JPH05177315A - 金属薄帯連続鋳造機 - Google Patents

金属薄帯連続鋳造機

Info

Publication number
JPH05177315A
JPH05177315A JP10427091A JP10427091A JPH05177315A JP H05177315 A JPH05177315 A JP H05177315A JP 10427091 A JP10427091 A JP 10427091A JP 10427091 A JP10427091 A JP 10427091A JP H05177315 A JPH05177315 A JP H05177315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed side
side weir
weir
fixed
casting machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10427091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2582952B2 (ja
Inventor
Shigeru Ogawa
茂 小川
Tadatsugu Yoshida
忠継 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP3104270A priority Critical patent/JP2582952B2/ja
Publication of JPH05177315A publication Critical patent/JPH05177315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2582952B2 publication Critical patent/JP2582952B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、種々の板幅・板厚の金属薄帯を良
好な品質で、かつ高い生産性で安定して製造できる金属
薄帯連続鋳造機 【構成】 傾斜して張り渡されて走行し上広鋳型の長辺
面を形成する無端ベルトと短辺を形成する固定型の側堰
を有し、該上広鋳型の板面形状および対応する固定側堰
の側面部形状が円弧形状で構成される金属薄帯連続鋳造
機において、該固定側堰の広幅上部の溶融金属側を主と
して断熱性の優れた耐火物で構成し、該固定側堰の狭幅
下部の溶融金属側を主として熱伝導性の優れた材料で構
成したことを特徴とする金属薄帯連続鋳造機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶湯から直接金属薄帯
を連続的に製造する、金属薄帯連続鋳造機に関する。
【0002】
【従来の技術】溶湯から金属薄帯が直接製造できると、
圧延工程が大幅に簡易化できるために好ましい。図11
は、特開昭61−27675号公報に記載の、双ドラム
式金属薄帯連続鋳造機の例である。溶湯6は、矢印方向
に回転する2本の回転ドラム18aと18bで形成され
る湯溜り部に注入される。回転ドラムと接した溶湯は、
m点からn点までの間で冷却されて凝固シェルを形成す
るが、18aと18b上にそれぞれ生成した凝固シェル
はn点で合体して、金属薄帯10となって取り出され
る。この方法で生産性(トン/時間)を大きくするため
には回転ドラムを早く回転させる事となるが、m点とn
点の距離が短いために、早く回転させると凝固シェルの
厚みが不十分で、所定の厚さの金属薄帯が製造できな
い。また回転ドラムの直径を大きくすると極めて大規模
な設備となる。また、この方式では回転ドラム18aと
18bの間隔を変化させることによって板厚を変化させ
ることができるが、このためには固定側堰はドラム胴端
に押し当てる他なく、この場合、板幅の異なる鋳片を得
るためには、種々の胴長を有するドラムを用意せざるを
得ず、設備コストは膨大なものになるうえ、板幅変更時
に必ずドラム組み替えが必要になり操業上も好ましい生
