JP2851086B2 - 二方向形状記憶コイルばねの製造方法 - Google Patents

二方向形状記憶コイルばねの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は形状記憶合金からなり自発形状変化量の大き
い二方向形状記憶コイルばねの製造方法に関するもので
ある。
〔従来技術と課題〕
形状記憶合金は産業分野に広く用いられており、材料
形状は多種にわたるが、形状回復の際の変化量を大きく
できる形状という観点から効果的なコイルばねとして一
般に利用されている。
最もよく利用されるのが、第11図に示すように常温高
温相である母相の形状のみを記憶する一方向形状記憶の
コイルばね(1)とバイアスばね(2)とを組み合わせ
た二方向性素子としてである。しかしバイアスばねを必
要とするため材料コストの点やアクチュエーター等の設
計において寸法の小型化を実現できないなどの難点があ
る。
そこで高温相に加えて低温相であるマルテンサイト相
の形状も記憶する二方向形状記憶効果を利用したコイル
ばねが開発され上記の問題を解決する試みがなされた。
この二方向形状記憶コイルばねは、温度の上下に対して
可逆的に繰り返し変形動作するものである。具体的には
第1図に示すように(a)の低温において伸びているも
のが(b)の高温において縮み、また(c)の低温にお
いて伸び、(d)の高温において縮む形状変化を可逆的
に繰り返すものである。また上記とは逆に低温で縮んで
いるものが、高温で伸び低温で縮み、さらに高温で伸び
る形状を可逆的に繰り返すものである。
二方向形状記憶効果は、一方向形状記憶材料を強度に
変形したり、拘束状態で熱処理を行ったり、熱サイクル
を施したりすると現れることが知られている。
しかしながらこのような方法では二方向形状記憶コイ
ルばねの高温側と低温側の両方の形状の正確な記憶処理
を行うこと及び発生力や温度ヒステリシスの制御が困難
であった。しかも温度サイクルを繰り返すと、二方向形
状記憶特性が劣化する。
コイルばねの場合強加工を施すことが難しく高温側と
低温側の形状の差である自発形状変化量が小さいために
適用範囲が狭く産業上用いられることが少なかった。
また二方向形状記憶処理は手間がかかり、二方向形状
記憶コイルばねを量産できなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記の問題について検討の結果、比較的簡単
な方法により形状記憶コイルばねに自発形状変化量の大
きく、かつ記憶特性の優れた二方向形状記憶コイルばね
が得られる製造方法を開発したものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明は、形状記憶合金線をコイルばねに成形し形状
記憶熱処理を行った後、該コイルばねを曲率が逆転する
方向に再成形することを特徴とする二方向形状記憶コイ
ルばねの製造方法でありまた形状記憶合金線をコイルば
ねに成形し形状記憶熱処理を行った後、該コイルばねを
曲率が逆転する方向に成形し、しかる後該コイルばねに
強加工、拘束時効処理、温度トレーニング処理の内の一
つもしくは複数を行うことを特徴とする二方向形状記憶
コイルばねの製造方法である。
すなわち本発明は第2図に製造工程の概略を示すよう
に、先ずNi−Ti合金などの形状記憶合金線からなるコイ
ルばね(1)を図(a)に示すようにたとえば伸びた状
態にして所定の形状記憶熱処理を行った後、このコイル
ばねを図(b)に示すように曲率が逆転する方向に巻替
えを行った歪を与えるものである。この巻替えを詳しく
説明すると、第3図に示すように伸びた状態のコイルば
ね(1)をそのまま心棒(3)に通し、その一端を固定
端子(4)により固定し、別の一端を心棒(3′)の固
定端子(4′)に固定し、心棒(3′)を回転させ心棒
(3)のコイルばね(1)を心棒(3′)に密着状態の
コイルばね(1′)に巻替えを行うものである。この際
コイルばねの巻方向を変えるように巻替えを行うとさら
に効果的である。なお第4図は左巻きを右巻きにする巻
き方向を逆転させている。図において(b)は巻替え信
号状態を示す。上記巻変えによりコイルばねに大きな歪
を加えることができる。
さて上記のように巻変えたコイルばねはこの後強加
工、拘束時効処理、温度トレーニング処理の内から選ぶ
処理を単独もしくは複合して行なう二方向形状記憶処理
により、二方向形状記憶合金を作製する。
以上の工程を経て製造されたコイルばねは二方向形状
記憶効果の目安である高温時と低温時とのコイルばねの
自由長の差が大きく、温度サイクルに対して優れた二方
向形状記憶コイルばねが得られる。
本発明において用いられる形状記憶合金線はNi−Tiお
よびNi−Ti系合金あるいはCu−Zn−Al、Cu−Al−Niなど
のCu系合金その他公知の形状記憶合金が適用できる。こ
のうち自発形状変化量、耐食性などの点からNi−Tiおよ
びNi−Ti系合金の線が特に望ましい。
またコイルばねと同様な形状、機能を有する各種ばね
にも適用が可能であり、線の形も丸線、角線、異径線な
ど各種のものが適用できる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例について説明する。
実施例1 Ni49.5at%、Tiが50.5at%の組成のNi−Ti合金線をD/
