JPH0521665B2 - - Google Patents
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- JPH0521665B2 JPH0521665B2 JP268085A JP268085A JPH0521665B2 JP H0521665 B2 JPH0521665 B2 JP H0521665B2 JP 268085 A JP268085 A JP 268085A JP 268085 A JP268085 A JP 268085A JP H0521665 B2 JPH0521665 B2 JP H0521665B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
- B22D11/0605—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars formed by two belts, e.g. Hazelett-process
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
この発明は、非金属介在物が少なく、しかも表
面性状の良好な金属薄鋳片を、ツインベルトキヤ
スターにより安定して鋳造する方法に関するもの
である。 <従来技術並びにその問題点> 近年、固定銅鋳型を用いた従来型の連続鋳造機
では鋳造が不可能な程度の広幅薄鋳片をも極めて
速い速度で高能率鋳造できると言うことから、鉄
鋼或いは非鉄金属の別を問わず、薄鋳片の製造に
ツインベルトキヤスターの採用が試みられるよう
になつてきた。 第6図は、ツインベルトキヤスターによる広幅
薄鋳片の鋳造状態を模式化した概略図であるが、
上下の各ベルト駆動用プーリー1,1′の回転に
よつて同期移動する上下一対の鋼製無端ベルト
2,2′と、該鋼製無端ベルト間に挾まれて同期
移動する左右一対のダムブロツク3,3′(第6
図では3′は図示せず)とで形成される空間部へ、
給湯用樋4によつて金属溶湯5を注入し、これを
強制冷却されている鋼製無端ベルト2,2′にて
短時間に冷却・凝固して所定寸法の鋳片6としな
がら、ツインベルトキヤスター後方から連続的に
取り出している状態を示している。なお、符号7
で示されるものは、ダムブロツクのガイドロール
である。 ところで、このようなツインベルトキヤスター
では、厚さの薄い鋳片を高速で鋳造するものであ
ることから、従来型の連続鋳造機におけるような
浸漬ノズル及び鋳造パウダーを使用することがで
きず、前記第6図に示されるようなオーバーフロ
ー方式の給湯が一般的に行われている。従つて、
給湯流やツインベルトキヤスター内溶湯面のシー
ル(無酸化状態確保)が、鋳片介在物低減上極め
て重要な要素となつている。 しかしながら、ツインベルトキヤスターは、上
下の鋼製無端ベルト及び左右のダムブロツクが鋳
片と共に下流方向へ連続的に移動する構造を有し
ているので、金属溶湯の酸化防止策として一般的
に知られている不活性ガス雰囲気確保のためのシ
ール用カバーの取り付けを試みようとしても必要
部位(給湯部)の完全密封が困難であつて、どう
しても大気の侵入が余儀なくされ、特に溶湯の酸
化を問題視される金属(例えば鉄鋼等)の鋳造で
は十分な成果を挙げるに至つていなかつた。 即ち、ツインベルトキヤスターの給湯部にシー
ル用カバーを取り付ける場合、該カバーと鋼製無
端ベルトとの隙間を無くするためにこれらを密着
させると、鋼製無端ベルト表面に塗布してある鋳
片と焼付防止用コーテイング材の剥離を招くこと
になり、また前記カバーをダムブロツクに密着さ
せようとするダムブロツクの移動が阻害されてし
まうので、シール用カバーと前記両者との間に多
少の隙間は必須だつたのである。 そこで、このような弊害を防止するため、シー
ルカバー内へ多量の不活性ガスを供給することも
試みられたが、多量の不活性ガスを気体状態でシ
ールカバー内へ供給するためには該気体の供給流
