JP2854224B2 - 電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電子放出素子の製造方法

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出素子およびその
製造方法に関し、特に電子の放出を利用する分野、例え
ば露光装置、テレビジョン等の表示装置、記録装置等の
電子放出装置に用いられる電子放出素子およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には電界放出型(FE)、金属/絶縁層/金属型(以
下、MIMと略す)や表面伝導型電子放出素子(SC
E)等がある。
【0003】電界放出型の例としては、W.P.Dyk
e&W.W.Dolan,“Field emissi
on”,Advance in Electron P
hysics、8、89(1956)およびC.A.S
pindt、“Physical propertie
s of thin film−field emis
sion cathodes with molybd
enum cones”、J.Appl.Phys.、
47、5248(1976)等が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d、“The tunnel−emission am
plifier、J.Appl.Phys.、32、6
46(1961)等が知られている。
【0005】SCE型の例としては、M.I.Elin
son、Radio Eng. Electron P
ys.、10(1965)等がある。SCEは基板上に
形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。
【0006】この表面伝導型電子放出素子(SCE)と
しては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いた
もの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“T
hin Solid Films”、9、317(19
72)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M.
Hartwell and C.G.Fonstad:
“IEEE Trans.ED Conf.”、519
(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等
が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図6(A),(B)に示す。同図において1は絶縁性基
板、2は電極である。3は電子放出部形成用薄膜で、ス
パッタで形成されたH型形状の金属酸化物薄膜等からな
り、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部6が形成される。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成薄膜3を
予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出
部6を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミン
グとは、図6(A)の前記電子放出部形成用薄膜3の両
端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所的
に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状
態にした電子放出部6(図6(B))を形成することで
ある。このとき、電子放出部6は微粒子が分散された薄
膜になることが知られ、以下この部分を電子放出部形成
用薄膜と呼ぶ。なお、電子放出部6は電子放出部形成用
薄膜3の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出
が行われる場合もある。
【0009】前記フォーミング処理をした表面伝導型電
子放出素子(図6(B))は上述の電子放出部を含む薄
膜3に電圧を印加し、素子表面に電流を流すことによ
り、上述の電子放出部6より電子を放出せしめるもので
ある。
【0010】一方、走査トンネル顕微鏡(以下、STM
と称す)は探針と物体表面の量子力学的、トンネル電流
を計測しながら探針を走査制御する事によって、物体表
面の凹凸あるいは電子状態を観察できる装置で、表面物
性分野の実験装置として開発され、現在多くの実験デー
タを提供している。しかしながら、近年STMの探針を
利用した微細加工が注目を浴びている。これには多くの
方法が存在し、多くの総合報告が行われている。例え
ば、細木茂行、長谷川剛、「応用物理学会誌」第62
巻,第2号,(1993年)155頁〜159頁にあ
る。
【0011】それらの原理としては、1)探針で直接物
質表面を削る電界蒸発による方法、2)探針と原子との
電磁相互作用によって、着目した原子を探針の先に電気
的に吸着、脱離させる事によって、所望の表面物体上位
置に着目した原子を移動する方法、3)探針によって、
電子をまたは電界によって露光させる方法、4)探針の
針先の原子を離脱させる事によって原子群を物質表面に
配置させる方法等が挙げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の(表面伝導形)電子放出素子には、次のよう
な問題点があった。 1)微粒子の配置に関する設計が不可能なため素子の改
良が難しく、素子間のバラツキも生じやすい。 2)フォーミング工程の際に大電流が流れる為、絶縁性
基板が破壊しやすくマルチ化が難しい。 3)微粒子の材料が金、銀、SnO2 、ITO等に限定
され、また仕事関数の小さい材料が使えないため、放出
電流を大きくすることができない。
