JP2851830B2 - 不飽和アルコールの製造法 - Google Patents

不飽和アルコールの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不飽和アルコールの
製造法に関し、詳しくは、不飽和脂肪酸のエステル、ま
たはトリグリセリドを触媒の存在下に水素化し、高収率
かつ選択性良く不飽和アルコールを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
不飽和アルデヒド、不飽和脂肪酸あるいはそのエステル
を、各種触媒の存在下で水素化する不飽和アルコールの
製造法は数多く報告されている。例えば、特公昭45−25
62号公報は、還元性雰囲気中で 400℃〜1000℃、好まし
くは500〜900 ℃での高温処理に付された触媒を使用す
ることを特徴とし、酸化亜鉛−酸化クロム触媒の存在下
で連続的に水素化を行う方式を提案している。また、特
公昭54−36731 号公報は、酸化亜鉛および/または酸化
カドミウム、酸化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化
バリウムから成る4元または5元触媒による固定床反応
方式を提案している。
【0003】しかしながら、上記の方法は酸化クロム、
酸化カドミウムを使用しており、環境保全の観点から好
ましくなく、また活性および選択性の点において必ずし
も満足すべきものではない。
【0004】また、不飽和アルコールの製造法におい
て、鉄−亜鉛複合酸化物触媒を使用することについても
古くから提案されている。例えば、工業化学雑誌第44編
第6冊740 頁(1941年)には、酸化鉄/酸化亜鉛=95/
5 の複合触媒が提案されているが、この触媒については
触媒活性および炭素−炭素二重結合保持性能(炭素−炭
素二重結合が飽和結合にならないこと。以下二重結合保
持性能と言う。)に関する選択性の点で満足すべきもの
ではない。
【0005】この問題に対して、特開昭59−106431号公
報は、酸化鉄、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムより成
る三元触媒を用いることにより、活性および二重結合保
持性能に関する選択性の改良された不飽和アルコールの
製造法を開示しているが、酸化鉄−酸化亜鉛および酸化
ジルコニウムより成る三元触媒を繰り返し反応に用いた
場合、酸化鉄が還元されるといった触媒組成物の形態変
化が見られ、それに伴ない飽和アルコールの副生量の増
加が確認されたことから、二重結合の保持性能に関する
選択性が良好な状態で長時間にわたって維持されないと
いう新たな問題点も見い出された。
【0006】従って、本発明の課題は、触媒活性及び二
重結合保持性能が長期間持続し、そして副反応が抑制さ
れた、高収率及び高選択性の不飽和アルコールの製造法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、鋭
意研究を重ねた結果、極めて選択された組成の触媒を使
用することにより上記課題が解決でき、更に驚くべきこ
とに、このような触媒を使用することにより得られる不
飽和アルコールは、原料として用いる不飽和化合物の二
重結合の異性化をほとんど伴わないことも明らかとな
り、本発明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、(a) 酸化亜鉛、及び(b)
周期律表の3A属元素から成る群より選ばれる少なくと
も一種の金属の酸化物より成る複合金属酸化物であっ
て、その重量比が、 (a)/(b) =1/0.01〜1/1.2 で
ある触媒組成物の存在下、不飽和脂肪酸のアルキルもし
くはアルケニルエステル、または長鎖脂肪族不飽和炭化
水素基を有するトリグリセリドを水素化することを特徴
とする不飽和アルコールの製造法を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0010】本発明に用いられる(b) の周期律表の3A
属元素とは、Sc,Y 、ランタノイド元素(La,Ce,Pr,
Nd, Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)、
アクチノイド元素(Ac,Th,Pa,U ,Np,Pu,Am,Cm,
Bk,Cf,Es,Fm,Md,No,Lr)である。この中で好まし
い元素は Y,La,Ce,Thである。
【0011】なお、本発明において周期律表とは改訂4
版「化学便覧」基礎編II(日本化学会編、丸善株式会
社、平成5年9月30日発行)に記載の周期律表をいう。
【0012】本発明に係わる触媒組成物は、(a) 酸化亜
鉛と、(b) 周期律表の3A属元素の酸化物よりなる複合
金属酸化物であるが、本発明の効果を害しない範囲で従
来公知の何れの触媒担体を添加してもよい。
【0013】本発明に係わる触媒組成物の製法は特に限
定されず、公知の方法により調製される。例えば、担体
を用いない場合においては、前記周期律表の3A属元素
より選ばれる少なくとも一種以上の元素の水溶性塩と水
溶性亜鉛塩からの共沈澱法、あるいは周期律表の3A属
元素より選ばれる少なくとも一種以上の元素の水溶性塩
を、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の難水溶性亜鉛
化合物に含浸する含浸法、またはそれら難水溶性亜鉛化
合物に前記周期律表の3A属元素より選ばれる少なくと
も一種以上の元素の水溶性塩を沈澱させる沈澱法等の方
法により、まず触媒組成物前駆体を調製し、その後、焼