速を大きくせざるを得ず、その結果としてシール
カバー内における気体の流れが激しくなつて、前
述した各部の隙間からの大気吸込み現象を生じる
こととなり、逆にシール性を劣化させることや、
高速気体流が給湯流並びにツインベルトキヤスタ
ー内溶湯面に衝突して引き起す溶湯表面の皮張り
現象のため、鋳片表面にシワ疵を発生すること等
が明らかとなつた。 また一方では、シールカバーを設置すると、該
シールカバー内の雰囲気温度が過度に上昇して鋼
製無端ベルトの熱変形を大きくし、鋳片表面性状
の劣化、更にはベルト寿命の低下を招くことも判
明したのである。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、溶湯の
酸化が問題となる金属であつても、表面性状並び
に内質とも申し分のない薄鋳片をツインベルトキ
ヤスターにて能率良く安定して製造する手段を見
出すべく、様々な実験・研究を重ねた結果、以下
(a)〜(c)に示される如き知見を得るに至つたのであ
る。即ち、 (a) ツインベルトキヤスターの給湯部(溶湯入側
部及び給湯樋)にシールカバーを配置した上
で、該カバー内へ不活性ガス(ArやN2等)を
液体状態で滴下・供給すると、供給された液体
状不活性ガスはシールカバー内で気化し、体積
膨張してカバー内の気圧を大気圧よりも高い状
態にするので、シールカバー内の酸素値が極め
て低くなり、しかも該カバーとツインベルトキ
ヤスター各部との隙間からの大気侵入も防止さ
れ、十分なシール効果が得られること。 (b) 非酸化性の雰囲気作りのために液体状態の不
活性ガスを使用するので、少量の液体供給で大
量のガスを供給することとなり、従つて供給時
にシールカバー内気流の速度を速くしたり気流
を激しく乱したりする現象が起きず、ツインベ
ルトキヤスター内湯面の変動や皮張りが防止さ
れて鋳片表面疵の発生を抑えられること。 例えば、気体状態で500N/minに相当す
るAr量を液体状態として供給すると、体積流
量で0.9/minにしかならず、極めて少量
(体積で)の供給で良いことになる。 (c) 更に、液体状不活性ガスは温度が極めて低い
(液体状Arで−186℃、液体状N2では−196℃)
ので、これを供給することによつてツインベル
トキヤスター内の雰囲気温度を下げることがで
き、従つて鋼製無端ベルトの熱変形を軽減して
鋳片表面疵を防止したり、該ベルトの寿命延長
を図つたりすることが可能となること。 この発明は、上記知見にい基づいてなされたも
のであり、第1図乃至第3図に示される如く、 ツインベルトキヤスターの溶湯入側部及び給湯
樋4を覆うようにシールカバー8を配置するとと
もに、該シールカバー8内へ液体状不活性ガスを
供給することにより、シールカバー8内を大気圧
よりも高い気圧の不活性ガス雰囲気となしてツイ
ンベルトキヤスターでの鋳造を実施することで、
非金属介在物が少なく、しかも表面性状の良好な
金属薄鋳片6を、能率良く安定して製造する点、
に特徴を有するものである。 なお、第2図は第1図におけるA−A矢視図で
あり、第3図は第1図における給湯部シールの実
施例を示す要部詳細模式図である。そして、第3
図の符号9で示されるものは、シール性向上のた
め、鋼製無端ベルト2,2′或いはダムブロツク
3,3′と軽く接触するようにシールカバー8端
部に取り付けられたアスベスト布であり、符号1
0で示されるものは液体状不活性ガス供給パイプ
である。 第1図乃至第3図において、ツインベルトキヤ
スターを駆動しながら液体状不活性ガス供給パイ
プ10より液体状不活性ガスを滴下し、かつ給湯
用樋4から金属溶湯5をオーバーフローさせる
と、シールカバー8内で液体状不活性ガスは気化
して該カバー内にて大気圧よりも高い気圧の不活
性ガス雰囲気を形成することとなる。従つて、例
えアスベスト布9と鋼製無端ベルト2,2′間や、
アスベスト布9とダムブロツク3,3′間に隙間
ができたとしても、大気がシールカバー8内へ侵
入して溶湯を酸化する恐れがない。 このような状態でツインベルトキヤスターの運
