JPH0519165Y2 - - Google Patents

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JPH0519165Y2
JPH0519165Y2 JP15797387U JP15797387U JPH0519165Y2 JP H0519165 Y2 JPH0519165 Y2 JP H0519165Y2 JP 15797387 U JP15797387 U JP 15797387U JP 15797387 U JP15797387 U JP 15797387U JP H0519165 Y2 JPH0519165 Y2 JP H0519165Y2
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belts
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【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本考案は、一対の無端状金属ベルトを用いて薄
鋳片を連続的に製造する鋳造装置における前記ベ
ルトの改良に関するものである。 (従来の技術) 従来、薄鋼板は銅製鋳型に溶鋼を連続的に供給
し、冷却・凝固して厚さ200〜300mmのスラブを製
造し、このスラブを熱間圧延機及び冷間圧延機に
よつて圧延して製造していた。 ところが近年、熱間圧延工程を極力省略するた
め、厚さ50mm以下の薄鋳片を鋳造する方法が検討
されている。そして、その一つに無限軌道式の連
続鋳造機がある。 この無限軌道式の連続鋳造機は、駆動ローラー
により循環される無端状金属ベルトを所定の間隔
をなすごとく対向配置し、これら金属ベルトの両
端部近傍で両ベルトに挟持されベルトと共に循環
するダムブロツクとによつて形成された鋳造空間
に溶鋼を供給し、該供給した溶鋼を前記両金属ベ
ルト及び両ダムブロツク内で冷却して順次凝固せ
しめて鋳片とし、この鋳片を下方に引き抜くもの
である。なお、前記金属ベルトとして、炭素含有
量が0.01〜1.0重量%の低合金鋼が用いられてい
るのが現状である。 (考案が解決しようとする問題点) ところで、この種連続鋳造装置を用いて鋳片を
製造する場合、溶鋼中の炭素量が0.09〜0.20重量
%の範囲内にあるいわゆる中炭素鋼では、鋳造時
に鋳片に縦割れが発生しやすいものであつた。こ
のような鋳片表面の割れが発生すると、圧延工程
に送るに先立つて表面疵取り作業を必要とするた
め、本来熱経済的に優れている直送圧延適用の阻
害要因となつている。 このような鋳片の表面割れ、つまり縦割れの発
生機構については、従来より種々研究がなされて
おり、特にCが0.09〜0.20重量%の範囲は、包晶
反応域であり、凝固反応が不均一に進む結果、凝
固シエル厚さの不均一度が大きく、これが原因で
縦割れ等が発生しやすいことが知られている。従
つて、従来、その機構は未だ完全には明らかにさ
れていないが、次のように考られている。 すなわち、連続鋳造に際しては、溶鋼が一対の
ベルト間に供給され、凝固シエルが生成するので
あるが、その場合、ベルトによる抜熱量が大きい
ため、少しでも抜熱量にムラがあると凝固シエル
厚さは不均一となり、凝固シエル厚さの薄い部分
に収縮による熱応力やベルトの変動による衝撃力
が作用する結果、縦割れが発生するというもので
ある。 また、この種の連続鋳造機で特に溶融温度の高
い鋼用のものにおいては、金属ベルトの一方の面
が高い溶融温度の溶鋼に接し、他方の面が冷却水
に接するという条件下において運転されるもので
あるために、金属ベルトの厚さ方向に急勾配の温
度差が生じ、ここに熱膨張による歪が発生し、第
6図イに示すように幅方向、および同図ロに示す
ように長さ方向に変形し波打ちが生ずる。そし
て、その変形量は第7図のように金属ベルト1の
熱膨張率に大きく影響される。その結果、金属ベ
ルト1に接している溶鋼A側の鋳片表層部の冷却
速度が不均一になり、これに起因して鋳片の凝固
シエルCの形成も均一性を欠き、下側の金属ベル
ト1では、第8図に示すように、注湯直後(イ
図)から凝固が進行するにつれて凝固シエルCと
金属ベルト1が局部的に離反するため均等な冷却
が行われず、凹をなした不均一厚さの凝固シエル
Cが形成される(ロ図)。一方、上側の金属ベル
ト1も第9図に示すように下側と同様に注湯直後
(イ図)から凝固が進むにつれて凹を有する不均
一厚さの凝固シエルCが形成される(ロ図)。こ
の凹部Eの凝固シエルCは薄いために、熱応力に