成することにより製造される。また、担体を用いる場合
においては、酸化物および/または水酸化物の触媒担体
を用い、亜鉛塩および周期律表の3A属元素より選ばれ
る少なくとも一種以上の元素の水溶性塩を沈澱法により
担持するか、または含浸担持する方法等により、まず触
媒組成物前駆体を調製し、その後、焼成することにより
製造される。また、周期律表の3A属元素より選ばれる
少なくとも一種以上の元素の化合物と亜鉛の化合物とを
共に物理的に混合する混練法により、希釈担体として使
用することも可能である。
【0014】共沈澱法、含浸法または沈澱法により触媒
組成物前駆体を調製する場合において使用される水溶性
塩は、水溶性のものであれば良い。一般的に亜鉛塩とし
ては、硫酸塩、硝酸塩あるいは塩化物等が挙げられ、ま
た、周期律表の3A属元素より選ばれる少なくとも一種
以上の元素の水溶性塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化
物等が挙げられる。共沈澱法または沈澱法により触媒組
成物前駆体を得るための沈澱剤としては、アンモニア、
尿素、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液が用いら
れる。一般に、共沈澱法または沈澱法を用いる場合、沈
澱物形成時の溶液のpHは、 2.0から10.5の間で調整する
のが好ましい。
【0015】このようにして得られた触媒組成物前駆体
は、焼成分解して、酸化物とした後に本発明の不飽和ア
ルコール製造のための触媒組成物として使用される。本
発明に用いられる触媒組成物の前駆体を焼成分解して酸
化物とする場合の温度は、特に限定されないが、好まし
くは 200℃から900℃であり、より好ましい範囲は300℃
から700 ℃である。 200℃未満の低温では、活性の発現
が不十分となり、 900℃を超えると触媒の表面積が低下
し、十分な活性を示さなくなる。
【0016】本発明に係わる触媒組成物は、活性成分で
ある(a) 酸化亜鉛及び(b) 周期律表の3A属元素から選
ばれる金属の酸化物が必須となるが、その組成範囲は、
(a)/(b) =1/0.01〜1/1.2 (酸化物重量基準、以
下同じ)の範囲である。この組成範囲以外の組成におい
ては、活性が大幅に低下する。より好ましい組成範囲
は、 (a)/(b) =1/0.03〜1/1.0 である。これらの
組成から成る触媒組成物は、本発明の範囲内において、
高い活性を有し、かつ水素化反応に伴なう炭化水素やエ
ーテル類の副生成物の生成はほとんど見られない。更に
驚くべきことに、反応原料として用いた不飽和化合物の
二重結合は、シス体からトランス体への異性化をほとん
ど伴なわずに不飽和アルコールへ転換されるという効果
も見い出された。
【0017】本発明に係わる触媒組成物において、(a)
酸化亜鉛と、(b) 周期律表の3A属元素から選ばれる金
属の酸化物との重量比が上記範囲にある限りにおいて
は、担体を用いても何ら差しつかえない。担体を用いる
場合、担体の一部または全部がチタンおよび/またはジ
ルコニウムの酸化物より成る触媒組成物を用いる場合に
のみ、原料不飽和化合物の二重結合の異性化が一部認め
られるが、異性化を制御する効果に比べて、高い生産性
を達成する効果が経済的に有利であると判断されるプロ
セスでの使用においては、これらの触媒組成物の使用は
問題とならず、高い活性を有する効果により有効とな
る。なお、担体使用の有無によらず、触媒組成物中に本
発明の効果を害しない範囲で成形助剤等の第三成分を加
えてもかまわない。
【0018】本発明において、不飽和アルコールの製造
法は、懸濁床反応方式、流動床反応方式、固定床反応方
式等のいずれの方式においても実施し得るが、その場
合、触媒形状は各反応方式に適した形に成形される。本
発明において、不飽和アルコールを製造しようとする場
合に選ばれる反応条件は以下のようである。
【0019】懸濁床反応方式では、触媒使用量は原料と
して用いる不飽和脂肪酸のエステル、またはトリグリセ
リドに対し、5重量%から30重量%であることが好まし
いが、反応のサイクルタイムを短縮する目的においては
高濃度触媒反応がより好ましい。反応温度は 150℃から
350℃の範囲が好ましいが、反応温度が高くなるほど炭
化水素あるいはエーテル類の副反応生成物が増加する。
しかしながら、同じ反応率での二重結合の異性化は、温
度によりほとんど影響されない。水素圧力は、1MPa
(メガパスカル)以上、 35MPa以下の条件が好ましい
が、より好ましくは20Mpaから 30MPaであり、反応原料
と触媒との接触時間が短時間で高い反応率が達成される
高圧の反応条件が、選択性の点でより好ましい。
【0020】触媒の仕込みに対しては、反応方式によら
ず酸化雰囲気あるいは不活性雰囲気中で焼成された触媒
を酸化物の状態で仕込み、そのまま反応に供することが
できる。あるいは、適度に予備還元処理を施した触媒、
例えば反応原料中あるいは生成アルコール中、前記反応
条件で予備還元処理を施した触媒を仕込み、反応に供し
ても何ら問題はない。
【0021】固定床反応方式で不飽和アルコールを製造
しようとする場合には、触媒は公知の成形法、例えば押
し出し成形あるいは打錠成形等により成形される。成形
時においては、本発明の効果を害さない範囲で細孔付与
剤、滑剤を添加してもよい。また、触媒組成物前駆体を
焼成分解して酸化物とする場合、成形の前工程において
粉末の状態で焼成分解した後に成形するか、または未燃
焼分解物を成形した後に焼成分解しても良い。成形され
た触媒は、反応器に充填し、そのまま反応に供すること