転を続けると、鋳込まれた金属溶湯は鋼製無端ベ
ルト2,2′及びダムブロツク3,3′に挾まれて
移動しながら凝固し、所定寸法の鋳片6となつて
ツインベルトキヤスター後方から連続的に取り出
される。 そして、前述のように、給湯部における給湯の
酸化が確実に防止されることから、得られる鋳片
は非金属介在物が極めて少なく、しかも不活性ガ
ス雰囲気の形成が極めて穏やかになされるので鋳
片表面性状の悪化を招くこともない。 ところで、この発明の鋳造法を鋼に適用し、か
つ液体状不活性ガスとして液体Arを使用した本
発明者等の試験で、「液体Arの供給量を気体換算
で1300N/minと言う多量にすると、気体Arを
供給した場合よりもはるかに良好な鋳片を得るこ
とができはするが、それでもツインベルトキヤス
ター内の湯面に皮張りが生じがちとなり、“湯ジ
ワ”及び“表皮下の介在物量”が悪化する傾向と
なる」ことが明らかとなり、更なる試験によつ
て、この発明の鋳造法を鋼に適用する場合には、
シールカバー内の雰囲気温度を150〜400℃に調整
することが鋳片の“湯ジワ”や“非金属介在物”
を減少する上でより好適であることも理解され
た。 この場合、シールカバー内の雰囲気温度が150
℃を下回ると、ツインベルトキヤスター内湯面に
皮張りが生じがちとなつて、鋳片表面疵や鋳片介
在物成績が劣化する傾向となることは前述の通り
であり、一方、前記雰囲気温度が400℃を越える
と鋼製無端ベルトの変形による鋳片表面疵を悪化
させる傾向が出がちである。なお、シールカバー
内の雰囲気温度の調整は、供給する液体状不活性
ガス量を調整することによつて容易になし得るこ
とが確認されている。 なお、蛇足ではあるが、従来の銅製固定鋳型を
用いた連続鋳造法、或いは上注又は下注造塊法等
において、溶鋼の酸化防止のために液体Arや液
体N2を用いることは、例えば特公昭55−28781号
公報及び特開昭54−56935号公報にもみられるよ
うに既知の事項である。これらはいずれも、溶融
金属の注入流及び鋳型内溶融金属の表面を気化し
たAr又はN2で被覆し、更にその外側を液状のAr
又はN2で被覆することによつて大気からの酸化
防止を狙つたものであるが、稼働部が多くて大気
の流入を招きやすいツインベルトキヤスターにお
いては、単に液状不活性ガスを吹き付けると言う
上記方法を適用してもシール効果が不十分である
ことは言うまでもなく、このことからも、ツイン
ベルトキヤスターの給湯部にシールカバーを設置
するとともに、該シールカバー内で液体状不活性
ガスを気化させて雰囲気圧力を高め、より完全な
シールを図ると言うこの発明の方法の有効性が容
易に理解されるであろう。 次いで、この発明を実施例により、比較法と対
比して説明する。 <実施例> まず、シール性向上のため端部にアスベスト製
布を取り付けた第1図乃至第3図に示される如き
シールカバーを用意し、これを同図に示されるよ
うにツインベルトキヤスターに配置して、第1表
の如き化学成分組成の溶鋼から鋼の薄鋳片を鋳造
した。 なお、溶鋼鋳造に際しては、内径:5mmの液体
状不活性ガス供給パイプ10から液体Ar又は気
体Arを供給してシールカバー8内の不活性雰囲
気形成を行つた。
面性状の良好な金属薄鋳片を、ツインベルトキヤ
スターにより安定して鋳造する方法に関するもの
である。 <従来技術並びにその問題点> 近年、固定銅鋳型を用いた従来型の連続鋳造機
では鋳造が不可能な程度の広幅薄鋳片をも極めて
速い速度で高能率鋳造できると言うことから、鉄
鋼或いは非鉄金属の別を問わず、薄鋳片の製造に
ツインベルトキヤスターの採用が試みられるよう
になつてきた。 第6図は、ツインベルトキヤスターによる広幅
薄鋳片の鋳造状態を模式化した概略図であるが、
上下の各ベルト駆動用プーリー1,1′の回転に
よつて同期移動する上下一対の鋼製無端ベルト
2,2′と、該鋼製無端ベルト間に挾まれて同期
移動する左右一対のダムブロツク3,3′(第6
図では3′は図示せず)とで形成される空間部へ、
給湯用樋4によつて金属溶湯5を注入し、これを
