JP2852393B2 - フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法 - Google Patents
フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法Info
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Description
法に関するものであり,特に、フェニル環がアミノ基に
よって置換された2−フェニルプロピオン酸の製造方法
に関するものである。
ル)プロピオン酸とその類似化合物のような2−(4−
アルキルアミノフェニル)プロピオン酸の新規な製造方
法に関するものである。
3,957,850号に記載されている。この特許に記載のよう
に、これらフェニルプロピオン酸誘導体のアミノ基のア
ルキル化は極めて困難である。
酸を選択的にモノアルキル化したものは抗炎症作用が極
めて大きくなり、また、対応する(モノアルキル化アミ
ノフェニル)プロピオン酸は毒性が顕著に低下するた
め、この選択的モノアルキル化は極めて重要である。
オン酸誘導体はモノ置換体よりも活性が低いため余分な
ものである。しかし、その除去が容易ではないため、合
成の最終段階での収率が大幅に低下する。従って、ジア
ルキル化アミノ誘導体ができないような新しい合成法、
あるいは、上記の各化合物がより容易に分離できる合成
法が求められていた。
ロン酸誘導体の製造方法を提供することにある。
たは分岐鎖のアルキル基または水素を表す) を有する2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸誘導
体を、相移動触媒とアルカリ剤との存在下で、水に不溶
且つ不活性な非極性有機溶剤に溶解させた不均一相のア
ルキル化剤と反応させることを特徴とする下記一般式
(I): (ここで、Rは、水酸基で置換されていてもよい低級ア
ルキル基、2から6個の炭素数を有する低級アルケニル
基、2から4個の炭素数を有する低級アルキニル基また
はアリール低級アルキル基を表す) の2−(4−アルキルアミノフェニル)プロピオン酸の
製造方法である。
あるのが好ましいが、その他の基、例えばアリル基のよ
うなアルケニル基、ベンジル基等のアリールアルキル
基、β−ヒドロキシエチル基等の置換されたアルキル基
でもよい。
モニウムまたは第四ホスホニウム塩によって構成され
る。この触媒としてはアリクァ(Aliqat)336の商標名
で市販されている塩化メチルトリオクチルアンモニウム
や、その他のアンモニウム塩またはホスホニウム塩、例
えば、臭化メチルトリフェニルホスホニウム、塩化トリ
メチルフェニルアンモニウ、塩化テトラブチルアンモニ
ウを用いるのが好ましい。
ノフェニル)プロピオン酸またはそのエステル1モル当
り約10gである。
そのアルキルエステルの濃度は、上記の水に不溶な非極
性有機溶剤400ml当り約1モルである。
のようなメタリルハライドであるのか好ましく、その濃
度は2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸またはそ
のエステル1モル当り1から1.4モルである。好ましく
は、2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸またはそ
のアルキルエステル1モル当りメタリル化剤を1.1から
1.4モル用いる。
量であるため、本発明方法で得られる2−(4−メタリ
ルアミノフェニル)プロピオン酸は有機相中に残る。こ
れが、本発明では2−(4−メタリルアミノフェニル)
プロピオン酸自体が直接得られ、そのアルカリ塩基金属
塩とはならない理由である。
容易である。
結合可能な塩基試薬すなわちアニオンは強い塩基であ
り、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属の水酸化物
であるのが好ましい。その使用量は2−(4−アミノフ
ェニル)プロピオン酸またはそのエステル1モル当り1
〜1.1モルにするのが好ましい。この塩基は水に約10パ
ーセントの濃度に溶解して用いられる。
しくは80〜85℃の温度で行われる。この反応は不活性雰
囲気下、例えば、窒素のバブリング下で行われる。反応
時間は少なくとも2時間である。この反応時間はさらに
長くてもよいが、4時間以上反応させても特に効果は無
く、収率も良くならない。
次いで、約1N規定の水酸化ナトリウム溶液で抽出し、さ
らに1Nの塩酸溶液を用いて酸性にする。副生成物すなわ
ちジアルキル化誘導体は不溶となるので、有機溶剤中で
抽出することによって除去することができる。
酸化ナトリウムを少し添加するか、弱酸のアルカリ金属
を用いてpHを3に調節する。
結晶化後に濾過して分離する。残渣を水で洗浄し、乾燥
する。
エステルから出発した場合にも、上記と同じ条件でアル
キル化が起こり、そのエステル基をケン化することによ