ができる。あるいは、反応器中または反応系外で予め還
元処理を行なった後に、反応に供しても何ら問題はな
い。成形触媒の還元を行なう際に選ばれる条件は以下の
ようである。気相で還元処理を行なう場合、不活性ガス
で希釈された水素雰囲気下、または 100%水素雰囲気下
において、温度は 200℃から 600℃、圧力は常圧から 3
5MPa、ガス空間速度(GHSV)は、 0.1〔l/Hr〕か
ら 10000〔l/Hr〕の条件が採用される。更に、前記還
元処理は、反応原料および/または生成アルコールの共
存下でも行なうことができる。固定床反応方式で不飽和
アルコールを製造する場合、反応温度および反応圧力は
150℃から 350℃、1MPa から 35MPaの範囲より選ばれ
る条件が好ましいが、炭化水素あるいはエーテル類の副
反応生成物の副生を抑えて高い生産性を得る目的におい
ては、 240℃から 320℃、 20MPaから 35MPaの反応条件
がより好ましい。反応原料の供給は、液空間速度(LH
SV)で 0.1〔l/Hr〕から 2.0〔l/Hr〕の範囲で行
なわれる。
【0022】本発明においては、加圧水素下で反応を行
うことが好ましいが、固定床連続反応器内へ供給する水
素ガスの流量は得られるアルコールの反応率に影響を与
え、反応原料である不飽和脂肪酸のエステル、またはト
リグリセリドが有するカルボニル基のモル数に対して、
供給する水素ガスのモル比は、1対1から1対200 の範
囲が好ましく、反応率および経済性の面からは、1対2
から1対100 の範囲がより好ましい。
【0023】本発明において、不飽和アルコールを製造
しようとする場合に選ばれる反応原料は、不飽和脂肪酸
のアルキルもしくはアルケニルエステル、または長鎖脂
肪族不飽和炭化水素基を有するトリグリセリドである。
不飽和脂肪酸のアルキルもしくはアルケニルエステルと
しては、分子内に一つ以上の二重結合を有する不飽和脂
肪酸のアルキル又はアルケニルエステルであれはいずれ
でも良く、このエステルを構成するアルキルもしくはア
ルケニル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜22の
ものが好ましい。具体的には、メチル−、エチル−、プ
ロピル−、イソプロピル−、ブチル−、イソブチル−、
tert−ブチル−、ヘキシル−、オクチル−、デシル−、
オレイル−等の基が挙げられる。また不飽和脂肪酸のア
ルキルもしくはアルケニルエステルは混合物であっても
何ら問題なく使用でき、その様な混合物は飽和の脂肪酸
エステルを含んでいてもよい。また、長鎖脂肪族不飽和
炭化水素基を有するトリグリセリドとしては、長鎖脂肪
族不飽和炭化水素基を有する天然系油脂、例えば牛脂、
ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、菜種油等のト
リグリセリドをそのまま使用することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0025】実施例1 ・共沈澱法による触媒調製 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25gと、硝酸イ
ットリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕5.75gをイオン交
換水 500gに溶解し、攪拌しながら90℃に加温した。こ
の水溶液に、10重量%の炭酸ナトリウム水溶液 427.3g
を約1時間かけて滴下し、そこで生成した懸濁液を90℃
に保ったまま、1時間加熱熟成を行った。その後、得ら
れた沈澱物を濾別し、更に 1.5リットルのイオン交換水
で洗浄を行ない、 110℃で一昼夜乾燥させた。この様に
して得られた触媒組成物前駆体は、空気中 420℃で2時
間焼成分解を行ない、不飽和アルコールの製造に供し
た。なお、ここで得られた触媒の組成は、酸化亜鉛93.5
重量部、酸化イットリウム 6.5重量部( ZnO/Y2O3=1
/0.07)であった。
【0026】・不飽和アルコールの製造 オレイン酸メチル〔花王(株)製エキセパールM−O
L;ケン化価(SV)=193, ヨウ素価(IV)=84,
水酸基価(OHV)=1.5 〕 150gと、前述の方法によ
り得られた焼成触媒15gを、回転攪拌式オートクレーブ
に仕込んだ。水素圧1MPa 、攪拌速度 900回転/分で室
温から 300℃まで約30分かけて昇温を行ない、300 ℃に
到達した時点で水素圧 25MPaとし、 240分間反応を行っ
た。反応終了後、濾過により触媒を除去し、油分を水洗
/乾燥することによりオレイルアルコールを得た。得ら
れたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ素
価及び異性化率を測定し、触媒活性及び選択性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0027】なお、触媒活性の評価尺度には、反応性の
指標である生成アルコールのケン化価(SV〔KOH-mg/
g〕)、および水酸基価(OHV〔KOH-mg/g〕)を用
いて評価した。SVの値が低い方がカルボニル基の反応
率が高いことを示し、OHVの値が高い方がアルコール
への転化率が高いことを示す。また、選択性の評価尺度
には、二重結合の保持性能の指標となるヨウ素価(IV
〔 I-g/ 100g〕)を用いて評価した。IVの値が高い
方が二重結合保持性能が良好であることを示す。更に、
二重結合の骨格異性化の有無に関しては、反応原料に用
いたオレイン酸メチルの純度に対して、対応するオレイ