強制冷却されている鋼製無端ベルト2,2′にて
短時間に冷却・凝固して所定寸法の鋳片6としな
がら、ツインベルトキヤスター後方から連続的に
取り出している状態を示している。なお、符号7
で示されるものは、ダムブロツクのガイドロール
である。 ところで、このようなツインベルトキヤスター
では、厚さの薄い鋳片を高速で鋳造するものであ
ることから、従来型の連続鋳造機におけるような
浸漬ノズル及び鋳造パウダーを使用することがで
きず、前記第6図に示されるようなオーバーフロ
ー方式の給湯が一般的に行われている。従つて、
給湯流やツインベルトキヤスター内溶湯面のシー
ル(無酸化状態確保)が、鋳片介在物低減上極め
て重要な要素となつている。 しかしながら、ツインベルトキヤスターは、上
下の鋼製無端ベルト及び左右のダムブロツクが鋳
片と共に下流方向へ連続的に移動する構造を有し
ているので、金属溶湯の酸化防止策として一般的
に知られている不活性ガス雰囲気確保のためのシ
ール用カバーの取り付けを試みようとしても必要
部位(給湯部)の完全密封が困難であつて、どう
しても大気の侵入が余儀なくされ、特に溶湯の酸
化を問題視される金属(例えば鉄鋼等)の鋳造で
は十分な成果を挙げるに至つていなかつた。 即ち、ツインベルトキヤスターの給湯部にシー
ル用カバーを取り付ける場合、該カバーと鋼製無
端ベルトとの隙間を無くするためにこれらを密着
させると、鋼製無端ベルト表面に塗布してある鋳
片と焼付防止用コーテイング材の剥離を招くこと
になり、また前記カバーをダムブロツクに密着さ
せようとするダムブロツクの移動が阻害されてし
まうので、シール用カバーと前記両者との間に多
少の隙間は必須だつたのである。 そこで、このような弊害を防止するため、シー
ルカバー内へ多量の不活性ガスを供給することも
試みられたが、多量の不活性ガスを気体状態でシ
ールカバー内へ供給するためには該気体の供給流
速を大きくせざるを得ず、その結果としてシール
カバー内における気体の流れが激しくなつて、前
述した各部の隙間からの大気吸込み現象を生じる
こととなり、逆にシール性を劣化させることや、
高速気体流が給湯流並びにツインベルトキヤスタ
ー内溶湯面に衝突して引き起す溶湯表面の皮張り
現象のため、鋳片表面にシワ疵を発生すること等
が明らかとなつた。 また一方では、シールカバーを設置すると、該
シールカバー内の雰囲気温度が過度に上昇して鋼
製無端ベルトの熱変形を大きくし、鋳片表面性状
の劣化、更にはベルト寿命の低下を招くことも判
明したのである。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、溶湯の
酸化が問題となる金属であつても、表面性状並び
に内質とも申し分のない薄鋳片をツインベルトキ
ヤスターにて能率良く安定して製造する手段を見
出すべく、様々な実験・研究を重ねた結果、以下
(a)〜(c)に示される如き知見を得るに至つたのであ
る。即ち、 (a) ツインベルトキヤスターの給湯部(溶湯入側
部及び給湯樋)にシールカバーを配置した上
で、該カバー内へ不活性ガス(ArやN2等)を
液体状態で滴下・供給すると、供給された液体
状不活性ガスはシールカバー内で気化し、体積
膨張してカバー内の気圧を大気圧よりも高い状
態にするので、シールカバー内の酸素値が極め
て低くなり、しかも該カバーとツインベルトキ
ヤスター各部との隙間からの大気侵入も防止さ
れ、十分なシール効果が得られること。 (b) 非酸化性の雰囲気作りのために液体状態の不
活性ガスを使用するので、少量の液体供給で大
量のガスを供給することとなり、従つて供給時
にシールカバー内気流の速度を速くしたり気流
を激しく乱したりする現象が起きず、ツインベ
ルトキヤスター内湯面の変動や皮張りが防止さ
れて鋳片表面疵の発生を抑えられること。 例えば、気体状態で500N/minに相当す
るAr量を液体状態として供給すると、体積流
量で0.9/minにしかならず、極めて少量