産形態とはならない。
【0003】図12は、特開昭59−47047号公報
に記載の、双ベルト式金属薄帯連続鋳造機の例である。
溶湯6は、矢印方向に回転するプーリー19a,19
b,19cに張り渡されて走行する無端ベルト1と、同
様に張り渡されて走行する無端ベルト1′とで形成され
る湯溜り部に注入される。無端ベルト1および1′は、
裏面が冷却装置12および12′で冷却されているた
め、無端ベルトに接した溶湯は凝固シェルを形成し、凝
固がおおよそ完了した金属薄帯10として取り出され
る。この方法で薄い板厚の金属板を製造するには、無端
ベルト1と1′との間隔tを狭くすることとなるが、こ
の方法でtを小さくし過ぎると、溶湯の注入流が無端ベ
ルトに当たって、無端ベルトを損傷し、また金属薄帯1
0の表面性状が損なわれるため、好ましくない。
【0004】以上述べた如く、双ドラム式金属薄帯連続
鋳造機は、板厚の薄い金属薄帯が製造できるが、高い生
産性を得ることは容易でなく、また板幅変更は容易では
ない。これに対して双ベルト式金属薄帯連続鋳造機は、
例えば図12で19aと19bとの距離を大きく配する
ことによって、高い生産性が得られるが、薄い金属板の
製造は容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄い金属帯
を高い生産性で製造できる金属薄帯連続鋳造機で、鋳造
機の構成部品を交換することなく鋳片の板幅を変更する
ことが可能であり、さらに鋳型短辺を構成する固定側堰
が実用的な耐久性を有するような金属薄帯連続鋳造機を
開示するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の対象とし
ている金属薄帯連続鋳造機の全体を示す模式的正面図で
ある。この金属薄帯連続鋳造機は、上ロール2と下ロー
ル3との間で、傾斜して、例えば矢印5方向に走行する
無端ベルト1と、これと対面して配され上ロール2′と
下ロール3′との間で傾斜して、例えば矢印5′方向に
走行する無端ベルト1′とで、上広鋳型の長辺壁が形成
されている。なお本発明で無端ベルト1や1′は、例え
ばテンションロール9や9′によって張力をかけて張り
渡されている。4と4′は固定側堰で、無端ベルト1と
1′の走行路に沿った上広形で、無端ベルトに挟まれ
て、上広鋳型の短辺壁を形成する。溶湯6はこの上広鋳
型に注入されるが、無端ベルトは裏面が冷却パッド1
2,12′によって冷却されているため、鋳型内で凝固
シェル8,8′を形成し、鋳型の下端で凝固シェル8,
8′は合体して金属薄帯10となる。本発明の金属薄帯
連続鋳造機では、鋳型が上広形となっているので、板厚
の薄い鋳片を鋳造する場合でも、溶湯の注入流が無端ベ
ルトに直接当たることがなく、無端ベルトを損傷するこ
とがない。凝固シェル8と8′との合体に際しては、下
ロール3と3′は無端ベルト1と1′を介して凝固シェ
ルを加圧する。この加圧によって金属薄帯10の厚さお
よび断面形状が調整される。
【0007】図2は図1の金属薄帯連続鋳造機の平面図
であり、比較的板幅の小さい鋳片を得るため固定側堰
4,4′はベルト1,1′の中に入り込んだ状態となっ
ている。これに対して図3は比較的板幅の大きい鋳片を
鋳造している状態を示しており、固定側堰4,4′はベ
ルト1,1′の端面近傍に位置している。このように本
鋳造機では、固定側堰4,4′の板幅方向移動により容
易に板幅を変更することができる。
【0008】さて、本発明の対象となっているような上
広鋳型を有する連続鋳造機では、構造上短片側に固定側
堰を配することが必要となるが、もし固定側堰から溶融
金属が熱を奪われ凝固シェルが発生した場合、湯溜まり
下部の板厚の小さくなったところで側堰上に発生した凝
固シェルが長辺面を構成する無端ベルトによって加工限
度以上の塑性変形を受け破断し、ブレークアウトや鋳片
板端近傍の品質欠陥を誘起する。この様な現象を避ける
ため、固定側堰の溶融金属側内面は断熱性を有する耐火
物を主材料として構成するのが通例となっているが、こ