ルアルコールの純度をガスクロマトグラフィーにより定
量し、異性化の割合を算出した。算出式を以下に記す。
なお、異性化率の算出は、全ての触媒において同じ反応
率に到達した時点、すなわち得られた不飽和アルコール
のケン化価(SV)=10の時の値である。 <異性化率の算出式>
【0028】
【数1】
【0029】実施例2 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 148.7g、硝酸イッ
トリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 14.36g、および10
重量%炭酸ナトリウム水溶液675.6 gとする以外は、実
施例1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様
の反応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、こ
こで用いた触媒の組成は、酸化亜鉛90.6重量部、酸化イ
ットリウム 9.4重量部( ZnO/Y2O3=1/0.10)であっ
た。本反応により得られたオレイルアルコールのケン化
価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例
1と同様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1
に示す。
【0030】実施例3 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 208.2g、硝酸イッ
トリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 26.81g、および10
重量%炭酸ナトリウム水溶液1066.6gとする以外は、実
施例1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様
の反応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、こ
こで用いた触媒の組成は、酸化亜鉛87.8重量部、酸化イ
ットリウム12.2重量部( ZnO/Y2O3=1/0.14)であっ
た。本反応により得られたオレイルアルコールのケン化
価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例
1と同様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1
に示す。
【0031】実施例4 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 148.7g、硝酸イッ
トリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 38.30g、および10
重量%炭酸ナトリウム水溶液861.3 gとする以外は、実
施例1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様
の反応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、こ
こで用いた触媒の組成は、酸化亜鉛78.3重量部、酸化イ
ットリウム21.7重量部(ZnO /Y2O3=1/0.28)であっ
た。本反応により得られたオレイルアルコールのケン化
価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例
1と同様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1
に示す。
【0032】実施例5 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25g、硝酸イッ
トリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 34.47g、および10
重量%炭酸ナトリウム水溶液576.4 gとする以外は、実
施例1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様
の反応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、こ
こで用いた触媒の組成は、酸化亜鉛70.6重量部、酸化イ
ットリウム29.4重量部( ZnO/Y2O3=1/0.42)であっ
た。本反応により得られたオレイルアルコールのケン化
価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例
1と同様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1
に示す。
【0033】実施例6 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25g、硝酸ラン
タン六水塩〔La(NO3)3・6H2O〕 12.99g、および10重量
%炭酸ナトリウム水溶液457.2 gとする以外は、実施例
1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様の反
応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、ここで
用いた触媒の組成は、酸化亜鉛83.3重量部、酸化ランタ
ン16.7重量部( ZnO/La2O3 =1/0.20)であった。本