(体積で)の供給で良いことになる。 (c) 更に、液体状不活性ガスは温度が極めて低い
(液体状Arで−186℃、液体状N2では−196℃)
ので、これを供給することによつてツインベル
トキヤスター内の雰囲気温度を下げることがで
き、従つて鋼製無端ベルトの熱変形を軽減して
鋳片表面疵を防止したり、該ベルトの寿命延長
を図つたりすることが可能となること。 この発明は、上記知見にい基づいてなされたも
のであり、第1図乃至第3図に示される如く、 ツインベルトキヤスターの溶湯入側部及び給湯
樋4を覆うようにシールカバー8を配置するとと
もに、該シールカバー8内へ液体状不活性ガスを
供給することにより、シールカバー8内を大気圧
よりも高い気圧の不活性ガス雰囲気となしてツイ
ンベルトキヤスターでの鋳造を実施することで、
非金属介在物が少なく、しかも表面性状の良好な
金属薄鋳片6を、能率良く安定して製造する点、
に特徴を有するものである。 なお、第2図は第1図におけるA−A矢視図で
あり、第3図は第1図における給湯部シールの実
施例を示す要部詳細模式図である。そして、第3
図の符号9で示されるものは、シール性向上のた
め、鋼製無端ベルト2,2′或いはダムブロツク
3,3′と軽く接触するようにシールカバー8端
部に取り付けられたアスベスト布であり、符号1
0で示されるものは液体状不活性ガス供給パイプ
である。 第1図乃至第3図において、ツインベルトキヤ
スターを駆動しながら液体状不活性ガス供給パイ
プ10より液体状不活性ガスを滴下し、かつ給湯
用樋4から金属溶湯5をオーバーフローさせる
と、シールカバー8内で液体状不活性ガスは気化
して該カバー内にて大気圧よりも高い気圧の不活
性ガス雰囲気を形成することとなる。従つて、例
えアスベスト布9と鋼製無端ベルト2,2′間や、
アスベスト布9とダムブロツク3,3′間に隙間
ができたとしても、大気がシールカバー8内へ侵
入して溶湯を酸化する恐れがない。 このような状態でツインベルトキヤスターの運
転を続けると、鋳込まれた金属溶湯は鋼製無端ベ
ルト2,2′及びダムブロツク3,3′に挾まれて
移動しながら凝固し、所定寸法の鋳片6となつて
ツインベルトキヤスター後方から連続的に取り出
される。 そして、前述のように、給湯部における給湯の
酸化が確実に防止されることから、得られる鋳片
は非金属介在物が極めて少なく、しかも不活性ガ
ス雰囲気の形成が極めて穏やかになされるので鋳
片表面性状の悪化を招くこともない。 ところで、この発明の鋳造法を鋼に適用し、か
つ液体状不活性ガスとして液体Arを使用した本
発明者等の試験で、「液体Arの供給量を気体換算
で1300N/minと言う多量にすると、気体Arを
供給した場合よりもはるかに良好な鋳片を得るこ
とができはするが、それでもツインベルトキヤス
ター内の湯面に皮張りが生じがちとなり、“湯ジ
ワ”及び“表皮下の介在物量”が悪化する傾向と
なる」ことが明らかとなり、更なる試験によつ
て、この発明の鋳造法を鋼に適用する場合には、
シールカバー内の雰囲気温度を150〜400℃に調整
することが鋳片の“湯ジワ”や“非金属介在物”
を減少する上でより好適であることも理解され
た。 この場合、シールカバー内の雰囲気温度が150
℃を下回ると、ツインベルトキヤスター内湯面に
皮張りが生じがちとなつて、鋳片表面疵や鋳片介
在物成績が劣化する傾向となることは前述の通り
であり、一方、前記雰囲気温度が400℃を越える
と鋼製無端ベルトの変形による鋳片表面疵を悪化
させる傾向が出がちである。なお、シールカバー
内の雰囲気温度の調整は、供給する液体状不活性
ガス量を調整することによつて容易になし得るこ
とが確認されている。 なお、蛇足ではあるが、従来の銅製固定鋳型を
用いた連続鋳造法、或いは上注又は下注造塊法等
において、溶鋼の酸化防止のために液体Arや液
体N2を用いることは、例えば特公昭55−28781号
公報及び特開昭54−56935号公報にもみられるよ
うに既知の事項である。これらはいずれも、溶融
金属の注入流及び鋳型内溶融金属の表面を気化し