【0013】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、電子放出部となる微粒
子配置の設計が可能で素子の改良が容易になり、素子間
のバラツキが少なく、微粒子の材料も自由に選択して使
用が原理的に可能となり、放出電子の電流の大電流化が
可能な電子放出素子およびその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を鑑みて検討した結果、本発明において、走査トンネル
顕微鏡の探針を使用して、人工的に形成された微粒子分
散型薄膜を電子放出部として持つことを特徴とする電子
放出素子及びその製造方法を提案する。
【0015】即ち、本発明は、絶縁体上に形成された導
電性薄膜を、走査型トンネル顕微鏡の探針を用いて切削
することにより、該導電性薄膜に電子放出部を形成する
工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法
である。
【0016】また、本発明は、絶縁体上に間隔を介して
形成された一対の電極間の複数箇所に、走査型トンネル
顕微鏡の探針から離脱させた原子を配置することによ
り、該電極間に電子放出部を形成する工程を有すること
を特徴とする電子放出素子の製造方法である。
【0017】さらに、本発明は絶縁体上に間隔を介して
形成された一対の電極間の複数箇所に、走査型トンネル
顕微鏡の探針を用いて該電極を構成する原子群より原子
を移動させて配置し、該原子を核として結晶成長させ複
数の導電性微粒子を形成することにより、該電極間に電
子放出部を形成する工程を有することを特徴とする電子
放出素子の製造方法である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】このような製造方法によって、微粒子配置
を制御された微粒子分散型薄膜によって形成された電子
放出素子において、実効的に形成された微粒子分散型薄
膜の微粒子を2次元直交系に従って配置の周期、および
その位相を一定になるように制御された事を特徴とする
電子放出素子が形成される。また、前記微粒子の実効的
半径が1nm〜数十nmであるのが好ましい。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0023】実施例1 本実施例ではSTMの探針によって物理的に切削するこ
とによって、絶縁体上に形成された導電性のある薄膜を
走査トンネル顕微鏡の探針によって切削し、実効的に微
粒子分散型薄膜を形成することによって電子放出部を形
成する電子放出素子の製造方法及び素子について述べ
る。
【0024】図1(A)及び(B)は本発明の電子放出
素子の平面概略図であり、図2は本実施例の製造方法を
示す説明図で、素子の断面にあたるものである。。図
1,2において、1は絶縁性基板であり、SiO2 また
は青板ガラス等の絶縁体によって形成されている。3は
導電性を持った薄膜で、金属あるいは半導体、あるいは
金属酸化物等の物質からなり、本実施例では真空蒸着等
によって形成される。しかしながら、薄膜の形成方法、
材質の違いは、本発明のSTMを使用した製造による電
子放出素子の基本的概念から鑑みれば、本質的でないこ
とは明かである。つまり、導電性を持った薄膜の材料は
電子放出素子として成り得るものであれば種類は問わな
い。
【0025】図1及び2において、2は電極であり、素
子形成後においては電子の放出電流を生むため、左右に
制御された電圧が印加される事となる。しかしながら、
電極の工程内での形成時期、形成方法は、本発明のST
Mを使用した製造による電子放出装置の基本的概念から
鑑みれば、本質的でないことは明かである。本実施例に
おいては、薄膜の形成前にレジストにパターニング露光
をした後に真空蒸着及びリフトオフ法によって図1及び
2のように形成してある。
【0026】図2(B),(C),(D)は、基板、導
電体薄膜の素子中央部分の断面図である。4はSTMの
探針である。図2(B)のように、探針4によって薄膜
3を切削し、残った薄膜部分が実効的に微粒子分散型薄
膜になるように形成する。その際、STMの探針の位置
制御によって、上記の図1(A)あるいは図1(B)と
なるように、形成された微粒子は、制御された位置にあ
るように、また電気的に不連続になるように(図2
(D))のような断面を持ち得るように形成される。こ
のようにして得られた微粒子分散型薄膜は、従来例であ
げた微粒子分散型薄膜と同様に電子放出を行うことは容
易に判明する。
【0027】ここで、図1(A)と(B)の差異につい
て述べる。微粒子分散型薄膜の形成において、STMの
位置制御の精度に依存して、実際の工程では、設計上要
求されるように同一間隔で微粒子を配置できないことが
起こる。例えば、電界放出においては、微粒子間の距離
依存性が強く、制御して配置したつもりが、却って不均
一性を増す事を起こす事がある。本発明の電子放出素子
においても、その微粒子間隔依存性は強い事が知られて
いる。そのため、STMの精度によっては、図1(A)
のような設計をせず、図1(B)のように、設計上各粒
子間の位相をずらすように設計してもよい。この事によ
って、最隣接点は2倍となり、STMの位置精度の不良
による設計位置とのズレは、最隣接点の増加による平均
効果によって緩和され、位置電子放出の不均一性は改善
されることとなり、設計上期待される電子放出均一性を
得られる事となる。
【0028】ここで、本実施例では、位相を180度、
あるいは0度のもののみを例に挙げたが、各列間あるい
は各行間の位相あるいは、周期の変化の具合を設計時に
変化、変調させる事は容易であり、本発明の方法を使用
すれば可能である。
【0029】また更に、図1(A),(B)において、
微粒子の縦方向の数、横方向の数は、厳密な意味は持た
ず、複数個(1個を含む)であれば問題ない。特に、紙
面横方向、即ち電極間の断面上に存在する微粒子の数
は、素子の特性に依存して、特に制御されるものであ
り、最小1個から、1000個またはそれ以上まで、多
くの素子形状がある。本発明の素子はそれらの素子をも