反応により得られたオレイルアルコールのケン化価、水
酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例1と同
様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1に示
す。
【0034】実施例7 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25g、硝酸セリ
ウム六水塩〔Ce(NO3)3・6H2O〕 13.03g、および10重量
%炭酸ナトリウム水溶液457.2 gとする以外は、実施例
1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様の反
応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、ここで
用いた触媒の組成は、酸化亜鉛83.2重量部、酸化セリウ
ム16.8重量部(ZnO /Ce2O3 =1/0.20)であった。本
反応により得られたオレイルアルコールのケン化価、水
酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例1と同
様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1に示
す。
【0035】実施例8 硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25g、硝酸トリ
ウム五水塩〔Th(NO3)3・5H2O〕 15.24g、および10重量
%炭酸ナトリウム水溶液457.2 gとする以外は、実施例
1記載の方法により触媒を調製し、実施例1と同様の反
応条件でオレイルアルコールを製造した。なお、ここで
用いた触媒の組成は、酸化亜鉛76.1重量部、酸化トリウ
ム23.9重量部(ZnO /Th2O3 =1/0.31)であった。本
反応により得られたオレイルアルコールのケン化価、水
酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例1と同
様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1に示
す。
【0036】実施例9 実施例3に記載の触媒を用い、反応原料として脱酸パー
ム核油〔ケン化価(SV)=243 ,ヨウ素価(IV)=
17.3,酸化(AV)=0.8 ,水酸基価(OHV)=10.
5〕を用いて、実施例1と同様の反応条件で不飽和アル
コールを製造した。本反応により得られた不飽和アルコ
ールのケン化価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測
定し、実施例1と同様に触媒活性及び選択性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0037】比較例1 比較として、硝酸亜鉛六水塩 89.25gのみを用い、10重
量%炭酸ナトリウム水溶液 397.5gとする以外は、実施
例1記載の方法により酸化亜鉛触媒を調製し、実施例1
と同様の反応条件でオレイルアルコールを製造した。本
反応により得られたオレイルアルコールのケン化価、水
酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測定し、実施例1と同
様に触媒活性及び選択性を評価した。結果を表1に示
す。
【0038】比較例2 比較として、硝酸亜鉛六水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 89.25
g、硝酸イットリウム六水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 114.9
g、および10重量%炭酸ナトリウム水溶液 993.8gとす
る以外は、実施例1記載の方法により触媒を調製し、実
施例1と同様の反応条件でオレイルアルコールを製造し
た。なお、ここで用いた触媒の組成は、酸化亜鉛41.9重
量部、酸化イットリウム58.1重量部( ZnO/Y2O3=1/
1.39)であった。本反応により得られたオレイルアルコ
ールのケン化価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測
定し、実施例1と同様に触媒活性及び選択性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0039】比較例3 比較として、市販の不飽和アルコール製造触媒である酸
化亜鉛−酸化クロム触媒(エンゲルハルド社製)の粉末
品を用い、実施例1と同様の反応条件でオレイルアルコ
ールを製造した。本反応により得られたオレイルアルコ
ールのケン化価、水酸基価、ヨウ素価及び異性化率を測
定し、実施例1と同様に触媒活性及び選択性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、本発明の実施例
の結果は、比較例に比べて、反応率及び転化率が高く、
二重結合保持性能が良好であり、異性化率が低いことが
わかる。
【0042】実施例10 担体として、市販の酸化チタン(堺化学(株)製)50.0
gをイオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六水塩〔Zn
(NO3)2・6H2O〕 29.75gと硝酸イットリウム六水塩〔Y
(NO3)3 ・6H2O〕7.66gをイオン交換水 500gに溶解し
た水溶液と混合することにより、懸濁液とした。この懸