よる引張力が生じ凝固シエルC内部の固液界面あ
るいは凝固シエル表面から割れが発生し、表面性
状の良好な極薄鋳片が得られないという問題があ
つた。このような現象は、特に包晶鋼に現われる
が、包晶鋼以外の鋼においても、無端状ベルトを
使用する薄鋳片連続鋳造機では、鋳片の凝固シエ
ルが不均一となるのは避けられないという問題が
あつた。 本考案は、このように連続鋳造される薄鋳片に
おける縦割れを防止すべく、メニスカス近傍で生
成するいわゆる初期凝固シエルの厚さを均一化す
るとともに、ベルトが溶鋼から奪う抜熱量を低減
させ、ベルトの温度上昇による熱変形を抑制する
ことができる薄鋳片連続鋳物装置用ベルトを提供
するものである。 (問題点を解決するための手段) 本考案の薄鋳片連続鋳造装置用ベルトは、駆動
ローラーにより循環される無端状金属ベルトを所
定の間隔となすごとく対向配置し、これら金属ベ
ルトの両端部近傍で両ベルトに挟持されベルトと
共に循環するダムブロツクを備え、これら金属ベ
ルトとダムブロツクで囲繞された鋳造空間に溶鋼
を供給して連続的に薄鋳片を製造する連続鋳造装
置の前記ベルトにおいて、溶鋼と接する表面側
に、鋳込み方向と平行な縦溝を形成し、その溝間
に形成される凸部を溶鋼と接するようにするとと
もに、溝は空気の流入を許すように構成したもの
である。 (作用) 本考案は前述のように、金属ベルトの溶鋼と接
する表面側に、鋳込み方向と平行な縦溝を形成
し、その溝間に形成される凸部を溶鋼と接するよ
うにするとともに、溝は空気の流入を許すように
構成したので、溝の分だけベルトの溶鋼に接する
面が少なくなつて、ベルトによる抜熱量を低減さ
せ、メニスカス近傍の緩冷却による初期凝固シエ
ル厚の均一化と、ベルトの温度上昇による熱変形
の抑制を可能とするものである。 (実施例) 以下本考案の実施例の薄鋳片連続鋳造装置用ベ
ルトについて、図面を参照しながら説明する。第
1図イはその鋳造装置の構成図を示し、同図ロは
ベルト断面図を示すものである。 図において、1は無端状の一対の金属ベルトで
り、駆動ローラー2に案内されて、所定の間隔を
維持しながら、鋳造面は溶鋼A及び鋳片Bを保持
し、背面は常時冷却水Dで冷却されながら矢印方
向に循環移動するものである。3はダムブロツク
であり、ガイドローラー4によつて案内され、上
下一対の前記金属ベルト1間の両端部に配置さ
れ、これら金属ベルト1と同調循環すべく配設さ
れている。また、5は給湯用樋であり、上下一対
の金属ベルト1と両ダムブロツク3とによつて形
成される鋳造空間に溶鋼Aを供給するものであ
る。以上のように薄鋳片連続鋳造装置が構成され
るが、本考案では、前記無端状金属ベルト1が第
1図ロに断面して示すように形成される。 すなわち、金属ベルト1の表面(溶鋼A及び鋳
片Bと接する面)に、鋳込み方向と平行な縦溝6
を形成し、従つて縦溝6と縦溝6間には凸部7を
形成したものである。この縦溝6は好ましくは規
則的に設けられ、その断面形状は溶鋼Aの流入を
阻止する一方空気の流入を許す程度とし、凸部7
が溶鋼A(及び鋳片B)との接触部を構成してこ
の部分を経て抜熱される。ところで、この縦溝6
を形成する縦溝6の幅Wと深さVについては、好
ましくはW=250〜750μm、V=60〜300μmとな
るように形成する。ここで、その溝幅Wと深さV
の好ましい寸法の理由について説明する。 まず、縦溝6の幅W=250〜750μmの範囲が好
ましい理由について説明する。 縦溝6を設ける理由が、金属ベルト1に対する
溶鋼Aの接触部を少なくして抜熱量を低下させる
ことにあるから、溶鋼Aが縦溝6へ容易に流入し
てはならない。そこで、まず、メニスカス位置付
近における溶鋼の圧力と、溶鋼流入限界の縦溝6
の幅との関係を第2図に示す。通常、溶鋼層に
は、10g/cm2程度の圧力が金属ベルトと凝固シエ
ル間に働く。第2図に示す結果から10g/cm2の溶
鋼圧力がある場合、溶鋼流入のない縦溝6の幅W
は、750μm以下となる。 また、縦溝6の幅Wを250μm以上とした理由
は、これ未満の幅Wでは加工が困難となるからで
ある。 次に、縦溝6の深さVが60〜300μmが適正範
囲である理由について説明する。 まず本考案において縦溝6の深さVの下限を
60μmとしたのは、深さVが60μm未満では、本
考案で意図している空気なよる断熱効果が充分で
ないためである。 ここに、第3図にメニスカス位置から20mm下方
の位置における熱流束を測定した結果を示す。通
常、緩冷却化により凝固シエル厚さの均一化を図
るため、熱流束を20%以上低下させる必要があ
る。第3図に示す結果から縦溝6の深さ60μm以
