JP2851950B2 - ベルト式連続鋳造方法 - Google Patents

ベルト式連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト式連続鋳造にお
ける薄鋳片の連続鋳造方法の実施に当たって、金属ベル
トの熱負荷軽減と鋳片品質の改善を目的として、金属ベ
ルト表面へのコーティング層の形成方法を提供するもの
である。いわゆる本発明は、溶融金属から鋳片の厚みが
100mm以下の薄鋳片を連続鋳造によって得るベルト式
連続鋳造の分野に属する技術である。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造機の一種として、例え
ば、特開昭58−107255号公報、特開昭60−1
66145号公報、特開平1−293956号公報等に
開示されている走行経路の一部領域を所定の間隔を持た
せ向い合わせに対向した一対のエンドレス金属ベルト
と、金属ベルトに挟持された金属ベルトおよび薄鋳片と
同期移動する一対のブロック群により、所望の鋳片に対
応する断面形状を形成し、それらの金属ベルトとブロッ
ク群はガイドロールによって所定の移動経路に沿って輪
回移動するように案内支持するとともに、各ガイドロー
ル間の金属ベルト裏側に噴流ノズルおよび冷却用パッド
を配置し、金属ベルト裏側に冷却用流体を噴出させて形
成した流体膜により該金属ベルトを冷却しながら、上記
鋳造空間の上方より注入ノズルを介して溶鋼を注入し、
上記金属ベルトやブロック群等の鋳型壁に沿って凝固殻
を生成させ、該凝固殻の成長によって生じる鋳片を下端
からガイドロールを介して鋳造空間から引き出すように
構成したいわゆる“ベルトキャスター”と称せられるベ
ルト式連続鋳造機が提案されている。
【0003】かかるベルト式連続鋳造機においては凝固
殻を正常に形成させるとともに金属ベルトを保護するた
めに冷却用流体による金属ベルトと鋳片の冷却を鋳片幅
方向および鋳込み方向に均一に行うことが必要である。
そのためには、一定の冷却用流体を供給する場合にあっ
ては、冷却流体の膜厚を一定にし、噴流ノズル、冷却パ
ッドと金属ベルト間の冷却用流体の流速を一様にするこ
とが必須条件になる。しかるに該金属ベルトは応力のか
かった状態で極めて高温の溶融金属および冷却流体に曝
されるために、金属ベルトが熱疲労して表面にクラック
を生じたり、表面が冷却水との接触により酸化されて錆
が発生するために熱伝導を阻害し、金属ベルトが破断し
たりあるいは健全な凝固殻の形成を阻害する等の弊害が
発生していた。
【0004】かかる課題を解消するために、例えば、特
公昭61−3579(特開昭53−35633)号公
報、特開昭59−174254号公報、特開昭62−7
7161号公報、および特開昭63−112044号公
報等に開示されているように金属ベルトの鋳造側表面に
例えば、木骨(Ca3 PO4)、コロイド性グラファイ
ト、アルミナ、あるいは硅藻土、菜種油、有機樹脂、B
N、耐火性セラミックス等の有機系、無機系の鋳型離型
剤(コーティング剤)を単独あるいはそれらの混合物を
厚さ10ミクロン〜数100ミクロンの範囲でスプレー
方式やプラズマ等によって金属ベルト表面に均厚に被成
させる方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる上記
ベルト式連続鋳造機を用いて鋳造する際に起こる以下の
ような問題点を克服することを目的とする。前記した、
各種塗布方法および各種コーティング剤等を用いて所定
の塗布厚みを該金属ベルトの表面に被成することによ
り、本来的機能である金属ベルトの熱負荷軽減はもとよ
り、前記金属ベルト表面の酸化に伴う熱伝導阻害および
金属ベルトの溶断や高入熱と冷却の繰り返しに伴う疲労
クラックの発生等は略完全に防止することができる。
【0006】しかし、前記した対向した一対のエンドレ
ス金属ベルトとこの金属ベルトによって挟持された一対
のブロック群が鋳片と同期するように構成された、いわ
ゆる“ベルトキャスター”に上記各種コーティング剤を
塗布・適用した場合、鋳型内の溶鋼流速が例えば浸漬ノ
ズル近傍とその周囲で異なったり、また注入ノズル周辺