含むものである。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】実施例2 本実施例では、絶縁体上に、走査トンネル顕微鏡の探針
によって結晶核成長を促す核を格子上に配置し、核成長
を行うことにより導電性を持った微粒子を形成すること
により、実効的に微粒子分散型薄膜を形成し電子放出部
を形成するという製造方法及び素子について述べる。
【0038】図4は電子放出素子の断面図であり、図1
同様に、電極2が両側に形成されている。1は基板であ
る。STMは図3に示すように電気的相互作用によって
探針の針先に原子7を付着させる事によって図3(A)
の位置から図3(B)の位置まで移動が可能である。図
のようにSTMを使用して、原子を数個づつ、移動さ
せ、最終的に欲する任意の微粒子配列が形成されるよう
な結晶核成長を促す核を並べている。
【0039】本実施例では、結晶核の原料として素子近
傍に原子群を何等かの方法で形成し、その原子群より、
原子を移動させ、結晶核成長を促す核を並べる。本実施
例では、電極の金属膜2の一部を原子群として使用する
が、他の方法を使用しても問題ない。
【0040】このようにして配列した核が図4(A)
おける13である。このように格子状に配列された原子
集合を核13として核形成核として使用して結晶成長さ
せ、図4(B)のような微粒子分散型薄膜14を形成さ
せる。結晶成長の方法についても多くの方法が知られて
おり、本発明はそれらの公知の方法を用いることができ
る。その結果他の実施例同様、任意の格子配置の微粒子
分散型薄膜素子が形成され、従来例と同様に電子が放出
できる。
【0041】また、微粒子の配置については、実施例1
で述べたように、STMの位置制御の精度に依存して、
実際の工程では、設計上要求されるように同一間隔で微
粒子を配置できないことが起こる。例えば、電界放出に
おいては、微粒子間の距離依存性が強く、制御して配置
したつもりが、却って不均一性を増す事を起こす事があ
る。本発明の電子放出素子においても、その微粒子間隔
依存性は強い事が知られている。そのため、STMの精
度によっては、図1(A)のような設計をせず、図1
(B)のように、設計上各粒子間の位相をズラスように
設計してもよい。この事によって、最隣接点は2倍とな
り、STMの位置精度の不良による設計位置とのズレ
は、最隣接点の増加による平均効果によって緩和され、
位置電子放出の不均一性は改善されることとなり、設計
上期待される電子放出均一性を得られる事となる。
【0042】ここで、本実施例では、位相を180度、
あるいは0度のもののみを例に挙げたが、各列間あるい
は各行間の位相あるいは、周期の変化の具合を設計時に
変化、変調させる事は容易であり、本発明の方法を使用
すれば可能である。
【0043】また更に、図1(A),(B)において、
微粒子の縦方向の数、横方向の数は、厳密な意味は持た
ず、複数個(1個を含む)であれば問題ない。特に、紙
面横方向、即ち電極間の断面上に存在する微粒子の数
は、素子の特性に依存して、特に制御されるものであ
り、最小1個から、1000個またはそれ以上まで、多
くの素子形状がある。本発明の素子はそれらの素子をも
含むものである。
【0044】実施例3 本実施例では、絶縁体上に、走査トンネル顕微鏡の探針
の針先を離脱させる事により微粒子を格子状に配置、形
成することにより、実効的に微粒子分散型薄膜を形成
し、電子放出部を形成した事を特徴とする電子放出素子
及びその製造方法についてのべる。探針の材質として
は、白金、タングステン、カーボングラファイト等が挙
げられる。
【0045】図5は電子放出素子の中央部分の断面図で
あり、実際は図4と同様に、電極が両側に形成されてい
る。1は基板である。
【0046】STMの探針4は非常に細く、離散的な原
子集合10として見なすことができる。そのため、特定
のパルス電圧を印加することによって、針先の原子は不
安定状態となり、基板1近傍では原子は、電磁的な相互
作用によって固まり(図5(B))、図5(C)の原子
群12のように基板上に微粒子を実効的に形成する。
【0047】このようにして、基板上の任意の場所に任
意の配列で微粒子を格子状に形成する事ができ、図1
(A)または(B)のような微粒子分散型薄膜を形成す
る。その結果、他の実施例と同様に任意の格子配置の微
粒子分散型薄膜素子が形成され、従来例と同様に電子を
放出できる。
【0048】また、微粒子の配置については、実施例1
で述べたように、STMの位置制御の精度に依存して、
実際の工程では、設計上要求されるように同一間隔で微
粒子を配置できないことが起こる。例えば、電界放出に
おいては、微粒子間の距離依存性が強く、制御して配置
したつもりが、却って不均一性を増す事を起こす事があ
る。本発明の電子放出素子においても、その微粒子間隔
依存性は強い事が知られている。そのため、STMの精
度によっては、図1(A)のような設計をせず、図1
(B)のように、設計上各粒子間の位相をズラスように
設計してもよい。この事によって、最隣接点は2倍とな
り、STMの位置精度の不良による設計位置とのズレ
は、最隣接点の増加による平均効果によって緩和され、
位置電子放出の不均一性は改善されることとなり、設計
上期待される電子放出均一性を得られる事となる。
【0049】ここで、本実施例では、位相を180度、
あるいは0度のもののみを例に挙げたが、各列間あるい
は各行間の位相あるいは、周期の変化の具合を設計時に
変化、変調させる事は容易であり、本発明の方法を使用
すれば可能である。
【0050】また更に、図1(A),(B)において、
微粒子の縦方向の数、横方向の数は、厳密な意味は持た
ず、複数個(1個を含む)であれば問題ない。特に、紙
面横方向、即ち電極間の断面上に存在する微粒子の数
は、素子の特性に依存して、特に制御されるものであ
り、最小1個から、1000個またはそれ以上まで、多
くの素子形状がある。本発明の素子はそれらの素子をも
