応じてキャパシ
タ素子を付加・集積し、コントラストやレスポンスなど
の表示性能の向上を図るようにしたアクティブマトリク
ス型が用いられるようになってきている。特に、3端子
のスイッチ素子の中でも薄膜トランジスタ(以下、適宜
TFTと略記する)を用いたものは低電圧で動作可能であ
り、C−MOS ICとの適合性が優れていること、また周
辺回路を同一の基板上に組み込める可能性があることな
どから、将来バリスタやMIMなどの2端子の非線形素子
をしのぎ主流になると考えられている。また、TFTの半
導体材料も以前はCdSeのみであったが、アモルファスシ
リコン(a−Si)、ポリシリコン(p−Si)などの材料
も用いられるようになっている。p−Si形TFTでは応答
の速いスイッチング特性が得られるとともに、駆動回路
素子などの周辺回路をTFTマトリクス基板面に一体集積
化することが容易であるが、a−Si形TFTの場合には、
このような周辺回路の一体集積化は困難である。しか
し、a−Si形TFTの場合には、スイッチOFF時の内部抵抗
が高く、暗電流IOFFが比較的小さいので、p−Si形TFT
の場合に一般に必要となる信号電荷を蓄積するためのキ
ャパシタが必要となる利点がある。また、TFTの基本構
造にはスタガー型とその積層構造を逆にした逆スタガー
型およびコプラナー型とその積層構造を逆にした逆コプ
ラナー型の4つの構造が知られている。
ところで、薄膜トランジスタにおけるIOFFの低減、安
定化のためには半導体層の超薄膜化が有効であるという
報告がある(THE 21st Conference on solid stat
e Devices and MATERIALS,1989 予稿集A−6−2
(P97〜100)参照)。
このような薄膜トランジスタのソース、ドレインの形
成方法としては、イオン注入法を採用するのが一般的で
ある。ところが、イオン注入装置は高価でかつスループ
ットが小さく、大型基板でのデバイス量産には不適であ
る。
そこで、従来のこの種のコプラナー型薄膜トランジス
タのソース、ドレインの形成方法として、例えば第2図
(A)〜(F)に示すように不純物をドープした堆積層
を用いる方法が知られている。第2図(A)において、
1はガラス基板であり、ガラス基板1上に先ず、CVD法
等により活性層となるノンドープアモルファスシリコン
(i−Si)からなり膜厚が例えば1500Åの半導体層2を
堆積する。次いで、第2図(B)に示すように半導体層
2上にスパッタ法等によりリン(P)又は砒素(As)を
ドーピングしたn+アモルファスシリコン(n+a−Si)3
を成膜し、フォトリソグラフィを用いたパターニング方
法によって、ソース、ドレインのn+領域4,5を形成する
(第2図(C)参照)。
次いで、第2図(D)に示すようにエキシマレーザ
(発光波長λ=308nm)を用いたレーザビーム6による
レーザアニールによってアモルファスシリコン(a−S
i)からなる半導体層2をポリシリコン(p−Si)化さ
せる。ポリシリコン化させることにより電界効果電子移
動度μを高め、応答速度の速いスイッチング特性を得る
ことができる。
次いで、第2図(E)に示すように、例えばプラズマ
CVD法により窒化シリコン(SiNx)からなるゲート絶縁
層7を堆積し、パターニングする。
次いで、第2図(F)に示すようにスパッタ法によ
り、例えばAlからなる導体層を堆積し、パターニングし
てソース電極8、ドレイン電極9およびゲート電極10を
形成して完成する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の薄膜トランジスタに
あっては、ソース、ドレインのn+領域4,5を形成する
際、下地であるi−Si半導体層2との加工選択比がとれ
ないために半導体層2の超薄膜化は事実上不可能となっ
ており、従ってイオン注入方法を用いずに半導体層を超
薄膜化したコプラナー型薄膜トランジスタを製造するの
は困難なのが現状である。
すなわち、半導体層2となるポリシリコンは一般にバ
ルクの抵抗が低く、導電率が高いという特性があり、電
流を流したときには問題がないものの、電流を流したく
ないときであってもリーク電流が流れてしまう。このよ
うなリーク電流が増加すると液晶表示装置に用いた場合
はフリッカが多くなり、また消費電力も増大することと
なる。従って、リーク電流を抑える特性を高めるために
半導体層2をできるだけ薄くする必要があるが、従来の
構造のものでは半導体層2とn+領域4,5とは不純物(P
又はAs等)がドープされているかいないかの差のみであ
って材質はほとんど同じである。従って、製造時におい
て、n+領域4,5をパターニング加工するとき(第2図
(C)参照)に半導体層2もある程度削られる(オーバ
エッチ)ことになる。この場合、n+領域4,5が確実にパ
ターニングされないと即リークしてしまうことから半導
体層2の膜厚を予め厚くする必要がある。
以上のようなことからコプラナー型TFTの半導体層2
の超薄膜化の実現は困難であり、イオン注入法を用いず
に半導体層を超薄膜化することが可能な薄膜トランジス
タが要望される。
本発明の目的は、イオン注入法を用いることなく半導
体層を超薄膜化した薄膜トランジスタの製造方法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明による薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁基
板上にアモルファスシリコン半導体層を形成し、該アモ
ルファスシリコン半導体層上にドーピングマスクを形成
し、このドーピングマスクから露出する前記アモルファ
スシリコン半導体層にプラズマドーピングすると共にレ
ーザアニールをしてポリシリコン半導体層中にイオンが
拡散されたソース領域およびドレイン領域を形成し、前