部でも注入溶鋼の鋳型内での流動パターンが異なり流速
が場所によって異なるため、あるいは金属ベルトと凝固
殻の間の空隙や金属ベルトの冷却不均一により、その後
成長する凝固殻が不均一になるために、凝固殻の成長遅
れ部に鋳片の冷却中に生じる熱応力が集中し、鋳片表面
の縦割れや横割れ等の欠陥発生の原因となる。
【0007】このような鋳片表面の各種欠陥は、薄鋳片
では圧下比(鋳片厚/最終製品厚の比)が従来法で製造
した場合よりも小さいことに加え再加熱工程を省略して
いるために極めて軽微な欠陥も最終製品に欠陥として現
れることから致命的であり、実用に供し得ないという問
題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳片の短辺面
を支持するための一対の鋳片と同期移動する短辺ブロッ
ク群と鋳片の長辺面を支持するために対向し、しかも鋳
片と同期しながら輪回移動する金属ベルトで鋳造空間を
構成し、この空間に浸漬ノズルを通じて溶融金属を注入
するとともに下方より薄鋳片を引き抜く鋳造方法におい
て、次の(1)〜(2)の手段を提供するものである。 (1)金属ベルトの鋳造側表面にコーティング剤を塗布
するに際して、前記金属ベルトの鋳造側表面の幅方向と
輪回方向にディンプルマーク状にコーティング剤をつけ
て凹凸状にし、該ベルトの幅方向と輪回方向に熱伝達係
数を変化せしめて鋳造することを特徴とするベルト式連
続鋳造方法。 (2)表面に凹凸を有するディンプルマークロールをコ
ーティング剤塗布面に転圧し、該コーティング剤塗布面
をディンプルマーク状の凹凸をつけることを特徴とする
前記(1)記載のベルト式連続鋳造方法。
【0009】
【作用】本発明の特徴は、かかる薄鋳片の各種表面欠
陥、とりわけ縦割れと横割れを完全に防止する金属ベル
ト表面のコーティング方法にある。つまり、前記したよ
うなベルト式連鋳機の鋳造空間は極めて狭いために、注
入ノズルから供給した溶鋼の流速は極めて高速であるば
かりでなく、高温のために注入ノズル直下の凝固殻は成
長が停滞したり、あるいは生成した凝固殻の溶損が起こ
る。
【0010】かかる凝固殻の不均一部には、その後の冷
却によって生じる熱収縮応力が集中するために、縦割れ
や横割れを誘発するが、金属ベルトの幅方向や輪回方向
の塗布厚み分布やコーティング剤の種類を任意のピッチ
で変化させて塗布してコーティング剤による熱伝達係数
分布を不規則に付与することにより、凝固殻の不均一を
幅方向・輪回方向で不規則に付与して集中する応力を分
散させ、有効に上記薄鋳片の表面割れ欠陥を皆無にする
ものである。本発明において熱伝達係数とは金属ベルト
とその鋳造側表面に塗布したコーティング剤層等を介し
ての熱移動(総括熱伝達係数α)のことをいう。
【0011】一般に、溶鋼を供給する注入ノズルは、例
えば特開昭55−16752号公報、特開平1−293
942号公報等に記載されているような極めて薄肉・偏
平な構造が要求される。かかる偏平ノズルで鋳型空間に
溶鋼を供給する場合、その断面形状を鋳型断面と同一形
状にすることによって、注入流を均一にし、しかも均一
凝固殻を生成できることから、かかる表面欠陥の防止に
は極めて有効なことが湯面下凝固実験等によって確認さ
れている。しかし一方、このように極めて偏平度の大き
な注入ノズルを経済的に製造し、且つ溶鋼注入中に注入
ノズルが溶鋼静圧等によって破損したり、予熱中の偏熱
に伴って発生する熱スポール等のトラブルが発生しない
安定したノズル品質を確保するためには、一般に最大幅
は500mm程度以下にすることが当業界では良く知られ
ていることである。
【0012】本発明者等は、こうした課題解決のために
各種形状の注入ノズルを製作し、該ベルトキャスターへ
の溶鋼供給実験を行った結果、耐火物強度の制約から前
記注入ノズル幅を採用した場合には注入ノズル用耐火物
の厚みは無闇に薄くできず、溶鋼の注入量速度が5トン
/分(例えば、鋳型厚み×鋳型幅が50mm×1200mm
の場合の鋳造速度は10m/分)以上の場合には7mm以
上の厚みが必要なことおよび、金属ベルトと注入ノズル
間は、極めて狭いために生成した凝固殻が注入ノズルに
接触せずしかも溶鋼が停滞して湯面での皮張りを阻害し
