JP2851103B2 - 不飽和ジカルボン酸イミド系化合物の製法 - Google Patents

不飽和ジカルボン酸イミド系化合物の製法

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JP2851103B2
JP2851103B2 JP2017382A JP1738290A JP2851103B2 JP 2851103 B2 JP2851103 B2 JP 2851103B2 JP 2017382 A JP2017382 A JP 2017382A JP 1738290 A JP1738290 A JP 1738290A JP 2851103 B2 JP2851103 B2 JP 2851103B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、付加型イミド樹脂の製造等に用いられる
不飽和ジカルボン酸イミド系化合物の新規な製法に関す
る。
〔従来の技術〕
付加型イミド樹脂の製造等に用いられる不飽和ジカル
ボン酸イミド系化合物を製造する方法の一つに、不飽和
アミド酸化合物を閉環させる方法がある。閉環の方法の
一つに、たとえば、特開昭53−23396号公報等に記載の
化学閉環法がある。
化学閉環法は、無水酢酸等の脱水剤を用いて脱水閉環
を行う方法である。この方法では、低温、短時間で反応
を行えるため、得られた不飽和ジカルボン酸イミド系化
合物中に含まれる高分子成分の量が少なく、同化合物の
純度が90重量%程度と高いという利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記化学閉環法では、閉環反応終了後、脱水
剤の処理が必要となるため、通常、反応液に水を投入し
て反応生成物を析出させ、ろ過、水洗浄、副生成した酸
の中和等を行う。これらの精製工程は非常に繁雑なもの
であり、また、処理中のロスにより、得られる不飽和ジ
カルボン酸イミド系化合物の収量が低くなる等の問題が
ある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであっ
て、繁雑な精製工程が不要なため高収量で、しかも、高
純度の不飽和ジカルボン酸イミド系化合物を得ることが
できる製法を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、この発明にかかる不飽和ジ
カルボン酸イミド系化合物の製法は、下記(1)のアミ
ンおよびポリアミンからなる群の中から選ばれた少なく
とも1つのアミン化合物と下記(2)の不飽和ジカルボ
ン酸無水物からなる群の中から選ばれた少なくとも1つ
の化合物とを反応させて得られる不飽和ジカルボン酸ア
ミド酸化合物を、、脱水剤としての酸無水物、塩基性触
媒および金属塩触媒の存在下で脱水閉環した後、副生成
した後を、下記(3)のオルトエステルからなる群の中
から選ばれた少なくとも1つの化合物によりアルコール
とエスルに分解して除去することにより、不飽和ジカル
ボン酸イミド系化合物を得るようにする。
(1)メタフェニレンジアミン、4−クロルメタフェニ
レンジアミン、4,6−ジメチルメタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、2−クロスパラフェニレ
ンジアミン、2,5−ジクロルパラフェニレンジアミン、
2,6−ジクロルパラフェニレンジアミン、2,5−ジエチル
パラフェニレンジアミン、5−クロル−2−メチルパラ
フェニレンジアミン、テトラフルオロフェニレンジアミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,4,4′−テトラ
アミノフェニルメタン、4,4′−アミノ−3、3′−ジ
エチルフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメ
チル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,3′
−テトラクロル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4′−メチレンジ−o−トルイジン、アニリ