ってその2−(4−アルキルアミノフェニル)プロピオ
ン酸を直接得ることができるということが分かってい
る。
ン酸およびその同属体は周知の化合物であり、B.Dumait
re and cow.Chim.Therapeutique、14、(1979)、207〜
214に記載されている。この化合物の鎮痛特性および抗
炎症特性については多数の文献に記載されている。
ピオン酸は、メタリルハライドを用いてアミノ化誘導体
をモノアルキル化して合成していたが、この方法は旨く
いかなかった。
体をメタリル化剤と反応させるのは容易ではなく、しか
も、モノメタリルアミノ誘導体とジメタリルアミノ誘導
体との両方が同時に生成することを避けることができな
かった。
を避けることもできるが、この方法では過剰量のブロッ
ク化剤を後段で除くのが難しいため実際には使用できな
いということが分かっている。
で且つ治療効果のない上記副生成物の生成が避けられな
かったため、合成収率が極めて低かった。
の実施例に限定されるものではない。
えた反応器中に下記のものを導入した: 2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸 165g(1モル) トルエン 400ml メタリルクロライド 100g(1.1モル) アリクァ(Aliqat)336 10g 水 250ml 水酸化ナトリウム32%溶液 92.5ml(1モル) この混合物全体を85℃に3時間加熱した後、水相を取
り除き、トルエン相を1Nの水酸化ナトリウム溶液1で
2回洗浄する。このアルキル溶液を1Nの塩酸溶液(PH=
0.8)1.5lに滴下する。この酸性溶液をトルエンで3回
抽出し、活性炭を加え、溶液を濾過した後、強力に撹拌
しながら1Nの水酸化ナトリウム溶液をゆっくりと添加し
てわずかに酸性(pH=3)にする。こうして得られた不
溶性の個体を分離し、乾燥させ、それを水で洗浄し、完
全に乾燥させる。
ル)プロピオン酸をクリーム状の白色結晶(融点=約10
7℃)として得た(収率64%)。
ニル)プロピオン酸メチル179gを用いた。
プロピオン酸135gである。
(4−アミノフェニル)プロピオン酸メチルを用い且つ
相移動触媒として下記のものを用いて2−(4−メタリ
ルアミノフェニル)プロピオン酸を得た。
Claims (10)
- 【請求項1】水に不溶且つ不活性な非極性有機溶剤に予
め溶解させた下記式(II): (ここで、 R1は1から6個の炭素原子を有するアルキル基または水
素を表す) を有する2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸誘導
体を、相間移動触媒とアルカリ剤との存在下の水性溶媒
中で、不均一相のアルキル化剤と反応させることを特徴
とする下記一般式(I): (ここで、 Rは、水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基、
低級アルケニル基、低級アルキニル基またはアリール低
級アルキル基を表す) のアルキルアミノ基で置換された2−(4−Rアミノフ
ェニル)プロピオン酸の製造方法。 - 【請求項2】Rがメタリル基である請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】水に不溶且つ不活性な非極性有機溶剤が液
体の芳香族炭化水素である請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】相間移動触媒が疎水性溶剤と水との両方に
可溶な第四アンモニウム塩および第四ホスホニウム塩に
よって構成される群の中から選択される第四級誘導体で
ある請求項1に記載の記載の方法。 - 【請求項5】相間移動触媒がトリアルキルフェニルホス
ホニウム塩である請求項1に記載の記載の方法。 - 【請求項6】相間移動触媒が臭化メチルトリオクチルア
ンモニウムである請求項1に記載の記載の方法。 - 【請求項7】反応混合物中に添加される相間移動触媒の
量が2−(4−アミノフェニル)プロピオン酸1モル当
り10gである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項8】式(II)の2−(4−アミノフェニル)プ
ロピオン酸誘導体の濃度が水に不溶且つ不活性な非極性
有機溶剤400ml当り約1モルである請求項1〜7のいず
れか一項に記載の方法。 - 【請求項9】アルキル化剤の濃度が2−(4−アミノフ
ェニル)プロピオン酸誘導体1モル当り1〜1.4モルで
ある請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項10】メタリル化剤の濃度が2−(4−アミノ
フェニル)プロピオン酸誘導体1モル当り1.1〜1.4モル
である請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
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