JP2854529B2 - 低脂肪ソーセージおよびその製造方法 - Google Patents

低脂肪ソーセージおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低脂肪ソーセージおよ
びその製造法に関する。さらに詳しくは加熱変性したホ
エー蛋白質含有組成物を脂肪の一部と置換した、脂肪の
多いソーセージと同等の食感とジューシー感を有する低
脂肪ソーセージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソーセージは、一般に細切した肉類や挽
き肉、あるいは塩漬した畜肉やその挽き肉を主原料と
し、調味料や香辛料を加えて練り合わせ、ケーシングに
充填した肉加工製品である。さらにこれらは、乾燥、燻
煙および/または加熱される(有馬俊六郎ら,畜産食品
・科学と利用,p264-268 (1978) )。原料肉中の脂肪
は、細切した豚脂などの畜肉脂肪が用いられ、脂肪分と
して通常20%以上添加されている。
【0003】近年の健康指向に伴い、カロリーの過剰摂
取、肥満あるいは成人病予防が叫ばれるようになり、動
物性脂肪を低減化した製品の需要が高まってきている。
しかし、単に脂肪を低減化した場合、風味の低下だけで
はなく、ソーセージ特有のジューシー感に欠け、ぱさつ
きのある組織となることは避けられなかった。これらの
問題を解決するために、これまで様々な検討がなされて
きた。例えば特公昭51−5463では植物油脂に小麦
グルテンを添加したエマルジョンを使用する方法が示さ
れている。また、特公昭57−19936号公報、特開
昭58−116628号公報では、乳またはチーズを添
加して低脂肪ソーセージを製造する方法が示されてい
る。これらの方法では、蛋白質の乳化力が不十分であっ
たりして、脂肪の多いソーセージと同等の組織や風味と
は言いがたいものであった。特公平5─3263公報で
は、畜肉脂肪の一部に可食性油脂を含む乳化組成物を使
用する方法が示されている。しかし、この方法では可食
性油脂をO/W型またはW/O/W型,W/O型または
O/W/O型エマルジョンとして添加しなければなら
ず、そのため可食性界面活性剤を約0.1〜1重量%程
度添加しなければならない。したがって、安定な乳化物
を調製する工程が不可欠となり、得られる低脂肪ソーセ
ージの組織に大きく影響してしまう。
【0004】組織を改良して歯ごたえの良好なソーセー
ジを製造するためには、一般に、大豆蛋白質、卵白およ
びホエー蛋白質が用いられる。しかし、大豆蛋白質の場
合、大豆特有の風味を有しており問題がある。また、卵
白の場合コストの問題から、添加する量が限られ、低脂
肪ソーセージに利用した場合でも組織を改善する効果は
期待できない。特開昭56−102767号公報では畜
肉製品にホエー蛋白質を利用しているが、これは単に赤
身肉に蛋白質を強化する目的でしかない。特開昭57−
29252公報では、歯ごたえ性改良のためにホエー蛋
白質のゲル化能を利用しているが、ホエー蛋白質の加熱
誘導ゲルの場合、一般に硬くて脆い組織を形成し、しか
も保水性の点でも良好な組織とは言い難い。一方、ホエ
ー蛋白質のゲル化物の物性を改良する方法として例え
ば、ホエー蛋白質を凝固しない状態に調製してから加熱
処理し、一定の変性状態を作り、塩の添加や凍結処理に
よってゲル化を引き起こさせる方法(特開平5−645
50号、特開平3−280834号、特開平3−277
249号各公報)がある。しかし、これらの先行技術で
は、ソーセージを調製するための具体的な技術は開示さ
れていない。特に低脂肪のソーセージに要求されるジュ
ーシー感を与えるためにどのような操作を行えばよいの
か、その技術はなんら開示されていない。ソーセージの
ように肉と脂肪がエマルジョン状態となったものの場合
には、このような先行技術の方法だけでは、ジューシー
感を付与できないことを本発明者らは確認をしている。
また、特開平4−211343公報では、変性ホエー蛋
白質を未糊化澱粉を含むマリネードに添加し、それを原
料肉に混合して肉のテクスチャーを改良する方法があ
る。ここでは澱粉のゲル化を利用して肉のテクスチャー
の改良を行っているのであって、ホエー蛋白質はゲル化
しないと述べられている。この方法で調製した肉は、確
かにテクスチャーが改良され、高い収率を得ることが出
来るが、糖を添加しているため、加熱処理によって褐変