れでは、例えば板厚5mm程度の薄い鋳片を製造しようと
するとき、板幅可変を前提とする限り、固定側堰の最下
端の幅は板厚と同等以下の寸法、すなわち5mm程度の幅
にしなければならない。しかしながら、このような幅の
小さい側堰では十分な強度を付与することが困難で有
り、また耐摩耗性・耐スポーリング性の点でも実用的な
耐久性を付与することは困難である。
【0009】そこで本発明の金属薄帯連続鋳造機の固定
側堰では、広幅の上部は断熱性に優れた耐火物を主材料
とし、狭幅の下部は主として側堰上部の材料よりも熱伝
導性のよい材料で構成されている。このように構成する
ことによって、湯溜まりの上部では、固定側堰に接する
部分で凝固シェルを形成しないようにし、湯溜まり下部
では、逆に積極的に凝固シェルを形成するようにするこ
とができる。このように湯溜まり下部で形成した凝固シ
ェルも、キッシングポイントと呼ばれる湯溜まり出口に
至るまでには塑性変形を受けるが、固定側堰の主材料が
断熱性耐火物から熱伝導性材料に変わる境界位置を注意
深く選定することにより凝固シェルが受ける塑性変形を
加工限度以下に抑えることが可能である。以上のように
キッシングポイントより上の位置で鋳片板端に凝固シェ
ルを形成することによって、キッシングポイントに至る
まで固定側堰を配する必要がなく、例えば板厚5mmの鋳
片を鋳造する場合でも、固定側堰は、例えば板厚10mm
に対応する位置まで配するだけでよく、以下キッシング
ポイントまでは固定側堰による支えなしの状態で鋳造が
可能となる。このように構成することによって、固定側
堰の最下端の幅を、耐久性の点で問題を生じるほどに極
端に小さくする必要がなくなる。
【0010】図5には以上のような考え方で構成された
固定側堰4の基本構造の例を示している。図面手前が溶
融金属側で固定側堰の内側を表しており、固定側堰の広
幅上部内面は断熱性耐火物13、狭幅下部は熱伝導性の
良い材料14を主として用いている。耐火物13として
は例えばジルコニア等が挙げられるが、これは表層部分
に溶射するだけでもよい。また狭幅下部の熱伝導性に優
れた材料14としては、アルミナグラファイト等の耐火
物もあるが、さらに伝熱特性を重視して、例えば銅の表
面にNiメッキ等を施して耐摩耗性や溶融金属との濡れ
性を改善したものでもよい。なお、何れも主として鋳造
前に使用する加熱装置や鋳造中の冷却装置を配備してお
くことが好ましい。
【0011】また、本発明の第2の要旨による鋳造機で
は、無端ベルト1,1′が形成する上広鋳型の板面形状
および対応する固定側堰4,4′の側面部形状が円弧形
状となっており、このため固定側堰を交換することなく
板厚も変更することが可能である。このことについて以
下に詳しく説明する。
【0012】図4は本発明の上広鋳型の板面形状および
対応する固定側堰の側面部形状が円弧形状となっている
本発明の鋳造機で、図1の状態よりも板厚の大きいもの
を鋳造する場合を図示しているが、無端ベルト1
(1′)、上ガイドロール2(2′)、下ガイドロール
3(3′)、冷却装置12(12′)が一体となってベ
ルト面の曲率中心のまわりに剛体回転しており、この結
果、固定側堰との間にギャップを生じることなく鋳片板
厚を変更できている。本鋳造機はこのような機能を有し
ているため、固定側堰を交換することなく板厚の異なる
鋳片を鋳造することが可能であり、鋳造中に連続的に板
厚を変更することも可能である。一般に固定側堰の側面
形状が円弧以外の曲線形状の場合は、ベルト面の剛体回
転あるいは剛体移動のみでは板厚変更時に発生する固定
側堰とのギャップを完全に埋めることは不可能であり、
板厚可変連続鋳造機として成立しない。
【0013】また、固定側堰の交換なしで板厚変更可能
となる固定側堰の側面形状としては、円弧形状(2次
式)の他に直線形状(1次式)がある。直線形状の場合
は、鋳造装置の剛体回転を行う必要がなく、板厚変更の
操作はさらに容易になるものの、ベルト張力によってベ
ルトを冷却装置に押しつけることが不可能となり、特に
溶湯静圧の低いメニスカス近傍において冷却能の高いパ
ッド冷却を採用することが困難となるためベルト溶損の