たAr又はN2で被覆し、更にその外側を液状のAr
又はN2で被覆することによつて大気からの酸化
防止を狙つたものであるが、稼働部が多くて大気
の流入を招きやすいツインベルトキヤスターにお
いては、単に液状不活性ガスを吹き付けると言う
上記方法を適用してもシール効果が不十分である
ことは言うまでもなく、このことからも、ツイン
ベルトキヤスターの給湯部にシールカバーを設置
するとともに、該シールカバー内で液体状不活性
ガスを気化させて雰囲気圧力を高め、より完全な
シールを図ると言うこの発明の方法の有効性が容
易に理解されるであろう。 次いで、この発明を実施例により、比較法と対
比して説明する。 <実施例> まず、シール性向上のため端部にアスベスト製
布を取り付けた第1図乃至第3図に示される如き
シールカバーを用意し、これを同図に示されるよ
うにツインベルトキヤスターに配置して、第1表
の如き化学成分組成の溶鋼から鋼の薄鋳片を鋳造
した。 なお、溶鋼鋳造に際しては、内径:5mmの液体
状不活性ガス供給パイプ10から液体Ar又は気
体Arを供給してシールカバー8内の不活性雰囲
気形成を行つた。
【表】
また、このときの鋳込み条件は次の通りであつ
た。即ち、 鋳片寸法:1000mm幅×40mm厚、 鋳込み速度:3.0〜6.0m/min、 Ar供給量: 液体Arの場合…200〜1300 N/mm(気体換算)、 気体Arの場合…0〜1200N/mm。 次に、このようにして得られた鋳片について表
面シワ疵の発生状況と非金属介在物量を調査し、
それぞれの結果をAr流量と関係づけて第4図及
び第5図に示した。 第3図及び第4図に示される結果からも、鋳片
品質向上に関して、シールカバー内の不活性雰囲
気形成のため液体Arを用いた本発明方法が、気
体Arを用いた比較法に比して極めて有効な手段
であることが明らかである。 この実施例では不活性雰囲気形成のために液体
Arを用いたが、液体N2を用いても同様の効果が
得られることも十分に確認された。 <総括的効果> 以上に説明した如く、本発明によれば、非金属
介在物が少なく、しかも表面性状の極めて良好な
金属薄鋳片を高能率で安定して製造することがで
きるなど、産業上有用な効果がもたらされるので
ある。
た。即ち、 鋳片寸法:1000mm幅×40mm厚、 鋳込み速度:3.0〜6.0m/min、 Ar供給量: 液体Arの場合…200〜1300 N/mm(気体換算)、 気体Arの場合…0〜1200N/mm。 次に、このようにして得られた鋳片について表
面シワ疵の発生状況と非金属介在物量を調査し、
それぞれの結果をAr流量と関係づけて第4図及
び第5図に示した。 第3図及び第4図に示される結果からも、鋳片
品質向上に関して、シールカバー内の不活性雰囲
気形成のため液体Arを用いた本発明方法が、気
体Arを用いた比較法に比して極めて有効な手段
であることが明らかである。 この実施例では不活性雰囲気形成のために液体
Arを用いたが、液体N2を用いても同様の効果が
得られることも十分に確認された。 <総括的効果> 以上に説明した如く、本発明によれば、非金属
介在物が少なく、しかも表面性状の極めて良好な
金属薄鋳片を高能率で安定して製造することがで
きるなど、産業上有用な効果がもたらされるので
ある。
第1図は、本発明に係るツインベルトキヤスタ
ーを用いた金属の鋳造方法を示す概略模式図、第
2図は、第1図におけるA−A矢視図、第3図
は、第1図における給湯部シールの実施例を示す
要部詳細模式図、第4図は、Ar流量と鋳片の表
面シワ疵との関係を示すグラフ、第5図は、Ar
流量と鋳片の非金属介在物量との関係を示すグラ
フ、第6図は、従来のツインベルトキヤスターに
よる広幅薄鋳片の鋳造状態を模式化した概略図で
ある。 図面において、1,1′……ベルト駆動用プー
リー、2,2′……鋼製無端ベルト、3,3′……
ダムブロツク、4……給湯用樋、5……金属溶
湯、6……鋳片、7……ダムブロツクのガイドロ
ール、8……シールカバー、9……シール用アス