ン、エチルアニリン、ジクロロアニリン、クロロアニリ
ン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、1,3,5
−トリアミノベンゼン、3,3′−ジアミノベンジシン。
(2)無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、お
よび、これらのハロゲン置換体、アルキル置換体。
(3)オルトギ酸メチルエステル、オルキド酸エチルエ
ステル、オルトギ酸プロピルエステル、オルト酢酸エチ
ルエステル、オルト酢酸エチルエステル、オルト酢酸プ
ロピルエステル。
〔作用〕
前記不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物を、脱水剤と
しての酸無水物、塩基性触媒および金属塩触媒の存在下
で反応させて起きる脱水閉環反応は、低温、短時間で行
うことができるため、得られる不飽和ジカルボン酸イミ
ド系化合物は、高分子量成分が極めて少なく、かつ、高
純度のものとなる。また、反応反応終了後に副生成した
酸を、前記オルトエステルで処理することにより、前記
酸がアルコールとエステルに分離されて除去しやすくな
るため、中和等の繁雑な精製工程が不要となり、精製工
程中のロスが低減されて、得られる不飽和ジカルボン酸
イミド系化合物の終了が高くなる。
〔実 施 例〕
以下に、この発明を詳しく説明する。
この発明に使用さえる不飽和ジカルボン酸アミド酸化
合物は、下記一般式(I) で表される。ただし、上記式中、Dは上記不飽和ジカル
ボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除い
た構造の2価の有機基を表し、R1は上記アミン化合物か
らアミノ基(NH2−))を除いた構造のn価の有機基を
表し、nは1〜6の整数を表す。このような不飽和ジカ
ルボン酸アミド酸化合物を得る方法は、下記一般式
(a) で表される不飽和ジカルボン酸無水物と、下記一般式
(b) で表さるアミンまたはポリアミンとを、好ましくは反応
系に対して不活性な有機溶媒等の存在下で反応させる
か、まるいは、無溶媒系で反応させることにより得られ
ることができる。
上記一般式(a)で表される不飽和ジカルボン酸無水
物は上記(2)の不飽和カルボン酸無水物からなる群の
中から選ばれた少なくとも1つであり、上記一般式
(b)で表されるアミンまたはポリアミンは上記(1)
のアミン化合物からなる群の中から選ばれた少なくとも
1つである。
前記一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸アミ
ド酸化合物を脱水閉環する際に脱水剤として用いられる
酸無水物としては、特に限定されるわけではないが、た
とえば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの
低級モノアルキルカルボン酸無水物等が挙げられる。こ
れら酸無水物は、単独で、または、複合数混合して用い
ることができる。
このような酸無水物と前記一般式(I)で表される不
飽和ジカルボン酸アミド酸化合物との配合比は、この発
明では特に限定されないが、不飽和ジカルボン酸アミド
酸化合物中のアミド酸基1当量当たり、酸無水物を1〜
5モルとするのが好ましく、2〜3モルとするのがより
好ましい。
この発明で使用される塩基性触媒としては、特に限定
されないが、たとえば、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルアミンなどの炭素数1〜10の
アルキル基を有するトリアルキルアミン類、N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジ
アザビシクロ〔5,4,0〕7−ウンデセン等が挙げられ
る。これらは単独で、あるいは、複数種混合して用いる
ことができる。
このような塩基性触媒と上記式(I)で表される不飽
和ジカルボン酸アミド酸化合物との配合比は、この発明
では特に限定されないが、不飽和ジカルボン酸アミド酸
化合物中のアミド酸基1当量当たり、塩基性触媒を0.01
〜0.5モルとするのが好ましい。
また、この発明で用いられる金属塩触媒としては、特