が生じてしまうこと、加熱処理によって澱粉は糊化し、
保存中に老化してしまうこと等の欠点がある。
【0005】
【解決しようとする課題】本発明者らは、このような従
来技術の問題を踏まえながら低脂肪ソーセージの製造方
法について鋭意研究を重ねた結果、加熱変性したホエー
蛋白質溶液を脂肪の一部と置換した低脂肪ソーセージ
は、通常の脂肪20%以上のソーセージと同等の食感と
ジューシー感を有していることを見いだし本発明を完成
するに至った。従って、本発明は、ホエー蛋白質の加熱
変性物を用い、通常の脂肪20%以上のソーセージと同
等の食感とジューシー感を有している新しい低脂肪ソー
セージおよび、その製造方法を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に用いる主原料で
ある脂肪の少ない畜肉としては、豚肉、牛肉、鳥肉、羊
肉などの食用に供しうる畜肉を使用することができる。
さらにこれらの肉を混合した肉も利用可能である。これ
らの原料肉を細切りもしくは、挽き肉として、これに加
熱変性したホエー蛋白質含有溶液またはその乾燥粉末を
混合した後、ケーシングし、ホエー蛋白質をゲル化させ
脂肪様の食感を付与させる。本発明の加熱変性したホエ
ー蛋白質含有溶液には、あらかじめ油脂、食塩、発色
剤、香辛料、調味料を混合して調製することもできる。
加熱変性したホエー蛋白質含有溶液中に含有されるホエ
ー蛋白質は製造工程中で高分子量の凝集体として存在
し、組成物中に含有される塩分および肉中に含有される
塩分によって脂肪や香辛料、調味料を含有したゲルとな
る。このゲルがソーセージの食感を、脂肪を含有するソ
ーセージと同様にし、さらに口中で脂肪や調味液を放出
してジューシー感を付与するものである。またこのゲル
化したホエー蛋白質凝集物は、保存あるいは加熱調理中
でも分離することなく安定して存在していることが確認
されている。
【0007】本発明に用いるホエー蛋白質は、牛乳より
カゼインや、チーズの製造時に得られるホエーを用いる
ことができる。ホエー蛋白質は、ホエーを膜濃縮装置お
よびクロマトグラフィー装置によってさらに蛋白質含量
を高めることが望ましい。脂肪、乳糖、塩類などの低分
子成分含量を低減あるいは除去するために電気透析法(S
tribley, R.C, Food Processing, 24(1), 49,1963)、逆
浸透処理法(Marshall,P.G., Food Technology, 22(a),
696, 1968)、ゲル濾過法(米国特許No.27806) または
限外濾過法(Horton, R.S. et al.,Food Technology, 2
6, 30, 1972) 、イオン交換樹脂に吸着させる方法(Skud
der, P.J., Chem. Ind., June, 810, 1983; deWit, J.
N., Proc. Int. Congr. Milk Proteins, p183, 1984)等
の処理を行う必要がある。その後必要があれば、ホエー
蛋白質を濃縮し、凍結乾燥あるいは噴霧乾燥したものを
用いることができる。また、通常入手できるホエー蛋白
質素材、すなわちホエー蛋白質濃縮物(WPC)やホエ
ー蛋白質分離物(WPI)を使用することも可能であ
る。
【0008】次に本発明で用いられる加熱変性したホエ
ー蛋白質含有溶液の調製法について述べる。上記の方法
によって得られたホエー蛋白質含有溶液、あるいはその
粉末を水に溶解し、ゲル化しない濃度に調整して加熱す
る。通常蛋白質濃度を20%以下とし、好ましくは15
%以下、特に好ましくは10%以下の濃度に調整する。
濃度が高いと加熱により脆いゲルを形成し、本発明には
使用できない。
【0009】加熱条件は、ホエー蛋白質水溶液中のpH
を6.0〜9.0に調整し、55℃から120℃までの
温度で、1分〜60分加熱処理を行う。その後, ゲル化
しない程度にまで温度を低下させ低脂肪ソーセージに添
加する。蛋白質濃度が1重量%より低いと十分なゲル化
能を発揮することが出来ないためソーセージ内に保持さ
れない。一方、20%重量以上では加熱処理中に部分的
にゲルを形成してしまい、その後の取扱いに支障を来す
ため好ましくない。この加熱変性方法については特開平
5─64550号公報に開示されている方法を用いて、
調製することができる。加熱変性度は、疎水性度を測定
することで確認することができる。通常は下記に定義さ
れる疎水性度(FI/mg protein)で50以