ない流動を確保するためには通常10mm以上の間隔を確
保する必要があることを知見したのである。
【0013】またこの実験によって得られた鋳片表面に
は、注入ノズル直下に相当する位置に極めて大きな縦割
れや横割れが発生した。この原因を鋳型内への硫黄添加
実験等により種々検討した結果、先に示した5トン/分
の鋳造条件の場合、注入ノズルからの注入速度は平均で
80m/分にも達するが、局部的な流速は更に速く鋳造
速度に比べて非常に高速で注入されしかも高温の溶鋼が
供給されるために、この部分の凝固殻の発達が抑制され
たりあるいは再溶解が起こることに加えて、そのため、
鋳型内幅方向で凝固殻の不均一が発生するうえ、この凝
固殻が冷却される過程で発生する熱収縮歪がこの凝固殻
の成長遅れ部に集中し、結果的に薄鋳片表面の縦割れや
横割れの発生に至ることを知見したのである。
【0014】そこで、本発明者等は薄鋳片の表面縦割れ
や横割れの発生しない鋳造条件を求めるために、更に実
験を繰り返した結果、金属ベルト表面に塗布するコーテ
ィング用のノズルチップを複数本配設し、異なる特性を
有するコーティング剤を幅方向で吹き分けたり、あるい
は/および塗布厚みを幅方向および鋳造方向で変化させ
て熱伝達係数分布を不規則に付与することにより、熱収
縮等によって発生する応力を分散させ縦割れの発生が皆
無になることを知見した。特に金属ベルト端部近傍には
潤滑性を高めるために例えば炭素含有量を増加させたコ
ーティング剤を中央部よりも厚めにまたは炭素配合割合
を高くして塗布し、注入ノズル近傍の凝固遅れの激しい
部分には凝固核生成に有利なコーティング剤(例えば、
チタン酸化物等を含有するコーティング剤)を端部近傍
よりも薄めに塗布することにより、効果的にこれらの表
面欠陥を防止できる。
【0015】また、コーティング装置の直後に凹凸を付
与したロールを配設し、該コーティング剤が乾燥するま
でに該ロールを押圧することによりコーティング剤表面
に凹凸(ディンプルマーク)を付与すると縦割れや横割
れの発生がより有効に防止できることを見い出したので
ある。なお、付与するディンプルの大きさは1/10m
m、ディンプルの間隔は5〜50mm、またディンプルの
深さは塗布したコーティング剤の残厚が5〜30μmに
なるように調整するのが好ましく、前記したコーティン
グ用のノズルチップを複数個配設し、幅方向および鋳造
方向に塗布厚みを調整した方法と併用することにより、
より一層効果的に縦割れや横割れの改善が可能になる。
【0016】また、一般にコーティング剤の塗布厚みは
20〜50μmの厚みで塗布されるが、塗布厚みを調整
したりあるいはディンプルによって付与する調整範囲
は、コーティング剤の熱負荷特性によって異なるが、図
1の例で示すと塗布厚みを変化することによって熱伝達
係数に影響を与える0〜40μmの範囲でなければ有効
に作用しないことは明白であある。従って、前記ディン
プルマークロールによって付与する凹凸は、残厚で40
μm以下でなければならない。
【0017】しかし、コーティング剤が全く存在しない
と、高温の溶鋼が直接金属ベルトに接触する注入ノズル
直下では、金属ベルト裏面の冷却流体の流速や、流量が
低下したりする異常が生じると該金属ベルトが溶断する
現象が起こることがあるため、少なくとも5μmのコー
ティング剤を塗布する必要がある。これにより、該金属
ベルトの溶断現象は皆無にできるのである。
【0018】
【実施例】図を基に実施例を説明する。図3〜図5に本
発明の好適実施態様を例示する。また、図1には表1に
示したコーティング剤を金属ベルトの片側表面にスプレ
ー塗布し、コーティング剤厚みを種々変更して、総括熱
伝達係数を求めた結果を例示する。該熱伝達係数計測
は、コーティング剤を塗布し該金属ベルト裏面に熱電対
を溶接して裏面温度を測定しながら溶鋼を通過させた時
の温度変化から求めた。
【0019】更に、図2(イ)(ロ)は鋳造実験に用い
た双ベルト式連鋳機VCの鋳型部分((ロ)は左右対称
のため片側のみ記載)とコーティング塗布装置SP、デ
ィンプルロール6((イ)は設置無し)および乾燥装置
7の好適配置例を例示したものである。コーティング剤
はコーティング剤搬送用主管4によって搬送され、