記ドーピングマスクを除去してから前記ゲート絶縁層お
よび前記ソース、ドレイン、ゲート電極を形成すること
を特徴とするものである。
[作用] 上記した手段によれば、ソース領域およびドレイン領
域を形成する際にエッチング工程を用いないので半導体
層がオーバエッチされるようなことがなく、オーバエッ
チを考慮して予め薄厚を厚くしておく必要がない。ま
た、ソース、ドレイン領域の形成をプラズマドーピン
グ、レーザアニールで行なっているので、高価でかつス
ループットが小さいイオン注入法を用いることなく半導
体層を超薄膜化させることができ、トランジスタ特性の
向上を図るという上記目的を達成することができる。
[実施例] 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第1図には本発明に係るコプラナー型薄膜トランジス
タの製造方法の一実施例が示されている。
この実施例では、ガラス基板11上に先ずCVD法等によ
りi−Siからなり膜厚が例えば100Åの超薄膜の半導体
層12を堆積する(第1図(A)参照)。次いで、第1図
(B)に示すように、例えばプラズマCVD法により窒化
シリコン(SiNx)からなる絶縁層を堆積し、パターニン
グしてドーピングマスク13を形成する。
次いで、第1図(C)に示すようにドーピングマスク
13をマスクとして半導体層12をドーパントプラズマ14に
よりプラズマドーピングする。ここで、プラズマドーピ
ングは、例えばH2稀釈のPH3又はB2H6のプラズマ放電中
に晒すことによって行なわれ、これによってマスキング
されたところ以外の半導体層12にリン(P)又はボロン
(B)が打ち込まれる。
次いで、第1図(D)に示すようにXeClエキシマレー
ザ(λ=308mm)をレーザビーム15によるレーザアニー
ルによってマスキングされたところ以外がソース、ドレ
インのn+領域16,17となる。
次いで、第1図(E)に示すようにドーピングマスク
13を除去し、その後、第1図(F)に示すように、例え
ばプラズマCVD法により窒化シリコン(SiNx)からなる
ゲート絶縁層18を堆積し、パターニングする。
次いで、第1図(G)に示すようにスパッタ法によ
り、例えばAlからなる導体層を堆積し、パターニングし
てソース電極19、ドレイン電極20およびゲート電極21形
成して完成する。
上記第1図(B),(E)および(F)の各工程のSi
Nxのパターニングを沸酸系ウェットエッチャントで行な
えば、下地半導体層12との選択比は十分とることができ
る。
以上説明したように、本実施例では半導体層12をドー
ピングマスク13でマスクし、プラズマドーピングにより
不純物を打ち込んで、その後レーザアニールするとマス
キングされたところ以外がn+領域16,17となる。従っ
て、従来のものと比べて半導体層17を約1500Åから100
Å程度に一桁以上薄くすることが可能になり、イオン注
入法を用いることなく半導体層を超薄膜化させたコプラ
ナー型薄膜トランジスタを製造することができる。
なお、上記実施例における半導体層12や絶縁層18、ゲ
ート電極21等の材質は一例であって、各々同一もしくは
類似の性質を有する他の材理を用いることができること
はいうまでもない。
[発明の効果] この発明は、ソース、ドレイン領域をプラズマドーピ
ング後、レーザアニールによって形成しているので、オ
ーバエッチに備えて予め膜厚を厚くしておく必要がなく
なり半導体層を超薄膜化することができ、IOFFの低減、
安定化を図ってコプラナー型薄膜トランジスタの特性を
向上させることができるという効果を有する。また、イ
オン注入法を用いずに実現できることからコストやスル
ープットの向上を図ることができ、大型基板の量産にも
有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(G)は本発明に係るコプラナー型薄膜
トランジスタの製造方法の一実施例を工程順に示す断面
図、 第2図(A)〜(F)は従来のコプラナー型薄膜トラン
ジスタの製造方法の一実施例を工程順に示す断面図であ
る。 11……ガラス基板、12……半導体層、12a……チャネル
部、13……ドーピングマスク、14……ドーパントプラズ
マ、15……レーザビーム、16,17……n+領域、18……ゲ
ート絶縁層、19……ソース電極、20……ドレイン電極、
21……ゲート電極。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/336 H01L 29/786

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に形成されたポリシリコン半導
    体層の一面にゲート絶縁層を介してゲート電極が形成さ
    れると共に該ポリシリコン半導体層のソース領域および
    ドレイン領域にイオンがドープされ、且つ、このソース
    領域及びドレイン領域にソース電極およびドレイン電極
    が接続された薄膜トランジスタの製造方法において、 前記絶縁基板上にアモルファスシリコン半導体層を形成
    し、該アモルファスシリコン半導体層上にドーピングマ
    スクを形成し、このドーピングマスクから露出する前記
    アモルファスシリコン半導体層にプラズマドーピングす
    ると共にレーザアニールをしてポリシリコン半導体層中
    にイオンが拡散されたソース領域およびドレイン領域を
    形成し、前記ドーピングマスクを除去してから前記ゲー
    ト絶縁層および前記ソース、ドレイン、ゲート電極を形
    成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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