濁液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重量%の炭酸
ナトリウム水溶液 172.3gを約1時間かけて滴下した。
滴下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟成を行なっ
た後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン交換水で洗
浄した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜乾燥した後
に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触媒とした。
得られた触媒の組成は、酸化亜鉛13.5重量部、酸化イッ
トリウム 3.7重量部( ZnO/Y2O3=1/0.27)、酸化チ
タン82.8重量部であった。
【0043】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0044】実施例11 担体として、市販の酸化チタン(堺化学(株)製)50.0
gをイオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六水塩〔Zn
(NO3)2・6H2O〕 29.75gと硝酸ランタン六水塩〔La(N
O3)3・6H2O〕 21.65gをイオン交換水 500gに溶解した
水溶液と混合することにより、懸濁液とした。この懸濁
液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重量%の炭酸ナ
トリウム水溶液 231.9gを約1時間かけて滴下した。滴
下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟成を行なった
後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン交換水で洗浄
した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜乾燥した後
に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触媒とした。
得られた触媒の組成は、酸化亜鉛12.3重量部、酸化ラン
タン12.3重量部( ZnO/La2O3 =1/1.0 )、酸化チタ
ン75.4重量部であった。
【0045】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0046】実施例12 担体として、市販の酸化チタン(堺化学(株)製)50.0
gをイオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六水塩〔Zn
(NO3)2・6H2O〕 29.75gと硝酸セリウム六水塩〔Ce(N
O3)3・6H2O〕 21.71gをイオン交換水 500gに溶解した
水溶液と混合することにより、懸濁液とした。この懸濁
液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重量%の炭酸ナ
トリウム水溶液 231.9gを約1時間かけて滴下した。滴
下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟成を行なった
後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン交換水で洗浄
した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜乾燥した後
に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触媒とした。
得られた触媒の組成は、酸化亜鉛12.3重量部、酸化セリ
ウム12.3重量部( ZnO/Ce2O3 =1/1.0 )、酸化チタ
ン75.4重量部であった。
【0047】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0048】実施例13 担体として、市販の酸化アルミニウム(水澤化学(株)
製)39.1gをイオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六
水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 119.0gと硝酸イットリウム六
水塩〔Y(NO3)3 ・6H2O〕 15.32gをイオン交換水 500g
に溶解した水溶液と混合することにより、懸濁液とし
た。この懸濁液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重
量%の炭酸ナトリウム水溶液 609.5gを約1時間かけて
滴下した。滴下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟
成を行なった後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン
交換水で洗浄した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜
乾燥した後に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触
媒とした。得られた触媒の組成は、酸化亜鉛42.7重量
部、酸化イットリウム 5.9重量部( ZnO/Y2O3=1/0.