d=9、ピッチ間隔5mm、n=10として、第2図(a)に
示す形状に成形した後、この形状で450℃に1時間保持
して形状記憶処理を行った。これを第2図(b)および
第3図に示すようにコイルばね(1)を心棒(3′)に
コイルばね(1′)を巻変え曲率が逆転したコイルばね
を作製した。次いでこのコイルばねに200mmまで伸ばす
引っ張り加工を施して二方向形状記憶処理を施した。二
方向形状記憶効果特性を調べるために高温時(120℃)
と低温時(20℃)でのコイルばね自由長変化を調べた。
この結果を第5図に示す。縦軸に自由長変化、横軸に高
温・低温の温度サイクルをとる。比較のため曲率を変え
ずに巻方向(巻いた後のコイルの進行方向)だけ変えた
コイルばねの自由長変化を示す。このコイルばねは高温
で縮み、低温で伸びる二方向性を示す。
本発明によるコイルばねは自由長変化が大きく、温度
サイクルに対しても安定した優れた二方向形状記憶特性
を示した。
実施例2 実施例1において作製した第2図(f)に示すコイル
ばねを再度曲率を変える巻変えを行なって(g)のコイ
ルばねを作製した。このコイルばねは高温で伸び、低温
で縮む二方向性を示す。このコイルばねの高温と低温で
の自由長変化を第6図に示す。図から明らかなように本
発明によるコイルばねは従来のものに比べ自由長変化が
大きくサイクルに対しても安定していることが確認され
た。
実施例3 実施例1と同様なコイルばね再成形後、コイルばね長
を200mmまで伸ばした後、160℃で30分の拘束時効処理を
行った。この結果コイルばねは高温で縮み、低温で伸び
る二方向性を示した。このコイルばねの高温(120℃)
と低温(20℃)での自由長変化を第7図に示す。図から
明らかなように本発明によるコイルばねは従来のものに
比べ自由長変化が大きくサイクルに対しても安定してい
るここが確認された。
実施例4 実施例3において作製した第2図(f)に示すコイル
ばねを再度曲率を変える巻変えを行って(g)のコイル
ばねを作製した。このコイルばねは高温で伸び、低温で
縮む二方向性を示す。このコイルばねの高温(120℃)
と低温(20℃)での自由長変化を第8図に示す。図から
明らかなように本発明によるコイルばねは従来のものに
比べ自由長変化が大きくサイクルに対しても安定してい
ることが確認された。
実施例5 実施例1と同様なコイルばね再成形後、コイルばね長
を200mmまで伸ばした後、そのまま拘束して120℃と20℃
の温度サイクルトレーニング処理を行った。この結果コ
イルばねは高温で縮み、低温で伸びる二方向性を示し
た。このコイルばねの高温(120℃)と低温(20℃)で
の自由長変化を第9図に示す。図から明らかなように本
発明によるコイルばねは従来のものに比べ自由長変化が
大きくサイクルに対しても安定していることが確認され
た。
実施例6 実施例5において作製した第2図(f)に示すコイル
ばねを再度曲率を変える巻変えを行って(g)のコイル
ばねを作製した。このコイルばねは高温で伸び、低温で
縮む二方向性を示す。このコイルばねの高温(120℃)
と低温(20℃)での自由長変化を第10図に示す。図から
明らかなように本発明によるコイルばねは従来のものに
比べ自由長変化が大きくサイクルに対しても安定してい
ることが確認された。
〔効果〕
以上に説明したように本発明によれば比較的簡単な方
法により、自発形状変化量が大きくかつ高温と低温の繰
り返しサイクルにおける形状を正確に記憶した二方向形
状記憶コイルばねが得られるもので工業上顕著な効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は二方向形状記憶コイルばねの動作を説明する
図、第2図は本発明の一実施例に係る二方向形状記憶コ
イルばねの製造工程を示す概略図、第3図および第4図
は本発明の製造工程中の曲率を逆転させる方法を示す側
面図、第5図、第6図、第7図、第8図、第9図、第10
図は本発明の二方向形状記憶コイルばねの温度サイクル
とコイルばね長さの関係を示す線図、第11図は一方向形
状記憶コイルばねの側面図である。 1……コイルばね、2……バイアスばね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−13551(JP,A) 特開 平3−13552(JP,A) 特開 平3−13553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/10 C22F 1/18 B21F 35/00 F16F 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状記憶合金線をコイルばねに成形し形状
    記憶熱処理を行った後、該コイルばねを曲率が逆転する
    方向に再成形することを特徴とする二方向形状記憶コイ
    ルばねの製造方法。
  2. 【請求項2】形状記憶合金線をコイルばねに成形し形状
    記憶熱処理を行った後、該コイルばねを曲率が逆転する
    方向に再成形し、しかる後該コイルばねに強加工、拘束
    時効処理、温度トレーニング処理の内の一つもしくは複
    数を行うことを特徴とする二方向形状記憶コイルばねの
    製造方法。
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