危険性が高くなり、さらにベルトも温度偏差によって座
屈しやすく板厚精度の高い鋳片を得ることが困難とな
る。これに対して円弧形状の場合は、ベルト張力によっ
てベルトを冷却装置に押し付けることが可能で、全面に
わたってパッド冷却を採用できベルト溶損の危険もなく
安定した鋳造が可能である。またベルト自身の曲率もあ
って温度偏差による座屈も生じにくくなり、板厚精度の
高い鋳片を得ることができる。
【0014】以上のように、固定側堰の形状を円弧形状
とすることによって、固定側堰を交換することなく、鋳
片板厚を連続的に変更することが可能となり、より多く
の種類の板厚の鋳片を連続的に製造することができると
いう工業的に非常に重要な機能を持つことになる。
【0015】図6は固定側堰上部13と固定側堰下部1
4を分離したものを示しているが、このように上下分離
し、例えば図9に示すようにそれぞれ独立に鋳片板幅方
向の位置を制御する固定側堰移動装置15を配置するこ
とによって、鋳片の板幅方向収縮,鋳片の板厚方向圧下
による幅広がり等を鋳造条件ごとに考慮して固定側堰の
最適位置を設定することができる。
【0016】図7は、図6とは断熱性耐火物の支持方法
の異なる場合の例を図示している。また、図5から図7
までは、断熱性耐火物の靭性および耐摩耗性の問題か
ら、断熱性耐火物を靭性および耐摩耗性に優れた材料で
支持した構造のものを示しているが、図8のように固定
側堰上部をすべて断熱性耐火物で構成することも可能で
ある。
【0017】さて上述したように固定側堰上部では凝固
シェルを発生させないことか必要であるが、断熱性の優
れた耐火物を採用するだけでは凝固シェルの発生を防止
することが出来ない場合がある。このような場合には固
定側堰に微小振動を与えるのが効果的であり、図9の固
定側堰移動装置15を油圧方式にすれば容易に微小振動
を与えることができる。また固定側堰下部では積極的に
凝固シェルを形成せしめるが、この場合でも、凝固シェ
ルをベルトとともに滑らかに移動させるには、固定側堰
下部にも微小振動を与えるのが好ましい。またこの時、
固定側堰上部と固定側堰下部とでは、受圧面で平均した
固相率が大きく異なるので、振動数および振幅の最適値
が異なり、このためにも固定側堰は上下分離し、それぞ
れ独立に加振装置を配備することが好ましい。
【0018】図10には、固定側堰下方にガス圧付加装
置16,16′を配した本発明の金属薄帯連続鋳造装置
の側面図を示す。このようなガス圧付加装置があれば鋳
片端面に薄い凝固シェルができた段階でも、溶湯静圧に
抗する圧力をガスによって与えることができるため、固
定側堰をさらに上部までに限定することが可能となり、
固定側堰の耐久性上さらに余裕のある設計が可能とな
る。図10では、ガス流17,17′を常に鋳片端面よ
り一定の距離から供給するために、ガス圧付加装置1
6,16′は、固定側堰の移動装置15c,15′cに
よって固定側堰14,14′とともに移動するように構
成されている。ただしこの構造は下部固定側堰14,1
4′に移動装置15c,15′cによって振動を与える
形式の場合は耐久性上好ましくなく、このような場合は
ガス圧付加装置に独立に鋳片板幅方向移動装置を設ける
べきである。
【0019】
【実施例】
実施例1 図1のような構造を有し、ベルト肉厚1.5mm、ベルト
幅2000mm、上ガイドロール2,2′、下ガイドロー
ル3,3′および冷却装置12,12′によって構成さ
れるベルト1,1′形状が曲率半径3000mmの円弧で
あるような鋳造機を用いて、0.1%C鋼組成を有する
温度1590℃の溶鋼を湯溜りに注入し、肉厚5.0m
m、板幅1500mmの金属薄帯を98mpm の鋳造速度で
製造した。このときのキッシングポイントからメニスカ
スまでの湯面高さは1750mmであり、ベルトと湯溜り
との接触長さは約1940mmである。当初は、固定側堰
はアルミナグラファイト製耐火物の内面側にジルコニア
を溶射した構造とし、固定側堰下端は幅5mmでキッシン
グポイントまで固定側堰下端が及ぶ構造としていた。し