いに限定されるわけではないが、たとえば、塩化コバル
ト、炭酸コバルト、硫酸コバルト、ナフテン酸コバルト
などの2価または3価のコバルト化合物、酢酸ニッケ
ル、ニッケル(アセチルアセトナート)、炭酸ニッケル
などの2価のニッケル化合物、塩化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、酢酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウ
ムなどの2価のマグネシウム化合物、酢酸ナトリウムな
どの1価のナトリウム化合物等が挙げられる。これらは
単独で、あるいは、複数種混合を用いることができる。
このような金属塩触媒と上記式(I)で表される不飽
和ジカルボン酸アミド酸化合物との配合比は、この発明
では特に限定されないが、不飽和ジカルボン酸アミド酸
化合物中のアミド酸基1当量当たり、金属塩触媒を0.00
01〜0.2モルとするのが好ましい。
なお、この発明では、反応系に触媒として同塩基性化
合物と前記金属塩化合物の両方を加えることが必要であ
る。これは、前記不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物の
脱水剤存在下での閉環反応は、触媒として前記塩基性化
合物のみを用いた場合でも促進されるものであるが、反
応系に塩基性化合物に加えて金属塩化合物も添加するこ
とにより、塩基性触媒の触媒活性が高まって、反応効率
がアップし、より温和な条件下で反応が進行するからで
ある。なお、金属塩化合物自体は、前記閉環反応におけ
る触媒活性は弱い。すなわち、この反応において金属塩
化合物は助触媒として働くと考えられる。
この発明に使用される有機溶媒としては、特に限定は
されないが、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピ
ロリドン、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロ
フラン等が挙げられる。これらは単独で、あるいは、複
数種混合して用いることができる。
これら有機溶媒と前記式(I)で表される不飽和ジカ
ルボン酸アミド酸化合物との配合比は、この発明では特
に限定されないが、不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物
1重量部に対して、有機溶媒を1.0〜4.0重量部とするの
が好ましい。
この発明における脱水閉環反応の反応温度は、酸無水
物、触媒および溶媒の種類・量により異なるが、20〜10
0℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
前記一般式(I)で表される不飽和ジカルボン酸アミ
ド酸化合物を、脱水剤としての酸無水物、塩基性触媒お
よび金属塩触媒の存在下で脱水閉環すると、下記一般式
(III) で表される不飽和ジカルボン酸イミド系化合物が得られ
る。
しかし、この反応中、前記酸無水物が加水分解される
ため、副生成物として酸が生成する。たとえば、酸無水
物が下記一般式(c) で表されるアルキルモノカルボン酸無水物の場合、下記
一般式(d) R4COOH …(d) で表されるアルキルモノカルボン酸が副生成物として生
成する。
この発明では、このように副生成した酸を、下記一般
式(II) で表されるオルトエステルによりアルコールとエステル
に分解する。たとえば、前記酸無水物が前記一般式
(c)で表されるカルボン酸無水物の場合、前記オルト
エステルによる分解反応は、下記のようになる。
R4COOH+R2−COR3 → R4COOR3+R2COOR3+R3OH このようにして、酸が分解されて生成したアルコール
とエステルは、酸とは異なり、中和を必要としない。ま
た、通常、これらのアルコールとエステルは当該する酸
に比べて沸点が非常に低く、蒸留により除去することも
可能である。なお、副生成した酸を前記オルトエステル
で分解する際、場合によっては、あらかじめ、酸を蒸留
等によりある程度除去してから前記分解を行うことも可
能である。
この発明に使用できるオルトエステルとしては上記
(3)の化合物が挙げられる。これらは単独で、あるい
は、複数種混合して使用することができる。