上であり、特に好ましくは100以上である。
【0010】疎水性度:被検ホエー蛋白質水溶液を適正
濃度(0.1〜0.3g protein/l程度)に
希釈し、8mMの1─アニリノナフタレン─8─スルフ
ォン酸を蛍光プローブとして添加し、蛍光光度計にて励
起波長370nm、発光波長470nmにて測定し(蛍
光量FI)し、得られた値をホエー蛋白質(mg)あた
りで示したもの。
【0011】この加熱変性度は、上記特開平5─645
50号公報に開示されている。加熱時のpHが6.0以
下では加熱処理により不溶性のホエー蛋白質の沈澱物あ
るいは凝集物を生じ、pHが8.0以上の場合沈殿物を
生じたり、リジノアラニン等の有害な化合物を生じやす
く好ましくない。加熱条件は蛋白質濃度に応じて異な
り、通常55℃から120℃までの温度で1分から60
分までの加熱処理を行う。通常蛋白質濃度が高い場合に
は、低い温度で長時間行うことが好ましい。55℃より
低い温度では、ホエー蛋白質の変性が不十分であり、1
20℃より高い温度では焦げを生じたり、部分的にゲル
を形成してしまうため、どちらの条件でも目的とする加
熱変性したホエー蛋白質水溶液を調製するためには好ま
しくない。また、加熱変性したホエー蛋白質水溶液を噴
霧乾燥あるいは凍結乾燥して粉末とすることもでき、こ
れを本発明に使用することも可能である。このときは、
原料肉に粉末の形で添加することができ、製品の水分値
を調整する上で有利である。
【0012】次にこの加熱変性したホエー蛋白質含有溶
液を用いた低脂肪ソーセージの製造法について述べる。
本発明の低脂肪ソーセージは、公知のソーセージ製造工
程において豚脂、牛脂などの畜脂肪の代わりに加熱変性
したホエー蛋白質を使用することにより製造する。例え
ば、常法に従い、細切した豚などの赤身肉に1.5 〜2%
の食塩および発色剤を加えて塩漬けする。次いで、その
挽き肉を調製し、上記加熱変性したホエー蛋白質を、赤
身肉に対して0.1重量%から5重量%、好ましくは
0.5重量%〜3重量%の範囲で添加する。その後高速
カッティングを行いながら、氷水、結着補強剤、香辛
料、調味料などを加え、次いで澱粉等の賦形剤を加えて
練り上げ、スタッファーでケーシングに詰めて生ソーセ
ージを得、これを結さく成形し、乾燥,くん煙および/
または加熱することによりソーセージを製造する。なお
使用する加熱変性したホエー蛋白質含有溶液の濃度に応
じて、添加する水分量を調整する。
【0013】上記の製造工程において、加熱変性したホ
エー蛋白質含有溶液の使用量が上記の使用割合より少な
い場合には、パサパサした味気ない製品となり、官能的
にも好ましくないものとなる。また使用割合が多すぎる
場合には、ソーセージ中に形成されるホエー蛋白質の微
小なゲルに、水分を多く取り込むようになるため歩留り
は向上するが、肉粒感に欠けてしまうため避けるべきで
ある。これは上述したように、加熱変性したホエー蛋白
質含有溶液が、塩分によってゲルを形成する際に、水分
を吸収するためと思われる。また、このホエー蛋白質ソ
ーセージ中で形成した微小のゲルは、水や油を保持し、
保存あるいは加熱調理中でも分離することなく安定して
存在していることは上述した通りである。以下に実施例
を示し、さらに本発明を詳細に説明するが、本実施例
は、本発明を限定するものではない。
【0014】
【実施例1】本実施例では加熱変性したホエー蛋白質含
有溶液の調製例を示す。ホエー蛋白質分離物(WPI、
太陽化学(株)製、サンラクトI−1、蛋白質含量8
9.8%、灰分1.34%)200gを脱イオン水18
00gに溶解し、10%WPI溶液(蛋白質濃度9%、
灰分0.13%、pH7)を調製した。このWPI溶液
を湯浴中で攪拌しながら加熱し、液温が80℃になって
から25分間保持した。その後、氷水中で5℃まで冷却
し、加熱変性したホエー蛋白質含有溶液を得た。この加
熱変性したホエー蛋白質の疎水度FIは95FI/mg
proteinであった。
【0015】
【実施例2】本実施例では実施例1で調製し加熱変性し
たホエー蛋白質含有溶液をもちいて、低脂肪ソーセージ
を調製した例を示す。24kgの豚赤身肉を挽肉機で挽
き肉とし、6kgごとにサイレントカッターに入れた。
次に実施例1で調製した加熱変性したホエー蛋白質含有
溶液を6kgの挽き肉に対して33g(豚赤身肉に対し
てホエー蛋白質固形で0.05重量%)、133g(豚