かしながらこの場合、鋳造開始後まもなく固定側堰の下
端に欠けを生じ、その部分から溶鋼が漏れるという事故
が発生した。
【0020】そこで本発明にしたがって、固定側堰の上
部は同構造として、ベルト1と1′のギャップが100
mmの位置より下部の固定側堰は内面までアルミナグラフ
ァイト製とし、最下端の幅は10mmの図5のような構造
の固定側堰を採用して同様の鋳造を実施したところ、固
定側堰の破損も溶鋼の漏れもなく順調に鋳造を行うこと
ができた。さらに同じ条件下で、固定側堰4,4′の間
隔を小さくすることによって、板厚5.0mm、板幅90
0mmの鋳片を鋳造することができた。次に板厚の大きい
鋳片を鋳造するため、固定側堰は固定したまま、上ガイ
ドロール2(2′)、下ガイドロール3(3′)、冷却
装置12(12′)を一体として、ベルト面曲率中心軸
のまわりに剛体回転しキッシングポイントにおけるギャ
ップを25mmに拡大した状態で溶鋼を注入し、5.2mp
m の鋳造速度で板厚25mmの鋳片を製造することができ
た。
【0021】実施例2 図1のような構造を有し、ベルト肉厚1.5mm、ベルト
幅2000mm、上ガイドロール2,2′、下ガイドロー
ル3,3′および冷却装置12,12′によって構成さ
れるベルト1,1′形状が曲率半径3000mmの円弧で
あるような鋳造機を用いて、0.1%C鋼組成を有する
温度1590℃の溶鋼を湯溜りに注入し、肉厚4.6m
m、板幅1500mmの金属薄帯を98mpm の鋳造速度で
製造した。このときのキッシングポイントからメニスカ
スまでの湯面高さは1750mmであり、ベルトと湯溜り
との接触長さは約1940mmである。当初は、固定側堰
はアルミナグラファイト製耐火物の内面側にジルコニア
を溶射した構造とし、固定側堰下端は幅5mmでキッシン
グポイントまで固定側堰下端が及ぶ構造としていた。し
かしながらこの場合、鋳造開始後まもなく固定側堰の下
端に欠けを生じ、その部分から溶鋼が漏れるという事故
が発生した。
【0022】そこで本発明にしたがって、固定側堰の上
部は同構造として、ベルト1と1′のギャップが80mm
の位置より下部は銅製鋳型に内表面Niメッキ構造と
し、最下端の幅は12mmの図5のような構造の固定側堰
を採用して同様の鋳造を実施したところ、固定側堰の破
損も溶鋼の漏れもなく順調に鋳造を行うことができた。
さらに同じ条件下で固定側堰4,4′の間隔を小さくす
ることによって、板厚5.0mm、板幅900mmの鋳片を
鋳造することができた。次に板厚の大きい鋳片を鋳造す
るため、固定側堰は固定したまま、上ガイドロール2
(2′)、下ガイドロール3(3′)、冷却装置12
(12′)を一体として、ベルト面曲率中心軸のまわり
に剛体回転しキッシングポイントにおけるギャップを2
5mmに拡大した状態で溶鋼を注入し、5.2mpm の鋳造
速度で板厚25mmの鋳片を製造することができた。
【0023】実施例3 実施例2で本発明による固定側堰を採用して鋳造が可能
となったが、固定側堰上部における薄い凝固シェルの発
生および固定側堰下部に発生した凝固シェルの固着・ス
リップの繰り返しによるものと推定される鋳片板端部の
疵が発生した。そこで上部固定側堰と下部固定側堰を分
離し、図9に示したような固定側堰の移動装置15を油
圧駆動方式とし、上部固定側堰には振幅±0.5mm、周
波数10Hz、下部固定側堰には振幅±0.2mm、周波数
20Hzの振動を加えて鋳造を実施したところ、鋳片板端
の品質欠陥は消失した。
【0024】実施例4 実施例2で本発明による固定側堰を採用して鋳造が可能
となったが、固定側堰下端の摩耗はかなり激しく、数チ
ャージの鋳造で下部固定側堰を交換する必要があった。
そこで図10に示すように固定側堰の下方にガス圧付加
装置16,16′を配備し、下部固定側堰はギャップが
80mmの位置より24mmの位置までとした。ガスはアル
ゴンガスとし、鋳片端面に溶鋼静圧と同程度の圧力が加
わるように、アルゴンガスの配管内の圧力は5kgf/cm2
とした。この結果、板厚5mmの鋳片を鋳造しても溶鋼漏