このようなオルトエステルによる分解反応の反応温度
は、50〜130℃であることがより好ましい。
また、前記オルトエスルの使用量も、特に限定されな
いが、酸1当量当たり、1.0〜10.0モル程度が好まし
い。
なお、前記不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物の脱水
閉環反応にあたっては、前述した不飽和ジカルボン酸無
水物とアミンまたはポリアミンとの反応溶液から不飽和
ジカルボン酸アミド酸化合物を単離せず、その反応溶液
に脱水剤、塩基性触媒および金属塩触媒を加えて、前記
閉環反応を行うこともできる。もちろん、前記不飽和ジ
カルボン酸アミド酸化合物を反応液から単離粉末化して
使用してもよいことは言うまでもない。
以上のように、この発明にかかる不飽和ジカルボン酸
イミド系化合物の製法においては、前記閉環反応終了
後、副生成した酸をオルトエステルによりアルコールと
エステルに分解して除去するため、中和、水洗浄等の繁
雑な精製工程を省くことができ、精製工程自体を非常に
簡素にすることができる。そのため、精製工程中の不飽
和ジカルボン酸イミド系化合物のロスが減り、その収量
が高くなる。場合によっては、生成した不飽和ジカルボ
ン酸イミド系化合物を単離することなく、次の工程に使
用することができる。この場合には、不飽和ジカルボン
酸イミド系化合物の収量は100%となる。また、前記脱
水閉環反応が低温で進行し、かつ、短時間で終了するた
め、得られた不飽和ジカルボン酸イミド系化合物の純度
は高いものとなっている。
したがって、この発明により得られる不飽和ジカルボ
ン酸イミド系化合物は、高耐熱性および高純度の要求さ
れるプリント回路板用の積層板、および、成形材料など
に対して非常に有用なものとなる。積層板や成形材料を
つくる場合、不飽和ジカルボン酸イミド系化合物には必
要に応じて、その他の配合成分が適宜の割合で添加され
る。
この発明の製法により得られる不飽和ジカルボン酸イ
ミド系化合物を用いて前記積層板などを作製するには、
不飽和ジカルボン酸イミド系化合物を含浸させたプリプ
レグを用いると便利である。このプリプレグは、たとえ
ば、次のようにして作製される。すなわち、不飽和ジカ
ルボン酸イミド系化合物を溶媒に溶解させて必要に応じ
てその他の配合成分を適宜の割合で加えてワニスを調製
し、このワニスを基材に含浸させたのち、溶媒を蒸発さ
せて乾燥固化させたり、あるいは、さらに同化合物を半
硬化させたりしてプリプレグを作製するのである。前記
ワニスとしては、不飽和ジカルボン酸イミド系化合物を
合成して得たときの溶液をそのまま、あるいは、適宜の
成分を加えたりしてから用いることも可能である。ここ
で用いる基材としては、特に限定はなく、たとえば、ガ
ラスクロス、石英繊維布等の無機繊維布、芳香族ポリア
ミド繊維(アラミド繊維)布等の高耐熱性繊維布などが
用いられてもよい。これらの基材は、通常、カップリン
グ剤等で表面処理を施して用いられる。半硬化させると
きの温度は、120〜250℃が好ましい。この温度範囲より
も高いと成形が非常に困難となるおそれがあり、低いと
硬化反応が十分に進まないおそれがある。
前記積層板は、たとえば、次のようにして作製され
る。前記プリプレグを所望の枚数だけ重ね合わせ、必要
に応じて金属箔、回路形成された内層材などを重ね合わ
せ、積層成形することにより積層板が作製される。この
積層板は、この発明にかかる製法により得られた不飽和
ジカルボン酸イミド系化合物が使われているので、高耐
熱性であり、接着性、絶縁特性にすぐれるという利点が
ある。前記金属箔としては、銅、ニッケルなどの箔が用
いられる。
以下に、この発明のさらに具体的な実施例について、
比較例とあわせて説明するが、この発明は下記実施例に
限定されない。
−実施例1− 下記構造を有する不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物 (化合物名:N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレ
アミド酸)197g(0.5モル)をN,N−ジメチルホルムアミ
ド394gに溶解させ、これに、脱水剤として無水酢酸127.