ベスト製布、10……液体状不活性ガス供給パイ
プ。
ーを用いた金属の鋳造方法を示す概略模式図、第
2図は、第1図におけるA−A矢視図、第3図
は、第1図における給湯部シールの実施例を示す
要部詳細模式図、第4図は、Ar流量と鋳片の表
面シワ疵との関係を示すグラフ、第5図は、Ar
流量と鋳片の非金属介在物量との関係を示すグラ
フ、第6図は、従来のツインベルトキヤスターに
よる広幅薄鋳片の鋳造状態を模式化した概略図で
ある。 図面において、1,1′……ベルト駆動用プー
リー、2,2′……鋼製無端ベルト、3,3′……
ダムブロツク、4……給湯用樋、5……金属溶
湯、6……鋳片、7……ダムブロツクのガイドロ
ール、8……シールカバー、9……シール用アス
ベスト製布、10……液体状不活性ガス供給パイ
プ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ツインベルトキヤスターの溶湯入側部及び給
湯樋を覆うようにシールカバーを配置するととも
に、該シールカバー内へ液体状の不活性ガスを供
給することにより、シールカバー内を大気圧より
も高い気圧の不活性ガス雰囲気となして鋳造を行
うことを特徴とする、ツインベルトキヤスターを
用いた金属の鋳造方法。 2 鋳造金属を鋼とするとともに、シールカバー
内の雰囲気温度を150〜400℃に調整して成る、特
許請求の範囲第1項に記載のツインベルトキヤス
ターを用いた金属の鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP268085A JPS61180653A (ja) | 1985-01-11 | 1985-01-11 | ツインベルトキヤスターによる金属の鋳造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP268085A JPS61180653A (ja) | 1985-01-11 | 1985-01-11 | ツインベルトキヤスターによる金属の鋳造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61180653A JPS61180653A (ja) | 1986-08-13 |
JPH0521665B2 true JPH0521665B2 (ja) | 1993-03-25 |
Family
ID=11536012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP268085A Granted JPS61180653A (ja) | 1985-01-11 | 1985-01-11 | ツインベルトキヤスターによる金属の鋳造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61180653A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0815642B2 (ja) * | 1988-12-06 | 1996-02-21 | 新日本製鐵株式会社 | 薄肉鋳片の連続鋳造方法 |
JP3495278B2 (ja) * | 1999-01-26 | 2004-02-09 | 株式会社神戸製鋼所 | ベルト式連続鋳造装置およびベルト式連続鋳造方法 |
JP7010158B2 (ja) * | 2018-06-28 | 2022-01-26 | 日本製鉄株式会社 | 薄肉鋳片の製造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法 |
-
1985
- 1985-01-11 JP JP268085A patent/JPS61180653A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61180653A (ja) | 1986-08-13 |
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