れも発生せず順調に鋳造を行うことができ、固定側堰の
寿命も数倍に延長することができた。
【0025】
【発明の効果】本発明の金属薄帯連続鋳造機を用いるこ
とにより、種々の板幅・板厚の金属薄帯を良好な品質
で、かつ高い生産性で安定して製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属薄帯連続鋳造機の基本構造を示す
正面図。
【図2】本発明の金属薄帯連続鋳造機で板幅の比較的小
さい鋳片を鋳造している状態の平面図。
【図3】本発明の金属薄帯連続鋳造機で板幅の比較的大
きい鋳片を鋳造している状態の平面図。
【図4】本発明の金属薄帯連続鋳造機で、図1の状態よ
り板厚の大きい鋳片を鋳造している状態の正面図。
【図5】本発明の金属薄帯連続鋳造機で採用される固定
側堰の図。
【図6】本発明の金属薄帯連続鋳造機で採用される固定
側堰で上下分離方式のものの図。
【図7】本発明の金属薄帯連続鋳造機で採用される固定
側堰でさらに異なる方式の図。
【図8】本発明の金属薄帯連続鋳造機で採用される固定
側堰で広幅上部が一体構造となっているものの図。
【図9】本発明の金属薄帯連続鋳造機を鋳片板面によっ
て切断した断面の側面図。
【図10】ガス圧によって湯溜まり下部の鋳片端面を支
持する方式の本発明の金属薄帯連続鋳造機を鋳片板面に
よって切断した断面の側面図。
【図11】公知の双ドラム式金属薄帯連続鋳造機を示す
図。
【図12】公知の双ベルト式金属薄帯連続鋳造機を示す
図。である。
【符号の説明】
1,1′ 無端ベルト 2,2′ 上ガイ
ドロール 3,3′ 下ガイドロール 4,4′ 固定側
堰 5 ベルト走行方向 6 溶湯 7 湯溜り 8,8′ 凝固シ
ェル 9,9′ テンションロール 10 金属薄帯 11,11′ ガイドロール 12,12′ 冷
却装置 13 断熱性に優れた耐火物からなる上部固定側堰 14 断熱性に優れた耐火物からなる下部固定側堰 15 固定側堰移動装置 16 ガス圧付加装置 17 ガス流 18 回転ドラム 19 プーリー 19(19a,19b,19c,19a′,19b′,
19c′) プーリー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜して張り渡されて走行し上広鋳型の
    長片面を形成する一対の無端ベルトと、該無端ベルトに
    挟持され鋳型の短片を形成する一対の上広型固定側堰を
    有する金属薄帯連続鋳造機において、該固定側堰の広幅
    上部の溶融金属側を主として断熱性の優れた耐火物で構
    成し、該固定側堰の狭幅下部の溶融金属側を主として熱
    伝導性の優れた材料で構成したことを特徴とする金属薄
    帯連続鋳造機。
  2. 【請求項2】 傾斜して張り渡されて走行し上広鋳型の
    長片面を形成する一対の無端ベルトと、該無端ベルトに
    挟持され鋳型の短片を形成する一対の上広型固定側堰を
    有する金属薄帯連続鋳造機において、該上広鋳型の板面
    形状および対応する固定側堰の側面形状が円弧形状であ
    ることを特徴とし、さらに該固定側堰の広幅上部の溶融
    金属側を主として断熱性の優れた耐火物で構成し、該固
    定側堰の狭幅下部の溶融金属側を主として熱伝導性の優
    れた材料で構成したことを特徴とする金属薄帯連続鋳造
    機。
  3. 【請求項3】 固定側堰の広幅上部と狭幅下部を分離
    し、それぞれ鋳片板幅方向に独立に移動可能に構成した
    ことを特徴とする請求項2記載の金属薄帯連続鋳造機。
  4. 【請求項4】 固定側堰に加振装置を供えたことを特徴
    とする請求項2記載の金属薄帯連続鋳造機。
  5. 【請求項5】 鋳片板端端面に圧力を加えられるよう
    に、ガス噴出装置を固定側堰の最下端から鋳型の最小ギ
    ャップに至るまでの位置に配備したことを特徴とする請
    求項2記載の金属薄帯連続鋳造機。