赤身肉に対してホエー蛋白質固形で0.20重量%)、
1.33kg(豚赤身肉に対してホエー蛋白質固形で2
重量%)、3.67kg(豚赤身肉に対してホエー蛋白
質固形で5.5重量%)を添加し高速カッティングを行
いながら氷水1.2kg、食塩150g、燐酸塩30
g、亜硝酸塩1.6g、グルタミン酸塩10g、砂糖1
1g、香辛料6g、馬鈴薯澱粉320gを加えて混合
し、ペースト状物を得た。このペースト状物をケーシン
グに充填し、中心到達温度が70℃となるまで蒸煮した
後、冷却し低脂肪のソーセージを得た。
【0016】実施例2と同様に、10%濃度のWPCの
水溶液を調製し、これを加熱変性させずに同様にソーセ
ージを調製し、比較例とした。これらの製品の歩留り算
出および官能評価を行い、結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】その結果、歩留りは、加熱変性したホエー
蛋白質含有組成物の添加量が増加すると上昇した。これ
は、未加熱の10%WPI溶液を使用した場合よりもい
ずれの添加量でも高い値を示した。また官能評価では、
豚赤身肉の重量に対してホエー蛋白質を0.05重量%
添加したものは、肉のジューシー感に欠け、ぱさぱさし
た組織であり、切り口から水分の流出が認められた。一
方、ソーセージのでき上がり重量に対し加熱変性ホエー
蛋白質を0.20重量%および2重量%添加した低脂肪
ソーセージでは、歯ごたえがあり、のどごしの良好な組
織となった。しかも肉のジューシー感が認められた。ま
た、豚赤身肉重量に対してホエー蛋白質を5.5重量%
添加したものは、水を多く含むため、味の面で肉の風味
が希釈され、肉粒感も認められなくなった。
【0019】
【実施例3】本実施例においては灰分含有量の高いWP
Cを用いて、加熱変性したホエー蛋白質含有溶液を調製
し、これを粉末化した例を示す。ホエー蛋白質濃縮物W
PC TYPE7502(EXPRESS FOOD
製,75%蛋白質, 灰分5%)120gを脱イオン水1
880gに溶解し、6%WPC溶液(蛋白質濃度4.5
%、灰分0.3%、pH6.8)を調製した。このWP
C溶液を湯浴中で攪拌しながら加熱し、液温が100℃
になってから5分間保持した。その後、30℃まで冷却
し、限外濾過装置(分子量分画10000)で9%固形
濃度まで濃縮した。その後、50℃に加温し、圧力噴霧
乾燥装置により噴霧乾燥し、加熱変性したホエー蛋白質
の粉末を得た。この蛋白質粉末の疎水度FIは110F
I/mg proteinであった。
【0020】
【実施例4】一方、24kgの豚赤身肉を挽肉機で挽き
肉とし、6kgごとにサイレントカッターに入れ、実施
例3で調製した粉末を6kgの挽き肉に対して4g(豚
赤身肉重量に対してホエー蛋白質を0.05重量%配
合)、16g(豚赤身肉重量に対してホエー蛋白質を
0.20重量%配合)、160g(豚赤身肉重量に対し
てホエー蛋白質を2重量%配合)、440g(豚赤身肉
重量に対してホエー蛋白質を5.5重量%配合)を添加
し、高速カッティングを行いながら氷水1.2kg、食
塩150g、燐酸塩30g、亜硝酸塩1.6g、グルタ
ミン酸塩10g、砂糖11g、香辛料6g、馬鈴薯澱粉
320gを加えて混合し、ペースト状物を得た。このペ
ースト状物をケーシングに充填し、中心到達温度が70
℃となるまで蒸煮した後、冷却し低脂肪のソーセージを
得た。比較例として上記実施例3で使用した未加熱のW
PC粉を使用してソ─セ─ジを試作した。歩留りおよび
官能評価を行い、各製品の評価を行い、その結果を表2
に示した。
【0021】
【表2】
【0022】歩留りは、加熱変性したホエー蛋白質の添
加量が増加すると上昇した。これは,未加熱のWPC粉
を使用した場合より、いずれの添加量においても高い値
を示した。また、官能評価を行ったところ、豚赤身肉重
量に対してホエー蛋白質を0.05重量%添加したもの
は、肉のジューシー感に欠け、ぱさぱさした組織であっ
た。しかし、実施例2で認められた切り口からの水分の
流出は少なかった。粉末として加熱変性したホエー蛋白
質を添加したため、水分を微小ゲル中に取り込んだため
と推定された。一方、ソーセージでき上がり重量に対
し、加熱変性したホエー蛋白質を0.20重量%および
2重量%添加した低脂肪ソーセージについては、歯ごた
えがあり、のどごしの良好な組織となった。しかも肉の
ジューシー感が認められた。また、豚赤身肉重量に対し