上が必要となることが分かる。一方、縦溝6の深
さを300μm以下としたのは、それを超えても効
果が殆ど変わらないためである。 以上のように、本考案にあつては縦溝6の幅を
250〜750μm、深さを60〜300μmとし、この加工
範囲を金属ベルト1に使用することにより、本考
案が目的とする緩冷却の効果が得られる。 また、前述のように、中炭素鋼の初期凝固シエ
ル厚の均一生成には、抜熱量低下が有効である
が、本考案ベルト1における縦溝6の加工を施し
て、第4図に示すように通常のベルトの70%以下
の抜熱量とすることにより、その効果が現われ
る。従つて、前記ベルト1における縦溝6の加工
については、この点を配慮して実施するようにす
る。 具体例として、第1図に示す装置を用い、ベル
ト1として従来の軟鋼(低合金鋼)ベルト及び第
1表に示す縦溝6の加工を施したベルトを使用し
て、第2表に示す化学組成の溶鋼から極薄鋳片を
鋳造した。
【表】
【表】 このときの鋳込み条件は、鋳片寸法:1000mm幅
×50mm厚、鋳込速度:3.0〜6.0m/minであつた。 次に、これら具体例によつて得られた鋳片につ
いて、それぞれ比較した結果、中炭素鋼について
は、第4図中に示すように、縦溝6を施した本考
案ベルト1による場合(▲印)は、従来のベルト
による場合(△印)に比べ、凝固シエル厚の不均
一度がほとんどない表面性状の極めて良好な極薄
鋳片が得られた。また、低炭素鋼については、第
5図に示すように、本考案ベルト1を用いたもの
では、ベルトの波打ち振幅が小さく、その結果、
割れ総長さが小さく表面疵の極めて少ない良好な
極薄鋳片が得られた。 (考案の効果) 以上説明したように本考案は、薄鋼片を連続的
に製造する連続鋳造装置の金属ベルトであつて、
溶鋼と接する表面側に、鋳込み方向と平行な縦溝
を形成し、その溝間に形成される凸部を溶鋼と接
するようにするとともに、溝は空気の流入を許す
ように構成したものであるため、従来に比べて溶
鋼との接触部が減少して抜熱量を低減することが
でき、従つて特に溶鋼のメニスカス近傍を緩冷却
することができて不均一凝固シエルを抑制するこ
とができる。また、抜熱量によつてベルトの温度
上昇が低減されるため、ベルトの熱変形を抑制す
ることができ、従つてベルトの熱変形が原因とな
つて生じていた不均一凝固シエルを抑制すること
ができるものである。よつて、不均一凝固シエル
に起因する鋳片の表面疵が著しく減少し、表面性
状の極めて良好な金属薄鋳片を、高能率で安定し
て製造することができるものであり、非常に有益
な考案である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示すもので、イ図
はその鋳造装置の構成図、ロ図はベルトの断面
図、第2図はベルトの縦溝幅と溶鋼圧力との関係
を示す特性図、第3図は同溝深さと熱流束減少率
との関係を示す特性図、第4図は緩冷却比率と凝
固シエル厚不均一度の関係を示す実験結果を示す
図、第5図はベルトの波打ち振幅の標準偏差と割
れ総長さの関係を示す実験結果を示す図、第6図
イ,ロは従来のベルトの鋳込方向及び幅方向の変
形状態を示す説明図、第7図は同ベルトの熱膨張
率と波打ちの振幅との関係を示す図、第8図イ,
ロは鋳片下面側凝固シエル成長に及ぼす金属ベル
ト幅方向の変形の影響を示す説明図、第9図イ,
ロは鋳片上面側における同説明図である。 1は金属ベルト、2は駆動ローラー、3はダム
ブロツク、6は縦溝、7は凸部、Aは溶鋼、Bは
鋳片。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 駆動ローラーにより循環される無端状金属ベル
    トを所定の間隔となすごとく対向配置し、これら
    金属ベルトの両端部近傍で両ベルトに挟持されベ
    ルトと共に循環するダムブロツクを備え、これら
    金属ベルトとダムブロツクで囲繞された鋳造空間
    に溶湯を供給して連続的に薄鋳片を製造する連結
    鋳造装置の前記ベルトにおいて、溶湯と接する表
    面側に、鋳込み方向と平行な縦溝を形成し、その
    溝間に形成される凸部を溶湯と接するようにする
    とともに、溝は空気の流入を許すように構成した
    ことを特徴とする薄鋳片連続鋳造装置用ベルト。
JP15797387U 1987-10-15 1987-10-15 Expired - Lifetime JPH0519165Y2 (ja)

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