JP3104270A 1991-05-09 1991-05-09 金属薄帯連続鋳造機 Expired - Lifetime JP2582952B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3104270A JP2582952B2 (ja) 1991-05-09 1991-05-09 金属薄帯連続鋳造機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3104270A JP2582952B2 (ja) 1991-05-09 1991-05-09 金属薄帯連続鋳造機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05177315A true JPH05177315A (ja) 1993-07-20
JP2582952B2 JP2582952B2 (ja) 1997-02-19

Family

ID=14376239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3104270A Expired - Lifetime JP2582952B2 (ja) 1991-05-09 1991-05-09 金属薄帯連続鋳造機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2582952B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0275450A (ja) * 1988-09-09 1990-03-15 Kawasaki Steel Corp 薄鋳片連続鋳造機の短辺側板

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0275450A (ja) * 1988-09-09 1990-03-15 Kawasaki Steel Corp 薄鋳片連続鋳造機の短辺側板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2582952B2 (ja) 1997-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101557907B1 (ko) 연속 주조 장치용 조절 가능한 측면 댐
US5058657A (en) Apparatus for continuous casting of metal strip
JP5899353B2 (ja) 幅が可変の鋳造ストリップ用連続鋳造装置
JPH05177315A (ja) 金属薄帯連続鋳造機
JPS6232017B2 (ja)
JPH07112605B2 (ja) 金属薄帯連続鋳造機
JPH0246949A (ja) 薄板連鋳機
JPS63126651A (ja) ベルト式連続鋳造方法
KR20210116609A (ko) 트윈 벨트 주조기용 짧은 벨트 측면 댐
JPS63278645A (ja) ベルト式連続鋳造機のサイドダムガイド装置
JPH0521665B2 (ja)
JPS6343748A (ja) 移動鋳型式連続鋳造用溶融金属注入ノズル
JPS6243781B2 (ja)
JPH0438932Y2 (ja)
JPH06210412A (ja) 単ベルト式連続鋳造装置
JPS6272456A (ja) 無限軌道式連続鋳造装置
JPS6178538A (ja) 単ベルト方式の連続鋳造における溶融金属の注入方法
JPH02220743A (ja) 金属薄帯連続鋳造装置
JPH02217140A (ja) 金属薄帯連続鋳造装置
JPH01284464A (ja) 薄板鋳片連続鋳造用鋳型
JPH082482B2 (ja) 薄板連鋳機
JPH01150441A (ja) ツインベルト式連続鋳造機
JPS62227555A (ja) 薄鋼板の連続鋳造装置
JPH02220744A (ja) ベルト式連続鋳造機の無端ベルト
JPH01306051A (ja) ベルトキャスターの絞り込み方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19961001