5g(1.25モル)、金属塩触媒として酢酸ニッケル四水和
物0.2g(0.001モル)および塩基性触媒としてトリエチ
ルアミン10.1g(0.1モル)を添加したのち、60℃で1時
間反応を行った。反応終了後、20℃に冷却し、メタノー
ル8g(0.25モル)を添加して、未反応の無水酢酸を酢酸
と酢酸メチルに分解した。次に、その反応液に、オルト
エステルトとしてオルト酢酸メチル135g(2.25モル)を
添加して、100℃で30分間加熱した。加熱終了後、20℃
に冷却し、反応液中の酢酸量を液体クロマトグラフで測
定したところ、酢酸に相当するピークは見られなかっ
た。次に、反応液に500gの水を加えて沈澱を析出させ
た。この沈澱をろ別して乾燥したところ、、下記構造を
有する175gのN,N′−4,4′−ジフェニルメタン−ビス−
マレイミド(淡黄色粉末、収率98%)が得られた。
また、この化合物の純度を液体クロマトグラフで測定
したところ、90.9%であった。
−実施例2− 実施例1において、塩基性触媒としてトリエチルアミ
ンの代わりにN−メチルモルホリン10.1g(0.1モル)
を、金属塩触媒として酢酸ニッケル四水和物の代わりに
酢酸コバルト四水和物0.2g(0.001モル)をそれぞれ用
いるようにした以外は実施例1と同様にして脱水閉環反
応を行った。反応終了後、圧力20〜30mmHg、温度50〜60
℃で2時間蒸留を行った。蒸留終了後、残留物中に残存
する酢酸量を液体クロマトグラフで測定すると、8.95g
(0.15モル)であった。次に、前記残留物にオルト酢酸
メチル36g(0.3モル)を添加した後、100℃で30分間反
応させた。反応終了後、20℃に冷却し、反応液中の酢酸
量を液体クロマトグラフで測定したところ、酢酸に相当
するピークは見られなかった。次に、その反応液を、圧
力20〜30mmHg、温度50〜60℃で1時間蒸留したところ、
179gのN,N′−4,4′−ジフェニルメタン−ビス−マレイ
ミド(淡黄色粉末、収率100%)が得られた。この不飽
和ジカルボン酸イミド系化合物の純度を液体クロマトグ
ラフで測定したところ、90.5%であった。
−実施例3− 下記構造を有する不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物 (化合物名:N−フェニルマレアミド酸)191g(1モル)
をアセトン573gに溶解させ、これに、脱水剤として無水
酢酸153g(1.5モル)、金属塩触媒としてナフテン酸コ
バルト0.2g(0.001モル)および塩基性触媒としてトリ
エチルアミン10.1g(0.1モル)を添加したのち、60℃で
1時間反応を行った。反応終了後、実施例1と同様の精
製処理を行ったところ、下記構造を有する171gのN−フ
ェニルマレイミド(収率99%)が得られた。
また、この化合物の純度を液体クロマトグラフで測定
したところ、91.5%であった。
−比較例1− N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレアミド酸19
4g(0.5モル)をN,N−ジメチルホルムアミド394gに溶解
させ、これに、脱水剤として無水酢酸143g(1.4モ
ル)、金属塩触媒としてナフテン酸コバルト1.26g(0.0
04モル)および塩基性触媒としてトリエチルアミン10.1
g(0.1モル)を添加したのち、60℃で1時間反応を行っ
た。反応終了後、20℃に冷却し、反応液に500gの水を加
えて沈澱を析出させた。この沈澱をろ別し、水洗した
後、これに炭酸ソーダ水溶液を加えて中和を行った。中
和終了後、さらに水洗を行い、乾燥して、163gのN,N′
−4,4′−ジフェニルメタン−ビス−マレイミド(淡黄
色粉末、収率91%)が得られた。
また、この化合物の純度を液体クロマトグラフで測定
したところ、91.5%であった。
−実施例4− 実施例1で得られたN,N′−4,4′−ジフェニルメタン
−ビス−マレイミド143g(0.4モル)をN,N−ジメチルア
セトアミド107gに溶解させ、さらに、ジアミノジフェニ
ルメタン39.6gを加えて、80℃で2時間反応させた。得
られたワニスをガラスクロスに含浸させた後、150℃で
5分間乾燥してプリプレグを作製した。このプリプレグ
の樹脂含浸量は、全重量に対し50%であった。このプリ
プレグを4枚重ね合わせ、さらに、その両外側から銅箔
を重ね合わせ、温度140℃、時間60分間、圧力40kg f/cm
2で成形を行い、さらに、230℃で2時間キュアーを行
い、両面銅箔張積層板を得た。
−実施例5− 実施例4において、実施例1で得られたN,N′−4,4′
−ジフェニルメタン−ビス−マレイミドの代わりに、実
施例2で得られたN,N′−4,4′−ジフェニルメタン−ビ
ス−マレイミドを用いるようにした以外は実施例4と同
様にして、積層板を作製した。
−比較例2− 実施例4において、実施例1で得られたN,N′−4,4′
−ジフェニルメタン−ビス−マレイミドの代わりに、比
較例1で得られたN,N′−4,4′−ジフェニルメタン−ビ
ス−マレイミドを用いるようにした以外は実施例4と同
様にして、積層板を作製した。