(イ)に示す如く金属ベルト2の幅方向・輪回方向に複
数千鳥配設した3列の塗布ノズル(ノズルチップ)3で
塗布パターンを調整する圧空手段(図示せず)により適
正なパターンのもとで金属ベルト2に塗布する。塗布厚
は各ノズルチップ3へ搬送するコーティング剤の量を調
整するか圧空で調整する構造であり、図3、図5の如く
該ベルト2の幅方向・輪回方向の塗布厚を任意に調整可
能である。金属ベルトとしてはSS材で幅:1600m
m、厚:1.2mmを用いた。また、他の方法として塗布
装置全体を上下方向に揺動させたり圧空・コーティング
剤の搬送量を一斉に調整して輪回方向の塗布厚を調整す
ることも可能である。
【0020】一方(ロ)は一列のノズルチップ3から図
4の如く所望の厚みを塗布した後、必要に応じてその直
後に配設した1本以上のディンプルマークロール6によ
り所定の凹凸を付与すると共に該ディンプルマークロー
ル6も上下方向に揺動させ輪回方向に凹凸を調整できる
構造を有している。所定のコーティングパターンを付与
した後、コーティング乾燥装置7により急速乾燥させ鋳
型空間として使用する。本発明の効果は以上の塗布装置
SPおよび厚み調整機能によって確認された。なお、図
示していないが鋳型短辺は金属ベルト2に挟持された同
期式ブロック群で構成されており、また、タンディッシ
ュTDからベルト2と該ブロックで囲む鋳型部への溶鋼
供給はスライディングノズルSNを介して注湯断面が1
0mm厚×300mm幅の極めて偏平な浸漬ノズルFNを用
いた。
【0021】図2において、CNはベルト用の噴流冷却
ノズル、PCはパッド冷却装置、CHは噴流冷却用水配
管、PHはパッド冷却水用配管、RHは戻り水排出ヘッ
ダー、1,8,9はベルト装着ロールであり、左側は省
略してある。ベルト式連鋳鋳型サイズは、50mm厚×1
300mm幅で鋳造速度は10m/分で実験した。また、
鋳造試験に供した溶鋼成分を表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1に示す各種コーティング剤A〜Cを、
図2(イ)に示す金属ベルト2の輪回方向および幅方向
に千鳥状に3列配置した塗布装置により、図3に示すよ
うな幅方向全体的には均一厚みでありながら局部的に熱
伝達係数の異なるコーティング剤吹き付けパターンを採
用した場合には、従来提案されているような同一種類
(熱伝達係数一定)のコーティング剤を均一な厚みに施
した場合に、前記注入ノズルの吐出流によって、該注入
ノズル直下の凝固殻が局部的に溶損あるいは/および成
長遅れを招き、熱収縮に伴う応力集中が起こるために、
鋳片表面の縦割れや横割れの発生が激しく、手入れが不
可欠であったが、本発明例を適用することにより鋼種II
I と鋼種IVは安定して皆無に抑えることができた。しか
し、鋼種Iと鋼種IIは通常許容される程度ではあるが微
小な横割れが残存した。そこで、本発明者らは種々実験
を繰り返し、図5に示すように幅方向全体の塗布厚み分
布を変化させ、金属ベルト端部近傍の塗布厚を厚くし該
注入ノズル近傍の吐出流速が速い部分の塗布厚を前記範
囲に薄くすることにより、凝固殻厚が均一化し、その結
果応力集中も緩和されて前記鋼種Iと鋼種IIも全く鋳片
表面の欠陥が皆無にできたのである。この場合端部近傍
のコーティング剤は表1に示すもののいずれでも十分で
あるが、なお確実に効果を発揮するには例えば、熱伝達
係数を所定値にし且つ黒鉛を30%程度に高めて潤滑効
果を付与するとなお一層有効である。
【0025】この場合、幅方向全体に適用しても良いが
注入ノズル近傍では溶鋼とコーティング剤が最も良く接
触するためにコーティング剤中に含有する黒鉛が溶鋼と
反応して炭素のピックアップ源になるため、鋼材の成分
不均一を起こしたり、あるいは凝固温度が低下するため
に凝固殻の不均一を助長し縦割れの発生を誘起すること
があるため、炭素含有量が0.15%以下の鋼種には溶
鋼と長時間接触しない注入ノズルの近傍には適用しない
ことが望ましい。
【0026】同様な効果を得る他の方法について図4に
従い詳細に説明する。前記した吹き付けパターンで該金
属ベルトにコーティング剤を塗布した後、図2(ロ)に
示すディンプルマークを付与したロール群6によって前