て、加熱変性したホエー蛋白質を5.5重量%添加した
ものは、ホエー蛋白質が肉から水分を奪ってゲル化する
ためにぱさぱさした組織となった。
【0023】
【参考例】実施例2で得られる低脂肪ソーセージと、特
開昭63−192362号公報に開示されたホエー蛋白
質を加熱して変性ゲル化させたものをソーセージの製造
に使用したものと比較検討を行った。特開昭63−19
2362号公報に開示されたホエー蛋白質を加熱して変
性ゲル化する方法は、同公報に記載された内容にしたが
い、10%濃度のWPI水溶液を調製し、この1.33
kg(豚赤身肉に対して2重量%相当量)に食塩1.6
gを添加し、これを80℃で40分間加熱して変性ゲル
を得た。これを6kgの挽き肉とともに高速カッティン
グを行いながら、氷水1.2kg、食塩134g、燐酸
塩30g、亜硝酸塩1.6g、グルタミン酸塩10g、
砂糖11g、香辛料6g、馬鈴薯澱粉320gを加えて
混合し、ペースト状物を得た。実施例2と同様にして、
このペースト状物をケーシングに充填し、中心到達温度
が70℃となるまで蒸煮した後、冷却し低脂肪のソーセ
ージを得た。このソーセージについて実施例2と同様に
歩留りおよび官能評価を行った。この方法による歩留り
は85.6%であった。官能評価においても、肉眼で細
かいゲルが観察される、柔らかい、弾力性に欠けるなど
の欠点の指摘があり、実施例2で生産されたものの評価
が高かった。本発明方法で生産される低脂肪ソーセージ
が優れたものであることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明の実施により、新規な低脂肪ソー
セージが提供される。このソーセージは、豚脂、牛脂な
どの畜脂肪の代わりに加熱変性したホエー蛋白質を使用
することにより、従来の脂肪の多いソーセージと同等の
食感とジューシー感を有している。このため風味の良好
な脂肪を低減化したソーセージを提供することが可能で
あり、肥満、成人病の防止およびこれらの患者の治療食
として広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 英之 埼玉県幸手市吉野1─18─9 (72)発明者 佐藤 薫 埼玉県上福岡市新田1─1─7 セント ラルプレイン309 (72)発明者 川成 真美 埼玉県川越市吉田新町2─12─16 (56)参考文献 特開 平6−113748(JP,A) 特開 昭63−192362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/31 - 1/322

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪の少ない細切り肉または挽肉と、加
    熱変性したホエー蛋白質と、塩分とを含む混合物を調製
    した後、該混合物をケーシングし、該混合物中のホエー
    蛋白質をゲル化させ脂肪様の食感を付与させることを特
    徴とする低脂肪ソーセージの製造方法。
  2. 【請求項2】加熱変性したホエー蛋白質を含有する溶液
    を調製し、この溶液に油脂、食塩、発色料、香辛料、調
    味料を含有させたものを使用する請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】加熱変性したホエー蛋白質は、ホエー蛋白
    質濃度を1重量%〜20重量%の濃度に水に溶解させ、
    このpHを6〜9に調整し、55℃〜120℃の温度で
    1〜60分間加熱処理を行ったもの、またはこの乾燥粉
    末である、請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】加熱変性したホエー蛋白質が、脂肪の少な
    い原料肉に対して、ホエー蛋白質量として0.1重量%
    から5重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】加熱変性したホエー蛋白質の疎水性度(F
    I/mg protein)が、50以上を示すもので
    ある請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法により調製された、高
    脂肪ソーセージ様の食感を有する低脂肪ソーセージ。
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