実施例4、実施例5および比較例2で得られた積層板
のTgをTMA分析により測定した。また、これら各積層板
の層間(プリプレグ同士の間)の接着強度を測定した。
その結果を第1表に示す。
第1表にみるように、実施例4および実施例5で得ら
れた積層板は、比較例2で得られた積層板とほぼ同等の
性能を有することがわかる。
〔発明の効果〕
この発明にかかる不飽和ジカルボン酸イミド系化合物
の製法では、不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物を、脱
水剤としての酸無水物、塩基性触媒および金属塩触媒の
存在下で反応させるため、不飽和ジカルボン酸アミド酸
化合物の脱水閉環反応を低温かつ短時間で行える。その
ため、この製法によれば、高分子量成分が極めて少な
く、かつ、高純度の不飽和ジカルボン酸イミド系化合物
を得ることができる。さらに、この製法では、前記閉環
反応終了後、副生成した酸をオルトエステルによりアル
コールとエステルに分解して除去するため、前記酸の中
和等の繁雑な精製工程が不要であり、その結果、低コス
トで高収量の不飽和ジカルボン酸イミド系化合物を得る
ことができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50 C07D 209/00 - 209/96 B01J 31/02 - 31/04 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)のアミンおよびポリアミンから
    なる群の中から選ばれた少なくとも1つのアミン化合物
    と下記(2)の不飽和ジカルボン酸無水物からなる群の
    中から選ばれた少なくとも1つの化合物とを反応させて
    得られる不飽和ジカルボン酸アミド酸化合物を、脱水剤
    としての酸無水物、塩基性触媒および金属塩触媒の存在
    下で脱水閉環した後、副生成した酸を、下記(3)のオ
    ルトエステルからなる群の中から選ばれた少なくとも1
    つの化合物によりアルコールとエステルに分解して除去
    することにより、不飽和ジカルボン酸イミド系化合物を
    得るようにする不飽和ジカルボン酸イミド系化合物の製
    法。 (1)メタフェニレンジアミン、4−クロルメタフェニ
    レンジアミン、4,6−ジメチルメタフェニレンジアミ
    ン、パラフェニレンジアミン、2−クロルパラフェニレ
    ンジアミン、2,5−ジクロルパラフェニレンジアミン、
    2,6−ジクロルパラフェニレンジアミン、2,5−ジエチル
    パラフェニレンジアミン、5−クロル−2−メチルパラ
    フェニレンジアミン、テトラフルオロフェニレンジアミ
    ン、ペンタエチレンヘキサミン、4,4′−ジアミノジフ
    ェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
    3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,4,4′−テトラ
    アミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジ
    エチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジ
    エチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,
    3′−テトラクロル−4,4′−ジアミノジフェニルメタ
    ン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジア
    ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
    エーテル、4,4′−メチレンジ−o−トルイジン、アニ
    リン、エチルアニリン、ジクロロアニリン、クロロアニ
    リン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、3,3′−ジア
    ミノジフェニルスルホン、4,4′ジアミノジフェニルス
    ルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、1,3,5
    −トリアミノベンゼン、3,3′−ジアミノベンジジン。 (2)無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコ
    ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、お
    よび、これらのハロゲン置換体、アルキル置換体。 (3)オルトギ酸メチルエステル、オルトギ酸エチルエ
    ステル、オルトギ酸プロピルエステル、オルト酢酸メチ
    ルエステル、オルト酢酸エチルエステル、オルト酢酸プ
    ロピルエステル。
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