記範囲の凹凸を付与することにより鋼種III,IVはもとよ
り鋼種IやIIでも表面性状の極めて良好な薄鋳片が得ら
れる。これは、局部的に付与した凹凸が凝固殻の局部的
不均一を生成するものの、応力の集中が微細分散される
ために実質的に開口に至るような割れに至らないためで
ある。この場合も端部近傍のコーティング剤は潤滑性を
持たせたものを使用することが、鋳片の表面欠陥低減に
より有効であり、前記条件を満たすことにより鋳片表面
への浸炭も全く問題のない範囲に抑えることができた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、薄鋳片を連続鋳造する
際に、鋳型に溶鋼を供給する注入ノズル直下で凝固殻の
再溶解や凝固停滞によって生成する凝固不均一、あるい
は冷却の不均一やコーティングの塗布厚不均一によって
生成する凝固不均一が緩和・分散され鋳片表面肌のきれ
いな製品が安定して供給できる。これにより、操業効率
を低下させずに鋳片および製品の品質を著しく向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーティング材の塗布厚みが熱伝達に影響を及
ぼすことを説明する図。
【図2】ベルト式連鋳機において本発明方法を実施する
ための装置例を示す断面図であり、(イ)は、図3、図
5例のコーティング剤吹付けパターンを実施し、(ロ)
は、図4例のコーティング剤吹付けパターンを実施する
ための各装置である。
【図3】本発明の実施例を示す説明図であり、幅方向お
よび金属ベルト輪回方向に複数のノズルチップを設置し
塗布厚みの調整をする方法を例示する図。
【図4】本発明の実施例を示す説明図であり、塗布装置
の後方にディンプルロールを付設し幅方向に塗布厚みを
調整した後、コーティング剤に凹凸を付与する方法を例
示する図。
【図5】本発明の実施例を示す説明図であり、幅方向お
よび金属ベルト輪回方向に複数のノズルチップを設置し
塗布厚みの調整をする方法を例示する図。
【符号の説明】
1 トッププーリー 2 金属ベルト 3 スプレー装置 4 コーティング剤搬送用主管 5 コーティング剤のパターンを調整するための圧空用
配管 6 ディンプル付きロール 7 乾燥装置 8 金属ベルトの張力制御用テンションプーリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 則之 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 丹野 仁 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式会社 設備技術本部内 (72)発明者 皆川 昌紀 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 中央研究本部内 (56)参考文献 特開 昭63−126652(JP,A) 特開 平3−42154(JP,A) 特開 昭63−207452(JP,A) 特開 平1−237056(JP,A) 特開 平1−313155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 340 B22D 11/06 320

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト式連続鋳造において、金属ベルト
    の鋳造側表面にコーティング剤を塗布するに際して、
    記金属ベルトの鋳造側表面の幅方向と輪回方向にディン
    プルマーク状にコーティング剤をつけて凹凸状にし、該
    ベルトの幅方向と輪回方向に熱伝達係数を変化せしめて
    鋳造することを特徴とするベルト式連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 表面に凹凸を有するディンプルマークロ
    ールをコーティング剤塗布面に転圧し、該コーティング
    剤塗布面にディンプルマーク状の凹凸をつけることを特
    徴とする請求項1記載のベルト式連続鋳造方法。
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