14)、酸化アルミニウム51.3重量部であった。
【0049】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0050】実施例14 担体として、市販の酸化アルミニウム(水澤化学(株)
製)39.1gをイオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六
水塩〔Zn(NO3)2・6H2O〕 119.0gと硝酸ランタン六水塩
〔La(NO3)3・6H2O〕 17.32gをイオン交換水 500gに溶
解した水溶液と混合することにより、懸濁液とした。こ
の懸濁液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重量%の
炭酸ナトリウム水溶液 609.5gを約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟成を行
なった後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン交換水
で洗浄した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜乾燥し
た後に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触媒とし
た。得られた触媒の組成は、酸化亜鉛41.7重量部、酸化
ランタン 8.3重量部( ZnO/La2O3 =1/0.20)、酸化
アルミニウム50.0重量部であった。
【0051】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0052】実施例15 担体として、市販の酸化アルミニウム・酸化マグネシウ
ム(協和化学(株)製:キョーワード300)35.0gを
イオン交換水 500gに懸濁し、硝酸亜鉛六水塩〔Zn(N
O3)2・6H2O〕 59.50gと硝酸イットリウム六水塩〔Y(NO
3)3 ・6H2O〕 15.32gをイオン交換水 500gに溶解した
水溶液と混合することにより、懸濁液とした。この懸濁
液を攪拌しながら90℃に加温した後、10重量%の炭酸ナ
トリウム水溶液344.5 gを約1時間かけて滴下した。滴
下終了後、90℃に保ちながら1時間加熱熟成を行なった
後に沈澱物を濾別し、3リットルのイオン交換水で洗浄
した。水洗した沈澱物は、 110℃で一昼夜乾燥した後
に、空気中 420℃で2時間の焼成を行ない触媒とした。
得られた触媒の組成は、酸化亜鉛33.4重量部、酸化イッ
トリウム 9.3重量部( ZnO/Y2O3=1/0.28)、酸化ア
ルミニウム28.9重量部、酸化マグネシウム28.4重量部で
あった。
【0053】この触媒を用いて、実施例1と同様の反応
条件でオレイルアルコールを製造した。本反応により得
られたオレイルアルコールのケン化価、水酸基価、ヨウ
素価及び異性化率を測定し、実施例1と同様に触媒活性
及び選択性を評価した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】実施例16 実施例3に記載の未焼成分解粉末状触媒に、バインダー
成分としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩と
アルミナを添加し、打錠成形により3mmφ×3mmHの成
形体とした。この成形品を空気中 420℃で2時間焼成す
ることにより、成形触媒を得た。この成形触媒15gを、
触媒支持のためのバスケットを付した回転攪拌式オート
クレーブに仕込み、反応原料としてオレイン酸メチル
〔花王(株)製エキセパールM−OL;ケン化価(S
V)=193 ,ヨウ素価(IV)=84,水酸基価(OH
V)=1.5 〕を用いて、反応温度 300℃、水素圧力 25M
Paの条件で8時間反応を行なった。反応終了後、油分の
みを抜き出し、水洗/乾燥することによりオレイルアル
コールを得た。成形触媒はそのまま次の反応に供し、こ
の様な反応操作を3回行い、それぞれ得られたオレイル
アルコールの分析値から、実施例1と同様に触媒活性/
選択性を繰り返し評価した。結果を表3に示す。
【0056】比較例4 比較として、市販の不飽和アルコール製造触媒である酸
化亜鉛−酸化クロム触媒(エンゲルハルド社製)の成形
品(タブレット;3mmφ×3mmH)を用い、実施例16と
同様の操作によりオレイルアルコールを得る反応操作を
3回行い、それぞれ得られたオレイルアルコールの分析
値から、実施例1と同様に触媒活性/選択性を繰り返し
評価した。結果を表3に示す。
【0057】比較例5 比較として、硝酸亜鉛六水塩11.0gと硫酸第二鉄〔Fe
2(SO4)3 ,60%含有〕および硝酸ジルコニウム二水塩
6.5gの水溶液から、炭酸ナトリウムを沈澱剤として滴
下することにより、鉄−亜鉛−ジルコニウムの三元系沈
澱物を得た。この沈澱物を乾燥して得られた粉末を用
い、実施例16に記載の方法と同様の操作により打錠成
形、焼成分解し、成形触媒を得た。得られた成形触媒を
用い、実施例16と同様の操作によりオレイルアルコール
を得る反応操作を3回行い、それぞれ得られたオレイル
アルコールの分析値から、実施例1と同様に触媒活性/
選択性を繰り返し評価した。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】表3から明らかなように、本発明の実施例
においては、触媒活性及び選択性が良好で、また触媒を
繰り返し使用してもこれらの性能を持続していることが
わかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 泰幸 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−210035(JP,A) 特開 昭59−95227(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 33/00 - 33/048 C07C 29/136 - 29/149

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 酸化亜鉛、及び(b) 周期律表の3A
    属元素から成る群より選ばれる少なくとも一種の金属の
    酸化物より成る複合金属酸化物であって、その重量比
    が、 (a)/(b) =1/0.01〜1/1.2 である触媒組成物
    の存在下、不飽和脂肪酸のアルキルもしくはアルケニル
    エステル、または長鎖脂肪族不飽和炭化水素基を有する
    トリグリセリドを水素化することを特徴とする不飽和ア
    ルコールの製造法。
  2. 【請求項2】 水素圧が1MPa 以上35MPa以下である請
    求項1記載の不飽和アルコールの製造法。
  3. 【請求項3】 周期律表の3A属元素が、Y, La, Ce 又
    はThである請求項1又は2記載の不飽和アルコールの製
    造法。
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