含むものである。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】以上、実施例について述べたが、本発明に
おいて使用する薄膜、基板等の材料は制限することなく
広範囲のものを使用することができる。また、微粒子分
散型薄膜の微粒子半径については、数Åから数十nmの
範囲で、電子放出素子が電子を放出するような状態であ
ればどのようなものでも良い。
【0058】また、微粒子間の距離についても、通常数
Åから数十nmであるが、同様に、電子放出を可能とさ
せるような状態であれば、どのような間隔でもかまわな
い。微粒子効果と同様な効果を得る範囲であるならば極
端な場合として、弱く結合、つまり接触していてもよ
い。ただし、好ましくは微粒子の半径及び間隔は共に1
から10nmがよい。
【0059】微粒子分散型薄膜の材料についても、同様
に電子放出を行い得るような導電性を持ったものであれ
ば何であってもよい。本実施例で、特にその材料の具体
例を挙げるならばPd,Ru,Ag,Au,Ti,I
n,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等
の金属、PdO,SnO2 ,In23 ,PbO,Sb
23 等の酸化物、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,C
eB6 ,YB4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,Zr
C,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、Ti
N,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導
体、カーボン、AgMg,NiCu,Pb,Sn等であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電子放出素
子によれば、 1)電子放出部となる微粒子配置の設計が可能となり、
素子の改良が容易になり、素子間のバラツキが激減す
る。 2)微粒子の材料が自由に選べ、金、銀、SnO2 、I
TO等に限定されず仕事関数の小さい材料の使用も原理
的に可能となり、放出電子の電流の大電流化が可能とな
る。 などの効果が得られる。また、本発明の電子放出素子の
製造方法によれば、上記の特性を有する素子を容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の要部概略図である。
【図2】本発明の電子放出素子の製造方法の一例を示す
要部概略図である。
【図3】実施例2の電子放出素子の製造方法の説明図で
ある。
【図4】本発明の電子放出素子の製造方法の他の例を示
す要部概略図である。
【図5】本発明の電子放出素子の製造方法の他の例を示
す要部概略図である。
【図6】従来の電子放出素子を示す要部概略図である。
【符号の説明】
1 絶縁体基板 2 電極 3 導電性薄膜 4 STMの探針 5 本発明によって製造された微粒子分散型薄膜の不連
続部 6 従来の例で示された微粒子分散型薄膜の電子放出部 7 原子 10 STM探針の針先の原子集合 11,12 原子群 13 核成長を促すための核 14 核成長によって形成された微粒子分散型薄膜の不
連続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野間 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 奥田 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉岡 秀行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 長田 芳幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−149335(JP,A) 特開 平5−101769(JP,A) 細木茂行・長谷川剛、”走査型トンネ ル顕微鏡を用いた表面装飾−二硫化モリ ブデンなどの原子操作−”、応用物理、 1993年2月、第62巻、第2号、p.155 〜159 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/02,1/30,37/30 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体上に形成された導電性薄膜を、走
    査型トンネル顕微鏡の探針を用いて切削することによ
    り、該導電性薄膜に電子放出部を形成する工程を有する
    ことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁体上に間隔を介して形成された一対
    の電極間の複数箇所に、走査型トンネル顕微鏡の探針か
    ら離脱させた原子を配置することにより、該電極間に電
    子放出部を形成する工程を有することを特徴とする電子
    放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁体上に間隔を介して形成された一対
    の電極間の複数箇所に、走査型トンネル顕微鏡の探針を
    用いて該電極を構成する原子群より原子を移動させて配
    置し、該原子を核として結晶成長させ複数の導電性微粒
    子を形成することにより、該電極間に電子放出部を形成
    する工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造
    方法。
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細木茂行・長谷川剛、"走査型トンネル顕微鏡を用いた表面装飾−二硫化モリブデンなどの原子操作−"、応用物理、1993年2月、第62巻、第2号、p.155〜159

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